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长相思 lost you forever第29話西炎瑲玹(セイエンソウゲン)は赤水豊隆(セキスイホウリュウ)が来るのを待ちながら、祖父の戒めの言葉を思い出していた。『爺爺!小夭(ショウヨウ)を玉(ギョク)山にはやらないでください!』『瑲玹、今のお前では小夭を守ることはできぬ』小夭を愛するがゆえ自分の心を押し殺さねばならない瑲玹、そこへ豊隆が現れた。豊隆は私兵集めに苦心する瑲玹のため一度、赤水に戻って勇猛な男たちを連れて来るという。しかし瑲玹は反対した。実は西炎軍の糧秣(リョウマツ)と武器を盗まれ祖父が激怒、軹邑(シユウ)城にも戒厳令が敷かれている。豊隆は仕方なく年明けまで待つことにしたが、瑲玹の本当の不安は辰栄府にいる小夭と塗山璟(トザンケイ)が2人きりになることだった。五神(ゴシン)山に瑲玹から文が届いた。喜んだ阿念(アネン)は内容も知らず強引に父から瑲玹の文を奪い取ったが、瑲玹が辰栄馨悦(シンエイケイエツ)を娶ると知る。王族の縁談は政(マツリゴト)の駒だと分かっていても深く傷つく阿念。そこで瑲玹を諦めるため、思い切って父に婿選びを頼んだ。塗山璟は防風邶(ボウフウハイ)こと相柳(ソウリュウ)に呼び出され、歌舞坊の個室に入った。実は清水(セイスイ)鎮まで荷を運んで欲しいという。塗山璟は西炎の糧秣と武器を盗んだのが相柳だと分かった。「頼まれる義理はない」「これは取り引きだ」塗山璟は相柳が小夭を盾にして脅していると気づき、不快感をあらわにした。「取り引きの条件が小夭なら応じる気はない…だが荷を運ぶ件は引き受けた 小夭に弓術を教えてくれたことには感謝している、その恩を私が返そう」「代わりに恩を返すだと?小夭が承知するかな?」「私と小夭の問題だ、気遣いは結構、もちろん貴殿の意に染まぬなら断ってくれ」すると相柳は悔しさをにじませながら積荷を渡す時と場所を教えた。琴を習うという口実で密会を重ねる小夭と塗山璟。そんなある日、小夭は塗山璟の琴が聞きたいと頼んだ。しかし手首の怪我のせいで以前と同じように弾けなくなった塗山璟は困惑してしまう。すると小夭はもし腕前が落ちたとしても弾く喜びは変わらないと励まし、何より楽を学んだことがない自分には良し悪しなど分からないと笑った。「何を弾こうか?」「酒席で私が歌った歌を覚えている?」小夭は塗山璟の伴奏で山歌を歌った。木樨(モクセイ)園から聞こえて来る美しい琴の音。塗山璟の侍衛・胡珍(コチン)と侍女・静夜(セイヤ)は主が弾いていると気づき、思わず涙した。まさか再び主の琴を聞ける日が来ようとは…。皓翎では漪清(イセイ)園で阿念の婿探しの宴が開かれた。しかし結局、瑲玹しか目に入らない阿念にとって、宴はただの時間潰しでしかない。一方、小夭は瑲玹の心配をよそに塗山璟との蜜月に夢中になっていた。瑲玹は赤水豊隆と落ち合った。すると豊隆はいつの間にか赤水に戻り、霊力の強い兵士を連れてきたと報告する。瑲玹は呆然、なぜ何も言ってくれなかったのかと困惑した。「色恋より友情の方が大事だろう?内緒にして驚かせたかったんだ!」瑲玹の真意など知る由もなく、豊隆は満足げに友と肩を組んだ。小夭は赤水豊隆と辰栄馨悦に琴を披露することになった。そこで慌てて塗山璟から一番、簡単な曲を教えてもらったが、付け焼き刃の演奏は散々たる結果に終わる。豊隆は頭を抱え、小夭には別の才があると前置きし、今後は演奏を控えた方が良いと伝えた。すると率直な馨悦は従兄の名誉のためにも塗山璟が師だと言わないでくれと頼む。「上達は無理ね」「何ですって?!」小夭は思わず馨悦に木の実を投げ、追い回した。辰栄府で気の合う仲間たちと楽しい日々を送る小夭。しかし新年が近くなり、塗山璟は一族の祭祀に出席するため青丘へ戻らなければならなくなった。豊隆と馨悦の手前、小夭は別れを惜しむ時間がなかったが、静夜に塗山璟のための薬を持たせて戻る際、すれ違いざまに塗山璟から書き付けを受け取る。こうして後ろ髪を引かれる思いで帰路に着いた塗山璟。一方、恋文を読み終えた小夭はしばし雪を眺めながら愛しい人に思いを馳せた。新年早々、五王・西炎徳岩(セイエントクガン)と七王・西炎禹陽(セイエンウヨウ)のもとに中原に詳しい沐斐(モクヒ)が訪ねてきた。沐斐は瑲玹が王姫を辰栄府に滞在させていると報告、これも赤水豊隆を取り込むためだという。「実は王姫大将軍のある噂を耳にしました、ただならぬことなのでご相談に…」小夭は馨悦に誘われて梅林の宴に参加した。曋淑恵(シンシュクケイ)たちは歓迎してくれたが、小夭は王姫である自分がいると氏族の娘たちに気を遣わせると気づき、護衛の苗莆(ビョウホ)と散策に出かけてしまう。雪景色の梅林はひときわ美しかった。「次は瑲玹と一緒に来ましょう…苗莆?」実は小夭は誰かが仕掛けた陣に捕まり、苗莆と離ればなれになっていた。すると梅の木の枝が伸びて鞭となり、小夭に襲いかかる。「私を殺したいの?!だったら隠れていないで出てきたら?!」その時、梅の木の鞭が消え、今度は狼が現れた。つづく( ๑≧ꇴ≦)えーっ?!バイ◯ハザード?wそれにしてもまさか相柳が17にやり込められちゃうなんてねw
2024.09.27
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长相思 lost you forever第28話小夭(ショウヨウ)は西炎瑲玹(セイエンソウゲン)のため辰栄(シンエイ)城の招きに応じた。屋敷で暇を持て余していた辰栄馨悦(シンエイケイエツ)は大歓迎。父や兄は忙しく、母も長年、赤水(セキスイ)にいるため、遊び相手になって欲しいという。すると豊隆(ホウリュウ)が駆けつけ、小夭の好物だと聞いた瓜を山のように差し入れた。しかし兄の贈り物を見た馨悦は呆然、もっと王姫に似つかわしい貴重な品を贈れと叱られてしまう。そこで豊隆は酒豪の小夭と猴妖(コウヨウ)王が霊果(レイカ)で醸した名酒・猴児酒を酌み交わし、龍石が埋め込まれた賽子を振って遊んだ。豊隆は小夭と意気投合、こんなに気の合う女子は初めてだと妹に報告した。「小夭は何もできない令嬢とは違う、賽子に飲み比べ、拳遊び…最高の遊び仲間だ」頭を抱えた馨悦は兄に贈り物禁止を言い渡し、小夭のことは自分に任せるよう告げた。馨悦は役立たずの兄の代わりに化粧道具を小夭に贈った。「使い方を教えてあげる、西炎城の流行りも知ってるわ」実は馨悦は幼い頃、人質として西炎城に住んでいた。父が中原を任されたのを機に馨悦と母が西炎城に居を移し、兄は赤水に残ったという。「西炎の重臣たちは元辰栄王族の父に中原を任せることに反対だったから… それから数十年、二心なしと判断されて帰郷を許されたの」馨悦は思えばあの時、瑲玹と小夭に出会っていればと悔やんだ。しかしその時にはすでに小夭は天下をさすらい、瑲玹は人質として皓翎(コウレイ)にいたという。小夭は囚われの身だったという馨悦に親近感を持ち、それ以来、2人は姉妹のように親しくなった。赤水豊隆は練兵に要する費用と物資を従兄弟である塗山璟(トザンケイ)に調達してもらった。当然、私兵の件は一切もらしていないが、塗山璟も薄々、勘づきながら、何も聞かず力を貸してくれたという。瑲玹は塗山璟の協力に感謝しながらも、求める見返りが財物でないことを思うと複雑だった。塗山璟が辰栄府に滞在することになった。小夭は馨悦から従兄がいても構わないかと聞かれ、思わず防風意映(ボウフウイエイ)も一緒か確認してしまう。「いいえ、独りよ、彼女を招くものですか」馨悦はしかめっ面になり、優しい許嫁という意映の評判など嘘だと訴えた。「あれは芝居よ、前に長老の誕辰祝いで一族が勢揃いしたの 殿方たちは雪の中、狩りに出かけたんだけど、璟哥哥は怪我で行けなかった でも彼女は狩りに出かけてしまったわ、しかもなかなか山から戻って来なくてね 璟哥哥のことなんてどうでもいいのよ、彼女の目的は将来の族長夫人の座だから」その夜、豊隆と馨悦は中庭の涼亭で小夭と塗山璟を歓待した。小夭は馨悦が披露した琴の腕前を絶賛、しかし馨悦は塗山璟には及ばないという。「琴を弾くの?聴いたことがないわ」塗山璟は小夭の言葉に困惑したが、その時、豊隆が芸を見せたいと席を立った。すると豊隆は火球を作り曲芸を披露、最後に大きな花火となって空中で弾けてしまう。その時、激しい火花で一瞬、視界が見えなくなった。小夭はその隙に思わず隣の席にいた塗山璟を引き寄せ、頬に口づけしてしまう。宴もたけなわ、小夭たちもすっかり酔いが回った。すると馨悦が次は小夭の番だと急かす。小夭は琴棋書画に通じていないと断り、その代わり山歌(サンカ)を披露することにした。舞いながら歌う小夭の妖艶な姿、その様子を眺めながら、塗山璟はふと15年だけ待つと誓った小夭との口づけを思い出す。しかしそんな2人の密かな情愛の裏で、清水鎮へ戻った相柳(ソウリュウ)は再び血生臭い日々に身を投じていた。翌朝、小夭は馨悦に塗山璟が琴の名手なのか尋ねた。馨悦は従兄に勝る子弟などどこを探してもいなかったと絶賛したが、行方知れずとなって戻ってきた時には人となりが一変、更に脚と手に深手を負ったのか、琴も弾けなくなっていたという。「璟哥哥の法術の源は琴の音だから霊力も半減したわ」そこで小夭は手ほどきならできるはずだと訴え、この機に塗山璟から琴を習いたいと言った。「私から頼んでみるわ」一方、瑲玹は鈞亦(キンエキ)から逐一、小夭と豊隆の様子を聞いていた。報告によれば2人は意気投合、しかしまるで兄弟のようだという。瑲玹は失笑したが、実は辰栄府に塗山璟も滞在していると聞いて動揺した。「4人で宴に興じたそうです 誰も侍女を帯同しておらず詳細は不明ですが、王姫は上機嫌でお戻りになったとか」「上機嫌?」すると鈞亦は辰栄馨悦からまた文が届いていると報告した。念のためまた多忙を理由に断るか確認したが、瑲玹は珍しく会うという。瑲玹と馨悦は山間の川辺で逢い引きした。そこで馨悦は素足をさらし、水につけて自慢の赤い爪を見せる。瑲玹は咄嗟に目をそらしたが、馨悦は小夭の足の爪にも同じ紅い色を塗ったと話した。すると瑲玹は馨悦の足を見つめながら、小夭の爪を想像して顔をほころばせる。「小夭が宴で山歌を歌ったの、歌ってあげる」瑲玹は小夭が隣で自分のために歌っているような錯覚に陥ったが、ふと現実に戻った。「遅くなった、公務が山積みゆえ戻らねば…」琴を習うという口実で塗山璟と2人きりで過ごすことが叶った小夭。そこで小夭はまず塗山璟の脚の傷を確認した。王姫となった今なら妙薬や霊薬を入手することも可能となり、見た目なら綺麗に戻せるという。「君は気になる?」その時、小夭が塗山璟の傷痕にそっと唇をつけた。「私が気にすると思う?」「なら治さなくていい」実は馨悦の話を聞いた小夭は傷のせいで塗山璟が周りから奇異の目で見られることを心配していた。しかし塗山璟は小夭がそばにいれば、他人の目など関係ないと微笑む。すると愛しい小夭の顔をながめているうち我慢できず、唇を重ねてしまう。「君を独り占めしたくなった…もしくは君があまりに美しいから…」小夭は塗山璟の腕に抱かれながら、女子の幸せを実感していた。つづく(๑•̀ㅂ•́)<想い人が来てくれたのに賽子ふっちゃうやつ、いる?ザワザワ(*´・ω)(ω・`*)ザワザワ(๑•̀ㅂ•́)<いねーよなあ?!
2024.09.26
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长相思 lost you forever第27話青丘(セイキュウ)に戻った塗山璟(トザンケイ)は防風意映(ボウフウイエイ)を居所に呼び、改めて退婚を申し出た。「想い人がいる、君とは夫婦(メオト)になれない」そこで意映の名誉を守るため祖母の養女となるよう提案、塗山氏から嫁がせ、防風家は赤水(セキスイ)氏・西陵(セイリョウ)氏・鬼方(キホウ)氏の後ろ盾を得られると懐柔した。しかし意映は塗山璟がこのために奔走していたと知り激怒、出て行ってしまう。塗山璟は退婚に向けて着実に準備を進めていた。しかし祖母の態度が一転、三月後に意映と祝言を挙げるよう命じられてしまう。「どんな女子を連れて来ても構わない、だけどそれは意映を娶ったあとの話よ」塗山璟は祖母が初めから退婚する気はなかったと知って深く失望し、生涯、妻を娶らないと反発した。「ならば私は青丘を離れ、軹邑(シユウ)城へ行きます」塗山璟は修繕が始まった紫金(シキン)宮に自ら資材を届けた。小夭(ショウヨウ)には文を送ったがなしのつぶて、そこで西炎瑲玹(セイエンソウゲン)に言づてを頼みたいと懇願する。瑲玹はなぜ小夭が怒っているのか分かっていた。辰栄(シンエイ)府での誕辰祝いの時、小夭は赤水豊隆(セキスイホウリュウ)が妹に代わって塗山璟の許嫁である防風意映に頭を下げるのを目の当たりにし、しかも未だ退婚もままならない。「どの面下げて小夭に会うつもりだ?…悪いが協力できぬ、話は退婚してからだ」一方、小夭は再会した防風邶(ボウフウハイ)こと相柳(ソウリュウ)から再び弓術を習い始めた。すると相柳は腕を上げた小夭に新しい弓を買うよう勧め、早速、2人で塗山氏の武器鋪を訪ねる。店では高価な品を求める客だけが中庭で武器を試せるようになっていた。「こちらが金天(キンテン)氏によって作られた上等な弓です」ちょうどその頃、塗山璟も武器鋪に到着した。しかしなぜか防風意映が現れる。意映は太夫人から塗山璟が柳(リュウ)族長から宴に呼ばれたと聞いて武器鋪で待ち伏せしていた。匕首が好きな柳族長のため、塗山璟が必ず贈り物を買いに来ると踏んだのだ。「あなたと話したくて…ゥッ…(ノ_<)」意映は思わず涙すると、人目を気にした塗山璟は仕方なく意映を連れて店に入った。( ๑≧ꇴ≦)意映の泣き芸がwww防風意映は中庭で仲睦まじく弓を選ぶ小夭と二兄の姿を見て驚いた。王姫の話では二兄から弓術を習っており、今日は新しい弓を探しに来たという。思いがけずまた意映と一緒のところを見られて気まずい塗山璟。すると意映は二兄が王姫に弓を贈ると誤解し、夫人気取りで二兄の弓代も払って欲しいと塗山璟に頼んだ。しかし小夭は青丘公子から自分への贈り物のようだと断り、相柳に目配せする。「そうでしょう?″邶″?」相柳は小夭の顔を立て、話を合わせた。「これは私からの贈り物でね、払われては困るんだ」小夭は相柳の機嫌を損ねたと気づき、後を追いながら必死に謝った。すると相柳は急に立ち止まって小夭に弓を渡し、代金を返せと迫る。小夭は急いで銭袋を渡したが、相柳はそのまま物乞いに投げ渡した。「あなたが怒っているのは私に利用されたせいよね?2度としないから許して…」しかし相柳は黙って帰ってしまう。小夭の寝殿に塗山璟の式神がやって来た。式神は懸命に誘い出そうとするが、小夭は優柔不断な塗山璟への怒りが収まらない。実は小夭はその時、相柳の機嫌を直そうと美しい料理に見立てた猛毒を作っていた。翌日、小夭は相柳を歌舞坊へ呼び出し、男装で出かけた。全く味わう様子もなく、あっという間に猛毒料理を平らげてしまう相柳。「…これで許してくれる?弓術の稽古を続けたいの」「少し軹邑城を離れる、帰りを待て」小夭は相柳が清水鎮の陣営に戻るのだと気づき、改めて防風邶ではなく相柳なのだと実感する。「ずっと防風邶のままなら良かったのに(ボソッ」しかし相柳は急に立ち上がり、黙って帰ってしまう。防風意映は青丘に戻って塗山篌(トザンコウ)と密会、塗山璟が意地でも退婚するつもりだと泣きついた。「このままでは笑いものになる、早く始末して! いい?藍枚(ランマイ)も片付けるのよ?そうすれば私が妻になれ…」「どうかしているぞ?!」塗山篌は妻を殺せと迫られ驚き、しばらく会わないと言った。その夜、宴の帰り道で塗山璟の馬車が刺客に襲われた。侍衛たちは応戦したが、その隙に槍が車を直撃、塗山璟は刺されてしまう。一方、塗山璟の式神はまだ小夭の寝殿に居座っていた。「まだいたの?!帰らないと霊獣の餌にしちゃうから!」|ω・`)}}}}} gkbrすると瑲玹が慌ててやって来た。塗山璟が刺客に襲われ、生死も分からないという。小夭は激しく動揺したが、塗山璟に何かあれば式神も消えるはずだと気づいた。小夭と瑲玹は草凹(ソウオウ)嶺に駆けつけた。すると庭で小夭が来るのをじっと待っている塗山璟の姿がある。小夭は思わず駆け出し、瑲玹のことも忘れて塗山璟に抱きついた。「何しているの?!心配させないで!」「やっと来たね」塗山璟は式神が小夭を連れて来るのを昨夜からずっと待っていた。そのため宴には分身を行かせ、帰路で殺されたのは塗山璟の分身だという。「哥哥…2人きりで話をさせてくれる?」「ならばあとで迎えに来よう」瑲玹は仕方なく小夭を残して引き返した。小夭は自分の心にいるのが塗山璟だけだと安心させた。もちろん縁を切るつもりはないが、それでも防風意映と一緒にいる姿を見るのは辛いという。すると塗山璟は正直に祖母から意映を娶るなら想い人を迎えてもいいと言われたと報告した。小夭は怒って背を向けたが、塗山璟は小夭を抱きしめ、必ず解決すると約束する。「15年だけ待つと約束したわ、婚約解消できる日を待ってる」小夭は悶々としながらも、葉十七(ヨウジュウシチ)として心を通わせた塗山璟をあきらめられなかった。「でも身の安全を優先して、敵に情けは無用よ?」「分かった」青丘の塗山府は悲しみに包まれた。防風意映は塗山篌が自分のために手を下してくれたと喜んでいたが、塗山篌から寝台にいるのは分身だと知らされる。すると翌日、本物の塗山璟が元気な姿で祖母の前に現れた。太夫人は涙ながらに喜び、必ず刺客を捜し出して罰するよう告げる。「奶奶、ご心配なく、必ず見つけます」侍衛の胡珍(コチン)は軹邑城の58店舗の使用人を全て入れ替えた。塗山篌は後ろ暗いせいか協力的だったという。一方、塗山篌と防風意映は密室にいた。「ごめんなさい、私が軽率だったわ」「気にするな、私たちは夫婦も同然、どんなことも共に乗り越えよう 失ったものは大きいが、五王と七王は私の味方だ」すると意映は今後はおとなしく塗山篌に従うと約束した。塗山璟が刺客を捜し出すという名目で塗山篌の配下を一掃。そのせいで五王たちは配下を失い、嫌でも中原での勢いが衰えることになった。瑲玹はなぜ塗山篌がこんな下策に出たのか分からなかったが、確かに成功すれば塗山璟を亡き者にし、同様に刺客捜しという名目で塗山璟の配下を一層するつもりだったのだろう。そんな中、赤水豊隆が瑲玹に小夭との仲を取り持って欲しいと頼んだ。実はいくら誘っても小夭に断られてしまうという。「分かった、話してみるが、決めるのは小夭だぞ?」紫金宮に戻った瑲玹は早速、小夭を訪ねた。実は赤水豊隆から口添えを頼まれたという。「確かに豊隆は良い人よ、でも哥哥に似てるの、考えが透けて見える 私に会いたいのも最も条件が良い女子だからよ」「私に似ているから不満だと?」瑲玹は思わず小夭の頭を小突くと、会ってみなければ本心は分からないと諭した。「私の顔を立てて会ってくれぬか?」瑲玹は辰栄山で密かに私兵を鍛えていると明かした。すると小夭は従兄のため豊隆に会うと了承してくれる。実は瑲玹は内心、小夭が愛する塗山璟と一緒にいるより、打算的な豊隆といてくれる方が安心だった。つづく( ゚ェ゚)17も17だけど、女主も大概だよね~惚れた弱みで利用されちゃう相柳もどうなんだろう…
2024.09.24
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神隐 The Last Immortal第6話「慕情と嫉妬 」阿音(アイン)の希望で主従契約を解くことにした梧帰(ゴキ)。しかし梧帰は古晋(コシン)の正体が元啓(ゲンケイ)だと気づき、東華(トウカ)上神が結んだ契約が2人を守るためだと知って断念した。あきらめきれない阿音だったが、古晋は前輩を煩わせまいと半ば強引に阿音を連れて谷をあとにする。静幽(セイユウ)山に戻った古晋は阿音に無理をさせないよう自分で傷を癒すことにした。すると古晋を探していた阿音に見られてしまう。古晋のたくましい背中は阿音の乙女心をくすぐった。「もう許してあげる、″飼い慣らし法″は使わないわ、これからは友だちよ」古晋は慌てて上着を羽織ると、阿音に遮天傘(シャテンサン)を貸した本当の理由を明かした。確かに孔雀公主は憧れの人であり恩もあるが、貸したのは公主の父親への深い愛情を感じたからだという。「俺のように父親を失って欲しくなかった」古晋の父はかつて劫に見舞われた時、妻と息子を残して独りで立ち向かい、古晋は最後に会うこともできなかったという。「大きな責任を果たそうとするほど自分のために生きられなくなるんだ」「じゃあ古晋は自分のために自由に生きて!」古晋と阿音はようやくわだかまりが解け、大澤山で弟子たちといつまでも楽しく過ごそうと約束する。実は阿音はこの日、気に入った仙君の名を書き留めるために持っていた眷仙(ケンセン)録にこっそり古晋の名を書き入れた。古晋は翌日、阿音を連れて妖界の賭場にやって来た。次の目的地は前天帝・晨輝(シンキ)が修練を積んだという帰墟(キキョ)山、主守は娘・晨敏(シンビン)だという。古晋は今日の賭物が仙妖大戦で紛失した晨家の紋章だと分かり、これを手土産にするつもりだ。しかし新参者の2人は元手がないからと門前払いされてしまう。その時、紫月(シゲツ)山で姿を消した鴻奕(コウエキ)が現れた。「阿音!元気だったか?これからは阿玖(アキュウ)と呼んでくれ、一緒に船遊びに行かないか?」古晋は阿音につきまとう鴻奕に苛立ちを隠せなかったが、阿音は鴻奕なら妖界に顔が利くと気づいた。「阿玖、私たちを賭場に入れてくれない?」「賭場?」鴻奕は困惑したが、この機会を利用して邪魔な古晋を阿音から引き離そうと思いついた。鴻奕は元手がなくても顔だけで賭場への入場を許された。しかしあえて古晋を自分が捕らえた仙奴として元手にするという。古晋は紋章を手に入れるため黙って従ったが、店に入った鴻奕は阿音の気を引くため、まだ妖丹が痛むと訴えた。心配した阿音は霊力で治療しようとしたが、古晋が咄嗟に止める。「阿音、言ったはずだ、その治療術は寿命を縮める」「阿音の寿命を縮める?」何も知らなかった鴻奕は驚いたが、その時、賭け事が始まった。最初の賭物は晨家の家紋だった。晨家と言えば仙家で最も権威ある名家、しかし白芷(ハクシ)天后が仙妖の戦を起こし、儀合(ギゴウ)から罰を受けて没落したという。それから200年間、娘の晨敏公主は独りで帰墟山を守っていた。鴻奕は古晋たちの目的がこの紋章だと気づいたが、古晋は目的を明かさないまま勝負に名乗りを上げる。すると賭け事で負けなしの賭博王・三眼虎(サンガンコ)が現れた。古晋は三眼虎が若い公子に目がないと知り、自分の主を賭けると言い出した。「私の主人はあなたをお慕いしています、あなたの気を引きたくて私をここへ…」焦った鴻奕だったが、阿音から協力して欲しいと頼まれ、仕方なく同意してしまう。喜んだ三眼虎は紋章を譲り、仙奴の古晋も解放、鴻奕を連れて自分の閨房へ消えた。鴻奕の協力で古晋は無事に家紋を手に入れた。安堵する阿音だったが、その時、次の賭物が登場、孔雀公主・華姝(カシュ)が捜していた碧血霊芝(ヘキケツレイシ)だと分かる。碧血霊芝は10万年に1度しか採れない貴重な宝で、これが九州八荒で唯一となった。阿音の心配をよそに古晋は華姝のため再び勝負に名乗りを上げ、見事、賭けに勝つ。その時、突如、鷹族公主・宴爽(エンソウ)が現れ、古晋から碧血霊芝を奪った。しかし古晋が咄嗟に宴爽の腕をつかんで奪い返し、2人で争奪戦が始まる。するとちょうど三眼虎に解放された鴻奕が戻って来た。内傷が完治していない古晋は劣勢を強いられ、思わず阿音に碧血霊芝を投げ渡した。「早く逃げろ!」驚いた宴爽は阿音に向かって鞭を振り下ろしたが、鴻奕が助けてくれる。鴻奕は狐の妖術で宴爽を惑わすことに成功、阿音は術が聞いているうちに宴爽を乾坤袋の中に閉じ込め、賭場をあとにした。その頃、青霖(セイリン)の復活で妖族に紛れていた魔族たちが主のもとに集結していた。青霖は早速、灼影(シャクエイ)に火鳳玉を奪うよう指示、九淵熬獄(キュウエンゴウゴク)の結界を解くという。九淵熬獄は混沌によって生まれたが、真神の神元が弱り始め、7万年前に緩みが生まれていた。その際、上神が兵解の法で結界の穴をふさいだものの、今も弱点であることに変わりはないという。「真神の神元があれば穴を破ることができる 三首火龍の体内に帝眷(テイケン)の神元の一部がある、火鳳玉さえあれば時間はかかるまい 九州八荒に魔物たちを再来させ、三界を滅ぼす!」ここは三重天にある玄昌(ゲンショウ)宮。虎族の二殿下・林墨(リンボク)は鴻若(コウジャク)との蜜月の頃を思い出しながら、寂しさを紛らせていた。その様子を物陰から密かに見ていた青霖は憤怒、姿を消してしまう。…やっと会いに来たのにまだ鴻若を?…かつて林墨と鴻若は恋仲だった。林墨は虎族にとって最も大事な心頭虎骨(シントウココツ)を鴻若に贈ったが青霖が横恋慕、思わぬ罠を仕掛ける。青霖は妖丹が砕けて余命わずかだと嘆き、林墨に嫁ぐことが唯一の願いだと訴えた。責任を感じた林墨は青霖の最後の願いを聞き入れることにしたが、鴻若は深く傷つき、心頭虎骨を返して別れを告げる。しかし仙妖大戦で青霖と対峙した鴻若は全て青霖の企みだと分かった。青霖はとうに魔道に落ち、林墨を騙して罪悪感を利用、結婚したと知る。実は青霖は同じ九尾狐でありながら公主である鴻若を妬んでいた。結局、無理やり結婚しても林墨の心には鴻若しかいない。ちょうどその頃、鴻若の兄夫婦は魔族の企みにより仙族に殺されてしまう。青霖から残酷な知らせを聞いた鴻若は呆然、その時、儀合が魔道に落ちて同族を殺した罪で青霖を捕らえ、九淵熬獄の極刑に処したのだった。あれから月日は流れた。狐族長老の鴻媚(コウビ)は孤独な狐王を心配し、真心は得がたいものだとそれとなく諌める。確かに鴻若は林墨への恨みを手放したが、今となっては時が経ち過ぎていた。「成り行きに任せるわ…また彼が来た時に考える」一方、古晋と阿音は帰墟山のふもとに到着していた。そこで古晋はこっそり鴻奕の背中に霊符を貼って動きを封じ、別れを告げる。「本当に行かないの?…分かったわ」鴻奕が動けないとは知らず、阿音は残念そうに古晋の後を追いかけた。…グッ、そう簡単にこの九尾狐の身体を封じられると?…すると鴻奕は咄嗟に妖気となって阿音の乾坤袋に隠れてしまう。しかし宴爽がいることをすっかり忘れていた。鴻奕は口やかましい宴爽にへき易、術で口を封じてしまう。古晋は阿音に梧桐の木を感じるか試させた。すると阿音は不思議とまた梧桐の木を探し当てる。古晋は難なく3つ目の仙元を手に入れたが、その時、思いがけず怒号が響き渡った。「誰だ!帰墟山に侵入するとは!つづく( ˙꒳˙ )え?ベン?!ベンだよね@虎編集のせいなのか字幕だから仕方がないのかワケが分からないwだからつまらないのかな~
2024.09.23
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キタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!いよいよ配信予定が出ました!原作は《大漠情殤》ハニーちゃんは大砂漠一の美女で没落部族の公主・皇北霜イールンは北境領主・霍擎雲復讐を胸に和親に向かったハニーちゃん道中で3人の男と出会い、やがて砂漠の覇権争いに巻き込まれるとか、巻き込まれないとか…ごめん、適当w9月29日より配信予定!いつもながらあくまで予定!でも絶対、配信してね!w
2024.09.22
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神隐 The Last Immortal第5話「ぎくしゃくする主従」紫月(シゲツ)山の梧桐(ゴトウ)の木は九淵熬獄(キュウエンゴウゴク)にあった。しかし九淵熬獄には弑神花(シシンカ)が生い茂り、強力な魔物が多く、古晋(コシン)の素性を知る水凝(スイギョウ)神獣・碧波(ヘキハ)は絶対に連れて行けないと拒む。すると三首火龍(サンシュカリョウ)が古晋を連れ出し、自分の身体に帝眷(テイケン)真神が神元を残したため、結界を開けることができると教えた。「ただし頼みがある」その頃、阿音(アイン)は祖先にあたる碧波に水凝獣一族復興の手がかりを聞いていた。碧波の話では凝雲(ギョウウン)山が水凝獣の故郷で、そこにある懸(ケン)湖が霊力の源だという。しかし7万年前の仙魔大戦で水凝獣一族も凝雲山も滅びていた。阿音はどうすればいいか尋ねようとしたが、碧波は酔い潰れて眠ってしまう。その時、背後から破裂音が聞こえた。…九淵熬獄?…火龍が結界を開けた。ただし魔物が出て来こないよう1刻しか開けられないという。古晋は用を済ませたらすぐ戻ると約束したが、そこへ阿音が駆けつけた。「仙元を探すなら私も行くわ」「お前は無理だ」実は古晋は万物を隠すことができる神器・天梭衣(テンサイ)を持っていた。そこで衣をまとって姿を消してみせる。すると阿音も天梭衣の中に潜り込み、一緒に結界へ飛び込んだ。阿音は禁谷の時と同じように何かを感じ、梧桐の木のある場所が分かった。2人は神気に守られた梧桐の木のもとへ到着、早速、火鳳玉を招喚する。すると梧桐の木に宿っていた2つめの仙元が火鳳玉の中に入った。古晋は火龍との約束で梧桐の心(シン)を取らねばならず、阿音を待たせた。手持ち無沙汰で付近を見回す阿音、その時、偶然、梧桐の木の根元で負傷した狐を見つける。そこで霊力で傷を治してやることにしたが、古晋はその狐が鴻奕(コウエキ)だと気づいた。梧桐の心を手に入れることに成功した古晋。しかしそのせいで神気が消え、いきなり弑神花が襲いかかって来た。焦った古晋は咄嗟に狐を抱いていた阿音に天梭衣を投げたが、代わりに弑神花の標的になってしまう。すると九淵熬獄に封印されていた青霖(セイリン)が火鳳玉の存在を感じ取った。阿音は狐を乾坤袋に隠して飛び上がり、古晋にしがみついた。思いがけず抱き合いながら天梭衣に包まれた古晋と阿音…。2人はふいに互いを意識して照れくさくなってしまう。しかし今は一刻も早く逃げ出さねばならなかった。その頃、ようやく目を覚ました碧波は結界口が開いたことに気がついて慌てて駆けつけた。火龍は碧波がなぜここまで激しく動揺するのか分からなかったが、実は古晋は帝眷(テイケン)と儀合(ギゴウ)の息子で三界唯一の真神・元啓(ゲンケイ)だという。「(((ʘ ʘ;)))何だって!あ、でもダイジョウブダイジョウブ~ 天梭衣があるから魔物には見つからないって…」「あれは仙力が低いとすぐ消える!古晋の仙力ではもう消えてるぞ!」「∑(⊙∀⊙)ヒャーーーッ!」碧波の予感は的中、結界口に向かっていた古晋と阿音を覆っていた天梭衣が消えた。すると青霖に見つかり、襲われてしまう。古晋は阿音をかばって一撃をくらい、激しく血を吐いた。しかし倒れた衝撃で身体から元神(ゲンシン)剣が飛び出し、主の血を浴びて長剣に変貌する。古晋は神剣で反撃、さすがの青霖も神気に怯んだ。その時、鴻奕が加勢する。🦊<つかまれ!巨大な狐と化した鴻奕は2人を背中に乗せると結界口へ飛び込んだ。まさか九尾に青霖が身を隠し、一緒に九淵熬獄から脱出してしまったとも知らずに…。古晋と阿音が九淵熬獄から戻った。碧波と火龍は安堵したが、阿音は危険が迫っても古晋が遮天傘(シャテンサン)を開かなかったことから、孔雀公主に貸してしまったと気づく。古晋は激怒する阿音をなだめようと仮病を使ったが、本当に倒れてしまう。阿音は碧波の山小屋で古晋を治療した。しかし霊力では治せず、碧波から教えてもらった術を使う。無事に意識を取り戻した古晋は阿音に感謝したが、阿音の怒りは収まっていなかった。「なぜ相談もなく傘を貸したの?! 鏡花水月(キョウカスイゲツ)の術が習得できないのも心が一つじゃないからよ!」その時、阿音はうっかり″主人を飼いならす方法″を落としてしまう。「はっ!お前だってこんな手を!」「たっ、たまに読むだけよ…そんなに嫌ならさっさと仙元を集めておさらばしましょう!」古晋に詰め寄られた阿音は捨て台詞を吐いて出て行ってしまう。阿音が古晋を罵りながら森を散策していると、鴻奕を見つけた。しかし外傷は治ったが内傷が酷く、まだ人像には戻れない。「さっき古晋の文句を?ウッ…内丹さえ無事なら俺が代わりに…」そこで阿音は碧波が教えてくれた術で鴻奕を治療した。すると偶然、阿音を探しに来た古晋がその様子を目撃、慌てて止める。「こっちへ来い!」阿音が碧波から学んだ術は自分の内丹を燃やして癒す術だった。古晋は自分を犠牲にするなと叱ったが、阿音は皆を救うのが水凝獣の本分だという。「あなたにも使ったわ?」「俺にも?!」その時、鴻奕が現れ、古晋にわざとぶつかって走り去った。山小屋に戻っても口喧嘩が絶えない古晋と阿音。すると火龍は不仲なら主従の関係を解消すべきだと助言した。「半神以上の仙君なら解けるさ…あ、私は妖界の半神だから駄目だが」互いを意識し始めながら、なかなか心を一つにできない古晋と阿音。古晋は不貞腐れて散策に出かけると、ようやく人像に戻った鴻奕と出くわした。鴻奕は古晋が阿音をいじめていると非難、阿音を引き取りたいという。「主従関係を解いて自由にしてやれよ」「手を出す気だろう?!」「阿音を助けてやりたいだけだ」そこで古晋は鴻若(コウジャク)との約束で鴻奕を連れ帰らねばならないと挑発した。阿音を巡って古晋と鴻奕は一触即発となった。互いに武器を招喚、しかし鴻奕が突然、狐に戻って走り出してしまう。拍子抜けする古晋だったが、振り返るとそこに阿音がいた。阿音は逃げてきた狐を抱き上げ、狐に八つ当たりするなと怒って行ってしまう。翌朝、古晋と阿音は気まずかったが、仙元を集めるためにも急いで静幽(セイユウ)山へ戻った。しかしいざ乾坤袋から狐を出そうとすると鴻奕がいない。確かにここに入ったはず、阿音は乾坤袋の痕跡を調べて欲しいと懇願した。すると鴻若は確かに鴻奕がいたと納得する。「あの子が素直に戻ってくるはずないわね…」そこで鴻若は約束通り聖地である谷へ入ることを許した。「ただ…あの方を煩わせないように」古晋と阿音は鴻火(コウカ)の案内で静幽谷の梧桐の木がある小島にやって来た。しかし樹霊である梧帰(ゴキ)が不在のため、鴻火が探しに向かう。古晋は梧帰と聞いてぴんと来たが、その時、阿音が近くに仙元を感じると言った。「またか?」「何よ?信じないの?じゃあどちらが先に見つけるか競争よ!古晋はあっち!」古晋はまだ阿音が怒っていると気づき、仕方なく探しに出かけた。独りになった阿音は湖にある結界を見つけ飛び込んだ。すると小島の真下にある裏側の世界に入り、そこでも梧桐の木を見つける。その時、阿音は突然、仙縄で縛り上げられ、梧帰が現れた。「お前が?体にあの者の一部が…」しかし主従関係のおかげで古晋が駆けつけ、阿音を助けた。梧帰は激怒、古晋と阿音を″無幻の境″へ閉じ込めてしまう。古晋は暗器に襲われながらも水の術で脱出できると気づいた。そこで阿音と主従で使える術・鏡花水月を試すことにする。すると危機に直面して初めて2人の心が通じ合い、抜け出すことに成功した。梧帰は梧桐の木に閉じこもって仙元を渡そうとしなかった。そこで古晋は阿音に聞かせるふりをして7万年前の鳳皇だった鳳熾(オウシ)の逸話を聞かせる。…梧帰は梧桐島にある双子の祖木の1本で、7万年目、鳳皇の鳳熾と恋仲だったしかし神魔大戦で鳳熾が死亡してしまう諦めきれない梧帰は密かに散った鳳熾の仙元を集めて復活させ、記憶を封じて伴侶にしたそのせいで次の火鳳が誕生できず、鳳族は鳳熾の記憶を戻してしまう鳳熾は一族を守るため梧帰との別れを選び、涅槃に帰したこの一件で梧帰は鳳族に追放され、狐王に拾われる深く傷ついた梧帰は静幽谷で暮らすことを選び、この3万年間、幼い狐を育てていた…古晋の話では本来、梧帰は鳳熾を下界へ連れ出した罪で玄雷の極刑に処されるところだったという。しかし鳳熾は梧帰を守るため祖神と取引していた。「でもな~前輩のいない所でこの話をするのもな~」古晋がわざともったいぶると、続きが聞きたい梧帰が現れた。…鳳熾は祖神に全て自分の罪だったと訴え、梧帰は無関係だとかばった『私は涅槃に入り、火鳳を誕生させます しかし″火鳳は1人″という定めは何とぞ撤廃を…お願いです これ以上、孤独な火鳳を生まず、梧帰のように悲しむ者が出ぬように』こうして鳳熾は愛する梧帰を守り、独り天雷を受けた…梧帰は鳳熾の悲願を知って涙した。すると火鳳の仙元を手放し、2人を連れて結界を出る。阿音は仙界の半神である梧帰なら主従契約を解けると気づき、この機会に頼んでみることにした。早速、梧帰は解いてやることにしたが…。つづく
2024.09.20
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长相思 lost you forever第26話逍遥(ショウヨウ)丹の禁断症で倒れた西炎瑲玹(セイエンソウゲン)。翌朝、目を覚ますと付き添ってくれた愛しい小夭の寝顔があった。瑲玹は自分の気持ちを抑えきれず顔を近づけたが、その時、小夭の寝言を聞いて我に返る。「哥哥…悲しまないで、私がいる、いつでもそばにいるわ…」「お前さえいれば悲しくない」すると小夭がふいに目を覚ました。小夭は慌てて瑲玹の脈を確認、すでに体内の毒は消えていた。小夭は瑲玹の断薬に付き合って酒を断っていた。すると回復した瑲玹が溜まっていた青梅酒を小夭の寝殿まで届けてくれる。塗山璟(トザンケイ)は瑲玹たちが中原に来てから決まって15日に15本の青梅酒を送っていた。「中原に来てからもう幾月も経つのね…」瑲玹はなぜ塗山璟が″15″という数字にこだわるのか分からなかったが、小夭は塗山璟との約束を明かさなかった。( ๑≧ꇴ≦)しつこいようだが17あざとい!wそんなある日、塗山璟は式神の白狐を使いに出し、小夭を秘密の場所へ招待した。ここは山守さえ知らない草凹(ソウオウ)嶺、偶然にも茅葺きの小屋を見つけて室内を整えておいたという。「1000年経ってもまだ霊力が残っているんだ」「…以前の主が誰か知ってる?あの悪名高き赤宸(セキシン)よ」小夭は紫金(シキン)宮にある典籍で赤宸の居所だった草凹嶺が禁地であると知っていた。しかし贅の限りを尽くしたと思われている赤宸がまさかこんな質素な暮らしをしていたとは…。塗山璟は何も知らなかったとは言え、小夭を敵の家に案内してしまった自分の愚かさを嘆いた。すると小夭はすでに過去のことだと笑ってくれる。「気に入ったわ、今後はここを私たちの隠れ家にしましょう」↓チワワではないw一方、辰栄(シンエイ)府では馨悦(ケイエツ)がちょうど瑲玹に会いに行くという兄を引き留めていた。いくら目的のためとは言っても身を慎むよう瑲玹に忠告して欲しいという。しかし赤水豊隆(セキスイホウリュウ)は妹を冷静に諭した。「一途な男を望むなら瑲玹はやめておけ、大志を抱く瑲玹が女子に左右されるとでも? 瑲玹に嫁ぎたいなら独占や優先を望まぬことだ、今後はもっと辛い経験をする」瑲玹と赤水豊隆は人目につかない山奥で再会を果たした。そこで瑲玹はいずれ赤水一族を率いる豊隆が本当に先をも知れぬ自分に付き従うつもりか確認する。豊隆は迷わず拝跪、瑲玹に忠誠を尽くして決して後悔しないと誓った。すると瑲玹も片膝をつき、今後は義兄弟となって共に戦おうと約束する。一方、小夭は塗山璟の侍女・蘭香(ランキョウ)が塗山篌(トザンコウ)の密偵だったと聞いた。しかし塗山璟は父親代わりだった兄をどうしても罰することができないという。塗山篌が真相を知るまでの400年余り、兄弟は仲が良く、誰よりも優しい兄だった。「あなたは優し過ぎて優柔不断だけど、そこがあなたの良いところだわ 私の祖父母や両親、哥哥は決して情に流されたりしない、私にも同じ血が流れている あなたを好きなのは私と違うからね」塗山璟は小夭の口から初めて自分を好きだという言葉を聞き、天にも昇る心地だった。夜更けになってようやく紫月宮に戻った小夭。しかし瑲玹が寝ずに帰りを待っていたと知り、土産を渡して機嫌を取った。実は塗山璟が例の九尾狐の尾で霊器を作ってくれたという。「あなたに化ける人形よ、身代わりに使えば瀟瀟(ショウショウ)や金萱(キンケン)でさえ見破れないわ」塗山璟に嫉妬する瑲玹はいらないと拒んだが、そうとは知らず、小夭は自分の敵である狐の尾を持つのが嫌なのだと誤解した。「哥哥の身を守るためなの、私を安心させると思って、ね?お願い!」小夭に懇願された瑲玹は仕方なく受け取ったが、塗山璟はもやは葉十七(ヨウジュウシチ)ではないと釘を刺した。族長となれば意のままにならないことも多く、塗山璟の退婚は難しいだろう。「お前が傷つくのを見たくないんだ、それからこれを…防風邶(ボウフウハイ)の素性を調べたぞ」小夭と瑲玹は赤水豊隆と辰栄馨悦の誕辰祝いに招かれた。辰栄府には氏族の子弟が勢揃い、すると馨悦は厳密に言えばいずれも親戚だという。瑲玹と小夭も例外ではない。確かに王族や氏族は何代も家のための婚姻が繰り返され、系譜をたどれば必ずどこかでつながっていた。小夭は複雑すぎて分からないと笑ったが、どうりで西炎王が頭を痛めたわけだと納得する。…中原の氏族には複雑なつながりがある、普段は親しくなくとも存亡の危機となれば団結するに違いないわ…赤水豊隆と塗山璟が一局、手合わせしていると、妹が気を利かせて小夭を連れて来た。しかし小夭に気づいた防風意映(ボウフウイエイ)が横から入り、二兄がずっと待っていたと半ば強引に連れて行ってしまう。小夭は防風邶に成り済ました相柳(ソウリュウ)が堂々と祝宴に顔を出したことに驚愕した。「どうしてここに?!…ちょっと聞きたいことがあるの」すると小夭は皆が見ている前で防風邶を誘って出て行ってしまう。中庭に出た小夭は相柳を連れて築山に入った。辰栄馨悦の話では築山には陣が敷かれ、迷宮に続いているという。「正体を知られたらどうするの?!私でも救えないわ」「ここは中原だ、中原は辰栄軍と西炎王の間では中立、私を捕らえたりしないだろう」すると相柳はまた小夭に弓を教えたいという。一方、馨悦も瑲玹を誘って築山に入った。兄から警告されてもどうしても瑲玹を諦められない馨悦、そこで自分から瑲玹に唇を重ねてしまう。皓翎(コウレイ)に戻った阿念(アネン)は傷心のあまり閉じこもっていた。皓翎王は塞ぎ込んでいる娘を心配して含章(ガンショウ)殿を訪ねたが、原因は瑲玹だと分かる。「あんな人じゃなかったのに…」話を聞いた皓翎王はおそらく瑲玹が敵を欺くために芝居をしていると見抜いた。今後は氏族の力を借りるため、婚姻を利用することになるという。阿念は父のように利用せずとも王になれると言ったが、実はそれが原因で″五王の乱″が起きたのだった。当時、皓翎王は白虎部と常曦(ジョウギ)部から妃を迎えなかったが、そのせいでどちらも謀反を支持したという。築山から迷宮へ入った小夭と相柳。そこで小夭は瑲玹からもらった防風邶の身上書を読んで相柳を追求することにした。…北方の防風氏の族長の次男である防風邶、しかし母親の身分が低く幼少より虐待を受け、若くして賭博を覚え、返しきれぬほどの借金を作る、そして極北の地に身を隠して45年、家族はもはや死んだと思っていたが、防風邶が突如、大量の氷晶を手にして戻り、家族から歓迎される、それ以来、防風邶は病に苦しむ母親を看病し、母も最期は笑顔で逝った、一族はそんな防風邶に感じ入り、その孝行をたたえた…「本物の防風邶は極北で死んだのね?」「そうだ…私を選んだのは彼の方だ」相柳は氷晶を探しに向かった極北の地で凍死寸前の防風邶と出くわした。すると防風邶は自分の霊血も霊力も全て譲ると約束し、その代わり母の面倒を見て欲しいと頼んだという。一族も凍傷で顔が変わったという防風邶に何の疑いも持たず、相柳は約束通り防風邶の母に孝行して看取っていた。「だがこの取り引きで得をしたのは私だった」卵からかえった相柳は目を開けた時にはもう母はいなかった。しかし防風邶のおかげで母を持ち、母に愛され、母子の情を知ったという。「約束を果たしたのになぜ防風邶の振りを?」「ふりだと?ふっ、私は常に自分らしく生きている、呼び名など意味はないさ」「そうね…どちらも本質は冷淡だもの」騙されていた小夭は思わず嫌みを言うと、その時、相柳は塗山璟が来たことに気づいた。そこで小夭に誰かが自分たちを見張っていると吹き込み、氷鋲を渡す。「稽古の成果を見せてもらおう」小夭が振り向きざまに氷鋲を投げると、塗山璟は素手で受け止めた。「璟?あなただったの?!」小夭は相柳にからかわれたと気づき、憤慨して帰ってしまう。焦った塗山璟は追いかけようとしたが、相柳が邪魔をした。「向こうでうちの妹妹が探していたぞ?」赤水豊隆は独り、塗山璟との一局を解いていた。そこへ瑲玹と辰栄馨悦が戻ってくる。豊隆は瑲玹を誘って碁の続きを始めたが、侍女が駆けつけ、詹雪稜(センセツリョウ)が許嫁の樊彰(ハンショウ)と帰ったと報告して下がった。かつて詹氏は赤宸に一族を滅ぼされ、1人残った娘を親しかった樊氏が世話をしている。馨悦は思わず赤宸を残虐な魔物だと罵ったが、ちょうど小夭と帰って来た防風邶が聞いていた。「他はどうあれ辰栄氏が赤宸を罵るべきではない」「なぜいけないの?」「君の父上に聞いたらどうだ?借りがあるのはどちらか」するとちょうど防風意映が現れ、馨悦から二兄の態度を厳しく非難されてしまう。塗山篌と璟兄弟が戻って来ると、ちょうど防風意映と辰栄馨悦が言い争っていた。赤水豊隆は同志たちに亀裂が入らぬよう妹を止めたが、面白くない馨悦は出て行ってしまう。その様子を小夭は不安そうに門の近くで見ていた。するとそれとなく瑲玹が寄り添い、黙って小夭に飴を勧める。「甘いわ」瑲玹は小夭の機嫌を直して手を取り、そこで祝宴を切り上げた。瑲玹と小夭は帰り道、長い石段を登っていた。「小夭、これから私はお前のよき哥哥になる、辛い思いはさせたくない 少なくともどちらか1人くらいは幸せでなければ…」「どうしたの?何があったの?」「私が選んだこの道が幸せに続くと思うか?…これからは哥哥としてお前を守る」この時、小夭はまだその意味を深く考えずにいた。つづくΣ(⊙∀⊙)ハッ!そう言えば小夭を虐待していたのは狐だよね17の一族ではないの?野狐は青丘とは無関係?
2024.09.18
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神隐 The Last Immortal第4話「妖界の洗礼」大澤(ダイタク)派の祝宴に孔雀公主・華姝(カシュ)がやって来た。華姝の目的は鷹族の侵略を防ぐため東華(トウカ)神君から仙器・遮天傘(シャテンサン)を借りることだったが、すでに神界へ昇ったと知る。そこで後を引き継いだ閑善(カンゼン)と交渉したが、実は遮天傘は古晋(コシン)の仙器になっていた。その頃、古晋は明日の下山準備のため阿音(アイン)と居所に戻っていた。しかし気がつくと阿音の姿がない。実は阿音は修練の成果を試すべく、こっそり古晋からどこまで離れられるか試していた。古晋は仕方なく阿音を探しに行くことにしたが、その時、思いがけず憧れの華姝が現れる。「会いたかったわ、ますます凛々しくなったわね いつぞやは私が火鳳玉を見たいと言ったことを黙っていてくれてありがとう」「そうだ、私の手紙は届きましたか?返事がなかったから…」華姝は手紙など忘れていたが、咄嗟に話を合わせた。「百鳥(モモトリ)島は絶えず鷹族に脅かされているでしょう? 同族のことが気がかりで返事を忘れていたの、ごめんなさい」華姝は古晋の自分への情を利用し、遮天傘を手に入れることにした。しかし本題に入ったところで阿音が駆けつけ、邪魔されてしまう。「師兄はこれから火鳳の仙元を探しに妖界へ行きます、だから遮天傘は貸せません まだ霊力が公主より下だし、修練をさぼってばかりで… 師兄から遮天傘を取ったらまるで…まるで…えーと… はげ頭から毛を抜いた…何だっけ?産毛?」すると華姝は護身用なら無理強いはできないとあきらめ、帰って行った。古晋は慌てて引き止めようとしたが、阿音の放った霊符のせいで盛大に転んでしまう。古晋は華姝の前で面目を潰され、罰として阿音を一晩中、走らせた。すると青衣(セイイ)が阿音から頼まれていた仙獣の伝説本を差し入れに来る。阿音はその中から″主を飼いならす方法″という書を選び、走りながら回避策を学んだ。…主に合わせてこそ成功する…翌朝、阿音は遅れて山門に到着した。古晋はまだ機嫌が悪そうだったが、試しに古晋が食べたがっていた人間界の菓子を招喚する。すると阿音の手作りの菓子を食べた古晋は元気になり、わざわざ石段で阿音の手を引いてくれた。…あれだけで機嫌が治ったの?秘伝書おそるべし…その時、閑善と閑竹(カンチク)が弟子たちを連れて見送りにやって来た。実は東華神君からまずは天帝と懇意の狐王がいる静幽谷へ、次に紫月山へ行くよう指示があったという。「無事を祈る」その頃、妖界では狐族の鴻奕(コウエキ)が叔母の目を盗み、再び生死門に挑んでいた。やがてついに強者たちを退け突破、三重天へ入ることが叶う。鴻奕の父と母は仙族の罠にかかって戦死していた。その時に仙族に奪われた寂滅輪(ジャクメツリン)を取り戻すため、ここ黒澤(コクタク)池で己の武器を磨かねばならない。その様子を密かに魔族・灼影(シャクエイ)が見ていた。すると突然、池から寂滅輪が現れ、鴻奕は罠とも知らず追いかけて行ってしまう。灼影は九淵熬獄(キュウエンゴウゴク)の結界口にいた。三界では同族の内丹を取り込んだ者が魔道に落ちるが、年に1度だけ妖龍(ヨウリュウ)半神が新たな魔を九淵熬獄へ誘い込む。灼影は寂滅輪で鴻奕を誘き出すと、鴻奕は寂滅輪を追いかけて結界に飛び込んだ。九淵熬獄に誘い込まれた鴻奕の前に青霖(セイリン)が現れた。鴻奕は太刀打ちできない相手だと気づいて動揺したが、その時、亡き父の声が聞こえてくる。…我が子よ、東南の梧桐の木へ行け、梧桐は神界の木、魔は侵せぬ…すると防御一辺倒だった鴻奕は隙を見て逃げ出し、梧桐の木に避難した。狐王・鴻若(コウジャク)は三重天に入った鴻奕が消息不明だと報告を受けた。そこで鴻奕を探しに三重天にある紫月山へ向かったが、ここは帝眷(テイケン)真神の修練場、山を守る三首の龍に追い返されてしまう。そんな中、大澤派の弟子・古晋と阿音が静幽山に現れた。2人が訪ねて来た事情は分かったが静幽谷は狐族の聖地、長老たちはたとえ東華上神が自ら来ても近づくことはできないと反発する。しかし鴻若は鳳淵(ホウエン)が愛娘の仙元を散らした古晋を擁護したことを思い出し、おそらく出自に理由があると察した。…古晋なら紫月山に入れるかもしれぬ…そこで鴻若は許可する代わりに紫月山で失踪した鴻奕を探し出すよう条件を出した。「紫月山は三重天にある妖界の始まりの本源よ?」「はお、どちらにしても紫月山の梧桐の木にも行く予定でした、探して参ります」古晋と阿音が紫月山へ向かう道中、偶然、鷹族に襲われる華姝を見かけた。驚いた古晋は思わず遮天傘を開いて華姝を守り、鷹族公主・宴爽(エンソウ)は手が出せなくなってしまう。宴爽は仕方なく配下たちと引き上げたが、華姝が手に入れた霊芝は壊れていた。華姝は鷹王との戦いで仙元を負傷した父を助けるため、唯一、傷を治せる碧血霊芝(ヘキケツレイシ)を手に入れた。しかし鷹族の霊芝を奪われた宴爽が激怒し、襲われたという。古晋は負傷している華姝を心配し、近くの宿で休ませることにした。そこで華姝はこの機会に古晋から遮天傘を借りようと企み、阿音を遠ざける。阿音は公主のため霊薬を取りに行かされ、華姝の陣に封じ込められた。そうとは知らず古晋は一族を守るため孤軍奮闘する公主に同情し、遮天傘を貸してしまう。目的を果たした華姝はこっそり術を解くと、やっと阿音が帰って来た。(* ゚ェ゚)<あれ?戻れた!この宿、変なのよ〜古晋は華姝を阿音に任せて霊薬を煎じに向かった。するとしおらしかった華姝は一変、阿音には高圧的な態度でさっさと帰ってしまう。阿音は華姝の人柄に疑念を持ったが、古晋は華姝のこととなると盲目だった。↓ちょ…おま…( ̄▽ ̄;)古晋と阿音は紫月山に到着した。確かに紫月山はとても妖力が強く、これではおいそれと近づけないだろう。しかし古晋はなぜか自信ありげだった。すると山の守り龍が現れ、2人はあっけなく吹き飛ばされてしまう。「待ってくれ〜!碧波(ヘキハ)の知り合いなんだ!」その時、水凝(スイギョウ)神獣の碧波が駆けつけ、龍を止めた。三首火龍(サンシュカリョウ)は侵入者が碧波の知り合いだと知って人像(ヒトガタ)に戻った。古晋は九尾狐を見かけなかったか尋ねたが、痕跡はないという。そこで紫月山にある梧桐の木の場所を聞いた。しかし碧波の様子がおかしい。「あるにはあるが…絶対に連れていけない」実は梧桐の木は九淵熬獄にあった。つづく( ゚ェ゚)はて?仙界と妖界は敵同士なのになぜ孔雀族はOKなのか?またよく分からないまま進む〜w
2024.09.15
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神隐 The Last Immortal第3話「仙元捜しの旅」禁谷に閉じ込められて10年、古晋(コシン)はようやく禁足を解かれ、喜び勇んで衍天(エンテン)殿に駆けつけた。「師尊にご挨拶を!師兄にご挨拶を!」宗主・東華(トウカ)は元気そうな古晋の姿を見て安堵したが、仙僕にされた阿音(アイン)はあからまに不機嫌だった。「師尊だから何?偉いからって私をいじめるの?!これじゃ家族と団らんもできない」しかし水凝獣(スイギョウジュウ)一族は7万年前の神魔大戦で滅んでいた。家がないと知った阿音は落胆したが、東華はまだ主従契約を解けない代わりに神力を与えて阿音を仙人に昇格させてくれる。「阿音、大澤山のために梧桐島にいる鳳隠(ホウイン)の仙元を集めてくれぬか 集まったら主従契約を解いて正式に大澤山の弟子にしよう」古晋はてっきり鳳隠が復活したおかげで解放されたと思っていたが、実際は何かの理由で鳳隠の仙元が三界に散ってしまったという。東華の見立てでは仙元の1つがこの大澤山にあり、それを見つけることで残り8つの行き先が分かると期待した。そこで古晋と阿音に主従で協力して修練できる鏡花水月(キョウカスイゲツ)の術の巻を授ける。「2人が習得して心が通じてさえいれば別行動ができるぞ」↓( ゚Д゚)( ゚Д゚)<別行動?!マジっすか?!古晋が挨拶を終えると、外で待っていた大澤(ダイタク)派の弟子たちが再会を喜んだ。仲間外れの阿音はふて腐れていたが、実は弟子たちの目的が自分だと知る。「青衣(セイイ)から聞くよりずっと愛らしいな~ そうだ、これはお近づきの印に…今日から我らは家族だ」「家族?」すると弟子たちは古晋を押しのけ、次から次へと阿音に贈り物を渡した。その夜、古晋は阿音を連れて自分の居所に戻った。1日も早く自由になりたい阿音は早速、修練しようと言ったが、古晋は眠いと拒む。「そんな調子じゃ華姝(カシュ)公主も振り向かないから!」「なぜそれを?!」「酔っ払って話してた」実は阿音は化身する前から見聞きしたことを全て覚えていた。古晋は思いがけず阿音に弱みを握られ、しぶしぶ修練に付き合う。こうして始まった古晋と阿音の新しい生活。しかし翌朝も古晋は朝食を食べ終わるとすぐ寝台に戻って休憩してしまう。阿音は怠けてばかりの古晋に落胆し、自分の仙途が心配になった。すると青衣(セイイ)が確かに向上心がないが師叔は良い人だとかばう。「一生の仙侶になるわけじゃないし、少し我慢して」「仙侶?…よくぞ言ってくれたわ!」阿音は鳳隠の仙元を探し出して自由の身になれば、いずれ非凡な仙君と巡り会えると期待に胸を膨らませた。妖界では狐族の鴻奕(コウエキ)が鍛錬のため三重天(サンジュウテン)に入ろうとしていた。そのためには生死門を突破する必要があったが、鴻奕はいきなり門番に捕まってしまう。すると狐王の叔母・鴻若(コウジャク)が駆けつけ、鴻奕を門の外へ引っ張り出した。「生死門の向こうは歴代の妖族の強者が…」「止めなければ突破できたのに!」鴻奕は叔母を恨んでいた。鴻奕の両親は仙妖大戦で亡くなり、叔母の鴻若が狐王を引き継いで確かに繁栄させている。しかし大戦当時、鴻若は虎族の林墨(リンボク)と密会していたせいで戦に遅れ、兄を助けられなかった。「だから王兄と王嫂の代わりにあなたを守らなくては…」鴻若は反抗する鴻奕を無理やり連れ帰ったが、その様子を密かに魔族の灼影(シャクエイ)が見ていた。阿音は念のため禁谷の森も探そうと訴え、強引に古晋を連れて来た。しかし古晋はここにあるならとうに見つけていると呆れて昼寝を始めてしまう。阿音はその間に自分の卵があった場所へ戻り、もう一つの卵を取り出した。…阿羽(アウ)、独りで寂しかったでしょう?いつも一緒だったのに私が古晋に拾われて置いてけぼりにしてしまった、でも安心して、今日は連れて帰るから…すると主従関係のせいで引っ張られた古晋が現れた。「卵を隠していたのか?!」古晋は思わず阿音を引き戻したが、驚いた阿音はうっかり卵を落としてしまう。阿羽の卵は勢いよく転がり、やがて谷に落下して止まった。卵が落ちた谷は偶然にも神界が作った剣塚だった。驚いた古晋は阿音を安全な場所で待たせ、剣塚に入って卵を無事に保護する。しかしうっかり剣気で手を切り、血が流れた。すると古晋の血に反応して剣塚に封印されていた剣霊が出現。それは古晋の母である儀合(ギゴウ)の古帝(コテイ)剣が三界に落ちてできた混沌の剣霊だった。古晋は真神になるつもりがなかったが、剣霊は古晋に従うと決めて勝手に取りついてしまう。そこで剣指で招喚してみると、思いがけず短剣が飛び出した。「これが?さっきの巨大な神剣?」「…武器は主の実力によって変わるんだ(ボソッ」古晋は自分の剣をこれから″元神(ゲンシン)剣″と呼ぶことにした。阿音は妹の卵を助けてくれたお返しに水凝獣の治癒の霊力で古晋の傷を治した。嬉しそうに阿羽の卵を抱きかかえる阿音、その時、地響きがしたかと思うと、付近の崖が崩れ始める。すると壊れた剣塚からこつ然と梧桐の木が現れ、驚いたことにその木から鳳隠の仙元が見つかった。一方、東華は厳しい修行の末、ついに上神となった。そこへちょうど鳳凰の元神を手に入れた古晋と阿音が戻って来る。元神はすでに火鳳玉に入っており、剣塚の梧桐の木にいたという。鳳凰は古来より梧桐に住んでいたことから、東華は鳳隠の仙元も三界にある上古の梧桐に宿ったのだと気づいた。しかし東華でも知っているのは他に3本だけだという。「狐族の聖地である静幽(セイユウ)谷、紫月山の九淵熬獄(キュウエンゴウゴク) 先の天帝・晨輝(シンキ)が修練を積んだ帰墟(キキョ)山…あとはひたすら探すしかない」すると東華は古晋と阿音に自分が作った仙丹を授け、さらに古晋には護身用に仙器・遮天傘(シャテンサン)を譲った。「これは半神より下位の者では壊せぬ、そなたを守ってくれるだろう」その時、天への道が開かれ、東華はゆっくり昇り始めた。「古晋よ、鎮魂塔に入った鳳隠の肉体がいつまでもつか分からぬ、急がねばならぬぞ」東華の上神を祝う宴が開かれ、大澤山に多くの仙人が集まった。阿音はこの機会に理想の仙侶を求めてめぼしい仙君に声をかけてみたが、全く相手にされない。しかしめげずに次の仙君に声をかけたところ、古晋が慌てて呼び戻した。「奴を誰だと?!」すると阿音が古晋の仙僕だと気づいて霊風(レイフウ)がやって来た。阿音が声をかけたのは古晋の天敵だった。「これはこれは〜ろくでなしの二世、仙力の低い仙僕まではべらせて、やれやれ でもお似合いだな、確かろくでなしも昔、高嶺の花を追いかけていたっけ 仙僕が身の程知らずの夢を見るのも仕方ないか~」(˘・з・˘)<ねえ、この人はなぜ口汚いの?( ゚ロ゚)はぁ?(˘・з・˘)<だから口が臭いのね、やだ何その髪?変なの~ねえ行きましょう?(`ω´ )何だとーっ?!霊風は阿音の暴言に激怒、すると古晋は阿音がまだ霊風の凄さを知らないからだと釈明した。「悪かったな…皆に紹介する!こちらは万儀(バンギ)山の少主・霊風だ 実力は私と五分五分のできそこないだが、大口を叩かせたら私も歯が立たぬ」霊風は思わず拳を振り上げたが、古晋はここがどこか忘れたのかと迫った。「お前が手を上げたら大澤山の弟子たちに袋叩きにされるぞ?」「チッ!覚えてろよ!」霊風は仕方なく引き下がった。(* ̄꒳ ̄).oO(転べばいいのに~阿音が思わず悪態をつくと、なぜか霊風は盛大に転んで皆の笑い者になった。そんな騒ぎの中、古晋はうっかり孔雀族の公主・華姝の来訪を見逃してしまう。つづく( ゚ェ゚)古晋が火鳳玉を持ってたの?いやそれより神界の門は閉じてるのに入れるのねw
2024.09.15
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长相思 lost you forever第25話小夭(ショウヨウ)の寝所に現れた仮面の男。小夭は恐る恐る仮面に手をかけたが、その男は防風邶(ボウフウハイ)だった。防風邶は叔父たちに追われているという。しかし防風家は叔父たちに与したはず、なぜ追われているのだろうか。ともかく小夭は薬を与え、今にも倒れそうな防風邶に寝台を譲った。一方、五王の息子・西炎岳梁(セイエンガクリョウ)は刺客の捜索のため西炎瑲玹(セイエンソウゲン)の寝殿に乗り込んでいた。しかし瑲玹は逍遥(ショウヨウ)丹の幻覚で抵抗するどころか将軍のなすがまま、恍惚とした表情を浮かべている。その頃、七王の息子・西炎始冉(セイエンシゼン)は阿念(アネン)の寝殿に到着していた。すると門を開けた海棠(カイドウ)がいきなり霊術で兵士を吹き飛ばしてしまう。小夭は向かいの寝殿から阿念の怒号を聞いた。そこで始冉を呼びつけ、死にたいのかと脅す。実は始冉が小夭の侍女だと思っていた海棠は妹の侍女、つまり友人という名目で滞在しているのは皓翎(コウレイ)第二王姫だった。身分を隠していたのは阿念の身の安全を守るため、祖父の意向だという。驚いた始冉は慌てて兵士を止めたが、それとなく小夭の寝台をのぞき込んだ。すると小夭がわざと置いた胸当てを見て慌てふためき、逃げるように出て行ってしまう。騒ぎが収まると小夭は寝台に隠れていた防風邶の脈を診た。すると極上の薬を与えたにも関わらず、全く効いていないと分かる。防風邶の正体はやはり相柳(ソウリュウ)だった。相柳は傷を癒したいと訴え、いつもそうしていたように小夭の首にかみつこうとする。しかし小夭が止めた。「…ここはだめ、今の私はもう男じゃないのよ?」小夭は仕方なく腕を差し出した。相柳に血を吸われた小夭は急激に血を失ったせいで卒倒した。しかし相柳も霊力が回復するまで動けず、図らずも小夭と枕を共にすることになってしまう。相柳は何とか寝台の端まで移動、小夭と離れてから意識を失った。翌朝、阿念は怒り心頭で瑲玹を訪ねた。すると瑲玹は身なりも乱れたまま、従妹が虐げられたと聞いても反応がない。阿念は従兄の変わりように困惑していたが、そこへ鈞亦(キンエキ)がやって来た。実は昨夜のお詫びに始冉から贈り物が届いたという。その贈り物とは歌舞坊の芸妓2人だった。金萱(キンケン)は瑲玹の配下だがもう1人は従弟たちの手先、芝居を続けねばならない。しかし阿念に瑲玹の企みが分かるはずもなく、従兄に深く失望した阿念は皓翎に帰ってしまう。その頃、先に目が覚めた小夭は相柳の寝顔を見ながら、清水(セイスイ)鎮での気ままな日々を思い出していた。すると相柳がいつの間にか心の隙間に入り込んでいたことに気づいて動揺してしまう。そこで小夭は相柳の着替えを枕元に置き、別れを告げた。「傷が癒えたら離れて、あなたが防風邶であろうと相柳であろうと縁を切る 別れの挨拶はしないわ」しかし相柳は寝たふりをしたまま黙っていた。小夭が薬房にいる間に相柳はいつの間にか消えていた。自分から別れを切り出しながら、なぜか落胆してしまう小夭。すると瑲玹が回廊でぼんやりしている小夭を見つけた。「昨夜は本当に舅舅を狙う刺客が現れたの?」「地図の紛失を爺爺に知られぬため、でっち上げた騒ぎだ 西炎の兵糧庫と武器庫が中原にある、その在りかを示す地図を辰栄残党軍に盗まれたんだろう」「そういうこと…」小夭は事情を飲み込むと、防風邶の来歴を洗いざらい調べて欲しいと頼んだ。「ところで阿念を怒らせたの?ふふ、堕落者のふりは楽しい?」「ふっ、今すぐ誰かに刺し殺して欲しいくらいだ」そこで小夭は瑲玹の脈を診た。すでに丹薬への依存が強くなっていると警告したが、瑲玹はあと少しだという。実は刺客騒ぎのおかげで瑲玹は叔父たちに正気を失っていると信じ込ませることに成功していた。一方、中原では塗山璟(トザンケイ)と赤水豊隆(セキスイホウリュウ)の策が功を奏し、族長たちは中原の象徴である紫金(シキン)宮を修繕するため、西炎王に人の差遣を求めることを決めた。実は塗山璟は古蜀(コショク)に西陵(セイリョウ)氏を訪ね、手回ししておいたという。豊隆はさすが塗山璟だと感心し、あとは瑲玹が上手く立ち回ることを期待した。瑲玹は2人の期待通り堕落者を演じ切り、倒壊の恐れがある紫金宮の修繕特使に任命された。そこで皓翎玖瑤(コウレイキュウヨウ)の同行を嘆願したが、さすがに叔父たちに他国の王姫を連れて行く必要はないと反対されてしまう。しかし西炎王は小夭が西陵珩(セイリョウコウ)の娘であることを理由に五王たちの意見を一蹴した。瑲玹は同志の協力を得てついに中原行きを叶え、紫金宮に居を構えた。すると逍遥丹の禁断症状が現れ始め、壮絶な発作に襲われるようになる。しかし瑲玹が小夭を煩わせまいと口止めし、金萱はやむなく逍遥丹を与えるしかなかった。そうとは知らず、寝宮にこもって瑲玹の解毒薬の処方を考えていた小夭。ようやく穏やかに毒を除く術を思いついたが、手遅れだった。その夜、瑲玹は逍遥丹を断つと決め、寝所に閉じこもった。しかしちょうど小夭が寝殿の前を通りかかり、異常に気づいてしまう。鈞亦(キンエキ)は発作中には誰も入れるなとの命だと止めたが、小夭は自分がそばにいて助けると譲らなかった。「哥哥!」↓( ๑≧ꇴ≦)哥哥eeeeeeeeeeee!※音量注意w瑲玹は発作のせいで小夭のことさえ認識できず、手を上げようとした。「私は小夭よっ!哥哥っ!…耐えて、耐えれば楽になる、耐えるの!」すると瑲玹は小夭を突き飛ばし、自分の手をかんで必死に堪えた。「哥哥…昔、好きだった歌をうたってあげる!あなたも好きだった歌よ?」小夭は瑲玹を抱きしめながら、母が歌ってくれた子守唄を聞かせた。やがて瑲玹は朝雲殿で小夭と一緒に過ごしていた頃を思い出し、急に苦しみから解放される。「哥哥…あなたには私がいる」小夭は憔悴した瑲玹をなだめながら、その日はそのまま付き添った。翌朝、瑲玹が目を覚ますと、枕元で居眠りしている小夭がいた。瑲玹は美しい小夭の寝顔を眺めているうち、口づけしたい衝動に駆られてしまう。つづく( ๑≧ꇴ≦)危な〜い!哥哥っ!
2024.09.13
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长相思 lost you forever第24話乙女心を察してくれない塗山璟(トザンケイ)に憤る小夭(ショウヨウ)。しかし塗山璟が青梅酒を送らなくなった理由を明かすと、ようやく自分の考え過ぎだと分かった。「誰かが酒に触れた痕跡を見つけた、君の身に何かあっては困る それに…青梅酒が君に約束を思い出させると言っていた、だから煩わせまいと思って」塗山璟はそんな自分が小夭を不安にさせていたと知り、必ず退婚すると伝えた。実は祖母がふさわしい時機を見て退婚させると約束、それまで防風意映(ボウフウイエイ)を妹として扱うよう助言されたという。すると小夭は納得してくれたのか、魚丹紫の首飾りを身につけた。「小夭、戻ってくれてありがとう」「…瑲玹(ソウゲン)のためよ」「だとしても嬉しい、瑲玹のことは心配ない、君との約束は必ず守る」「約束?」驚いたことに塗山璟は今も玟小六(ビンショウロク)が第12話で″軒(ケン)老板に危害を加えないでくれ″と頼んだことを覚えていた。( ๑≧ꇴ≦)やっぱり狐妖は人たらしなのか?wその頃、瑲玹は塗山璟が連れてきた⾚⽔豊隆(セキスイホウリュウ)と辰栄馨悦(シンエイケイエツ)兄妹に会っていた。すると豊隆は王位を狙うなら叔父たちが掌握する西炎城をあきらめてはどうかと助言する。今や西炎の領土は西炎城だけではなく、北地・西域・南彊(ナンキョウ)・中原全体まで広がっていた。「分からぬか?お前が治めるべき地をよく見ろ」「なるほど…」確かに西炎の中心はもはや中原であり、中原を掌握すれば天下が見渡せる。瑲玹は豊隆の意図に気づいて心から感謝し、共に天下統一を目指す同志を得た。「瑲玹、中原で待っている」↓俺は西炎王になるっ!(๑•̀ㅂ•́)و✧一方、小夭は塗山璟の身近にいる間者を暴くため、ある方法を思いついた。「でも瑲玹と豊隆の話に加わらなくていいの?」「彼らは大望を抱いているが、私の望みは君と暮らすことだけだから」しかしそんな甘い言葉はかえって小夭を冷静にさせた。「どの瓶にも猛毒が入っているわ、この毒で2枚の手巾に絵を描いて」そこで塗山璟は1枚に蓮の花、もう1枚に青梅酒の瓶と同じ梅の絵を描いた。小夭はまた約束を忘れさせないつもりかとからかったが、焦った塗山璟は誤解だと訴える。するとうっかり猛毒の絵の具が手につき、急に体の力が抜けた塗山璟は小夭に覆い被さるように倒れてしまう。その時、図らずも2人の唇が重なった。「ちっ違うんだ…」「ふふっ、分かっているわ、毒のせいでしょう」小夭は塗山璟に手を貸し、すぐ毒消しを飲ませた。「蓮の花の手巾を持って帰って、間者が探りそうな場所に置いておけば手に取って調べるはず 触れれば毒にあたる、解毒薬も欲しがると思って作っておいたわ」小夭は起き上がった塗山璟の曲がった冠を直し、すっかり美しさを取り戻した黒髪を褒めた。実は手入れは侍女に頼まず、塗山璟が自分で梳かしているという。「今後は私が手入れしたい…これからは様子を知らせて、ただ待っているのは何より辛いの」「はお」塗山璟が灯を消して部屋を出ると、ちょうど瑲玹が立っていた。「時間を忘れて話し込んでしまった、彼女は疲れたと言って眠ってしまった」「傷つけるな、小夭を裏切って泣かせたらお前の命をもらう」「そんな時が来たら殺してくれ」瑲玹は後ろ手に隠していた短剣を思わず握りしめ、血を流すことで嫉妬に耐えた。翌朝、小夭が目を覚ますとすでに塗山璟の姿はなかった。すると手に塗山璟の一条の黒髪がある。「私から離れていくくせに髪を残して私の心を乱すなんて…」しかしこれまでの心のもやが晴れ、小夭はまるで天にも昇る心地だった。( ̄▽ ̄;)小夭メンドクセーw小夭が浮かれている頃、瑲玹はすでに先を見据えて動き出していた。瑲玹の新政により西炎王が功労のある湖禾(コカ)族を水運から排除、瑲玹は朝臣の反感を買って孤立してしまう。五王・西炎徳岩(セイエントクガン)はこれに目をつけ、七王・西炎禹陽(セイエンウヨウ)に息子たちを瑲玹に付き合わせるよう指示した。「血を見ずに殺すのが上策だ」西炎岳梁(セイエンガクリョウ)と西炎始冉(シゼン)は瑲玹を誘って歌舞坊へ出かけた。瑲玹はどんな芸妓にも興味を持たなかったが、ある舞姫の花妖を見初める。実はその舞姫は瑲玹の暗衛である金萱(キンケン)だった。青丘に戻った塗山璟は毒入りの手巾のおかげで間者を捕まえた。静夜(セイヤ)は蘭香(ランキョウ)の裏切りに怒り心頭だったが、心優しい塗山璟は見逃してくれる。「ただこれだけ教えてくれ、標的は私か、塗山氏か?」「…少主です」すると塗山璟は故郷へ帰るよう命じ、今後は人の争いに関わらないよう釘を刺した。塗山璟から青梅酒が届いた。小夭は塗山璟の面倒が解決したと知って安堵し、これで全力で瑲玹の力になれると奮起する。その頃、瑲玹が憂さ晴らしに遊び回っているという噂は中原まで届いていた。心配した塗山璟は赤水豊隆と接触、実は五王たちの警戒を解くための演技だと知る。訳もなく中原に行きたいと言い出せば当然、怪しまれるからだ。すると塗山璟は自分にも策があると切り出した。「辰栄山の28峰に今も人はいるか?」「国が滅び、王族の師弟の多くは軹邑(シユウ)城に移った。今や侍衛や宮女が残っているだけだ」「辰栄山を取るならこれを契機に使うのだ」瑲玹は今夜も従弟たちと歌舞坊へ出かけた。すると始冉が憂いを失くせるという丹薬・逍遥(ショウヨウ)を勧めて来る。瑲玹は罠だと分かっていたが、金萱の心配をよそに素直に飲み込んだ。しかしその帰り道、ばったり亡き父の腹心だった応龍(オウリュウ)と出くわしてしまう。応龍は瑲玹を諌めようとしたが、瑲玹はわざと逍遥が入った瓶を投げつけ、暴言を吐いて呆れさせた。小夭は瑲玹が戻ったと聞いて寝殿を訪ねた。「先に言ってくれれば解毒薬を作ったのに」「医者に尋ねた、病みつきになる薬らしい、だが私ならやめられるさ」瑲玹は叔父たちが自分を使い物にならなず、何の志もないと思い込まさねばならないと訴えた。「私にはお前がいる」「いつまで続ける気?」「契機を待っているのだ」一方、赤水豊隆が策を弄した辰栄山に雷が落ちた。天雷は偶然だったが、塗山璟は契機ができたところで火に油を注ぐ必要があるという。するとある夜、琦園(キエン)に突然、岳梁と始冉が兵を率いて乗り込んで来た。実は刺客が現れ、捜索しているという。対応に出た鈞亦(キンエキ)は反発したが、五王の令牌があっては拒めなかった。その頃、小夭はすでに休んでいた。しかし寝所に誰かが侵入したと気づいて身体を起こす。寝所には念のため毒を仕掛けておいたが、驚いたことに仮面の男は平然と寝台までたどり着いた。…毒が効かないの?…「霊力は高いけれど深手を負っているようね?私は手を貸さない」すると男は帷を開けた。小夭は恐る恐る手を伸ばして仮面をはずしたが…。つづく( ゚ェ゚)辰栄山うんぬんがさっぱり分からないけれど、きっと何かあるんですw
2024.09.12
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长相思 lost you forever第23話その日、防風邶(ボウフウハイ)が小夭(ショウヨウ)を案内したのは離戎(リジュウ)氏が営む地下賭場だった。離戎氏と言えば双頭の天犬の末裔、身分を隠したい客は犬の仮面をつけるという。しかし周囲の目など気にしない小夭は堂々と入った。格闘場ではどう猛な男と華奢な少年が戦っていた。すると客たちの予想に反して少年が勝利する。小夭は心を失った傷だらけの少年の姿にかつての自分を重ね、防風邶に賭けを持ちかけた。「どちらがあの子に希望を与えられるかしら」小夭は少年に温かく接し、生きていれば必ず良い事があると励ました。しかし少年の死んだような目は全く動かない。防風邶は思わず失笑、小夭と交代した。すると少年は防風邶の言葉を聞いて急に顔を上げ、目を輝かせる。「何を言ったの?」「それは…秘密だ」小夭は帰りの道すがら、少年に何を言ったのかしつこく聞いた。仕方なく防風邶は″自分も闘技場の奴隷だったがこうして生きている″と伝えたと明かす。しかし小夭は少年がそんな嘘を信じるとは到底、思えなかった。「他に何かしたでしょう?」「奴隷だけが知る言葉で話しかけたんだ」「あなた、何者なの?」良家の子息が奴隷の言葉など知るはずがない。小夭は思わず防風邶の胸と自分の胸に手を当てた。すると2人の鼓動が同じだと分かる。その時、偶然にも西炎城に到着した塗山(トザン)氏の馬車が通りかかった。塗山璟(トザンケイ)は防風意映(ボウフウイエイ)を連れて各地の主管たちと面会し、ようやく目的地の西炎城に入った。すると窓から外を見ていた意映が二兄の姿に気づき、馬車から降りる。「二哥!」「意映?久しぶりだな…彼が青丘公子か?私の将来の義弟だっていう…」意映は二兄と一緒にいるのが第一王姫だと気づいて慌てて拝礼した。思わぬ形で小夭と再会を果たした塗山璟、それにしても噂の防風邶が相柳とうり二つとはどこかいかがわしい。そこで塗山璟は馬車で王姫を送って行こうと申し出たが、小夭は歩きたいと断り、防風邶と親しそうに帰ってしまう。一方、五神山では皓翎(コウレイ)王が全てお見通しだとは知らず、阿念(アネン)が侍女・海棠(カイドウ)と変装し、王城を脱出していた。塗山璟は翌朝一番で琦園(キエン)を訪ねた。瑲玹(ソウゲン)は塗山璟の目的が小夭だと気づいたが、小夭なら朝雲殿に出かけたところだという。そこへ老桑(ロウソウ)が駆けつけ、王姫が来たと報告した。しかし現れたのは王姫は王姫でも阿念、すると塗山璟は落胆し、帰ってしまう。阿念は父王がなかなか西炎に行くことを許してくれず、策を講じてこっそり抜け出したと自慢した。しかし瑲玹はそう簡単に城門を出られないことなど重々、承知している。ともかく正式な訪問でない以上、人には小夭の友人と言うよう助言した。「ここでの私の立場は弱い、小夭の友人なら安全だ」「ぉぅ…心配しないで、哥哥に迷惑をかけないようにする」「迷惑なものか」その頃、塗山璟と顔を合わせたくない小夭は朝雲峰で弓術の修練に励んでいた。すると西炎王が様子を見に来る。小夭は祖父を座らせると、西炎王は小夭の手にできた立派なたこに驚いた。「若い娘は手袋をはめて稽古するものだぞ?」「目的が違うから…狩を楽しむためじゃない、私は敵と戦うためよ」西炎王はため息をつき、よく考えて夫を選ぶよう勧めた。小夭が選んだ相手なら誰に嫁いでも構わないという。「どんな夫を望む?」「幼い頃から苦労が多かったから、年頃になっても生きるのに必死で恋どころじゃなかった やっと伴侶が欲しいと思った時には、もう誰も信用できなくなっていたわ 母親でさえ私を捨てたのよ?私を捨てない男がいるとは思えない 何より祖父王や父王のような人は怖い、伴侶より優先する事があるから どんな選択を迫られようと私を選び、どんな困難が訪れようと私を見捨てない… そんな人がこの世の中にいるのなら添い遂げてもいいわ」「私が天下を取るよりも難しいだろう」「分かっているから私は誰のことも想わない、心が揺れ動いても抑えようと努力する 理想の人に出会えなければ嫁がない、男がいなくても楽しく過ごせるわ」西炎王は時には愚かな方が良いこともあると助言したが、どちらにしても思うがまま動けない瑲玹の代わりに小夭には自由でいて欲しいと言った。瑲玹は河運内史(カウンナイシ)に任命され、一見すると順調そうに見えた。しかし実際は叔父たちに懐柔された官吏が言うことを聞かず、苦労が絶えない。この日も河運署では湖禾(コカ)族の官吏が水族と結託して通行手形の手続きを遅らせ、民たちは鮮度が肝心の荷を運べず途方に暮れていた。瑲玹は官吏に掛け合ったが逆に脅され、水族にからまれてしまう。そこへ船が遅れていると聞いた塗山璟がやって来た。塗山璟の姿を見た官吏は態度が一変、塗山家が全ての荷を買い取ると聞いて慌てて民たちに通行手形を出してくれる。こうして瑲玹は塗山璟のおかげで叔父たちの嫌がらせを回避した。瑲玹は阿音を祖父に紹介した。阿念は自分も西炎王を″爺爺″と呼びたいと懇願、西炎王は快諾し、西陵纈祖(セイリョウケッソ)の碧玉の腕輪を授ける。「ありがとうございます、爺爺!」小夭が鞦韆に乗って弓矢を手入れしていると瑲玹が現れた。瑲玹は阿念が来たと報告し、今頃、祖父に碁を教えてもらっているという。「阿念に見つかると面倒だから出かけるわね」しかし瑲玹は小夭が防風邶と待ち合わせだと知るや本題を忘れて厳しい表情になった。「会ってもいいがこれだけは忘れるな、防風氏は叔父たちを頼っている 少しの油断が命取りになる」「心配しないで、矢を向けられたことは忘れない」すると小夭は瑲玹が塗山璟の件で来たのだと気づいた。恐らく塗山璟が自分に会いたいと言ったのだろう。瑲玹は正直に今の自分には塗山璟が必要だと明かし、会って欲しいと頼んだ。防風邶は弓を射る小夭を見てすぐ機嫌が悪いと分かった。そこで今日は弓術の稽古をやめようと言ったが、小夭は気分に左右されては一生、上達しないという。すると防風邶は小夭の傷だらけの指に気づいた。「王姫とは思えぬな」「私は温室育ちじゃないのよ?」「…王姫などやめて私と放浪の旅に出ないか?」「いいわよ?全てを捨てる覚悟があるならね」しかしその言葉を聞いた防風邶は失笑してごまかしてしまう。「本当に口先だけね、私を甘く見ないで」塗山璟は再び琦園を訪ねたが、瑲玹は帰っていなかった。しかし第一王姫が戻っていると知り、老桑に案内してもらう。すると驚いたことに小夭の寝殿で防風邶が待っていた。「小夭は弓の稽古で疲れていてね、適当に座ってくれ」小夭は横になっていたが、塗山璟の声に気づいて飛び起き、慌てて身なりを整えて顔を出した。塗山璟は急によそよそしくなった小夭に困惑した。「哥哥が戻るまでここでしばらくお待ちを…私と邶は用があるので失礼するわ」すると小夭は防風邶と仲良く出かけてしまう。しかし門を出た小夭は瑲玹のため塗山璟の機嫌を取る約束だったと思い出した。「実は哥哥の用事を思い出したの、今日は行けないから日を改めない?」その時、防風邶はぞっとするような冷たい視線で小夭を見つめた。小夭は一瞬、相柳を思い出して怯んだが、防風邶はすぐ笑顔に戻る。「用があるなら仕方がない、またの機会に」塗山璟は船遊びの時、小夭が兄が手に入れた魚丹に興味があると気づいていた。貴重な魚丹紅は見つからなかったが、運良く手に入れた魚丹紫を持ってきたという。「これを君に…」実は塗山璟は小夭のため、試しに水中で息ができるか試していた。「これがあれば1日中、水中にいられた、だが君は霊力が強いからそんなにはいられない」小夭は塗山璟の誠意が嬉しい反面、苛立ちを隠せなかった。「忘れようとすると私の心を揺さぶるんだから!」「…すまない、来るべきではなかった」「何も分かってない!」小夭は思わず魚丹をほおり投げてしまう。一方、防風邶は何とも惨めな気分でなじみの小食堂に入った。「いらっしゃい、今日はあの美人さんと一緒じゃないの?」「…1人じゃダメですか?2人じゃないとだめなんですか?!」つづく( ゚ェ゚)なるほど、小夭が爺爺に明かした気持ちが全てを物語ってるのね
2024.09.11
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长相思 lost you forever第22話塗山璟(トザンケイ)は辰栄(シンエイ)府に赤水豊隆(セキスイホウリュウ)を訪ねた。実は西炎瑲玹(セイエンソウゲン)を支援して欲しいという。しかし今の西炎は五王と七王が朝廷を牛耳っており、後ろ盾のない瑲玹を助けても何の利もなかった。豊隆は難色を示したが、塗山璟は高い志を持つべきだと訴える。「何の功も立てず、一氏族の長で終わる気か?」翌日、瑲玹は五王の息子・岳梁(ガクリョウ)から宴に招かれた。小夭(ショウヨウ)はまだ足場が固まっていないうちに朝雲(チョウウン)峰から出るのは危険だと止めたが、瑲玹は頂に立つためには避けられないという。その時、小夭は妓楼で見かけた相柳(ソウリュウ)とうり二つの公子を思い出した。「何だか嫌な予感がする…私も行くわ、侍衛も帯同して」岳梁は瑲玹を招待しておきながら完全に無視した。招待客たちも示し合わせたように関わろうとしなかったが、そこへ七王の息子・始冉(シゼン)が客を連れて来る。「あの赤水献(ケン)を負かした皓翎羲和(コウレイギワ)部一の猛者だ」「禺彊(グウキョウ)です」一方、女客の宴席にいた小夭は歓待されていた。しかし令嬢たちの話に全くついていけず、息が詰まって外へ出てしまう。小夭は宴席を離れて独り酒を飲んでいる黒髪の相柳を見つけた。「相柳、ここで何をしているの?」しかし男は人違いだという。「君に一目惚れしたと言ったら?ふっ」確かにその男から蠱虫(コチュウ)の反応はない。そこで試しに毒入りの酒を飲ませてみたが、男は本当に毒にあたってしまう。小夭はすぐ毒消しを飲ませて謝罪したものの、やはり不信感は拭えなかった。「私は防風邶(ボウフウハイ)、もう間違えるな」実は相柳とうり二つの男は意映(イエイ)の兄だった。すっかり日も暮れ、宴はお開きとなった。馬車の前で瑲玹が来るのを待つ小夭、すると門から瑲玹と禺彊が現れ、別れの挨拶を交わしている。その時、小夭は一瞬の突風に驚いて空を仰ぎ、防風氏の白馬を見つけた。小夭は慌てて瑲玹を呼び戻したが、瑲玹が振り返った瞬間、いきなり禺疆に襲われてしまう。しかし瑲玹は応戦、禺疆と霊力と霊力がぶつかり合い、激しい衝撃波が起こった。すると小夭が巻き込まれ、馬車に激突し、地面に叩きつけられてしまう。「小夭っ!」慌てた瑲玹はわずかに集中が途切れ、禺疆はその隙をついて一撃を放った。小夭の目の前で瑲玹が力なく倒れた。「誰かっ!誰かぁぁぁぁぁぁぁ!」動けない小夭は必死に侍衛を呼んだが、禺疆の結界が侵入を阻む。すると禺疆は瑲玹を捕まえ、巨大な氷刀を招喚した。小夭は悲鳴を上げながら必死に這いつくばり、何とか瑲玹を救おうともがく。「禺疆nnnnnnnng!羲和部が滅んでもいいの?!」「これは個人的な復讐、羲和部には関係ないんじゃ!」「なわけあるか!私は皓翎王姫だぁぁぁぁぁぁ!」「よそ者のために羲和部を滅ぼすつもりか?!」「こっちのセリフじゃ!よそ者と結託して瑲玹の暗殺を謀りやがったな!」「兄はこいつに殺された!この首を兄の墓に供えにゃ気が済まねえ!」禺疆はついに氷刀を振り下ろした。「やめてェェェェェェェェェェェェェェェ!」その時、突然、現れた赤水献が氷刀を粉砕、禺疆を誘い出した。瑲玹は九死に一生を得た。しかし小夭は空から防風氏が狙っていることを思い出し、何とか立ち上がって瑲玹を守る。瑲玹も防風氏に気づき、小夭を巻き込むまいとした。すると小夭は瑲玹を抱きしめて自ら盾となる。「小夭、どけ!」「動かないで!」「いいからどけeeeeeeeeee!」「私は皓翎王姫よ!あいつらに私は殺せない!私を信じて!信じてェェェェェ!」「小夭、どけ!」「動 く な っ!」すると弓を構えていた防風邶はとんだ茶番を見せられ、結局、瑲玹の暗殺をあきらめて引き上げた。↓( ๑≧ꇴ≦)<别动(びぃぇど~ん)! ※音量にお気をつけください赤水献は禺疆を郊外まで誘き出した。禺疆はなぜ邪魔をしたのかと憤怒したが、赤水献は好敵手のあまりの下策に呆れ果てる。「兄がいたのか」「私の本名は玄冥(ゲンメイ)、兄は玄庭(ゲンテイ)だ」「かつての悪名高き軹邑(シユウ)城の主か?」「違う!兄は優しい人だった!」赤水献は復讐心を利用されているだけだと指摘したが、禺疆は何にせよ殺せるなら構わないという。しかし赤水献は復讐を阻み続けると警告し、帰って行った。赤水豊隆は塗山璟に頼まれて結局、瑲玹を救った。しかし瑲玹の立場が弱いことは事実、深入りしたくないのが本音だという。すると塗山璟は地図を招喚した。「今は立場が弱くとも、西炎城を離れれば話は変わる…ここが西炎山だ」翌朝、西炎王は負傷した瑲玹を見舞い、朝雲峰の衛兵を動かせる令牌を託した。しかし西炎を手に入れたいならここに閉じこもっていては駄目だと助言する。やがて傷が癒えた瑲玹は小夭と一緒に王族の墓へ出かけた。瑲玹は再び小夭が自分の盾になることがあってはならないと五神(ゴシン)山へ帰すことにしたが、小夭は別々の道を歩むとしても今ではないという。すると小夭は瑲玹の手を握りしめた。西炎王は瑲玹を河運内史(カウンナイシ)に任命し、西炎城内に屋敷を下賜した。叔父たちは瑲玹の暗殺を邪魔した小夭に恨みを募らせたが、禺疆の件で息子たちが父王から叱責されたばかり、表立って動くことはできない。一方、瑲玹は琦園(キエン)に居を構え、小夭も一緒に朝雲殿を出た。すると荷物を整理していた侍女・珊瑚(サンゴ)が駆けつけ、青梅(セイバイ)酒が最後の1本になったと報告する。「あなたにあげる、瓶は捨ててちょうだい その酒は放っておくと苦みが出る、放っておかれる苦々しさは玉(ギョク)山で味わった いくら好物でも苦味が出たら要らないわ」瑲玹は塗山璟への当てこすりだと気づき、代わりに桑葚(ソウシン)酒を持って来るよう珊瑚に命じた。「塗山璟に近況を尋ねる文を書こうか?」「結構よ、期待もしなければ失望もしないって言ったでしょう?それより薬房をしつらえて」「また毒か?」小夭は塗山氏の車力に清水(セイスイ)鎮への荷物を頼んだ。荷物は一見、美しい点心の詰め合わせに見えたが、実は毒だという。「それで受取人は?」「届ければ取りに来るはずよ」するとその帰り道、防風邶と出くわした。防風邶は小夭が憮然としていると知りながら、しつこくついて来る。しかし自分たちの命を狙いながら平然と現れた防風邶の企みが気になり、小夭は弓術の腕前が見たいと挑発した。小夭は防風邶が目を見張るほどの凄腕だと知り、今さらながら身震いした。…この男に射られていたら私も瑲玹もひとたまりもなかった…「お見事ね」「習うか?」すると防風邶の指南のおかげで霊力の弱い小夭でも見事に的を射ることができた。防風邶の話では弓術なら少しの力で最大限の効果を得られ、強い者にも勝てるという。「どうだ、私に師事する気になったか?」「うん!」思いがけず気分が晴れた小夭は罠だとしても思い切って飛び込んでみようと決めた。防風邶は馴染みの小食堂に小夭を連れて行った。「ここの肉は西炎城で一番うまいぞ」すると防風邶は小夭のために肉を取り分け、焼餅(シャオビン)の柔らかいところを譲った。「どうした?」「何でもない、私の知り合いではないと確信しただけ」防風邶の顔や飄々とした雰囲気は相柳によく似ていた。しかし本当に相柳なら塗山璟のように女子を優しく気遣ったりはしない。一方、青丘に戻った塗山璟は小夭のことを思わない日はなかった。そんなある夜、西炎の密偵から報告書が届く。…こちらに大きな動きはなし、ただし第一王姫は防風邶と親しくしており、人目もはばからず街に繰り出しては娯楽に興じている、宵の口まで秘境や山野を巡ることも…塗山璟は驚きのあまり、慌てて部屋を飛び出した。小夭は防風邶のおかげで退屈することがなくなった。「今日はどこへ連れて行ってくれるの?」つづく
2024.09.10
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长相思 lost you forever第21話西炎(セイエン)王は孫たちが到着したと知っていたが、少し昼寝をすることにした。「ここまでの道は長い、まだまだかかるだろう」西炎王の予想通り、小夭(ショウヨウ)と瑲玹(ソウゲン)は門衛に阻まれ、城門で足止めされていた。叔父の五王・西炎徳岩(セイエントクガン)と七王・西炎禹陽(セイエンウヨウ)が言うには父王が瑲玹の拝謁は許していないという。しかし小夭はひるまず、瑲玹と一緒に入れないならこのまま皓翎(コウレイ)へ帰ると脅した。確かに民のため国に殉じた将軍の娘である王姫を追い返したとあれば大事、叔父たちは体面を考えて仕方なく引き下がるしかない。こうして小夭と瑲玹は300年ぶりに朝雲(チョウウン)殿へ戻った。小夭と瑲玹は西炎王に叩頭、帰国の挨拶をした。小夭の態度を見れば祖父に不満があるのは明らかだったが、西炎王はそんな孫の様子を微笑ましく見ている。しかし朝雲殿の唯一人の王孫である瑲玹には厳しい顔を見せた。「帰り道を忘れたのかと思ったぞ?」「遅くなりました…国を得るために戻りました」西炎王は瑲玹が覚悟をもって戻ったと知り、その代わり自身の力で手に入れるよう釘を刺した。「悪く思うな、私が与えたとしてもお前は守りきれぬ」「分かっています」小夭と瑲玹は拝謁を終えて外に出た。朝雲殿の前庭には今も鳳凰樹があったが、幼い頃に遊んでいた思い出の鞦韆(ブランコ)はない。しかし瑲玹は鳳凰花は昔のままだと言った。「私たちも戻った」すると瑲玹はその夜、鞦韆を作り、翌朝には鳳凰樹にぶら下げておいた。瑲玹は久しぶりに祖父と碁を打った。西炎王は孫の腕が落ちていないことに安堵しながら、連絡もしなかった自分を恨んでいるかと尋ねる。しかし瑲玹は祖父の石を持つ手が震えているのを見ながら、長い年月の苦労を察した。「苦難を望む者はいません、しかし苦難に打ち勝てば自らの力となります」「…この一局は見事だった」「爺爺(イェイェ)、少しは身体を動かさなくては、外を歩きましょう」すると瑲玹は自ら祖父に履き物を履かせた。小夭が祖父への挨拶に向かうと留守だった。しかし門衛から中で待つよう勧められ、小夭は生前の頃のまま残してある祖母の遺品を懐かしむ。西陵纈祖(セイリョウケッソ)の化粧台には今も鳳凰花が飾られていた。小夭は祖母のかんざしを挿してみることにしたが、そこへちょうど西炎王と瑲玹が戻ってくる。「気に入ったのなら持って行くが良い」祖父の声に驚いた小夭はかんざしを化粧箱に戻し、装飾品など所詮は男の気を引くための道具に過ぎないと言い放った。「冷然としているな、お前の母や祖母とはまるで違う」「だから何なの?男のために苦労しろと?私は男に尽くしたりしない」すると西炎王は王室の者なら悪くない考え方だと認め、孫たちを下げた。瑲玹は小夭を鞦韆に乗せた。小夭は祖父の自分たち家族への仕打ちを思うと素直になれなかったが、意外にも瑲玹は一国の君主である祖父の選択が理解できるという。「私と同様、爺爺もきっと傷ついてきたのだ」しかし瑲玹も祖父も小夭にはそのまま正直であって欲しいという。「哥哥…君主になるためには爺爺と同じ道を歩むべき?勇敢で冷酷であるべきなの?」「まだ何も成していない私には答える資格がない」「私にできることがある?」「私はお前を利用して来た、もう十分、助けてもらった」瑲玹は塗山璟(トザンケイ)が自分に協力的なのは小夭のおかげであり、何より帰国できたのは小夭が王姫に戻ってくれたからだと感謝した。「お前が私を思ってくれる、それが助けとなる お前の手を血で汚すことは望まぬ、ただそばにいてくれ、それだけでいい」小夭はもはや背を押してくれる人はいないと鞦韆を諦めていたが、今は瑲玹が何度も小夭の背中を押してくれた。( ;∀;) イイハナシダナー一方、青丘に戻った塗山璟は和解こそ難しいものの、母の過ちを償うため兄・塗山篌(トザンコウ)を許すことにした。しかし塗山篌にとって最善の謝罪は塗山璟が消えることだという。そんなある日、塗山璟は人払いしてから太夫人に防風意映(ボウフウイエイ)との退婚を申し出た。太夫人は憮然とし、いくら情がないと聞いても塗山家に尽くして来た孫も同然の意映を追い返しては恩を仇で返すようなものだと激怒する。「奶奶(ナイナイ)、族長の座には就かず、汚名は私が背負います!」すると頭に血が上った太夫人は倒れてしまう。↓店長とクレーマーみたいなwその頃、防風意映は愛しい塗山篌からもらった魚丹紅の首飾りを眺めていた。そこへ侍女・喧昼(ケンチュウ)が血相を変えて駆けつける。「二少主が太夫人に退婚を申し出たそうです 太夫人はお怒りのあまりお倒れになったとか…」意映も塗山璟に情などなかったが、両親の手前、防風家の後ろ盾を失うわけにはいかなかった。塗山璟は小夭のため準備した青梅酒を確認した。すると1瓶だけ梅の花のない枯れ木の絵になっている。驚いた塗山璟は侍女を呼んで酒に触れたか聞いたが、静夜(セイヤ)も蘭香(ランキョウ)も決して触っていないと言った。「これは瑲玹殿下に届けないでくれ」塗山璟はこれまで小夭への想いを込め、季節ごと瑲玹あてに酒を届けて来た。1組9本を12組、しかしまだ4組しか送っていない。小夭は老桑(ロウソウ)と2人、鳳凰樹林で最後の青梅酒を空けていた。急に届かなくなった塗山璟の誠意、しかし小夭はどこか冷めている。すると瑲玹がやって来た。「用があって街に出る、一緒にどうだ?」「いいわ!」小夭は帷帽(イボウ)で顔を隠し、瑲玹と歌舞坊を訪ねた。「妓楼に来るとは意外ね?…ここで待ってるわ」「そうか、では舞でも見ていてくれ」すると瑲玹は独りである芸妓の部屋に入った。芸妓・金萱(キンケン)は瑲玹の亡き伯父が建てた青鳥(セイチョウ)司の暗衛の一人だった。しかし今や青鳥司は凋落し、金萱は王孫が命を狙われたことも最近になって知ったという。「申し訳ありません」「謝る必要はない、叔父が放った刺客はお前の知らせで避けることができた」すると金萱はこれまでに集めた消息を瑲玹に渡した。実は西炎王の具合が悪く、五王と七王が勢力を伸ばし、猛者たちが次々と配下に下っているという。「殿下の侍衛だけでは敵いません、朝雲峰を出るのは危険です」その頃、舞を眺めていた小夭はある公子とすれ違い、驚愕していた。面紗から垣間見た公子は黒髪でありながら相柳(ソウリュウ)とうり二つ。驚いた小夭は思わず追いかけようとしたが、ちょうど瑲玹が現れ、その間に見失ってしまう。一方、塗山璟は密書を受け取り、西炎で不穏な動きがあると知った。…小夭が危ない…塗山璟は急ぎ西炎に向かうことにしたが、ふと思い直して行き先を軹邑(シユウ)城に変える。すると防風意映が手作りの差し入れを持って見送りにやって来た。塗山璟は断ったが、意映の手の包帯に気づく。侍女から意映が火傷してまで作ったと聞いた塗山璟は結局、差し入れを受け取った。「ありがとう」実は回復した祖母がひとまず婚礼を保留すると言ってくれた。…意映を妹と思って過ごせばいい、退婚は時機を見て話し合いましょう…妓楼からの帰り道、小夭はそれとなく相柳の話を振った。「手配書に人相画がないのはどうして?」「顔を見た者は多いが、奴は九頭蛇だ、素顔が9つある上、変幻自在だからな」小夭はふと自分に見せていた顔も相柳の素顔とは限らないと怪しむ。「でも妙だな、なぜ顔を変えずに仮面をつけていたんだ?」「彼も私と同じように自分自身の顔で生きていたいのかも…」つづく|ω・`)そうだよね、やっぱり相柳も出てくるよね…
2024.09.09
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神隐 The Last Immortal第2話「古晋の劫」降誕目前で仙元が砕け散ってしまった鳳隠(ホウイン)。そのきっかけとなった古晋(コシン)はどんな罰も厭わないと覚悟したが、そこに大澤(ダイタク)派宗主・東華(トウカ)が駆けつけた。実は古の神器・鎮魂塔(チンコントウ)が2つ揃えば鳳隠を呼び戻すことができるという。もし仙元が帰すれば長い苦行も不要になるというのだ。東華は鎮魂塔を招喚、ひとまず鳳隠の肉体を保存することにしたが、もう1器は幽冥(ユウメイ)界にあった。しかし神の道である問天路を通るためには9度の天鞭(テンベン)に耐えねばならず、半神でなければ命はない。すると東華は自分が借りてくると約束してその場を収めた。責任を感じた古晋は自ら問天路に出向いた。激しい天雷に耐えること9道、ついに問天石への嘆願が叶う。「古晋…いや元啓(ゲンケイ)よ、お前の願いは小火鳳のことだろう」問天石はその代わり元啓が計り知れない代償を払うことになると警告した。しかし古晋は自分の身体に流れる″混沌の血″が結界を破り、母が与えた火鳳玉が自分の血に反応して鳳隠の仙元を吸収しようとして破裂してしまったと嘆く。「後悔しません、どんな代償も受ける覚悟です!」「いいだろう…お前に劫を授ける、鳳隠の帰還はお前の災いと引き換えだ」すると問天石は元啓に光り輝く霊石を授けた。「鳳隠の仙元は新たに三界に集まる、縁あれば帰するであろう」( ๑≧ꇴ≦)_⭐︎古晋は光る石を手に入れた!って鎮魂塔は?鳳隠の肉体と霊石は鎮魂塔に保存され、再び涅槃で封印された。しかし古晋は劫を避けられず、それがいつなのか、何なのか、誰も分からない。実は祖神擎天(ケイテン)が置いた問天石との取り引きは祖神との取り引きも同然、呪詛の解呪方法はなかった。鳳淵(ホウエン)は劫により真神の血が途絶えてしまうのではと不安になったが、東華は古晋の劫と鳳隠の帰還が複雑に絡み合う因果であり、運命には逆らえないという。結局、古晋が見たという黒い影は行方が分からず、種族も不明なままだった。鳳淵は修行のため閉関、その間、天帝の座はしばらく瀾灃(ランホウ)に譲ることにする。…その頃、問天石が授けた霊石から仙元が飛散した、その1つは大澤山の谷深くに舞い降りる…あれから10年が経った。古晋は鳳隠が目覚めるまで霊獣・火翅(カシ)の厳しい監視の元、禁谷に閉じ込められている。すると月に1度だけ入谷を認められている青衣(セイイ)が差し入れの酒を届けにやって来た。しかし相変わらず孔雀公主・華姝(カシュ)から何の音沙汰もないと知り、古晋は落胆する。青衣はいい加減にあきらめるよう諫め、2人は釣りを始めた。その時、突然、火の鳥が現れる。(ˇ⊖ˇ)<ピーッ!!!(時は来た!)青衣は火の鳥に驚いてうっかり酒瓶にぶつかり落とした。驚いた古晋は貴重な酔玉露(スイギョクロ)を拾うため崖下まで降りたが、その時、物陰で青く光る丸い石を見つける。そこで手を伸ばして石を取り出してみると、水凝獣(スイギョウジュウ)の卵だと分かった。水凝獣は九州八荒で1番の霊薬と言われ、その霊丹は傷んだ内丹を治して仙力を補うという。「皮膚も骨も爪でさえ薬になるんだ、まさか禁谷で見つかるとはな」「じゃあ食べるんですか?」「まさか…そうだ鳳隠にあげよう、目覚めが早まるかも!」古晋は卵を持って山小屋に戻った。仙獣をふ化させた経験はなかったが、まるで母鳥のように大切に育て、ついにある夜、卵がかえる。しかしちょうどその時、古晋は酔い潰れて眠っていた。水凝獣は自分の霊丹を狙う古晋に恨みを募らせ、思わず唾を吐きかけて逃げ出してしまう。水凝獣は卵があった場所へ戻り、しばらく何かを探し回っていた。するとどう猛な野獣が現れる。必死に逃げ惑う水凝獣、その時、古晋が現れ、仙術で野獣を追い払ってくれた。翌朝、古晋は水凝獣を鳥籠に閉じ込め、勝手に出歩いたことを叱った。するとまだ小さな水凝獣が泣き出してしまう。古晋は言い過ぎたと反省、自分がふ化させた水凝獣に情が湧き、霊丹を取り出すのも忍びなくなった。「俺の朋友はお前の親戚のようなものだ、お前が成長したら助言をもらおう」どうやら水凝獣も納得したらしい。古晋は水凝獣を籠から出して手のひらに乗せた。「俺の霊獣になるか?…お前は嚶嚶(インイン)泣くから″阿音(アイン)″と呼ぼう」暴れん坊の阿音は半年経っても古晋を手こずらせていた。その夜、古晋は阿音を懲らしめるため、山小屋に結界を張り巡らせ、眠ってしまう。閉じ込められた阿音は不満を募らせ、古晋が大事にしている酒を全て飲み尽した。すると阿音は霊力が強い酔玉露を飲んだせいで突然、化身してしまう。翌朝、目を覚ました古晋は隣に見知らぬ娘が寝ていると気づき、驚いて蹴り落とした。「誰だ?!お前、誰だよ?!」すると起き上がった阿音は自分が人像(ヒトガタ)を得たと気づき、言葉も話せると分かる。「食ってやる…」阿音はこれまでの鬱憤を晴らすように古晋に突進、肩に噛み付いた。古晋が見つけた水凝獣がふ化し、1000年もかからず人像を得た。しかし水凝獣は7万年前に絶滅したはず、しかも霊力源となる懸湖(ケンコ)の養分もない。報告を聞いた東華は仙鏡で禁谷の様子をのぞいたが、古晋は仙獣に乾坤袋を盗まれて翻弄されていた。「進歩のないやつだ…」そこで閑善(カンゼン)に山門巻(サンモンカン)を所望、古晋の気運を確認したが、″血光の劫″が見える。どうやらこの水凝獣こそ古晋の災いらしい。そこへ清池(セイチ)宮の主管・紅綢(コウチュウ)が現れた。「小神君の脅威なら殺すまで」紅綢が仙界に留まっているのは元啓を無事に玉座に返すためだった。しかし今回、小神君を止めず問天路に行かせた東華に反発、すぐ仙獣を始末するよう迫る。東華は三界の生き物を勝手に殺せないと拒み、何より儀合(ギゴウ)から古晋のため秩序を乱さぬよう釘を刺されていた。「私が試しましょう、劫を回避する方法を…」阿音は古晋の留守中に乾坤袋を盗み、山小屋に帰って来た古晋を仙鎖で拘束した。すると何の霊符かも知らずに適当に放ち、古晋は散々な目に遭わされてしまう。「俺が本気を出せばお前なんぞ…はっ!小刀はダメだ!」阿音は古晋が小刀を恐れていると気づき、首に突きつけて外へ出ろと脅した。しかし阿音が禁谷の外れまで来たせいで野獣の群れに襲われてしまう。阿音は仕方なく古晋の仙鎖を解いて一緒に逃げ出したが、猛獣の数が多過ぎた。やがて2人は崖まで追い詰められ、やむなく飛び降りる。その時、突然、2人は霊力につながれ、額に何かが封印された。実は東華は野獣を倒して古晋たちを救い、2人に主従契約を結んだ。これで阿音は古晋の仙僕(センボク)となり、決して主に危害を加えることができなくなる。その頃、古晋と阿音は地面に落下、互いに相手が何かの術を使ったと誤解した。怒った阿音は性懲りも無く古晋が落とした乾坤袋を奪い取って霊符を放とうとしたが、急に頭が痛くなって動けなくなってしまう。そこへ青衣が駆けつけた。実は尊師が2人を主従関係で結び、阿音は主に悪事や邪念を抱けなくなったという。しかも阿音は主から一定の距離しか離れられず、逃げることもできなかった。「ふっ、こりゃいい、尊師!感謝します」すると翌朝、禁谷の結界が解けていた。つづく( ゚ェ゚)まだ可もなく不可もなく…
2024.09.08
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神隐 The Last Immortal第1話「新たな火鳳の降誕 」足元には一本の道 谷に横たわる生死を黄泉という見上げれば一本の川 川を望むと今生が映し出される川の上には一本の橋 忘憂とは過去の塵が散ること道の果てには石一つ 三生とは全ての塵縁(ジンエン)を断つことここは幽冥界修言(シュウゲン)が酒を飲みながら幽君の詩を聞いていると、阿音(アイン)が現れた『阿音…歴劫(リャッコウ)に送ってまだ18年、公主の身分をあげたのにもう終わりか? 皇室の龍の気でも君の衰運は救えぬと?』『私を歴劫に送る時、言ったわね?今度は平和で幸せな人生だって、なのに私は兄皇に… 不幸な結末だったわ、この道を20回以上も歩いたけれど、いつ終わるのかしら?』その時、阿音が川を望むと風格ある神仙の姿が映し出された『彼はなぜ悲しそうなの?』あれは1000年前のこと、彼が愛した女仙が妖族の狐王を助けたそれが元で仙界の霊山が滅び、仙妖の戦が起きてしまう彼は見せしめに女仙を神剣で刺し、女仙の仙元は散ったそれ以来、彼は女仙の仙元が残っていないか、こうして毎年、探しに来ているという『死なせてしまったからって、そこまで執着しなくても 私がその女仙ならきっと生まれ変わっても2度と会いたくないわ じゃあ行くわね~あ、そうだ、その女仙の名は?』『阿音だ』『その女仙の名前を聞いたのよ?』その時、阿音の姿に気づいた元啓(ゲンケイ)が幽冥界に飛び込んできたしかし修言が咄嗟に阿音を歴劫に送ってしてしまう『修言?!今のは阿音か?!』『阿音はもういない、神君、お忘れか? 元神剣は至高の神剣、剣を受けた者は終わる、全ては幻だ』元啓は修言の辛辣な言葉に目を潤ませながら、必ずまた阿音と巡り会えると信じていた…時はさかのぼり1000年前。仙界の梧桐(ゴトウ)島では鳳族が次の火鳳(カホウ)の誕生を楽しみに待っていた。火鳳が殻で育ち始めて100年、涅槃(ネハン)を経てそろそろ降誕する頃だろう。しかし現鳳皇の存命中に次の火鳳が誕生するのは前代未聞のことだった。天帝であり鳳皇・鳳淵(ホウエン)は小火鳳の降誕を祝う宴を催すことにした。大澤(ダイタク)派の弟子・古晋(コシン)は宗主・東華(トウカ)の代わりに祝いを届けることになり、青雲(セイウン)とちょうど入門したばかりの新弟子・青衣(セイイ)を同行する。すると道中、青雲は青衣が人間界から昇天してすぐ大澤山に入門できるとは幸運だと話した。「我ら大澤山は一等仙門だ、相当ついてるな」「一等?!では最高位ですか?!」「いいや」この世は太古より神が最も貴く、神界の下、人間界の上に仙界・妖界・幽冥界の三界があった。神界は真神(シンシン)が住む所で、上神となって始めて行くことができる。残念ながら神界の門は長らく閉じたままだったが、三界にはそれぞれ主がいて、そもそも神界は滅多に関わることがなかった。実は古晋の正体は真神の血族である元啓だった。素性を知るのは大澤派の東華、閑竹(カンチク)、閑善(カンゼン)の3人を除けば天帝と清池(セイチ)宮の主管しかいない。あれは200年前、滅世(メツセ)の劫が起こり、元啓の父神・帝眷(テイケン)が劫を止めるために散った。母神の儀合(ギゴウ)は悲しみに暮れ、神界を閉ざして帝眷の復活に力を注いだという。当時、まだ幼かった元啓は深く傷ついて神力を失ってしまい、儀合は息子に修行させるべく下界へ送ったのだ。火鳳と言えば真神の霊獣、東華は降誕する小火鳳と古晋にも深い関係があるため、古晋を祝宴に送っていた。神族の話を聞いて目を輝かせる青衣、しかし古晋は神界など冷たくて面白くないと言い放った。「行ったことが?!」「…いや、想像さ」その時、突然、馬が暴れて車が激しく揺れた。すると馬車の横を万儀(バンギ)派の弟子たちが笑いながら抜き去って行く。「霊風(レイフウ)め…」実は万儀派の少主・霊風は酔仙(スイセン)楼の競売で貴重な酒・聞仙酒(ブンセンシュ)を古晋に横取りされた恨みがあった。梧桐島の祝宴には多くの招待客が集まった。すると降誕が待ちきれず、鳳隠(ホウイン)はこっそり涅槃を飛び出して自分の祝宴を見学することにする。その時、蒼梧(ソウゴ)殿に妖君で狐王・鴻若(コウジャク)が甥・鴻奕(コウエキ)を同伴して現れた。妖族の姿に眉をひそめる仙族たち、しかし実は鳳淵と鴻若は長年の盟友だという。「今日は鳳隠が降誕する日、忘れないで かつて静幽(セイユウ)山の手合わせであなたが負け、鳳族から好きな嫁を選べと言ったわ 鳳隠が成人したら正式に結納に来るわね」しかし寝耳に水だった鴻奕は仙族を娶る気などさらさらないと言い捨て、帰ってしまう。その様子を鳳隠がこっそり見ていた。(ˇ⊖ˇ)<気性の荒い妖君だこと、仙界に恨みでもあるのかしら?鴻若は蒼梧殿を飛び出した甥を引き留め、なだめていた。その時、制御不能になった馬車が現れ、鴻奕が咄嗟に妖術で馬を御して止める。しかし勢い余って古晋たちが空から落下して来た。哀れな姿に霊風は失笑、妖君を煽って古晋と手合わせさせようとしたが、鴻奕は馬鹿馬鹿しいとばかりに帰ってしまう。「もっと妖君と話したかったのに…」古晋は名残惜しそうにぼやいたが、その様子を鳳隠も見ていた。(ˇ⊖ˇ)<この仙君は…蒼梧殿に孔雀王・華黙(カモク)が娘の華姝(カシュ)を連れて現れた。孔雀公主の美しさに仙君たちの目は釘付け、しかしそのせいで華姝は女仙たちの嫉妬を買ってしまう。(*´・ω)<孔雀族は二流の仙門なのに偉そうよね(*´・ω)<見て~頭に孔雀玉胆(ギョクタン)を載せてる~(*´・ω)<でも鳳族が真神からいただいた火鳳玉の方が貴いわネー(*´・ω・)(・ω・`*)ネー祝宴が始まった。しかし鳳淵は宴席をのぞきに来ていた鳳隠に気づき、後を追いかけて捕まえる。「殻の中で待たず、幻形術を使って飛び回るとは…なぜ出て来たの?」「尊師が誰を選ぶか心配で…相手は私が選ぶから勝手に決めないで」すると鳳隠は神仙たちの貴賤を決めるのは天なのか聞いた。宴席の女仙たちは名門たちに嫁ぎたいと話し、仙君たちも家柄を競っていたという。「なぜ家柄が気になるの?分からない」「あなたは天性の王、皆の苦悩など分かるはずないわ」しかしだからと言って簡単に鳳皇の座に就けるわけではなく、火鳳は数々の劫を経験しなければならなかった。↓見っかちゃった!梧桐島は多くの招待客のため結界を解いていた。魔族の灼影(シャクエイ)は主に報告、この機に梧桐島へ侵入するという。仙族と妖族に九淵熬獄(キュウエンゴウゴク)に封印されて200年、青霖(セイリン)は恨みを募らせ、小火鳳を殺して火鳳玉を奪えと命じた。古晋は宴席を抜け出し、青雲と青衣を探していた。すると偶然、庭園にいた霊風と女仙の話を立ち聞きしてしまう。女仙は祝宴に駆けつけた仙君たちの目当ては火鳳との縁組だと噂していた。「でも火鳳は真神の霊獣よ?神君の元啓には誰も敵わない」「誰も顔を見たことがないんだ、ひどく醜くて小火鳳は嫌がるかも 何が真神だ、確かに生まれはいいが、親の愛を受けずに育った しかも昔、神界は乱れていて、母の儀合は下界の神君と噂があったとか 元啓は帝眷の子ではないかもな 帝眷も元啓が真神の子でないと知り、怒って滅世の劫に身を投げたのかも…」「黙れ!」古晋は思わず霊風に殴りかかった。霊風はなぜ古晋が真神をかばうのか分からなかった。しかしこれまでの恨みを晴らすべく殴り返し、仙鎖で縛り上げてしまう。驚いた女仙は必死に止めたが、その時、誰かが法術で霊風を罰し、古晋を解放した。「誰だ!」霊風は激怒したが、女仙は物陰からわずかに見える真紅の紗に気づき、孔雀公主だと誤解した。慌てた霊風と女仙はただの遊びだったと謝罪、逃げるように去って行く。実は古晋を助けたのは鳳隠だったが、偶然にも全ての成り行きを華姝が見ていた。古晋は孔雀公主を呼び止め、救いの手を差し伸べてくれたことに感謝した。華姝は物陰にいた赤い衣の娘と自分を勘違いしていると気づいたが、大澤山の弟子に恩を売っておけばいつか役に立つと踏んで成り済ます。「いいの、気にしないで」「ご恩は必ず…何が欲しい物があれはお持ちします」すると侍女・紅雀(コウジャク)はわざと無理難題を言った。「何でも?ふふ、では小火鳳は儀合真神の火鳳玉を持っているとか、さすがに無理でしょう?」しかし古晋は手に入れると安請け合いしてしまう。一方、灼影は梧桐島に潜入したものの炙火(シャカ)の結界に阻まれ、小火鳳の殻に近づくことができずにいた。すると誰かの気配を察し、慌てて物陰に潜む。それは恩人に報いようと火鳳玉を借りに来た古晋だった。古晋の手にはちょうど霊風ともめた時にできた傷があったが、驚いたことにその血が結界を破ってくれる。しかし古晋は急に火鳳玉の力に引っ張られ、慌てて仙鎖を放って木に縛りつけた。そこで灼影は咄嗟に鎖を切断、涅槃に吸い込まれる仙君と一緒に入ろうとしたが、独り跳ね返されてしまう。鳳淵たちは涅槃の異変に気づき、火鳳の様子を見に行った。すると殻の中の鳳隠が離散、その前で古晋がへたり込んでいる。鳳淵と鴻若は直ちに燃魂灯(ネンコントウ)で鳳隠の仙元を探し回ったが、三界には見当たらなかった。おそらく火鳳玉に砕かれ、時空の乱流に落ちたのだろう。「姑姑…」「なぜ鳳隠の涅槃に入ったの?!」「火鳳玉を借りたくて…」「何のために?!」華姝は巻き込まれることを恐れたが、古晋は恩人を売らなかった。「それは…結界の外にいたのに、何かの力で引き込まれたのです 鎖仙術で身体を止めたのに、黒い影が現れて…鎖を切られ飛ばされました 火鳳玉は何かの衝撃で破裂したようです」古晋のせいで数万年かけて生まれる火鳳が消えた。これに鳳族は激怒、たとえ東華の弟子でも雷刑にすべきと鳳皇に嘆願する。古晋は潔く罰を受け入れると言ったが、古晋の身分を知る鳳淵は困惑した。つづく(  ̄꒳ ̄)うむ、長い…これでもかなり端折ったのにw
2024.09.07
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长相思 lost you forever第20話塗山璟(トザンケイ)は許嫁・防風意映(ボウフウイエイ)とは結婚しないと断言。実は傷だらけの身体を見られてしまい、意映に毛嫌されていると教えた。「ただの傷痕でしょう?うわべのことだわ、勘違いじゃない?」しかし小夭(ショウヨウ)にとってたかが外見のことでも、世間では多くが称号や家柄に惹かれるものだという。塗山璟はそんな小夭が一番だと笑顔を見せたが、かつての玟小六(ビンショウロク)が今や誰もが絶賛する皓翎(コウレイ)の第一王姫・皓翎玖瑤(コウレイキュウヨウ)となり、自分では釣り合わないとうつむいた。「あなたはあなたでしょう?…そうだ、昨夜ある男に口づけするよう迫られたわ でも今はあなたにしたい」すると小夭は自ら塗山璟に唇を重ねてしまう。塗山璟は驚きを隠せず、小夭から身を引いた。「やめよう…時期尚早だ」「はて?男は女子を見れた誰にでもすぐ口づけしたいのかと…」「私は違う」「じゃあ…いつできるの?」「分からない」塗山璟は以前のように″いつ″とは約束できなかった。…時機を決めるのは君だ、私ではない、私が欲しいのは君の愛であり、哀れみではない…その時、小夭を探しにきた西炎瑲玹(セイエンソウゲン)の声が聞こえて来た。瑲玹が海岸で小夭を探している、小夭がひょっこり現れた。「なぜ髪が乱れている?!…いつの間に塗山璟と一夜を共にする仲になった?!」「これが夜通し遊び尽くしたように見える?」確かに小夭は髪の毛に海藻を絡ませ、衣は塩水でシワシワになっていた。「あなたの可愛い妹妹に海へ突き落とされたのよ!」その頃、阿念(アネン)は小夭が翌朝になっても戻らないと知って心配になっていた。すると突然、侍女が止めるのも聞かず小夭が寝宮に乗り込んでくる。小夭は鍵を閉めてから阿念を挑発、2人は取っ組み合いの大げんかになった。しかし霊力を封じられた阿念は小夭に拘束されてしまう。「母親の身分が高い私を羨んでいるんだろう? だが母親が王姫大将軍だったばかりに国の大義を背負って出征、2度と帰らぬ人になった …なんなら母親を交換するか?」「嫌よ!」「…瑲玹と私は互いを唯一のよすがとしている、私を虐げるお前を許すと思うか? どちらに味方するか分かっているから嫉妬しているんだろう?!」これまで唯一の王姫として愛されてきた阿念、確かに突然、小夭が現れ、自分の居場所を奪われてたのだから無理もない。そこで小夭は姉妹として仲良くできなくても、互いに干渉しないことで折り合いをつけようと提案した。「いいわ、関わらない」阿念は小指を差し出し、小夭と指切りして平和協定を結んだ。防風意映は旅先で塗山篌(トザンコウ)との密会を楽しんでいた。すると偶然、塗山篌が隠し持っていた鴛鴦の刺繍入り手巾を発見する。浮気がばれた塗山篌は一夜の遊びだったとなだめたが、意映は裏切られたと激高、出て行ってしまう。その頃、小夭は塗山璟を訪ねていた。彼が皓翎を離れたら次はいつ会えるか分からない。しかし塗山璟は外出してしまったという。瑲玹は赤水豊隆(セキスイホウリュウ)、辰栄馨悦(シンエイケイエツ)兄妹と塗山璟たちを誘って船遊びに出かけた。すると豊隆は塗山篌までいることに困惑する。「なぜあいつが?」「″兄も一緒に″と言われたんだ」豊隆は塗山璟がまだ兄弟の和解を諦めていないとため息を漏らしたが、瑲玹には何の話か分からなかった。瀛州へ足を伸ばした小夭は露店で珊瑚の装飾がついた箱に目を止めた。そこで店主に価を聞いたが、突然、どこかの令嬢が現れ、箱を横取りされてしまう。小夭は傲慢な令嬢が辰栄馨悦と防風意映だと気づき、箱を譲って帰ることにした。すると瑲玹が帷帽(イボウ)で顔を隠した小夭に気づく。「小夭?…小夭!お前も散策していたのか?」辰栄馨悦は自分が箱を奪った相手が瑲玹の従妹で第一王姫の小夭だと知った。そこで仲直りの印に箱を返し、謝罪する。「明日、帰るのでお土産にしたくて無礼な真似を… そうだ、今から皆で船遊びに行くの、一緒にどう?」一行に小夭が加わり、送別の宴となった船遊びは和やかに始まった。辰栄馨悦が小夭を兄の隣に座らせてくれたおかげで、赤水豊隆は美しい小夭に釘付け。するとすっかり気を良くした豊隆が酔った勢いで海に飛び込んだ。「魚を捕って来る!」泳げない瑲玹は驚いたが、防風意映と仲違いしてむしゃくしゃしていた塗山篌まで飛び込んでしまう。「私も捕って来る!」それを見た意映は自分も泳ぎたいと口実をつけ、塗山篌を追った。すっかり感化された馨悦は泳げないという瑲玹に自分が教えると迫り、道連れにしてしまう。船に残ったのは小夭と塗山璟だけとなった。思いがけず塗山璟と2人だけの時間を過ごせることになった小夭。しかし塗山璟と防風意映が一緒にいる姿を見るのはやはり辛い。「他の女に思われている男は好きにならない どんなにいい人でも自分が損をするなら見限る」一方、塗山篌と防風意映は小島に上陸していた。意映はまだ怒っていたが、塗山璟は2人の馴れ初めを思い出させ、機嫌を取る。「許してくれ…意映、あの年の端午節のことを覚えているか? 出会いはやはり船の上だったな」「忘れるわけない、北方育ちの私は初めて水景を見て興奮のあまり川に飛び込んだわ」「お前はまだ泳げず、霊力を使うことも忘れるほど慌てていたな」そんな意映を助けたのが塗山篌だった。「あの時から私の心を占めているのはお前だけだ、本当に好きなのはお前だけ」塗山篌は手巾の主が弟の間者だったため利用したとごまかし、意映と仲直りした。塗山璟は防風意映にも自分への情がないのは事実だと訴えた。しかし残念なことに清水(セイスイ)鎮とは事情が異なり、自分も小夭も自由に動けなくなったという。「君の父王に婚姻を申し入れる、猶予をくれないか、堂々と君の前に立ちたい! 私以外を思わないで欲しい」「あなたは本当にずる賢い、青梅酒を贈って来たりして何かと約束を思い出させる ″過分な望みは抱かない″と言いながら決して諦めようとしないのね」「すまない、私にはもったいない人だと分かっているが、どうしても諦められない」瑲玹たちは無事に船に戻り、身なりを整えた。するとわざと時間をずらして塗山篌が最後に海から上がって来る。その手には深海で仕留めた魚妖の魚丹があった。魚丹は装身具や薬材、道具作りに用いられ、上質になると呼吸を助ける道具が作れるという。色によって魚丹紅・魚丹紫・魚丹黄に分けられるが、多くはまだらのため、塗山璟が持っていた真っ赤な魚丹は貴重だった。小夭と瑲玹は五神山に戻った。船で2人きりになった小夭と塗山璟の様子が気になる瑲玹、しかし逆に小夭から辰栄馨悦に色目を使われていたとからかわれてしまう。瑲玹は馨悦が色目を使うのは自分が西炎王の孫だと知ったからだと冷ややかだったが、自分も同類だと認めた。「辰栄馨悦だからこそその気持ちを拒まなかった 嫌いな者の恨みは買えず、好きな者には近づけない、辛いさ だが西炎を得るには避けられぬ代償だ」「西炎山に戻れば骨肉の争いが待っている、覚悟はできているの?」「来年の姑姑の命日に私は朝雲(チョウウン)峰に立つ」「…もう長いこと母親の墓参りをしていないわ」すると小夭が瑲玹に手を差し出した。「瑲玹…私たち帰りましょう」「はお、一緒に帰ろう」瑲玹は小夭の手を握りしめた。西炎王は小夭こと皓翎玖瑤(コウレイキュウヨウ)の墓参りを許した。内心、面白くない五王・西炎徳岩(セイエントクガン)と七王・西炎禹陽(セイエンウヨウ)だったが、父王の手前、小夭を手厚くもてなすしかない。すると叔父たちは小夭を温かく出迎えながら、一緒に帰ってきた瑲玹を完全に無視した。「瑲玹は拝謁できぬ」小夭は仕方なく自ら瑲玹の手を引いて城門に向かったが、門衛が立ちはだかった。つづく( ̄▽ ̄;)これどうするよ?…と思ったら西炎に帰国で俄然、やる気になる管理人w
2024.09.06
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长相思 lost you forever第19話第一王姫の明瑟(メイシツ)殿に薬房ができた。小夭(ショウヨウ)は王姫という身分を利用して貴重な薬材を集め、久しぶりに新しい毒を完成させる。霊力が弱くなってからは母譲りの医術で自分の身を守って来たが、今となっては清水(セイスイ)鎮で相柳(ソウリュウ)のために毒を作っていた頃が懐かしい。「でももう玟小六(ビンショウリク)はいない、相柳は私に会っても気づかないわね」すると小夭はふと思い出して猩猩(ショウジョウ)の鏡に相柳の顔を映した。そこへちょうど皓翎(コウレイ)王が現れ、思い出し笑いしている姿を見られてしまう。小夭は慌てて鏡を消したが手遅れだった。「その人は…ただの知り合いよ」皓翎王は娘の想い人が塗山璟(トザンケイ)だと思っていただけに、銀髪の男を見て困惑しているようだった。「許嫁がいる人を想っても辛くなるだけ 心配しないで、ずっと男だった私には乙女心のかけらもないから」五神(ゴシン)山に″第一王姫お披露目の儀″に招かれた氏族が集まった。西炎瑲玹(セイエンソウゲン)は⾚⽔豊隆(セキスイホウリュウ)たちから到着の知らせを受け、挨拶がてら本当の身分を明かすことにする。「私は西炎国の西炎瑲玹、軹邑(シユウ)城で動くには都合が悪く嘘をついていた、すまない」しかし辰栄馨悦(シンエイケイエツ)は見初めた知音の身分が王族だと知り、内心、飛び上がりたいほど嬉しかった。蓐収(ジョクシュウ)は第一王姫のため準備した礼服を皓翎王に見せた。天下一の機織り職人が作った衣は完璧だったが、真紅の布地が赤宸(セキシン)を思い起こさせ、皓翎王は理由も告げず作り直せと命じる。その頃、瑲玹は明瑟殿にいた。小夭は赤水豊隆が従兄の本当の身分を知っても受け入れてくれたと知って安堵したが、瑲玹はどこか浮かない顔をしている。「何があったの?」「塗山璟(トザンケイ)も一緒だった…小夭? もし私と塗山璟どちらか1人しか選べないと言われたら誰を選ぶ?」すると小夭は自分たちの関係は切っても切れないもの、熱しやすく冷めやすい男女の情とは違うと笑った。「心配せずにやりたいようにやって、塗山氏があなたの敵になるなら私にとっても敵だわ」お披露目の朝、小夭の新しい礼服が墨をかけられ、台無しになっていた。仕方なく小夭は父が気に入らなかった最初の礼服をまとい式場に登場、その美しさに誰もが魅了される。塗山璟はもちろん、赤水豊隆は一目で小夭に心を奪われた。礼服を汚した張本人の阿念(アネン)は何事もなく現れた小夭の姿に動揺を隠せなかったが、隣にいた母にたしなめられてしまう。こうして皓翎の第一王姫・玖瑤(キュウヨウ)としての第一歩を踏み出した小夭。まさかその場に相柳が紛れ込んでいることなど知る由もなかった。↓まさに( ゚Д゚)゚Д゚)゚Д゚)ジェットストリームポカーン儀式が終わり、堅苦しい礼服から解放された小夭。しかし父王はなぜ自分が急遽、あの礼服を着たのか理由を知っていた。「阿念が新しい礼服を駄目にしたのだろう?」実は皓翎王は小夭をひいきしていると思われないよう阿念が何をしても黙っていたという。思えばこの人生、心残りはあれど後悔はないが、娘たちのことだけが心配だった。「2人が心から互いを受け入れ、支え合うことができれば安心できる」「努力するわ」その頃、阿念は独り海岸でふて腐れていた。すると思いがけず海から相柳が現れる。相柳は阿念の小夭への嫉妬に気づき、自分が手を貸すので懲らしめようと提案した。「殺しはしない、どうだ?」阿念はなぜ自分に協力してくれるのか分からなかったが、相柳はいずれ辰栄軍のために手を貸してくれれば良いという。「でもどうやって懲らしめるの?」大役を無事に果たした小夭は寝宮で羽を伸ばしていた。すると漪清(イセイ)園の宴に出席しているはずの瑲玹が現れ、塗山璟から″龍骨獄で待つ″と言づかったという。小夭は断ったが、ふと塗山璟に15年だけ待つと約束したことを思い出した。「やっぱり会うわ」小夭は女子として初めて塗山璟と会うことになった。すると寝宮から侍女たちと一緒に衣を選ぶ嬉しそうな小夭の声が漏れ聞こえる。回廊に出た瑲玹は小夭を止めたい気持ちを押し殺し、結局、華音(カイン)殿に帰って独りやけ酒をあおった。小夭が龍骨獄へ向かっていると、林の中から急に阿念が現れ、切り立つ崖へ誘った。父と約束した手前、仕方なく誘いに乗った小夭だったが、阿念に突き飛ばされて海へ落ちてしまう。その頃、塗山璟は海岸でひたすら小夭が来るのを待っていた。小夭は崖から海に落ちても不安はなかった。…私は泳げるのよ?…しかし海上へ上がろうとした矢先、相柳に脚をつかまれ、引きずり込まれてしまう。息が続かずもがき苦しむ小夭。相柳は自分の口から息を吸うよう合図したが、小夭は拒んだ。相柳は小夭を連れて岸に上がった。「ゲホゲホゲホォォォッ!どうして私が小六だと分かったの?他人のふりをするつもりだったのに…」「私には蠱虫(コチュウ)がいる、忘れたか?…私を騙したな?」相柳は身分を隠して西炎王の孫をかばったと責め、全ての嘘を白状しろと迫った。しかし小夭は嘘をついたことはないと断言する。「今までの話は全て本当よ」小夭は相柳の機嫌を直そうと靴の中に入れていた薬瓶を取り出した。「新しい毒薬を作ったの、飲んでみて、あなたのために作ったのよ?」「…俺のために?(グビ)まだまだだな」(,,Ծ‸Ծ,,)<チッ!あきらめないんだからね(ボソッ相柳は小夭の小六らしい一面を垣間見ると、なぜかほっとした。相柳は小夭の美し顔をまじまじと見つめながら、なぜ海中で自分からの息を拒んだのか尋ねた。何とか誤魔化そうとした小夭だったが、相柳に嘘は通じない。「怖かったから、あなたが怖い」相柳は小夭の思わぬ本音に困惑した。「口づけが死よりも怖いか?」「私の哥哥が…瑲玹が言ったの、″お前は夢見る乙女だ″って あり得ないと思うけど…でもやっぱり怖い、あなたにうっかり夢に入られることが あなたは夢見ていい人じゃないのよ?それは死よりも怖いことなの」相柳は意外な理由を聞いて失笑、小夭を冷たく突き放し、独りで海へ戻ってしまう。一方、塗山璟は満ち潮で腰まで水に浸かりながら、まだ小夭が来るのを待っていた。小夭は塗山璟との約束を守るため、夜通し海を泳いだ。しかし波に飲まれて息が苦しくなり、ついに力尽きて沈んでしまう。その時、塗山璟が現れ、小夭を抱き止めた。相柳は小夭が無事に戻れるか密かに見守っていた。すると塗山璟が小夭を抱きかかえて陸に上がる姿が見える。相柳は親密な2人の様子に激しく動揺し、無理に埋め込んだ蠱虫が身体を蝕んでしまう。霊力で何とか痛みを抑え、後ろ髪を引かれる思いで海に消えた相柳。一方、塗山璟は龍骨獄で小夭との再会を喜んだ。「私は防風意映(ボウフウイエイ)を娶らない、むしろ防風意映は私を毛嫌いしている」翌朝、老桑(ロウソウ)は珍しく二日酔いの瑲玹に酔い覚ましを差し入れた。そこへ侍女の珊瑚(サンゴ)が慌てて駆けつける。「殿下、第一王姫がゆうべから戻りません」瑲玹は慌てて立ち上がったが、小夭の体面を考え、あえて冷静に振る舞った。「第一王姫は遊びに夢中で時を忘れたようだ、迎えに行く、他言無用だ」しかし小夭が塗山璟と一夜を明かしたと思うと瑲玹の心は激しく揺れた。つづく( ๑≧ꇴ≦)どうするかな~いやこれどう? ←誰に聞いているのかw
2024.09.04
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长相思 lost you forever第18話小夭(ショウヨウ)が駅館に戻るとすでに西炎瑲玹(セイエンソウゲン)の姿があった。「今日のところは目的を果たした、それで街に出たのか?どうだった?」「うん…なぜだか急に女子の美しい衣が着たくなった」仲睦まじい男女の姿を見てようやく女子に戻りたい気持ちが芽生えた小夭、しかし皆が自分の本当の姿に失望すれば、そんな皆に失望してしまうことが怖いという。瑲玹は小夭の心境の変化が塗山璟(トザンケイ)のためだと気づいたが、何にせよ自分と師匠は失望しないと励ました。翌朝、小夭と瑲玹は玉(ギョク)山へ発った。蓐収(ジョクシュウ)は皓翎(コウレイ)王から戻るよう文が届いたとごまかし、事情を知らない阿念(アネン)を連れて先に帰国の途に着く。一方、防風意映(ボウフウイエイ)は塗山璟の機嫌を取ろうと酔い覚ましを差し入れることにした。しかしちょうど着替え中だった塗山璟の生々しい傷跡を見てしまう。意映はあれほどの傷を負っても無事だった塗山璟の悪運の強さに驚愕した。ここまで虐待されれば誰でもその恨みを忘れるはずがない。「喧昼(ケンチュウ)、青丘に戻るわ、荷物をまとめて」防風意映は塗山府へ到着するとからくり扉から密室に入り、愛しい塗山篌(トザンコウ)と合流した。実は塗山璟から退婚を迫られ、もともと嫁ぐ気がなかった意映は応じるつもりだという。「あれほど酷い身体になったんだもの、身の程をわきまえたのね きっと耐え忍んで油断させ、一撃で報復するつもりよ、気をつけて」しかし塗山篌は生き延びた弟を再び同じ目に遭わせ、全てを取り戻すと奮起した。玉山ではすでに知らせを受けた王母(オウボ)が小夭たちを待っていた。あれから数百年経っても何も変わらない玉山の風景。それもそのはず、玉山は一年中、桃花が咲き続ける桃源郷として知られている。しかし小夭にとってはこの美しい桃林も悲しい思い出でしかなかった。「たとえ時間を巻き戻せても私はここから逃げる…死も同然の安らぎより流浪の日々を選ぶわ」王母は小夭が玉山に残るなら霊力を回復させることができると持ちかけた。自分の寿命も残すところ数百年、小夭を次の王母に指名し、玉山を託したいという。しかし束縛を何より嫌う小夭は断った。「今のままで構いません、穏やかに暮らせれば十分です」「好きにしなさい」王母は小夭の額に桃花のあざを戻し、駐顔花(チュウガンカ)を取り出すことはできないが元の姿には戻れると教えた。「玉山の神器なのになぜ取り出せないのですか?」「この世には私にできないこともたくさんある…」すると王母は小夭に瑤池(ヨウチ)へ入るよう命じた。小夭は期待以上の美しさだった。瑲玹は瑤池から戻って来る小夭に見とれ、しばらく言葉が出ない。「どうしたの?…哥哥?!」「(はっ!)何でもない」瑲玹は小夭を連れて皓翎に戻った。小夭はまだ自分の外見に自信が持てず、従兄の背中に隠れて父の前に立つことができない。痺れを切らした皓翎王は自ら娘の手をつかんで引っ張り出した。「…子供の頃は父王に似ていたはずなのに…なぜかしら?父王にも娘(ニャン)にも似ていないの」「誰に似る必要もない、健やかなら十分だ」皓翎王は美しい娘の姿に感激もひとしおだったが、ふと小夭の額に戻った桃花のあざを見ると複雑な気持ちになった。皓翎王は早速、家族に小夭を紹介することにした。阿念は母の静安(セイアン)妃と一緒に酒席で待っていたが、そこへ父王と従兄が見知らぬ美しい娘を連れてやって来る。すると皓翎王は耳が不自由な静安妃のため手話を交えて報告した。「彼女が私の大女児・玖瑤(キュウヨウ)だ」寝耳に水だった阿念はあまりの衝撃に言葉を失った。静安妃は阿念に姉への挨拶を促したが、阿念は猛反発、本当に父の娘かと噛みついてしまう。そこで瑲玹は実は小夭があの玟小六(ビンショウロク)だったと明かした。「人を褒めないお前が小六を″人柄は悪くない″と言っただろう? 素晴らしい姉を持てたのに何が不満なのだ?」しかし阿念は姉などいらないと食台をひっくり返して出ていってしまう。↓( ತ _ತ)<私と仕事、どっちが大事なの?!的な?(違うw)小夭は自分のせいで家族に亀裂が生まれたことに責任を感じた。一方、寝宮に戻った阿念は小夭への激しい嫉妬で大暴れ、父王が差し入れた食事に当たり散らしてしまう。これまで瑲玹の愛情を独占していただけに小夭の出現は何より阿念を脅かした。しかも身分の低い母を持つ自分とは違い、小夭の母は西炎の王后・西陵纈祖(セイリョウケッソ)の弟子で勇敢な西炎王姫大将軍、父王が最上の礼をもって迎えた妃だという。皓翎王は小夭に明瑟(メイシツ)殿を与えた。第一王姫の寝宮にしてはやはり狭いと感じたが、小夭はこれで十分だと笑う。「寂しいのは嫌なの、哥哥のそばがいいわ 流浪の身だったから物欲はないし、寝る場所はどこでも構わない」「小夭、お前はもう流浪の身ではない」皓翎王は娘の苦労を思うと胸が痛み、本来の生活を取り戻して習慣を身につけるよう言い聞かせた。小夭は苦手な礼儀作法や王宮のしきたりを学び始めた。自由気ままに暮らして来た小夭には何より面倒だったが、そこへ阿念が顔を真っ赤にして乗り込んで来る。「父王は天下の氏族をすべて儀式に呼ぶそうね?ちょと調子に乗ってない?!」「そうなのそうなの~嬉しくて涙がでちゃうわ~」小夭に挑発された阿念は思わず手が出たが、その時、慌てて蓐収が駆けつけ、皓翎王が呼んでいるからと連れ出した。小夭は偏殿に貴重な薬材を集めて薬房にした。すると早速、瑲玹が様子を見に来る。「医術の研鑽(ケンサン)か?」「身を守るためよ、私は霊力が弱いから阿念にさえ突き飛ばされてしまう 何か護身の術を持たないとね」「お前に言おうと思っていた、今後は私が守ると…だがその資格はないようだ」瑲玹は小夭との約束を果たせず、苦労させたことを思うと辛くなった。しかし小夭は瑲玹の負担になりたくないだけだと釈明し、自分の身を守ることが延いては相手を守ることになるという。「私たちは一蓮托生の仲でしょう?」一方、清水(セイスイ)鎮では石妖(セキヨウ)の新しい講談が始まっていた。皓翎王が第一王姫の帰郷を祝うお披露目の儀を盛大に催し、各氏族を漏れなく招いたという。その話を茶屋の片隅で相柳(ソウリュウ)が聞いていた。その夜、相柳は独り酒を飲みながら、小六の嘘に憤った。頼れる者もなく帰れる場所もないと言いながら、まさか皓翎の第一王姫だったとは…。「すべて偽りだったか」つづく(ヾノ・∀・`)イヤイヤイヤイヤイヤ〜顔、変わってないしwせめて鏡に映る顔だけでも小六の顔が別人だったらな〜惜しいわ
2024.09.03
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长相思 lost you forever第17話軹邑(シユウ)城の涇水(ケイスイ)湖で防風意映(ボウフウイエイ)に襲われた小夭(ショウヨウ)たち。小夭は咄嗟に阿念(アネン)を連れて湖に飛び込み、何とか岸までたどり着いた。「独りで大丈夫か?ここから絶対に動くなよ?」小夭はひとまず阿念を草陰に残し、侍女の海棠(カイドウ)を探しに戻った。一方、逃げ遅れた西炎瑲玹(セイエンソウゲン)は防風意映の暗器を受けて湖に落ちた。意映は侍女・喧昼(ケンチュウ)に止めを刺しに行かせようとしたが、運悪く客室から辰栄馨悦(シンエイケイエツ)が現れる。「片がついたのね…姐姐、ありがとう、でも興醒めだわ、帰りましょう」しかし馨悦は湖面に浮かんでいる簫に気づいて足を止めた。小夭は無事に海棠を助け、阿念を気遣いながら夜道を歩いて駅館までたどり着いた。意外にも頼りになる玟小六(ビンショウロク)に好感を持つ阿念、しかし事情を聞いた師兄の蓐収(ジョクシュウ)はもめた相手が塗山(トザン)氏の許嫁だと聞いて及び腰になる。阿念は仕返しする気満々だったが、小夭もまず瑲玹の行方を突き止めることが先決だとなだめた。「阿念、湯浴みして着替えた方がいい」小夭は阿念を部屋に返してから蓐収に警告した。「防風意映は瑲玹だと知って襲ったと思う」辰栄馨悦は湖面に浮かぶ簫を見つけ、船から落ちた男が知音だと気づいた。そこで男を救出、辰栄府で手当する。目を覚ました瑲玹は身分を隠して皓翎(コウレイ)青龍部の軒(ケン)と名乗り、命の恩人が琴の奏者と知って喜んだ。「家人が心配しているはず、失礼します、お礼は改めて…」「安静にしていないとだめよ?家人には無事を知らせる文を送るわ」その様子を防風意映が回廊から見ていた。喧昼は隙を見て手を下すと申し出たが、意映もさすがに辰栄府で騒ぎを起こすことはできないという。翌朝、駅館に瑲玹の無事な知らせが届いた。小夭と蓐収は瑲玹に何か目論見があると気づいたが、阿念は従兄が浅手にも関わらず戻らないと激怒、しかも全く心配する様子がない2人に苛立ちを募らせる。一方、辰栄馨悦は眉目秀麗で才気あふれる知音との出会に心を躍らせていた。しかし侍女の鈴蘭(リンラン)はどんなに気が合っても青龍部の一般の若者では高貴な主に釣り合わないという。小夭は阿念に八つ当たりされないよう独りで街の散策に出かけた。すると偶然にも青丘(セイキュウ)から軹邑城に来ていた塗山璟(トザンケイ)と再会する。「小六、どうしてここへ?」「それは…やるべきことがある、あとで教える」「私も言わねばならぬことが…」「じゃあ機が熟した時に」2人は人目を気にして短い会話だけで別れた。瑲玹が駅館に戻った。さすがは鋭い小夭、従兄が何か思惑があって芝居を打ったと気づいていたという。実は瑲玹は清水(セイスイ)鎮で矢を受けたあと、防風意映を調べさせていた。「私を狙っているのは別人だった、叔父たちが絡んでいるのは確実だ」どうやら防風氏は叔父側に付いたのだろう。湖では敵が優勢だと見て退散すべきと考え、瑲玹はあえて負傷して湖に飛び込んでいた。しかし意外にも辰栄馨悦に助けられ、中原で力を持つ辰栄氏や赤水(セキスイ)氏と懇意になれるきっかけをつかむ。小夭は従兄が馨悦の情を得るため計画的に出会ったと疑ったが、瑲玹は鼻で笑った。「やはりお前は夢見る乙女だな?両氏族が私に付くか否かは情などではない 私がもたらす益で決まるのだ」(* ゚ェ゚)<冷めてんな___私は夢見る夢子ちゃんで結構です@小夭駅館に塗山璟から宴の招待状が届いた。瑲玹は断って急いで玉(ギョク)山へ発つつもりだったが、小夭は参加するよう説得する。「塗山璟に会う機会を失いたくないのか?」「それもあるけれど、⾚⽔豊隆(セキスイホウリュウ)に会う機会を失うべきじゃない 彼は辰栄熠(ユウ)を父に持つ赤水族の次期族長、他の氏族の子弟に慕われているとか 味方につければ哥哥も今後、動きやすくなるわ」瑲玹は何かと揉め事を起こす阿念に留守番させ、小夭を連れて辰栄府を訪ねた。塗山璟は小夭たちに協力し、豊隆と馨悦兄妹には友人の軒と彼の従弟・玟小六だと紹介する。知音の軒との思わぬ縁に喜びを隠せない馨悦、一方、瑲玹も西炎の朝議で残党軍との結託を糾弾された辰栄熠に理解を示し、豊隆の信頼を得ることに成功した。「中原を任された辰栄大人は残党軍と秘密裏に交渉し、投降を勧め、あまたの戦を防いで来た ″結託″なくして残党軍の数をここまで減らすことはできなかっただろう」「よくぞ言ってくれた、敬意を表する」こうして酒宴は和やかに始まったが、その時、思いがけず防風意映が現れた。↓第四の男登場!@赤水豊隆防風意映は小夭と塗山璟の間に割って入った。居心地の悪い小夭は手洗いに行くと断って席を立ち、辰栄府を抜け出して湖の桟橋へ出る。すると運良く小舟が通りかかり、乗せて欲しいと頼んだ。実はその舟に乗っていたのは糧秣の工面に来た相柳(ソウリュウ)。船頭は辰栄熠から相柳を早く送り出すよう命じられていたが、九頭蛇に乗せろと言われれば断れない。そこで相柳は女子に変身し、小六を同乗させた。小舟には面紗で顔を隠した令嬢が乗っていた。小夭は令嬢に感謝し、男女の別を守って舟先に立っている。すると相柳はわざと雨を降らせたり舟を揺らして小六が隣に座るよう仕向けた。相柳は水族に命じて途中で差し入れを受け取った。すると小六は自分にも妖族の友がいるという。「奴には噛まれてばかりさ…でも気性は少し荒いが、根はいい奴なんだ、すごく」やがて舟が街の水路に入る頃にはすっかり日も落ちていた。↓″根はいい奴″というexcuseあるある辰栄府では酒宴がお開きになった。塗山璟は勝手に宴に顔を出した防風意映に怒り心頭、慌てて追いかけて来た意映に改めて退婚を言い渡す。驚いた意映は拒んだが、塗山璟は無視して部屋に向かった。すると物陰から瑲玹が現れる。「誤解するな、防風意映とは…」「今日は感謝する、青丘公子のおかげで豊隆と友になれた だがこれだけは言わせてもらう、小夭を傷つける者は私も彼女の父王も許さない 傷つけぬと約束できぬなら今のうち小夭から離れろ」小夭は舟から花火を見上げた。その時、ちょうど橋の上で仲睦まじい恋人同士を見つける。相柳は小六が何を見ているのか気づき、お似合いの男女だと言った。「はたからみれば隣同士でいる私たちもお似合いかもしれないわ?」「姑娘、ご冗談を…たまたま同じ舟に乗り合わせただけだ」すると興が醒めた相柳は急に舟を止め、小六を下ろしてしまう。「辛い時はあなたを気にかけてくれる人を思って、彼も…その人もあなたを思っているわ」小夭は舟を見送った。「私を気にかけてくれる人?」つづく|ω・`)システムが分からん辰栄氏なのに兄だけ赤水?そう言えば瑲玹母は若水族の濁山さんだったわ馨悦は塗山璟を従兄だって言うし、豊隆は友だと言うし…ワケが分からないw
2024.09.02
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)最終話初空(チュコン)の護神呪が祥雲(シャンユン)こと滄海(ソウカイ)の元神を守った。3万年前の婚姻の夜、決して離れず、生死を共にすると誓った2人。しかし初空は滄海を救うため身代わりとなり、もはや共に年を重ねることができなくなった。「あの時、君は言ったな、″私は死んだら雲になりたい″と… 私はもっと欲張りだ、死んだらこの世の山や川、そして風や月になろう これからは自由にどこへでも行ける…祥雲、今度こそ本当にお別れだ」初空は最後に一度だけ祥雲に触れようと手を伸ばしたが、そのまま力尽きてしまう。「初空?…初空nnnnnnnnn!」祥雲はなす術なく初空を抱きしめたまま泣き叫んだ。その時、最後の牽糸引(ケンシイン)が切れ、初空の魂と肉体は離散してしまう。…元気で、いつの日かまた会える、我が妻よ…天界を襲った強い邪気が消え、黒雲が晴れた。南天門では摩羅(マラ)族と天兵の争いが収まり、修茗(シゥミン)は天穹玉(テンキュウギョク)で滄海の無事を知る。そして天界に平穏が戻った。昊軒(コウケン)が無界に落ち、3万年に渡る天界と摩羅族の争いが終結した。しかし2度と戻って来ない者もいる。戦神・初空は長きに渡る兄の陰謀を全て打ち砕き、その身を犠牲にして共に滅んだ。祥雲は滄海の霊力を取り戻すも女帝に復帰せず、錦蓮(キンレン)錦蘿(キンラ)兄妹に摩羅族を託し、天界は修茗に任せてしまう。こうして修茗は事実上の帝君となったが、本人はあくまで滄海の代理だと断った。「私を″神君″と呼ばなくていい、これからは尊卑の別なく、世の皆と仲良くするように…」「英明です、殿下!」煩わしい政から身を引いた祥雲はしがない1日、晨星(シンセイ)台で酒を飲みながら星を見上げていた。…初空、あなたがいなくなってから、良く夢を見るの、知っているようで知らない夢、でもとても鮮明で現実のようでもある…滄海に戻った祥雲は歴劫の記憶を失っていたが、たびたび初空と共に経験した情劫を夢に見ていた。ある日、修茗は相変わらず独りで星を眺めている祥雲を訪ねた。「私がへまをする前に帝君に戻ったらどうだ?全てを投げ出したのは一晩中、星を眺めるためか? …戦星は流れた、初空は戻って来ない」「修茗、運命の相手に出会ったら必ず大切にしなさい 私たちのように何度も過ちを繰り返せば悔いが残る」その時、祥雲は一瞬、戦星が光るのを見た。「はっ!初空だわ、やっぱり生きてる!私を待っているのよ!行かなくては!」「ふっ…見つけたらすぐ戻って来いよ」「ありがとう」修茗は祥雲の背中を見送りながら、ようやく全てのわだかまりが解けた。自分たちの間にある情は男女のそれを超越したもの、何があろうと最も大切な家族であることに変わりない。…自分の幸せを追え、滄海…錦蓮と錦蘿が紫輝(シキ)を探して300年が過ぎた。2人は半ば諦めていたが、その日、ついに人間界のある街で転生した紫輝を発見する。しかし人間の紫輝にはすでに″錦蘿″という可愛い許嫁がいた。錦蓮は妹のため紫輝を捕まえて来ると言ったが、錦蘿は止める。「彼の望みは普通の人間になることだった、これでいいの」2人は幸せそうな紫輝と許嫁を見守った。すると実はその錦蘿は許嫁ではなく妹で、紫輝は妹の婚約準備の買い物に付き合っていただけだと分かる。(* ゚ェ゚)<哥、いつになったら嫂を探すの?まさかまだ夢の中の女子を待っているの?( ̄꒳ ̄)<探してみせる、見つかるまで探すさ!錦蘿はそれが自分のことだと分かり、喜んで紫輝を追いかけて行った。紅線翁(コウセンカク)と孫(ソン)天王は独り身の修茗を気にかけていた。そこで2人で一芝居打ち、どさくさ紛れに修茗の手首に運命の赤い糸を結ぶことに成功する。(´゚艸゚)<引っかかった@孫一方、人間界へ初空を探しに向かった祥雲は…。祥雲は夢に見る光景がかつて経験したことだと確信、歴劫で人間界に行くと決めた。…初空、私を信じて、過去でも未来でも、どこにいようとあなたを必ず見つける…祥雲が紅塵(コウジン)井へ飛び込むと、初空との6回に渡る情劫の波に飲み込まれた。ここは人間界の姻縁祠(シ)。祥雲は境内で参拝客に願掛けの札を売っていた。その日は白髪の老夫婦が祥雲から札を購入、2人仲良く手を合わせて祈っている。祥雲は露店でその様子を眺めながら、果たせなかった初空との誓いに想いを馳せた。やがて参拝客も途絶え、祥雲は店じまいしてから自分も願掛けすることにした。7度目の渡劫で願う″吉祥″の札には虎の人形がぶらさがっている。その時、ふいにつむじ風が吹いて満開の花びらが散り始めた。まるで雨のように降り注ぐ花びら、すると誰かが祥雲に傘を差し出してくれる。(* ̄0 ̄)θ~♪うぉ~だあ~いにーみんば~い祥雲が振り向くと傘を差した初空が立っていた。「…今度のあなたは誰なのかしら?」すると初空は小さく首を傾げて微笑む。実は祥雲が下げた札の横には猪の飾りがついた″如意″の札がぶら下がっていた。終わり(゚∀゚ノノ゙パチパチパチパチ~!楽しかった!ハマった!男主はラブコメが上手いけれど、これまで見た中で一番、良かった!彼のファンの方のコメントで「今回は女主との相性が抜群に良い」とあってなるほどと思いました楊超越は確かに演技が棒wなんだけれど、彼女が女主だった「重紫」も好きでした今になって思えば「重紫」も共演者の仲の良さが作品に出ていたのかもちなみに制作は蒼蘭訣チームと同じです同じように気に入ってくれる方がいると嬉しいな〜( ˶´꒳`˵ )
2024.08.31
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第37話過去を映し出せる神器・玄天鏡(ゲンテンケイ)の修復まであと少し。修茗(シゥミン)は時間を引き伸ばすため、祥雲(シャンユン)こと滄海(ソウカイ)に天雷の罰を与えるしかなかった。激しい衝撃に歪む滄海の顔、すると昊軒(コウケン)は早く罪を認めれば苦痛を受けることはないと嘲笑う。しかし急に滄海が実は自分にも双子の妹・明月(メイゲツ)がいたと明かした。掟では生まれながら邪気を帯びた一方を殺さねばならなかったが、父は娘に手を下すのが忍びなく、深海に封印していたという。「その明月を解き放ち、魂の契約を結んで帝休(テイキュウ)族を皆殺しにさせた、お前がね!」昊軒は動揺を隠せず、寝耳に水だった神仙たちは騒然となった。滄海が時間を稼いでくれたおかげで修茗は心の臓に隠し持っていた玄天鏡の修復に成功した。そこで修茗は滄海を焦って殺せばかえって口封じだと怪しまれてしまうと諌め、ついに鏡を招喚する。「私の持っている古の神器なら3万年前の真相が探れます」すると玄天鏡が3万年前の昊軒と明月の姿を映し出した。昊軒は明月に自由を与える代償として3つの願いを叶えるよう要求、魂の契約を交わす。そして滄海とうり二つの明月に帝休族を皆殺しにさせ、その罪を滄海になすりつけることに成功した。『これで2つ成し遂げられた、3つ目は…お前の力を私に捧げてもらう』そして昊軒は明月の力を自分に取り込んでしまう。激怒した昊軒は霊力で神器を破壊、しかし修茗はもはや真相は隠せないと迫った。その時、運悪く門衛が駆けつけ、摩羅(マラ)族が襲撃してきたと報告する。まさに渡りに船、昊軒は滄海が摩羅族を率いて天界を打倒するための作り話だったと訴え、初空(チュコン)を砕魂箭(サイコンセン)で殺したのは修茗だと暴露した。「修茗、まさか妖魔と手を組むとは…お前を見誤った、逆賊め!」昊軒は修茗や紅線翁(コウセンカク)も滄海の仲間だと言いがかりをつけ、天雷を落としてしまう。一方、無界に飛び込んだ初空は懸命に滄海の力を探していた。すると婚礼衣装をまとった滄海を発見、その肩に触れると途端に3万年前の幸せな婚礼の日に戻ってしまう。生死を共にすると誓いを立て、夫婦の杯を交わす2人…。『死を恐れなければむしろ生を得る、混沌が始まれば歳月は尽きないわ』その時、初空の身体から次第に霊力が離散し始めた。『愛する者のために死にに行けるのはあなただけ…』しかし初空はこれが夢境だと気づき、目の前にいるのが滄海ではないと分かった。…滄海なら私をここに引きずり込みはしない…幻影は夢境を見破られ激怒、初空を跳ね飛ばした。『ここは万物を飲み込む無界、私を連れてはいけない そもそも妖王と滄海の力は相争う、無理に持ち去ればお前の魂が飛散するだろう』すると初空は反噬(ハンゼイ)を受けながらも滄海の霊力に手を伸ばした。ウリャ!(´ ° ཀ°)=C三☆)゚◇゚)三☆))゚□゚)三☆))゚○゚)ノ💥!その頃、天界では昊軒が再び滄海に天雷を下していた。修茗は自分の命も顧みず止めようとして巻き込まれ、再び天雷を受けて倒れてしまう。すると見かねた孫(ソン)天王が口を開いた。「神君…おやめください」「お前まで…」昊軒は側近の裏切りに激怒、孫天王にも天雷を下して黙らせると、ついに滄海に9回目の天雷を落とすことにした。「これでお前の心身は砕け散り、魂は飛散する…」「滄海iiiiiiiiiiiiiiii!」修茗の悲痛な叫びが響き渡った。もはやこれまでか、滄海は目を閉じて覚悟を決めたが、その時、初空が戻ってくる。初空は身を挺して滄海を守り、霊力を戻した。おかげで滄海は一瞬で鉄鎖を粉々に砕き、拘束を解く。「初空!」「遅くなった…すまない」昊軒は死んだと思っていた弟の復活に呆然、初空と修茗に一杯食わされたと気づいた。「真相は全て知った、3万年前、私欲から神託を改ざんし、滄海を陥れたな?」初空はわざと兄に襲いかかった。昊軒は咄嗟に手を上げて応戦したが、袖がめくれ上がって″厄誅(アクチュウ)痕″をさらしてしまう。実は孫天王は帝君の悪事を止めるべく、密かに薬湯に手を加えていた。昊軒はもはや言い逃れできなくなり、開き直った。そこで宝剣を招喚、天雷を集めて長寧宮に巨大な雷を落としてしまう。激しい衝撃を受け倒れる神仙たち、しかし天界屈指の霊力を誇る滄海が反撃した。すると思いがけず反噬を喰らい、喀血してしまう。実は初空が滄海を復活させたせいで昊軒が奪った明月の邪気も復活、同じ衝撃が跳ね返って来たのだ。昊軒もそれに気づき、自分が死ねば滄海も道連れになると挑発する。「…どうだ?ふっ、無界で待っている」初空と滄海は昊軒を追って因縁の無界の崖にやって来た。滄海は罪を悔いるなら命まで奪わないと約束したが、昊軒は明月のように封印されて永遠に孤独を味わうなどご免だという。「私の過ちとは何だ?!道を誤ったのはお前だ!お前は兄を殺そうとした!」「戦神は大義を守らねばならない、兄弟だからこそ過ちを繰り返すのを止めなければ… もうやめるんだ!」「生まれついての魔羅の女帝と金の麒麟に何が分かる?…世の主は私だ! 私に背けばどうなるか見せてやる!」すると昊軒は明月の凄まじい邪気を集め始めた。このまま明月の力を全て放てば世に安寧はなくなる。初空と滄海は宝剣を招喚、2人の霊力を合わせて昊軒と対峙した。その頃、南天門では摩羅族と天兵が激しい攻防戦を繰り広げていた。しかし突然、天地を滅ぼすほどの強い邪気が渦巻き、双方は争いどころではなくなる。やがて黒雲が日を覆い隠した。長寧宮でも紅線翁が不吉な予感だと警戒する。修茗は天穹玉(テンキュウギョク)の異変に気づいたが、滄海を助けようにも霊力を失って動けなかった。昊軒の凄まじい邪気に防戦一方の初空と滄海。そこで初空は滄海に合図し、ついに真身である金の麒麟を招喚した。滄海は麒麟の背に乗り霊力を合わせて反撃、ついに昊軒を倒すことに成功する。「…策略を尽くしたが一敗地に塗れた、私の負けだ しかし私を殺せば滄海も生きられぬぞ?それとも私にひざまずくか?」「お前の執着は私のせいだ、今こそ我が手でケリをつける…私は第3の道を選ぶ」すると初空は昊軒に最後の一撃を放ってしまう。昊軒は崖から無界へ転落した。同じ運命をたどるのが双子の宿命、同時に滄海の身体も離散し始める。その時、金の麒麟が現れ、滄海の元神を守った。滄海は何が起こったのか分からなかったが、急に初空がこらえ切れず膝をついてしまう。「はっ!初空!」初空は3万年前、滄海にこっそり護神呪をかけていた。護神呪は麒麟族に代々伝わる伝統の呪文、生涯の伴侶と定めた相手の元神を一生、守るという。滄海の身代わりとなった初空。愛する人と生死を共にすると誓ったが、共に年を重ねることはできない。つづく( ๑≧ꇴ≦)あ〜!昊軒様ががががが!ラスボス昊軒が現れた!戦いますか?→はい初空→招喚→麒麟滄海→渾身の一撃
2024.08.30
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长相思 lost you forever第16話皓翎(コウレイ)王は小夭(ショウヨウ)を必ず元の姿に戻すと約束した。長年の疑問が解決し、かつての天真爛漫な娘に戻った小夭。しかし何かと不自由な王姫という身分に戻るのはどうしても嫌だと拒む。皓翎王は仕方なくしばらくそのままでいいと許したが、実は小夭にはまだわだかまりがあった。華音(カイン)殿に戻った小夭は早速、塗山璟(トザンケイ)に元の姿に戻れそうだと報告した。「でも不細工だったらどうする?」「それはない…だとしても幸いだ、心の美しさを理解する者は少ない、私が独占できる」すると塗山璟は自分の問題を解決するため青丘(セイキュウ)に戻ると伝えた。皓翎王の娘である小夭にもはや庇護など不要、何よりとても楽しそうで安心したという。小夭は引き止めるわけでもなくあっさり了承したが、念のため塗山篌(トザンコウ)の攻撃には用心するよう警告した。「あと15年、待っていて欲しい」「心配いらない、待ってる」( ๑≧ꇴ≦)17iiiii!あざとい!wその夜、小夭が涼亭で碁を解いていると西炎瑲玹(セイエンソウゲン)が現れた。「塗山璟が帰って寂しくないか?」「確かに塗山璟が好き、でも分かってる、誰でも一生そばにはいられない 娘(ニャン)さえ私を残して逝ってしまった、男のために一喜一憂なんてしないわ ふふ、意外だった?冷淡で…」「冷淡なのではない、私たちは血を吐くような別れの苦痛を何度も経験して来た それは心が痛みを感じないよう己を守る手段だ」小夭は何も言わなくても分かり合える従兄の言葉に思わず顔をほころばせた。どんな幸せもいつか必ず失う時が来る。小夭はいかなる喜びであっても常に微かな悲しみを伴っていた。初めから覚悟しておけば、失った時につらくても冷静に受け止められるという。「″喜びも悲しみも全て味わい尽くさず″か…そういう者は私だけかと思っていた」瑲玹も同じ価値観を共有できる小夭の存在が心強かった。「もう私は孤独ではない」「ごめん、今まで…」小夭が瑲玹に身分を明かさず、今も頑なに王姫の身分を拒むのには理由があった。実は宮女だけでなく、あの九尾狐(キュウビコ)も小夭が皓翎王の娘ではないと知っていたという。『お前の母は天下を欺くあばずれだ!赤宸(セキシン)と姦通してお前を産んだ! 皓翎王はいつかお前を殺すぞ!』話を聞いた瑲玹は激高、でたらめだと否定した。皓翎王ほどの霊力があれば小夭が自分の娘でなければ気づくはず、何より小夭の物を当時のまま大切に保存しているのは父である証拠だという。「じゃあ私は本当の娘なの?」「間違いない (๑و•̀ω•́)و」小夭は胸のつかえが下りて目の前の霧が晴れたようだった。しかし瑲玹は誰が小夭の体内に駐顔花(チュウガンカ)を封印して姿形を変えたのかが引っ掛かる。…師父の様子を見るに知らぬとは思えない…その時、瑲玹は出征前夜の姑姑(グーグー)の言葉を思い出した。…瑲玹、小夭はあなたとは少し″違う″、だからしっかり面倒見てやってね…「まさか小夭の顔を変えたのは姑姑?」瑲玹は驚愕したが、小夭が誰の娘であろうと大切な従妹なことに変わりはなかった。…2度と失いたくない、小夭を守るためならどんな犠牲も払う…一方、阿念こと皓翎億(コウレイオク)はすっかり蚊帳の外。侍女・海棠(カイドウ)から聞いて初めて玟小六(ビンショウリク)が従兄の寝宮に滞在し、漪清(イセイ)園にも案内されたと知った。激怒した阿念は自分を辱めた玟小六を罰して欲しいと父に頼んだが、気のせいだとあしらわれてしまう。「近いうちに公にすることがある、それでお前も辱めを受けたとは思わないはずだ、喜び事だぞ」阿念は父が自分を玟小六に嫁がせるつもりだと誤解した。父は身分に寛容で下級の神族はもちろん、卑しい妖族も登用し、実は母も嫁ぐ前は苦役をしている。阿念は父が自分を医者に嫁がせることもあり得ない話ではないと気づき、慌てて小六を訪ねた。「あんたなんかに絶対、嫁がないんだからね!」小夭は阿念を娶るはずないと呆気にとられていたが、阿念は信用できず、誓いを立てろと迫った。「分かったよ、絶対に娶らないと誓う、破れば雷に打たれて墓にも入れない」「ひとまず信じるわ」瑲玹は小夭を守るためにも西炎へ戻ると決意、師匠に報告した。皓翎王は時期尚早だと反対したが、瑲玹は時間がないという。「私が持つべきものを取り返さねば大切な者を守れないのです」その意味を悟った皓翎王はそれ以上、何も言えなかった。その夜、瑲玹は小夭に朝雲(チョウウン)殿に戻ると明かした。「それもいい、いつかは帰らないとね」「帰らないのか?」すると小夭は朝雲殿の庭にあった鳳凰樹の鞦韆(シュウセン)を懐かしみ、答えをはぐらかしてしまう。そう言えば祖母は臨終の際、2人で助け合いながら生きて欲しいと言い残していた。小夭は祖母がまるでこうなることを分かっていたかのようだと感慨深い。結局、瑲玹は小夭の返事を聞かないまま帰ることにした。「早く休めよ」「うん」小夭は瑲玹の後ろ姿を見送った。その時、母も同じように笑顔で出征したまま戻ってこなかったことを思い出す。「哥哥!…私、王姫に戻る!」「嫌がっていただろう?気が変わったのか?」驚いた瑲玹が引き返して来た。「私が王姫なら危害を加えるにも思慮が要る、一国の王を敵に回すことになるから」瑲玹は自分を守るためだと気づいた。しかし小夭は身分を笠に着て横暴に振る舞うのも良いと笑う。すると瑲玹は思わず小夭を抱きしめた。…奶奶(ナイナイ)、爹爹(ディェディェ)、娘親(ニャンチン)、姑姑、小夭との再会に感謝します、妹妹(メイメイ)を2度と辛い目に遭わせません…小夭は瑲玹が西炎に戻るなら血なまぐさい争いも覚悟の上だった。…私がそばにいて哥哥の志を果たさせる…翌朝、小夭は早速、父に王姫に戻る決意を伝えた。皓翎王は喜び、お披露目の前に玉(ギョク)山へ行って本当の姿に戻るよう告げる。「王母(オウボ)にはもう知らせてある」一方、塗山璟は中原の名家が集まる軹邑(シユウ)城の辰栄(シンエイ)府にいた。しかし防風意映(ボウフウイエイ)が自分に見向きもしない塗山璟に困惑し、太夫人に泣きついて無理やりついて来てしまう。塗山璟は仕方なく青丘に戻ったら退婚を申し出るとはっきり伝えた。「これまで塗山家に尽くしてくれた恩は返す、退婚しても防風氏を支え続けよう」「私は家のために嫁ぐわけじゃない、私の情を疑うの?」「面識もない相手をどうしてそこまで想えるのだ?」すると塗山璟は傷だらけで志もない自分では釣り合わないと言って出かけてしまう。防風意映は迫真の演技で情に訴えかけたが失敗、無駄になった涙を拭った。玉山へ向かった小夭たちはその夜、軹邑城にある皓翎国が建てた駅館に泊まることにした。旅行気分の阿念は質素な建物に不満だったが、瑲玹は身分を隠しているため目立てないという。すると小夭が絶景で有名な涇水(ケイスイ)湖あると思い出し、明日の準備があるという蓐収(ジョクシュウ)と別れて船遊びに出かけることにした。小夭は獲れたての魚を焼いて皆にふるまった。わがままな阿念は汚くて食べられないと断ったが、小六が皮を取り除いてくれる。小夭は生きるために嫌でも料理が身についたと笑ったが、それを聞いた瑲玹が今度は自分が焼くと言った。「私がやろう、阿念のように食べるだけで良い」実はちょうど同じ頃、軹邑城主の娘・辰栄馨悦(シンエイケイエツ)が従兄の許嫁である防風意映を乗せて湖に乗り出していた。防風意映は琴の名手である辰栄馨悦に一曲、頼んだ。その琴の音は小夭たちの船まで届き、小夭は見事な調べに酔いしれる。しかし船はすぐ離れてしまい、小夭は残念がった。「気に入ったのならもっと弾かせよう」瑲玹は咄嗟に得意の簫(ショウ)で合奏、案の定、船が戻って来た。防風意映は即興で琴に合わせられるとはまさに知音だと褒めた。まんざらでもない辰栄馨悦は簫の主の顔が見たいと船を引き返させたが、近づいた途端に簫の音が止まってしまう。実は小夭が琴の弾き手が女子だと推察し、嫉妬した阿念が急に従兄の簫をつかんで止めていた。防風意映は近くに船があると気づいて窓の外を見た。すると驚いたことに簫を吹いていたのが西炎王の孫だと知る。「何を見ているの?どうかした?」「いいえ、魚を焼く香りに誘われただけよ」辰栄馨悦は粗末な船に乗っているのがまさか貴族とは思わず、従兄の許嫁のために代価を払ってでも魚料理をもらって来いと命じた。辰栄の侍女は銭でも物でも何でも交換するので魚料理が欲しいと交渉した。海棠は銭など足りていると言い返し、見事に敵をやり込める。「そうね、湯(トウ)谷の扶桑の木は炎なく熱を出すとか…1束もらえる?魚を焼くのに使うから」小夭は海棠の狡猾さに舌を巻いた。貴重な扶桑の木は指の長さで取り引きされ、薪のように束で購入できるはずがない。憤慨した侍女は思わず水術で攻撃したが、海棠に跳ね返されて自分がびしょ濡れになった。侍女に泣きつかれ、ついに船の主が現れた。しかし小夭は令嬢と一緒にいるのが防風意映だと気づき、慌てて背を向ける。すると瑲玹が知り合いかと聞いた。「赤い衣の女子は防風意映だ」「あれが…」防風意映はこの機会に西炎国の孫を始末しようと企んだ。そこで辰栄馨悦にこの場は自分が収めると申し出る。父と兄の手前もめ事を起こしたくない辰栄馨悦は感謝し、後を頼んで船室に戻った。防風意映と侍女は阿念に狙いを定めて攻撃した。すると逃げ遅れた海棠が湖に落ちてしまう。瑲玹は防風意映が本気で自分の命を狙っていると気づき、小夭に阿念を任せた。しかし船上に逃げ場はなく、小夭は咄嗟に阿念を連れて川へ飛び込んでしまう。瑲玹もすぐ後を追ったが、その時、防風意映の暗器が突き刺さった。つづく
2024.08.28
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长相思 lost you forever第15話玟小六(ビンショウリク)の正体が小夭(ショウヨウ)だと確信した西炎瑲玹(セイエンソウゲン)。皓翎(コウレイ)王は瑲玹が自責の念に駆られていると気づき、慰めた。「全て私の責任だ、当時、己の身さえ守れなかったお前を玉(ギョク)山へ行かせたところで 小夭を連れ帰ることはできなかった」「約束を破ったことに変わりはありません」幼い頃から霊力が強かった小夭が今では防御すらできないほど弱くなっていた。何があったのか分からないが、天下をさすらいながら辛酸をなめつくしたことは想像に難くない。「何もしてやれなかった、他人のふりをするわけです…ゥッ」瑲玹は悔やんでも悔やみ切れず、涙に暮れた。しかし皓翎王は小夭も心の中では従兄だと認めていると励ます。「確かに小六は2度も私を救ってくれた、姿形が変わっても小夭は小夭です」翌朝、小六は松葉杖を使って歩けるまでに回復した。すると寝殿の前に黄金の山ができている。富豪の青丘公子・塗山璟(トザンケイ)さえこれほどの金子を見るのは初めてだと驚いた。小六は昨日の会食で″毎日、銭の山で寝転びたい″と語ったことを思い出し、本当に準備してくれたのだと感心する。そこで早速、黄金の山に登って寝転がり、夢を叶えた。塗山璟が小六を支えて寝殿に連れて帰ると老桑(ロウソウ)がやって来た。「殿下の命で朝雲(チョウウン)殿の桑葚(ソウシン)を持って来た 退屈なら漪清(イセイ)園を散歩しろとも言っていた」老桑は拝礼して出て行ったが、小六への厚遇にどこか不満げに見えた。小六は思い出深い漪清園を訪ねることにした。しかしまだ脚を踏み入れる勇気がなく、門近くの岩に腰掛ける。幼い頃、夏は園内の池で水浴びをしながら、母から冷えた瓜を食べさせてもらったものだ。「こんな暑い日は冷えた瓜があれば最高だな」すると塗山璟はすぐ戻ると行って出かけてしまう。その時、運悪く天敵である阿念(アネン)が現れた。(゚ロ゚ノ)ノ<ヒイィィィ!何であんたがここにいるの?!阿念は清水(セイスイ)鎮での屈辱を思い出し激高、侍女に小六を連行するよう命じた。阿念は自分の寝宮で小六を拘束した。従兄の恩人ゆえ命まで取れないものの、あの日の恨みを晴らすため罰として手を打つという。すると小六は両手を仕置き棒で叩かれながら、わざと阿念を挑発した。「王姫の背中は柔らかくていい香りがしたな~例え手を失っても触る価値はあった」驚いた侍女の海棠(カイドウ)は口をふさぐよう指示、王姫を侮辱した以上、殺すべきだと訴えた。「まずは手を叩いて!次は口よ!死んでも構わない!」阿念が顔を真っ赤にして叫んでいる頃、辰栄(シンエイ)軍の陣営にいた相柳(ソウリュウ)は急に手が痛くなった。小六の身に何かあったのは明らか、しかし糧秣もままらない軍営を離れるわけにいかない。( ー̀ωー́ )チッ!<役立たずの狐狸め!一方、塗山璟は小六のために瓜を手に入れ、漪清園に向かっていた。すると通りかかった含章(ガンショウ)殿から第二王姫の怒号が聞こえてくる。「この賎民め!」塗山璟は小六が捕まったと気づいて助けようとしたが、門衛に阻まれてしまう。小六の両手は激しく打たれて真っ赤に腫れ上がった。そこへ騒ぎに気づいた静安(セイアン)妃が現れる。「娘、なぜここに?…止めて」阿念が罰を中止し、小六はふと顔を上げた。すると戦死したはずの母・西陵珩(セイリョウコウ)が立っている。「モゴモゴ(娘)…?」小六は急に取り乱し、侍女たちを突き飛ばして母の元へ行こうとした。しかし侍女たちに押さえつけられ、どんなに手を伸ばしても届かない。その時、門衛から知らせを聞いて皓翎王が瑲玹と塗山璟を連れて駆けつけた。瑲玹は侍女たちを押しのけ、小夭を必死になだめようとした。何が起こったのか分からず戸惑う静安妃と阿念、そこで皓翎王は2人に外へ出るよう命じる。瑲玹は小六の口に詰め込まれた手巾を取り外して投げ捨て、必死に説得した。「小夭!あの人は姑姑じゃない!」「哥哥、娘が戻って来た!知りたいんだ、なぜ私を捨てて行ってしまったのか… いい子にするから戻って欲しいって伝えてよ!」「小夭!私だ、哥哥だ!姑姑は戦死しただろう?!あの人は姑姑に似ているだけだ!」「娘は約束した…すぐ戻って来る、必ず帰って来るって…ゥッ… なぜ私を捨てたのか聞きたかっただけよ…なぜ戻って来なかったの?!どうして? 哥哥、娘はどうして私を捨てたの?!」瑲玹は号泣する小夭を抱きしめ、思い切り泣かせてやることしかできなかった。。・゜・(ノД`)・゜・。<音量に気をつけて〜 w小六はようやく落ち着きを取り戻し、瑲玹は場所を移して真実を聞いた。「さっき私を哥哥と呼んだな?もう言い逃れはできないぞ?」「…瑲玹哥哥、戻ったわ」実は皓翎王は小夭が阿念をわざと怒らせ、自分の反応を見ようとしたと見抜いていた。そこで皓翎王は小夭の不信感をぬぐおうと、幼い小夭が好きだった幻術の動物を見せる。すると小夭はようやく重い口を開いた。「聞いたの、私は捨てられたって…なぜ迎えに来てくれなかったの?」「玉山に行けなかったのは弟たちの反乱のせいだ お前を巻き込まぬよう反乱を鎮めてから迎えに行くつもりだった だがお前は勝手に山を下りていた そうなると分かっていたら、危険があろうとそばに置いたよ」「…本当に私の爹爹なの?」「当たり前だ、たとえお前がそう呼ばなくても私はお前の父だ」するとわだかまりが解けた小夭は父に抱きつき、泣きじゃくった。小夭はふと塗山璟がいることを思い出し、何と説明すればいいか分からなかったと釈明した。しかし皓翎王は九尾一族ならその眼力で小六が女子だと気づいていたはずだという。「塗山璟だな、確か許嫁は防風(ボウフウ)小姐のはずだ」皓翎王は塗山璟を牽制したが、小夭の手前、それ以上は追求しなかった。小夭は本来の身体に戻るまで、このまま瑲玹の寝宮である華音(カイン)殿で過ごすことになった。すると老桑が食事の準備をしながらなぜか涙ぐんでいる。「そうだ小夭、老桑はお前が酒をあげていたあの碧玉桑なんだ」「え!気づかなかった!ついに人像(ヒトガタ)を手に入れたんだ?」老桑は小六が王姫だと見抜けなかったことで落ち込んでいたが、小夭はならば罰としてこれからも桑葚を実らせ、酒を醸造しろと笑った。その夜、小夭たちはあずま屋で酒を飲むことになった。塗山璟は瑲玹が酒を取りに行っている間、これから小六を何と呼べばいいのか尋ねる。「本当の名前は皓翎玖瑤(コウレイキュウヨウ)だ 額のあざが″夭夭たる桃花″を連想させることから小夭と呼ばれていた でも今まで通り小六と呼んでくれ」しかし塗山璟はどんな事情があったにせよ、小六が第一王姫だと知った今では恐れ多いという。そこへ瑲玹が戻って来た。瑲玹は酒を飲みながら、ずっと気になっていたことを切り出した。「小夭、山を離れた後のことを教えてくれないか?」すると小夭はこれが最初で最後という条件で過去を明かすことにした。もし父や祖父に聞かれたら代わりに伝えて欲しいという。「分かった」…小夭は皓翎の宮女2人と一緒に玉山を下山し、五神山に戻るつもりだったしかし道中、思いがけず宮女の愚痴を聞いてしまう『陛下はあの子の母親と別れたのよ?もう王姫でも何でもないのに…』『母親は密通してあの子を産んだらしいわ』『本当に大切な娘なら玉山で70年も待たせるはずないのにね』深く傷ついた小夭は独りで下山し、ひとまず母が戦死したという冀(キ)州を目指した必ず戻ると約束した母が死ぬはずがないそう信じて紆余曲折の末、冀州に辿り着いたが、当然、母はいなかった小夭は行く当てもなくさまよい、やがてある町で父と祖父が自分を探していると知った尋ね人の告示には自分の似顔絵が描かれていたが、今の小夭には見る影もないしかし玉山に70年も住んでいた王姫の霊力に目をつけた妖族は小夭の額にある桃花のあざを見逃さなかった小夭は妖族と目が合い、慌てて逃げ出したするとちょうど孤児たちの集団を見つけ、仲間に加わって鳴りを潜めるしかし妖族の男が駆けつけ、子供たちを立たせて順番に額のあざを確認し始めた小夭は怯えながら心の中で自分の顔が変わるよう念じ続けると、驚いたことに姿形だけでなく、性別まで変えることに成功する小夭はそれ以降、顔を変えながら転々とした『これでもう怖くない』しかし元の顔に戻そうと手鏡をのぞいた時、すでに自分の顔が思い出せなくなっていたそれからも顔は変わり続けたが、どれも偽物この時、小夭は自分が幻形術が使えるようになったのではなく、医者も治せぬ奇病にかかったのだと思った小夭は人里離れた山奥に逃げ込んだ霊力が強かったおかげで猛獣など敵ではなく、猿を話し相手にしたり、蛇妖をからかったりして寂しさを紛らせるそんなある日、小夭は自分と同じように顔を変えることができる九尾狐の男と出会った2人は顔を変えられる回数を競って遊んでいたが、やがて九尾狐は猩猩(ショウジョウ)の精魂でできた映る物を覚えられる鏡を見せてくれるその鏡に小夭の顔を覚えさせれば、自分の顔を操れるようになった小夭も初めは九尾狐を警戒していたしかし自分を怪物扱いせず何でも教えてくれる九尾狐を慕い、住み家へついて行ってしまうすると九尾狐は小夭を檻に繋いだ『お前の母は私の友を殺して尾を切った、本人が死んだのならお前が代わりに償え』九尾狐はあらゆる方法で小夭を痛めつけたそして得体の知れない食べ物を流し込まれ、霊力を身体中に散らされてしまうそれから30年、満月まであと2日という時だった九尾狐はすでに気力を失った小夭を眺めながら、完成した霊薬をどう食べようかと思案するそこで小夭はわざと九尾狐を挑発し、檻の中へおびき寄せた九尾狐もまさか小夭が長い年月をかけ、密かに毒薬を調合していたなど想像もしていなかっただろうすると小夭は機を見て毒に自分の血を毒に混ぜ、効果を高めて九尾狐を殺した小夭は倒れた九尾狐から鏡を奪い、檻の中で唯一の慰めだった一輪の花を摘んだそして九尾狐の住み処に火を放ってついに外へ出る…瑲玹は小夭から預かった白狐の尾が原因だと知り、思わず投げ捨てた。しかし九尾狐の尾は貴重で幻刑術を見破る時に役立つため、小夭はひとまず塗山璟に預かってもらうことにする。翌朝、瑲玹は皓翎王に小夭の辛い経験を伝えた。すると皓翎王は小夭の姿形が変わるのは奇病ではなく神器のせいだと教える。何も知らなかった小夭は慌てて父のもとへ向かった。小夭は体内に駐顔花(チュウガンカ)という神器が封印されていた。しかし皓翎王は誰が封印したかには触れず、自分に神器を取り出す術はないと教える。「だが必ず元の姿を取り戻してやる」「今まで散々、待ったんだ、もう少しくらい待てる」つづく( ๑≧ꇴ≦)長文だわ重過ぎるわでお腹いっぱい!だがまだまだ続くw
2024.08.27
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长相思 lost you forever第14話相柳(ソウリュウ)は毛球(ケダマ)に乗って空から玟小六(ビンショウリク)を探し回っていた。一方、小六を山小屋から逃した塗山璟(トザンケイ)は西炎瑲玹(セイエンソウゲン)の怒りを買い、一撃を喰らって倒れてしまう。結局、小六は塗山璟を見捨てることができず、すぐ引き返して捕まった。瑲玹は再び小六が逃亡できないよう容赦なく両脚を折り、塗山璟と一緒に護送することにする。その時、小六が怪我をしたせいで相柳の脚にも激痛が走った。「捕まったか…毛球、五神(ゴシン)山へ」( ̄▽ ̄;)哥哥を嫌いになりそうです小六は檻車に揺られながら、意識のない塗山璟に自分の血を飲ませた。「冷たくしたのは身を引かせるためだ、そうすれば安心して発てる、なのにお前は…」すると塗山璟はすぐ目を覚まし、実は6年前も小六の血を飲んで助かったと知る。「つまり…相柳も君の血で治療していたのか?」「そうだ、あいつは俺を薬士瓶だと思っているらしい」塗山璟はようやく小六の首の赤いあざの理由を知り、誤解が解けて思わず笑顔になった。瑲玹は五神山に到着、小六と塗山璟をひとまず海沿いにある龍骨(リュウコツ)獄に入れることにした。歩けなくなった小六を大事そうに抱きかかえて獄舎に入って行く塗山璟。瑲玹は小六と塗山璟が親しいと知っていたが、それにしても2人の関係は不可解に思えた。塗山璟はたとえ獄舎でも小六と一緒なら心静かでいられると喜んだ。「男の俺にべったりなのは変だろう?」「…君は女子だ」小六は驚き、あの相柳でさえ自分を女子とは認めていないと困惑する。「奴は見ていないから」「見ていない?何を?!」小六は完璧な幻形術を見破られたと知って激しく動揺した。「何を見ていないんだ?教えてくれよ!」すると塗山璟は6年前、傷が癒えて湯浴みすることになった時、自分の身体を見た小六が頬を赤らめたのを見て女子だと確信したと明かした。「嘘だ!赤くなんてなっていない!嘘に決まってる!」小六は決して認めようとしなかったが、塗山璟は小六が女子だと気づいた時、本当の意味で息を吹き返したようだったと話した。それ以来、塗山璟は小六を女子として愛し、離れまいと決意したという。塗山氏に戻ったのは回春堂を兄から守るためであり、母が決めた許嫁の防風意映(ボウフウイエイ)に恋情はなく、顔を合わせたのも清水(セイスイ)鎮が初めてだった。「必ず退婚する、15年でいい、塗山璟から葉十七(ヨウジュウシチ)になる それまで他の男を心に入り込ませないで欲しい」一方、相柳も五神山海域に到着、小六を救うため霊力で結界を破ろうとしていた。小六は塗山璟の思わぬ告白に驚きながら、初めて女子の幸せというものを体験していた。「…俺は簡単に心を開かない、15年どころか50年経っても誰も入れないさ」塗山璟はそれが合意の意味だと悟り、あまりの嬉しさに思わず涙してしまう。しかし小六はまだ他人と深く関わることに自信が持てずにいた。そんな小六の不安も塗山璟は全て受け止めてくれる。「君は簡単に人を信じたり尽くしたりしない 偽りの愛に生きる桑甜児と違ってあくまでも正直で、不誠実な相手とは潔く縁を切る 君が望む時まで待つよ、君が去らない限りずっと待つ、そんな人生も悪くない」( ̄▽ ̄;)あざとい…あざと過ぎる17w獄舎に迎えの兵士が来た。塗山璟は兵士が小六に触れるのをよしとせず、自分が抱えて連れて行くという。龍骨獄の外では瑲玹たちが待ち構えていた。その時、海から相柳が現れる。瑲玹は自分を殺すため無謀にもここまで来たのかと呆れたが、相柳は瑲玹には用がないと言った。「なんてザマだ?!脚を折られるとは…」小六は海に飛び込みさえすれば相柳が助けてくれると分かったが、相柳の衣に血がにじんでいることに気づいた。手負いの身で自分を連れて逃げられるほど五神山は甘くない。何より塗山璟を独りここへ置きざりにすることなどできなかった。「借りは作らない主義なんでね、帰ってくれ」「…忘れるな、すでに借りはあるぞ?」「分かってる、取り立てを待ってる!」すると相柳はおとなしく引き上げて行った。瑲玹は小六と塗山璟をひとまず自分の寝宮に滞在させることにした。そこで沐浴を済ませ、謁見の準備をして待つよう命じて朝議に向かう。塗山璟は小六の落ち着かない理由が皓翎(コウレイ)王にあると気づいたが、なぜここまで頑なに面会を拒否するのか分からなかった。塗山璟は歩けない小六を御前まで送り届け、皓翎王に拝礼した。「陛下、玟小六は拝礼できませんがご容赦ください」恐る恐る皓翎王の顔を見上げた小六、しかしいざ自分を捨てた父を前にすると乾いた笑いがもれてしまう。「誰が脚を折ったのだ?」皓翎王は不満げだったが、それが瑲玹の仕業だと知って追求できなかった。「一緒に食事を…」( ゚ロ゚)!!<しょ食事?@瑲玹小六は皓翎王と瑲玹、塗山璟と会食した。しかしわざと不作法に振る舞い、瑲玹をへき易させる。「育ちが悪いのでごちそうに興奮しちゃって…大目に見てくれ」すると皓翎王が小六に好きな物は何かと聞いた。小六は銭が好きだと答え、できれば毎日、銭の山で寝転びたいという。「…食べ物のことだ、蓬餅(ヨモギモチ)を用意させた、他に望みがあれば作らせる 物語を聞きながら食べるといい」皓翎王の言葉に小六は動揺を隠せず、もう十分過ぎるほど食べたと断って塗山璟と戻ってしまう。瑲玹は血相を変えて皓翎王に尋ねた。「師父、小六は何者なのです?てっきり師父の甥なのかと… 蓬餅は小夭(ショウヨウ)の好物、物語を聞きながら食べるのが小夭の日課でした」「高度な幻形術だ、正体は分からぬ」瑲玹は本人に確かめたいと言ったが、皓翎王は止めた。玟小六の正体が何者であれ、決めるのは本人だという。「素性を知りたいのは私も同じだ、だが玟小六が切り出すまで問い詰めずに待つとしよう」(  ̄꒳ ̄)そうよね~さすがはパパなの、いきなり脚折っちゃだめよw瑲玹は回廊を歩きながら、清水鎮で自分を救ってくれた小六の様子を思い出していた。するとふいに涙が頬を伝う。…小夭は素性を明かしていたのに、自分が心を閉ざしていたばかりに見抜けなかったのか…瑲玹が呆然としながら寝宮へ戻ると、ちょうど塗山璟が小六に竜眼(リュウガン)を勧めていた。実は小夭は竜眼を食べない。その時、小六が断った。「竜眼は食わない」瑲玹がふらふらと小六たちの部屋に入って来た。塗山璟はまた小六が傷つけられるのではと警戒したが、なぜか瑲玹は自分の霊力を使って小六の脚を治療してくれる。まさか小六が小夭だと夢にも思わず、脚を折り、拷問で手を痛めつけてしまった瑲玹。そんな瑲玹の悲痛な面持ちを見た小六は哥哥がついに自分の正体に気づいたのだと悟った。「良く介抱してくれ」瑲玹は涙をこらえ、塗山璟に小六を任せて帰って行った。:( •ᾥ•):グッ!しかし小六はこらえきれず、涙があふれ出してしまう。(꒦ິ⌑꒦ີ)ダー! その夜、瑲玹は回廊に座って白狐の尾を眺めていた。…約束通り小夭を迎えに行っていれば姿を消さなかったはずだ…すると皓翎王がやって来た。つづく
2024.08.26
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长相思 lost you forever第13話遊歴を終えて皓翎(コウレイ)国の五神山に戻った西炎瑲玹(セイエンソウゲン)。皓翎王は瑲玹に湯(トウ)谷水での治療を勧めたという町医者に興味を持ち、その恩人の話が聞きたいと言った。「相柳(ソウリュウ)や防風(ボウフウ)氏の動機や目的は私もよく承知しています しかしこの玟小六(ビンショウリク)だけは敵か味方なのか読めません 私に蠱虫(コチュウ)を放ちながら二度も私を救った…あの者の目的が分からぬのです」「毒の扱いに長け、蠱術も操るのか…」すると皓翎王は思うところあって玟小六に会ってみたいと言い出した。「連れて来てくれ…知人の子供かもしれぬ」瑲玹は師兄に師匠の思惑を聞いた。すると蓐収(ジョクシュウ)もただの町医者とは言え神族、市井にいながら湯谷水や氷晶を使い、蠱術まで操れるとなるとただ者とは思えないという。「″五王の乱″を知っているか?5人の王は討たれたが、中容(チュウヨウ)の子は今も行方知れずと聞く 中容の側室は毒の扱いに長けたそうだ、ひょっとするとその医者は逆賊の子やも?」「そう言うことか…私に近づいたのは見返りを期待しているからに違いない」回春堂を出て行くことにした小六、するとが塗山璟(トザンケイ)が氷晶で作った風鈴を届けにやって来た。しかし小六の部屋に小さな荷物があることに気づき、呆然となる。「どこへ?…私は君のそばにいる」「塗山璟は葉十七(ヨウジュウシチ)じゃない、俺とは赤の他人だ、消えろ」「君に嫌われ、会うまいと努力した、でも無理だった、離れられない」塗山璟は小六がどこへ行こうと付いて行くと決めたと伝え、風鈴を置いて帰ってしまう。塗山璟の熱い思いにまたも心が揺らぐ小六。中庭の長椅子に座って気持ちを落ち着かせようとしていると、突然、皓翎へ帰ったはずの瑲玹が現れた。何事かと思えば、皓翎王が小六に会いたいと所望しているという。「私は西炎瑲玹、西炎王の孫で師父は皓翎王だ 師父にお前の話をしたらなぜか会いたいと仰せだ、王の命を拒むことはできない 私を困らせるな、乱暴は好まぬ…二時で荷造りし、家族に別れを告げ、夕刻には出発だ」瑲玹の有無を言わさぬ高圧的な態度に、もはや優しい従兄の面影はなかった。…こうやって皓翎で生きて来たんだな…ここは金天(キンテン)谷。金天星沈(キンテンセイチン)はまだ若い娘ながら腕のいい鍛冶屋だった。そこへ仮面をつけた賓客が現れ、図面を渡す。「族長は恩があるので仕事を受けるよう言ったわ、でもつまらない仕事はご免よ」しかし弓矢の図面を確認した途端、金天星沈は笑顔になった。「ずい分と凝った仕掛けね、いいわ!仕事を受ける!」小六は部屋で荷物をまとめるふりをしながら逃げ出す方法を考えた。そこで自分のすねを思い切り打ち付け、蠱虫を使って相柳に助けを求める。しかし中庭から鈞亦(キンエキ)の報告が聞こえて来た。「清水(セイスイ)鎮を出る道を全て封鎖しました」どうやら辰栄(シンエイ)軍に逃げ込むのは無理らしい。その時、ふと軒下で揺れている風鈴に気づき、塗山璟を頼ろうと思いついた。瑲玹は近隣への別れの挨拶に出かけたいという小六の頼みをあっさり許可してくれた。家族に別れを伝えられないまま外へ出ようとした小六、しかしちょうど独りで店番をしていた桑甜児(ソウテンジ)がひょっこり顔を出す。「回春堂は任せた、老木(ロウボク)には″縁が尽きたら別れる定め、出会えて良かった″と…」すると桑甜児は医術の師に叩頭して別れの挨拶とした。小六は聡明な桑甜児に老木や麻子(マシ)夫婦のことを頼み、どこへ行くとも告げず出て行ってしまう。塗山璟は侍女・静夜(セイヤ)から小六が訪ねて来たと聞いて驚いた。「何があった?」「皓翎王が俺をお召しだそうだ」小六は会いたくないので塗山氏が持っている抜け道から逃がして欲しいと頼んだ。さすがの塗山璟も皓翎王と西炎王を敵に回すことはできないと思ったが、塗山璟は二つ返事で了承し、一緒に逃げると決める。「静夜、私と小六の衣を準備してくれ」一方、小六を監視していた鈞亦は瑲玹に玟小六が兪(ユ)府を訪ねたと報告していた。「殿下、玟小六の狡猾さを知りながら、なぜ二時も猶予を?」「事情はどうであれ命の恩人だ、この二時で恩を返しておく」しかし見張りから玟小六が密かに兪府を出たと知らせが来た。鈞亦から報告を聞いた瑲玹は小六を侮っていたと憤った。そこで鈞亦は直接、兪府を訪ねたが、塗山璟もいなくなったと分かる。何も知らなかった防風意映(ボウフウイエイ)は困惑したが、ふと回廊で出くわした静夜が衣を持っていたことを思い出した。「そう言えば…部屋にあった包みに入っていた衣が薄物ばかりでした 温暖な皓翎に行ったのでは?」相柳は慌てて回春堂に駆けつけたが一足遅かった。小六の部屋はもぬけの殻。一方、小六と塗山璟は無事に清水鎮を脱出し、その夜、皓翎の寂れた山小屋に身を隠した。灯台下暗し、瑲玹もまさか小六が皓翎にいるとは思わないだろう。しかし防風意映の思わぬ密告で追っ手はすぐそこまで迫っていた。小六は塗山璟が″青丘公子″の名声を捨てることも厭わずついて来たことに驚きを隠せなかった。すると塗山璟は初めて自分の境遇を話してくれる。実は塗山璟を死地へ追いやったのは兄である塗山篌(トザンコウ)だった。塗山璟は兄に監禁され、顔の判別もできなくなるほど痛めつけられてから解放されたという。「その時に青丘公子は消えたんだ」…塗山篌は幼い頃から活発で霊力も強く、弟思いの優しい兄だったしかしなぜか母は塗山璟だけを可愛がり、あからさまに兄に冷たかったというそんな理不尽な母の仕打ちにもめげず、塗山篌は何とか母に認めてもらおうと必死に努力した母は病床にふせっても塗山篌を激しく拒み、二度と顔を見せるなとまで言い放った結局、2人のわだかまりが解けぬまま、母はこの世を去ってしまう塗山篌は母を失った悲しみと、二度と認めてもらえない絶望感から酒に溺れ、自暴自棄になったすると見兼ねた祖母がついに真実を明かす実は塗山篌と塗山璟は母親が違ったのだ母に嫌われていた原因を知った塗山篌は酒を断ち、立ち直った塗山璟も安心していたが、そんなある日、兄から相談があると誘われ屋敷を離れるしかしいつの間にか意識を失い、気がつくと地下牢に捕らわれ、霊力を封じられて龍骨(リュウコツ)製の鎖につながれていた…塗山璟も小六と同じような心の傷を抱えていた。「十七、もう大丈夫、今は俺がついている、誰にも手出しさせない」「分かった」2人の絆はさらに強まったが、翌朝、山荘は皓翎軍に包囲されてしまう。塗山璟は力及ばず落胆したが、小六はここまで逃がしてくれた塗山璟の勇気に感謝した。そこで塗山璟は自分が瑲玹たちを足止めし、その間に小六を逃がすと決める。「私の騎乗獣(キジョウジュウ)が北東の方角にいる、行け、この玉佩を掲げれば現れる 最後に君の本当の顔を見せてくれないか?」しかし外から瑲玹の怒号が聞こえてきた。(」゚ロ゚)」<玟小六!出て来い!逃げれば脚を折るぞ!焦った塗山璟は煙幕の術を使って急ぎ小六を山荘から逃し、独りで瑲玹の前に姿を現した。小六は必死に走った。しかし山間に瑲玹の声が響き渡り、思わず足を止める。(」゚ロ゚)」<お前の連れは葉十七だそうだ!こいつを殺すのは簡単なことだぞ?!「さすが爺爺のお気に入りなだけある、容赦ないな」つづく( ๑≧ꇴ≦)あざとくて何が悪いの@17
2024.08.25
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第36話祥雲(シャンユン)への情愛を断つことなく妖王の力を得ることができた初空(チュコン)。しかしその頃、昊軒(コウケン)が祥雲の正体を突き止めていた。妖王の侍女が祥雲だと知り、初空の歴劫(リャッコウ)のあらすじを読み直していた昊軒。するとなぜか″星凌(セイリョウ)教の師弟物語″の最後の頁がないと分かる。…なぜ李(リ)天王は筋書きの最後を破った?何を隠したのだ?…そこで霊力で復元してみると、祥雲に残した手がかりの一文が浮かび上がった。「海棠の花のかんざし?」昊軒は初空が滄海を″小棠(シャオタン)″という愛称で呼んでいたことを思い出し、腑に落ちた。…道理で見覚えがあったはずだ、だから初空と共に消えたのか、錦蓮(キンレン)が従ったのも不思議はない、唯一の歴劫の相手になるのも当然だ…昊軒は滄海がすでにこの世に復活していたと気づき、焦燥感に襲われた。一方、急ぎ無界へ行くことにした初空は錦蓮に滄海を任せることにした。「わだかまりはあるだろうが、私に何かあったら祥雲のことを頼む」「言われなくても命をかけて守る」すると祥雲が見送りにやって来た。「無事に戻ると約束して」「必ず滄海の力を持って帰ってくる」祥雲を安心させるため笑顔を見せる初空、その時、錦蘿(キンラ)が血相を変えて駆けつけた。昊軒が数万の兵で詭(キ)界を包囲し、滄海を差し出さなければ詭界を踏み潰すと脅して来たという。こんなに早く気づかれるとは予想外だった。もはや無界へ行く猶予もなく、初空は祥雲を守るため結界に閉じ込めてしまう。「今度は独りで背負わせない…全てが終わったら出してやる、錦蓮?錦蘿?」「摩羅族はご指示に従います」祥雲は自分だけ逃れるわけにいかないと訴えたが、初空は弟として兄の過ちを止めに行くという。そこへ狂龍(キョウリュウ)長老が配下を連れて現れた。「初空仙君、妖族にも出兵のお許しを…」「私の正体を知ったのなら分かるだろう、妖族には関わりない」しかし狂龍は昊軒が攻めてくればどちらにせよ詭界も巻き込まれ、共に戦うことに生き残る道があると訴えた。昊軒は大人しく滄海を引き渡すよう要求した。しかし妖王がこれを拒否、昊軒は詭界の結界を壊すことにする。初空たちは力を合わせて抵抗したが天兵軍の霊力に及ばず、妖族も摩羅族も霊力を使い果たして次々と倒れた。残ったのは初空と錦蓮の2人だけ、これ以上、続ければ霊力が尽きてしまう。その頃、祥雲は必死に結界を破ろうとしていた。すると初空に何かあったのか、結界の力が弱まり、祥雲はついに結界を壊すことに成功する。一方、昊軒はなぜ妖王が命をかけてまで滄海を守るのか怪しんだ。「私に何を隠している?…ならば顔を見せてもらおう」昊軒は妖王に一撃を放ち仮面を外した。しかし初空は咄嗟に仮面をつかんで背を向ける。その時、突然、祥雲が現れた。「私は3万年前、妖族を助けただけ、これでもう十分、恩を返してもらった… この者たちには関わりない、行くわ」「帝君?!…だめだ、行かせない」慌てた初空は思わず祥雲の腕をつかんで止めたが、祥雲にはある思惑があった。…冷静になって、詭界と摩羅族を犠牲にできない、無界に行って滄海の力を取って来て、そうすれば昊軒に勝てる、さもないと皆がここで死ぬことになるわ…すると初空は大局を見て納得し、必ず迎えに行くと約束した。祥雲は一緒に行く代わりに10万の兵を詭界から引き上げ、二度と踏み入らぬよう要求した。昊軒は駆け引きできる立場かと呆れたが、滄海に痛いところを突かれてしまう。「無血で解決できるのに何が問題なの?詭界は他ともうまくやって来た 結界を破るため大きな代償まで払うなんて、何かやましいことでもあるの?」「∑(⊙∀⊙)ドキッ!…いいだろう、自ら囚われの身となるのなら今日のことは不問に付してもいい」長寧宮に戻った昊軒は直ちに滄海の魂を消滅させるよう命じた。その時、祥雲が滄海だったと聞いた紅線翁(コウセンカク)が慌ててやって来る。しかし帝君に命乞いしても無駄だと気づき、ひとまず時間を稼ごうと思いついた。「3000年も欺かれていたとは…何と憎らしい!殺すだけでは甘すぎる!」「その通り」すると修茗(シゥミン)が駆けつけた。「急いで魂を消すなど軽すぎる、明日はちょうど天雷の日、雷刑で筋骨を断ち、魂を引き裂く 苦しんで死んでこそ恨みを晴らせます!」紅線翁も賛同し、滄海を衆目環視の中で裁けば世の者は帝君の恩を心に刻むだろうと昊軒の虚栄心をくすぐった。修茗は孫(ソン)天王の協力で牢に侵入、祥雲を逃すことにした。しかし昊軒の結界は強力で修茗の霊力では破れない。祥雲はどちらにしても逃げないと訴え、3万年前の真相を世に知らしめると言い放った。「昊軒を除かないと殺された魂が安らげず、世に安寧は訪れない… 長寧殿にある玄天鏡(ゲンテンケイ)なら過去の真相を映し出せたのに、昊軒が壊してしまったの」「玄天鏡?古の神器なら昊軒でも完全には壊せないはずだ」そこで修茗は鏡を修復しようと決めた。一方、初空は3万年前に滄海が身を投げた崖の上に立った。…全ての宿命を必ず私が終わらせてみせる…すると初空は妖王の力をまとい、無界へ飛び降りた。修茗は長寧宮から玄天鏡を持ち出し、洞窟の中にこもって修復を試みた。孫天王は心の臓を使えば鏡が直ったとしても霊力を損って命を落としてしまうと警告したが、修茗は滄海の潔白を明かせるなら命など惜しくないという。しかし鏡が直せないまま夜が明け、ついに滄海の裁きが始まった。「3万年前、摩羅族の女帝であり、範を垂れ大任を担うべき身で自ら進んで魔となった… 私が戦っていなければ世は妖魔に滅ぼされていただろう 本日、各部族に集まってもらったのは公正な裁きを行うためだ」孫天王は拘束された滄海の哀れな姿を見ながら、修茗が戻るのを今か今かと待っていた。昊軒は滄海に罪を認めるよう迫った。しかし祥雲は罪を認めるのが誰かは昊軒が一番、分かっているはずだと牽制する。その時、天界に暗雲が垂れ込め、雷鳴がとどろいた。「時刻だ、私が自ら正義を行う」一方、鏡の修復まであと少しというところで修茗も雷鳴を耳にした。…もう間に合わない、何とか引き延ばさねば…昊軒はゆっくり玉座を降りた。「天雷の鞭に何回まで耐えられるかな?」しかし突然、修茗が現れ、自分の手で帝休(テイキュウ)族の恨みを晴らしたいと申し出る。昊軒は許可したが、修茗は永遠と滄海への恨みつらみを語り、なかなか罰を与えようとしなかった。「修茗、話はもういい、早くやれ」すると祥雲は疑われないよう構わず打てと修茗に目で訴えた。…玄天鏡が直るまでまだ少しかかる、滄海、すまない…修茗はついに鞭を振り上げた。天雷の激しい衝撃に顔を歪ませる祥雲…。昊軒は早く罪を認めれば苦痛を受けることはないと冷笑した。つづく( ๑≧ꇴ≦)妖王、さすがにコスプレ感が強すぎてw
2024.08.23
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第35話女媧(ジョカ)石の化身・紫輝(シキ)は錦蘿(キンラ)が石の心を奪ったのは自分を守るためだとすでに気づいていた。紫輝のわだかまりが解けたことを知った錦蘿は安堵の涙を流し、ついに石の心を返す。実は錦蘿が肌身離さず身につけていた指輪が石の心だった。翌晩は満月で妖力が最も高まる時、紫輝は昊軒(コウケン)との約束通り滅妖(メツヨウ)陣を動かした。陣に入った昊軒は金丹を自分の身体に取り込みながら、全てが終って陣が完成すれば詭(キ)界のあらゆる妖力が手に入ると期待する。しかしその様子を物陰から孫(ソン)天王が見ていた。孫天王は修茗(シゥミン)から警告を受け、帝君を尾行していた。修茗の話が真実だと知った孫天王は慌てて天界へ戻り、修茗にありのままを報告する。「この目で見ました」「本当か?!」一方、紫輝は昊軒に協力すると見せかけ、頃合いを見計らい裏切った。陣の完成も間近というところで霊力を止め、最後の金丹の取り込みを阻止する。しかしすでに6つの金丹を取り込んだ昊軒は自分の力だけで陣を動かせるようになっていた。驚いた紫輝は何としても陣を破壊しようと無謀にも石の心を叩きつけ、心は砕け散ってしまう。その頃、妖王府では狂龍(キョウリュウ)長老が不問(フブン)長老の亡骸を前に悲しみに暮れていた。「一体、誰がこんなむごい真似を…」すると初空(チュコン)に天界から修茗の伝令符が飛んで来る。…昊軒は不問を殺した、滅妖陣を動かす気だ…「殺した者が分かった」昊軒は滅妖陣を壊した紫輝に激怒、霊力で締め上げた。すると突然、錦蘿が現れ応戦、紫輝を守る。「どうして来たんだ?!」「死ぬ時は一緒よ!」しかし紫輝は錦蘿をかばい、昊軒の一撃を受けて倒れてしまう。その時、仮面で顔を隠した初空が妖兵たちを率いて駆けつけた。昊軒は自分と対等の力を持つ妖王の霊力に驚き、ひとまず引き上げることにする。)彡ビュン!<今日は見逃してやろう、いつか詭界を平らげて見せる!初空は妖王府に紫輝を運び込んだ。祥雲(シャンユン)は紫輝が滅妖陣を壊すため石の心を捧げて霊力の源を失い、わずか3日の命と知る。「祥雲、最後の時は2人だけで過ごさせてやろう」紫輝が目を覚ますと錦蘿が付き添っていた。錦蘿に怪我がないと知って安堵する紫輝、すると錦蘿は傷が治ったら婚姻しようという。自分の死期を悟った紫輝は軽々しく同意できなかったが、錦蘿の言葉で覚悟ができた。「もう二度と後悔したくないの」すると紫輝は改めて自分から求婚した。「私、紫輝は女媧石の化身ですが、妻になってくれますか?」「ハイ、喜んで」そこで紫輝は祥雲に頼んで錦蓮(キンレン)を呼んでもらうことにした。紫輝と錦蘿の婚礼当日、紫輝は今日のため贈り物を準備したと教えた。すると錦蓮が現れる。錦蘿は兄がまた紫輝を害すると誤解したが、錦蓮は持参金がわりの結納品を机に置いた。「立会人になってくれ、千忍(センジン)」一方、妖王府を見張らせていた昊軒は錦蓮が妖王府を訪ねたと聞いて困惑した。妖王の侍女がなぜか摩羅(マラ)族と通じており、錦蓮はその侍女に対し敬意を払っているという。新しい妖王は摩羅族と関わりなどないはず、しかも錦蓮ほどの地位にありながらなぜ侍女と近い間柄なのだろうか。昊軒は密偵に引き続き妖王府を見張らせ、その侍女の素性を突き止めるよう命じた。紫輝と錦蘿の祝宴に懐かしい顔ぶれが集まった。祥雲は歴劫を思い出し、一緒に食事をするのは久しぶりだと言う。「星稜(セイリョウ)教の頃みたい…」人間界で小祥(シャオシャン)として転生し、千謀(センボウ)や千忍と教主の手作りの料理を囲んだことがまるで昨日のことのようだ。「謝謝教主、謝謝恩公…」紫輝はこの広い世の中で皆と巡り会えたことに心から感謝した。祝宴もお開きとなり、紫輝と錦蘿は改めて夫婦の杯を交わした。…この杯を空けたら本物の夫婦ね、これからは生死を共にし、永遠に離れないわ……妻の錦蘿が幸せで平穏に暮らせますように…2人は互いに胸の中で願掛けしたが、杯を空けた紫輝はそこで力尽き、ついに身体が離散してしまう。「紫輝…紫輝!」狂龍長老は初空に妖王の力を得る資格があると認め、ついに鍛錬を許可した。「台座の上にあるのが妖王の力です@カラフルもくもくさん 妖族は妖力の強さで妖王を選ぶのではありません 妖王として大切なのは無私の心で妖族を守ることです」狂龍は妖王が何のためらいもなく昊軒から妖族を守る姿を目の当たりにし、決断したという。一方、天界では密偵が妖王の侍女の似顔絵を昊軒に献上していた。「…祥雲か」初空はついに長老の信頼を獲得したが、実際は滄海(ソウカイ)を救うため妖王の力を得ようと策を弄したのも事実だった。後ろめたさに苛まれながらも鍛錬が始まった初空。一方、祥雲は妖王府で初空の帰りを待っていた。その時、手首の牽糸引(ケンシイン)に異変が現れ、もうすぐ初空が妖王の力を得ると分かる。このまま初空は情愛を断たれてしまうのか。そこで祥雲は2人を結ぶ赤い糸に霊力を注ぎ、2人の縁をつなぎとめようと尽力した。初空が妖王府に戻って来た。しかし祥雲を見ても無視して通り過ぎてしまう。「大丈夫、また始めればいい…私は祥雲よ!」初空は祥雲がまんまと騙されたと分かり、笑いをこらえて振り返った。すると祥雲が思いの外、傷ついている様子に驚き、慌てて駆け寄る。「すまない、私は忘れていない」「…なら私は誰?」「陳国のお茶目で賢い宋(ソン)祥雲、星稜教の天真爛漫な楊(ヤン)小祥、斉国の勇敢な祥雲公主、 3万年前、私と生涯を誓った女帝・滄海、そして姻縁閣の姻縁仙女・祥雲だ」「初空、約束して、何があっても私を独りにしないと」「死ぬまで一緒だ、お前を独りでこの世に残したりしないよ」初空は祥雲を抱きしめ、安心させた。(* ̄0 ̄)<為愛~為愛~唯愛aaaa~i♪つづく( ;∀;) イイハナシダナー
2024.08.22
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长相思 lost you forever第12話相柳(ソウリュウ)は玟小六(ビンショウリク)の壮絶な過去を思い出し、思わず手を伸ばして小六の頭をなでた。小六は妖族らしからぬ行動に困惑したが、慰めてくれたと気づいて笑顔を見せる。「でもあんたとは打ち解け合っているだろう?」しかし相柳はまたいつものそっけない態度に戻った。「また私を怒らせるまではな…」「はあ~はなかいな~」すると小六はそろそろ眠くなったと言って独りで帰ってしまう。翌朝になっても軒(ケン)こと西炎瑲玹(セイエンソウゲン)の傷口の出血は止まらなかった。暗衛・鈞亦(キンエキ)は弓矢に何の変哲もないことから、恐らく弓術の名手に違いないという。清水(セイスイ)鎮でこれほどの腕前を持つのは唯一人、防風意映(ボウフウイエイ)だけだ。しかし塗山(トザン)家の後ろ盾がある防風家を何の証拠もなく追求することは難しい。一方、阿念(アネン)は小六が毒に詳しいと思い出し、藁にもすがる思いで回春堂を訪ねた。いきなり叩き起こされた小六は憮然としていたが、事情を聞いて呆然となる。…哥哥の襲撃に相柳が一枚かんでたのか…小六は阿念以上に焦って酒店へ駆けつけた。瑲玹の出血が止まらない原因は分からなかったが、矢が刺さった瞬間に悪寒が全身を駆け巡ったと知り、氷晶だと気づく。氷晶は北極の氷山の結晶で宝石に並ぶ透明度と鉱山石以上の硬さを誇り、極寒の気を放出した。さらに瑲玹の血を舐めて確認してみると、何か薬が仕込まれていると分かる。恐らく矢尻に薬を仕込んだ氷晶を塗り、溶けた水晶から特殊な薬が傷口に広がってふさがらないよう細工したのだろう。小六は太陽神の力を受ける湯(トウ)谷の水ならどんな物もきれいに洗い流せると助言した。しかし瑲玹は湯谷に到着するまで身体がもたないと落胆する。「俺に妙案がある、氷晶を傷口に当てれば血が固まり流れ出なくなる」実は小六は兪(ユ)府で静養していた時、軒先に氷晶の風鈴があったことを覚えていた。小六は兪府に塗山璟(トザンケイ)を訪ねたが、応対に出たのは防風意映だった。…風に飛ばされそうなほど弱々しく見える防風小姐があの毒矢を放てるだろうか?軒哥を襲ったこと、十七(ジュウシチ)は知っているのか?…何とも複雑な思いで防風意映と対面した小六、すると塗山璟の居所にあった氷晶の風鈴はすでに撤去されていた。塗山璟は不機嫌そうに防風意映を下げると、小六の前では優しい十七の顔に戻った。そこで小六は氷晶の風鈴が欲しいと無理を言ったつもりだったが、塗山璟は二つ返事で引き受けてくれる。瑲玹からはいくら親しくても宝を得られるとは限らないと忠告されたが、杞憂に終わった。すると小六は念のため何があっても軒老板に危害を加えないよう釘を刺しておく。「分かった、君に従うと約束した、君の言うことは何でも聞く」小六はどんなに突き放されても自分に尽くしてくれる塗山璟に心が揺れた。…十七は防風小姐の悪行を全く知らないようだな…小六は早速、瑲玹の傷口に氷晶を置いた。すると無事に血が固まり、急いで荷造りして湯谷へ向かうことにする。瑲玹は蠱毒の件もあるため小六も一緒に行こうと誘った。「その才知があれば立身出世できるはずだ」「俺は~清水鎮で町医者を続けるよ、蠱毒はあんたが全快したら処方を書く 有能な配下が毒を解いてくれるさ…お互いいつまでも元気でいよう」こうして瑲玹たちは急ぎ清水鎮を出発した。「哥哥…哥哥の願いが全て叶うよう祈っているよ」小六が独り河畔で寂しさを持て余していると相柳が現れた。相柳はまた軒を助けたのかと聞いたが、小六は酒でもどうかと話題を変えてごまかす。「何を考えていた?」「軒の蠱虫はどうしたら取り除けるかと…」「言ったはずだ、別のものに移し替えるしかない、適当には選べないぞ?」どうやら小六は本当に蠱虫ついて何も知らないらしい。「どこで手に入れた?」「ずいぶん前、死にそうな白黎(ハクレイ)族の老女に出会った 異臭を放っていたから湯殿に連れて行き、綺麗な姿で夫のもとへ送り届けた そのお礼にあの胡桃をもらった」「育て方はどこで?」「…老女が教えてくれた」相柳はすぐ嘘だと分かった。育て方を教えたのなら異名も伝えたはず、しかし小六は言葉を濁してしまう。「ともかく軒の身体から取り除きたいなら別の者に移すしかない」相柳は離戎(リジュウ)氏の話を思い出していた。…大抵は女子が育て、意中の相手に埋める、一心同体になることを願ってな一度、埋めれば生死を共にできるゆえ、巷では″情蠱″と呼ばれているつまり好意がない相手には埋めることができないだが奥深い術だ、そうでなくても成功することもあるやもしかし無理に埋めてもいいことはないぞ、一心同体どころか蠱虫に蝕まれ命を落とすこともあるどちらにせよ埋めるも除くも放った者の想いしだいだ埋めてから時が経ち、想いが揺らげば他の者に移せるやもしれぬだが放った者に好意があることが条件だ…小六はふと九頭蛇の相柳なら身代わりになれると気づいた。「妖族だし蠱虫がいても問題ないだろう?頭が9つもあるんだ、俺の痛みなんて大したことない! な?いいだろう、頼むよ?」「…私に移し替えてもいいが、私に力を貸すと約束しろ もし約束を違えたらお前の喜びを痛みに変え、楽しみを苦しみに変える」「ひどい奴だな…分かった、誓うよ」(゚ェ゚(。_。(゚ェ゚(。_。*)コクコク…本当、酷いw小六の霊力では瑲玹と遠く離れていては蠱虫を呼び戻せなかった。そこで早速、相柳と一緒に皓翎(コウレイ)国の五神(ゴシン)山へ出発する。一方、医館には塗山璟が差し入れを持って小六を訪ねていた。しかし小六なら急用が出来て出て行ったという。王宮がある五神山は守りが堅く、毛球(ケダマ)で空から近づくのは難しかった。そこで途中で巨大な貝殻の中に移り、密かに五神山海域まで接近することに成功する。「五神山に着いた…」感慨深げに王宮を見上げる小六、すると相柳が蠱虫を誘い出すよう急かした。…情蠱とは命のみならず心も必要だ、お前は9つの命を持つが心は1つしかない一度、差し出したら二度と取り戻せないぞ?…相柳にとって蠱虫を受け入れることは賭けでもあった。↓これ何貝?その頃、華音(カイン)殿では瑲玹が内息を巡らせながら静養していた。するとふいに鳳凰林で小夭(ショウヨウ)と約束を交わした情景が浮かんでくる。『お前が大人になって嫁いだら離れ離れだな』『じゃあ妹妹になってずっとそばにいる!』『そうだな、お前は妹妹で私は哥哥だ!ずっと一緒にいよう!』『約束よ!私たちは永遠に離れない』その時、瑲玹が急に喀血、老桑(ロウソウ)は蠱虫の仕業だと疑った。「玟小六め、解毒の処方も持ってこない!」「…解けたんだ」老桑は喜んだが、瑲玹はなぜか無性に寂しく感じた。瑲玹が吐き出した蠱毒は離散、小六に呼び戻され、相柳の身体に移った。するといつの間にか蠱虫を飼っていた胡桃が消えてしまう。小六はどこか落ち着きがなく、自分の蠱虫に違和感を感じると訴えた。「嫌な予感がする…蠱虫が何かを訴えているみたいに…あんたは?不快じゃないか?」「それより早く逃げた方がいい」相柳は小六と大きな泡に入り、海中散歩を楽しんだ。初めてみる深海の美しさに大興奮の小六、その様子を見ながら相柳は自然と笑顔になる。つづく( ゚ェ゚)つまり小六は相柳に少なからず情があるってこと?いや〜思わせ振りw
2024.08.21
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长相思 lost you forever第11話春を迎えた清水(セイスイ)鎮。玟⼩六(ビンショウリク)は身元を明かせぬまま軒(ケン)こと西炎瑲玹(セイエンソウゲン)と交流を深め、その日は酒を飲みながら門外不出の毒の避け方を伝授していた。すると瑲玹は小六がなぜ相柳(ソウリュウ)と親しいのか解せないという。(管理人もw)「相柳は…怖いとは思うが嫌いじゃない、敵ではないが友だちでもない 軒哥こそ、阿念(アネン)は妹以上の存在じゃないのか?」小六はそれとなく探りを入れたが、瑲玹がふいに白狐の尾を取り出し、大事そうに見つめた。「これは妹妹小夭(ショウヨウ)の宝物だ、別れ際に私にくれた、″しばらく持っていて″と言ってな その″しばらく″がもう300年になる、小夭妹妹は姑姑と師父の女児で、幼い頃に失踪した 誰もが彼女は死んだと言う、でも一縷の望みにかけている いつか彼女がこの狐狸の尾を取りに来ると…」実は阿念を溺愛しているのは小夭の分まで大切にしようと決めたからだった。まさか目の前に小夭がいるとは知る由もなく、瑲玹は声を詰まらせ涙する。小六もあふれる涙を止められず、酒を飲みながら杯で顔を覆い、こっそりぬぐった。そんなある日、小六は銭を忘れたことに気づかず、うっかり兎妖の店で点心を買った。しかし塗山璟(トザンケイ)が現れ、代わりに支払ってくれる。どんなに邪険にされても小六から離れようとしない塗山璟、すると前の酒店から瑲玹が声をかけた。「寄っていかないか?」瑲玹はこの機に碁に精通している青丘公子から教えを請いたいと頼んだ。しかし塗山璟は碁を打つかどうかさえ小六に従うとという。「なら俺も混ぜてくれ」こうして小六が石を置き、塗山璟は横に座って指南することになった。瑲玹は小六を通して塗山璟と対局した。青丘公子はさすがの腕前、しかし途中で急に小六が自分の好きな場所に石を置いてしまう。瑲玹はせっかくの対局が台なしだとぼやいたが、塗山璟は小六が好きな所で構わないと笑った。確かに小六が突拍子もない場所に石を置いても、次は塗山璟が見事に軌道修正している。しかし結局、小六に振り回された塗山璟が自分の負けを認めた。小六の提案で3人は石妖(セキヨウ)の新しい講談を聞きに行くことになった。すると茶屋へ向かう道すがら、御簾に弓矢の刺繍がある馬車を見かける。瑲玹は防風(ボウフウ)氏の紋章だと教え、弓術の名家で、先祖は星を射落としたと伝えられているという。「だが厳しい掟があり、紋章を使える者はわずかのはず… あの大きさの紋章なら弓術はかなりの腕前だろうな」その時、通り過ぎる車の後ろの御簾に九尾狐の紋章があることに気づいた。どうやら車に乗っているのは防風小姐らしい。小六はついに塗山璟の許嫁が現れたと知り、その場で別れることにした。「俺たちは邪魔しないよ、じゃここで」実は石妖の新しい講談は防風意映(イエイ)の純愛物語だった。…10年前、塗山家では青丘公子と防風小姐の祝言の準備が進められていたしかし祝言の前夜に青丘公子が突然、重い病に倒れ、祝言は中止となり、2人は結ばれずじまい娘を寡婦にさせまいと防風氏は退婚を申し出たが、小姐は花嫁衣装を身にまとって太夫人に直談判したという『私は塗山府で生き、塗山氏の墓に入ります』太夫人はいたく感動し、防風小姐を青丘に迎え入れ、屋敷の差配を手伝わせることにした正式な嫁として迎えられたわけではなかったが、太夫人は防風小姐を実の孫のように可愛がっているという今は青丘公子も回復して清水鎮に滞在しており、防風小姐も許嫁を追いかけてきたところ2人の祝言も近いだろう…塗山璟は兪(ユ)府で初めて許嫁の防風意映と対面した。10年の時を経てようやく巡り会えた許嫁同士、しかし感動で涙する防風意映とは裏腹に塗山璟は目も合わせようとしない。「当時、重傷を負ったと聞きました、どんな怪我を?何か手がかりがつかめるかも」「覚えていない…もう過去のことだ」すると塗山璟は侍女・静夜(セイヤ)に防風小姐を部屋で休ませるよう促し、早々に追い出してしまう。防風意映は客室に運び込んだ大事な弓矢を確認した。実は塗山璟の兄・塗山篌(トザンコウ)が意映のため作らせた天下一品の弓矢で、刀でも斬ることができないという。その時、白い伝令鳥がやって来た。…あの件は引き受けよう、お前に協力して動く…実は意映が清水鎮へ来た本当の目的は美談とは別にあった。一方、小六の蠱虫(コチュウ)が気がかりだった相柳は退隠した離戎(リジュウ)氏を訪ねていた。「妙な蠱術に遭遇した、蠱術師が蠱虫を操れず、呼び戻す方法がない」「もしやその蠱術師は女子か?女子なら相手は想い人なのだろう、雄雌の蠱虫だ」つがいの蠱虫は育てるのが極めて珍しく、また虫自体が強い力を持ち、放った者にも操ることはできないという。講談から戻った小六は河畔で独り落ち込んでいた。どんなに嘆いても無駄だと知りながら、やはり塗山璟と防風小姐が結ばれると思うとやりきれない。そこへ突然、相柳が現れ、そのまま連れ去られてしまう。その頃、店を閉めた瑲玹は老桑(ロウソウ)と中庭で片付けをしていた。すると黒装束の刺客たちが現れる。鈞亦(キンエキ)ら暗衛が駆けつけ瑲玹を守ったが、密かに上空から白馬の射手が西炎(セイエン)王孫に狙いを定めていた。相柳は小六を毛球(ケダマ)に乗せてしばらく上空を飛んでいた。やがて頃合いを見計らったように小六を突き落とし、一緒に湖へ落下する。その時、湖面に落ちた衝撃が瑲玹に伝わり、急に息苦しくなって動けなくなった。咄嗟に鈞亦が駆け寄ったが間に合わず、瑲玹は右胸に矢を受けてしまう。相柳はしばらく小六を水中に留めた。しかし息が続かなくなった小六はついに気を失い、湖底に沈んでしまう。すると相柳は小六を追いかけ、口移しで息を吹き込み助けた。相柳は小六を担いで河畔へ上がった。その時、ちょうど伝令鳥が戻り、防風意映が無事に目的を果たしたと知る。…おかげで成功したわ…やがて小六は水を吐き出し、目を覚ました。「どうせ殺すなら一思いにやれよ」「そう簡単には殺さぬ」一方、瑲玹は矢が命中したものの、急所を外れて無事だった。しかし薬を塗っても一向に血が止まらず、医者も頭を抱えてしまう。相柳は小六の想い人が瑲玹なのか気になった。そこでなぜ瑲玹から蠱虫を除かないのか切り出したが、小六は呼び戻そうとしたが失敗したという。「(はっ!)妖族のあんたなら操れるか?!」「ゥッ…取り除きたいなら別の者に移せばいいが…その者に害が及ぶぅ…」「俺が害したいのはあんただけだ(^ꇴ^)」「私に害を与えたいだと?」面白くない相柳は軒が清水鎮を去るときに殺せば手間が省けるとわざと挑発、小六を怒らせてしまう。「西炎王の孫というだけで無関係な瑲玹を殺すのか?!」「軍師だからな、見逃せない、辰栄軍には恩がある」「はあ?洪江(コウコウ)ってどんな奴なんだ?妖族に″良心″を持たせるなんて!」「…哀れな愚か者だ、愚かな兵士を率いて哀れな行いをしていた」「愚かなのはあんただ!辰栄の兵士たちじゃない! 自分たちの行いが先祖の供養となり、子孫に誇れることだと信じてる! 死ぬ時でも正義感に満ちあふれているさ!チッ!あんたと違ってお遊びじゃないんだ!」相柳は小六に厳しく責められ、自ら頭が9つもあれば矛盾も生じると言い訳した。「頭の話題には触れるなと自分で言ったくせに…自虐ネタかよ」「…私が嫌うのは9つ頭の話ではなく、腹の中で見下す奴らだ お前は許そう、私をからかいはするが決して見下さない、九頭の怪物とは見ていない」小六は初めて相柳の胸の内を知り、思わず励ました。「怪物というなら昔の俺のことだ」「だから人を避けて山にこもったのか…」すると相柳は柄にもなく小六の頭をそっと撫でた。つづく(  ̄꒳ ̄)ほのぼのlake〜♪
2024.08.20
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长相思 lost you forever第10話塗山璟(トザンケイ)は今日も帰墟(キキョ)水晶と玉(ギョク)山の万年玉髄(ギョクズイ)の差し入れにやって来た。しかし小屋はもぬけの殻、驚いた塗山璟は慌てて玟小六(ビンショウリク)を探しに向かう。その頃、西炎瑲玹(セイエンソウゲン)をかばって深手を負った小六は相柳(ソウリュウ)が洞窟でかくまっていた。「なぜ軒(ケン)を助けた?」「軒の素性に気づいたからさ、なぜあんたが俺を介抱しているのか不思議だった でも分かったんだ、軒を誘き出すためだって 塗山璟もあんたが俺を隠せば見つけられないと思ったんだろうな でも軒は西炎(セイエン)王の嫡孫だ、奴を殺せば必ず西炎王が敵討ちに来る そうすれば俺は安心して暮らせなくなる」「なぜ軒の素性が分かった?」「奴の侍従が叫んだんだ、確か″殿下を救え″とか何とか…」「なのに邪魔をしたと?!」激情に駆られた相柳は思わず小六の首を締め上げ、血を吸い始めた。その夜、瑲玹は急に首元の痛みを感じて目を覚ました。「正気とは思えぬ若造だ、あれほどの重傷でこんなことを…」←とんだ誤解w一方、相柳は小六が怪我人だと思い出し、慌てて血を吸うのをやめた。すると弱った小六の姿にふと心が揺れ動き、思わず衣に手を伸ばしてしまう。「相柳大人、俺は男だぞ」「ならなぜ朏朏(フェイフェイ)が誘い出された?」小六は相柳も声や顔を変えられると言ったが、どちらにせよ身体は男だった。「分かったよ、触ればいいだろう?好きにしてくれ」「…偽りの身体に興味はない」←どっちだよ?w小六は再び眠った。すると相柳は誰かが近づいていることに気づき、動かせない小六に自分の霊力を与えてから姿を消した。そこへ塗山璟が現れる。塗山璟は小六をわき水から抱き上げると、自分の居所に運び込んで献身的に介抱した。小六が目を覚ますといつの間にか豪華な寝殿にいた。「こんなに早く治るとは…かなり霊薬を使ったはずだ」塗山璟はついに目覚めた小六の姿を見て感激し、思わず抱きしめてしまう。そこへ侍女の静夜(セイヤ)が現れた。「あの…私がお支えします」侍女の声で我に返った小六は急によそよそしくなり、世話になったと感謝して帰ってしまう。「お邪魔したせいでご気分を害されたのでしょうか?」「…葉十七(ヨウジュウシチ)の恩に感激しただけ、塗山家の少主にではない」小六は相柳と塗山璟のおかげで回復、回春堂で仕事に戻った。串子(カンシ)は相変わらず使い物にならなかったが、思いがけず桑甜児(ソウテンジ)が十七の穴を埋めてくれる。小六は桑甜児の才能を見抜き、興味があるなら自分の医術を授けると持ちかけた。感激した桑甜児は手に職があれば堂々と生きていけると訴え、その場で弟子入りの叩頭を済ませる。「串子と2人で老木(ロウボク)に孝行しろよ、老木が長生きしたら子供にも孝行させてくれ」「…六哥、ここを離れるつもりですか?」小六は何も答えなかったが、桑甜児は老木と串子のことなら心配ないと言った。「まるで死に際の遺言みたいだな?」その声は瑲玹だった。小六は瑲玹を前にしてどうしたら良いか分からず、落ち着きがなかった。「で、軒老板、何の用で?」「恩人に礼を…」「あんたが死んだら体内の蠱虫も死ぬ、苦労して育てから死なせたくなくてね 阿念を傷つける気はなかった、ちょっとからかっただけさ 相柳を手伝ったがあんたを救ったし、これで貸し借りなしだ」瑲玹は今ここで蠱毒を解いて欲しいと頼んだが、小六は身を守るため軒が清水鎮を離れた時に解くと約束する。「身体には害がない、俺の痛みを感じるだけだ」「そうか…暇があれば酒を飲みに来い、重傷の身で色事は控えろよ」「そうだな~って、はい?( ゚д゚)」すると瑲玹は首元を指差して笑った。酒屋に戻った瑲玹は医者の脈診を受けた。確かに身体には何の影響もないと分かったが、小六が蠱毒をすぐに解かないのは何か思惑があると疑う。「蠱術に詳しい者の話では、放った者にしか解けないそうです かつて同様の蠱虫を放たれた者は蠱術師が死ぬと死んでしまったとか」しかし小六が蠱毒を解かなかったのは他に理由があった。季節は巡り回春堂の中庭は一面、雪景色になった。桑甜児は小六の期待通り医術にまい進し、今や独り立ちできるまでに成長している。再び平穏を取り戻した小六、その様子を相柳がこっそり眺めていた。…傷も治ったようだな…相柳は仲間たちと食卓を囲む小六の姿を見つめながら、かつての小六の言葉を思い出していた。…寂しいのは嫌だ、いっときの道連れでも構わないさ…一方、酒屋でもすっかり元気になった阿念の姿があった。酒に弱い阿念は1杯飲んだだけですっかり酔っ払い、侍女の海棠(カイドウ)が寝所へ連れて行く。その様子を見ていた老桑(ロウソウ)は失笑し、やはり酒に強い瑲玹の相手は第一王姫でしか無理だと言った。「きっと今頃は酒豪ですね」日が暮れると雪はいっそう激しくなった。小六はそろそろ瑲玹が清水鎮を去る頃だと察し、今が一緒に酒を飲める最後の機会だと気づく。矢も盾もたまらず酒屋へ出かけた小六、しかしやはり門の前で思い直し、引き返すことにした。その時、急に門が開いて瑲玹が現れる。「どうした?なぜ入らない?」「灯りが消えていたからいないのかと思って…」「どうぞ」小六は窓から中庭の玉萼梅(ギョクガクバイ)を眺めた。「見事に咲いているな」「妹妹が好きなんだ」「軒哥は本当に妹妹思いだな」しかし瑲玹は何も言えなかった。思い出の桑葚(ソウシン)酒を飲むと自然と目がうるんでしまう小六。瑲玹は酒を何年も寝かせていたが、阿念が飲みたいと言うので開けたと明かした。「なぜ清水鎮に来たんだ?」「言っても信じないだろう…実は妹妹のためだ」瑲玹は小夭のために来たと言ったが、小六は阿念のためだと誤解した。「どうして俺を助けた?」「それを言うにはまだ飲み足りないや」小六は立て続けに何杯も酒をあおると、結局、酔い潰れて眠ってしまう。「六哥?六哥?起きろ?」瑲玹は思わず小六に一撃を与えようと構えたが、自分も巻き込まれると思い出して諦めた。「命知らずな奴だな」小六は回春堂へ戻った。すると塗山璟が差し入れを持ってやって来る。「蠱毒を解く方法はあるのか?」「それが色々、試したが駄目だった」「何か手伝えることがあれば…はっ!誰だ?!」外へ出た塗山璟は相柳がいたと気づいたが、小六には気のせいだとごまかした。しかし小六からもう訪ねて来るなと追い返されてしまう。つづく( ꒪ω꒪)・・・
2024.08.18
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长相思 lost you forever第9話玟⼩六(ビンショウリク)は阿念(アネン)を拘束して郊外へ連れ出した。すると相柳(ソウリュウ)が合流、九頭蛇を見た阿念は気絶してしまう。小六は傷だらけの相柳を心配し、軒(ケン)から薬材が届いたら自分が阿念を送り届けると申し出た。「その間どこかで療養しなよ」「…奴の正体を知っているのか?見当はついたが裏付けが必要だ だが私の推測が正しければお前は地獄を見ることになる 奴は妹妹をさらったお前を殺すだろう、私が奴を殺すまでそばにいればいい」「遠慮するよ、誰かの陰に隠れるなんて性に合わない」「好きにしろ、だが絶対に死ぬな」そこへ毛球(ケダマ)が飛んできた。辰栄(シンエイ)軍に薬材が無事に届いたと分かった。小六は相柳と別れ、阿念を連れて清水鎮へ帰ることにする。しかし町へ到着する前に阿念を探し回っていた軒が現れ、小六は激しく吹き飛ばされた。泣きじゃくる阿念を大事そうに抱きしめる軒。感動的な兄と妹の再会に小六は思わず笑顔になったが、そのまま連行されてしまう。阿念は小六から毒を飲まされ、さらに毒を塗ったかんざしで突き刺されたと話した。しかし小六が解毒法を白状せず、激怒した軒は拷問の達人を呼びつけ、死なない程度に痛めつけるよう命じる。地下牢に監禁された小六は両手に死人の脂を塗られ、蛆虫にかじられる拷問を受けることになった。あまりの激痛で自ら手を噛みちぎることのないよう口には布を詰め込まれ、最近ではこの拷問で正気を失った者がいると脅される。「面倒をかけるなよ」拷問師2人は暗い方が苦しみが増すため、灯りを消して出て行くことにした。その時、小六の身体から蠱虫(コチュウ)が飛び出し、拷問師たちと一緒に部屋を出て行く。すると蠱虫はちょうど阿念を寝かしつけていた軒を見つけ、背中から体内へ入った。塗山璟(トザンケイ)は小六を救うべく西河の畔に相柳を呼び出した。しかし相柳は自分の誘いを断った小六の自業自得だと冷たい。「これは頼みではない、取り引きだ、助けてくれるならどんな条件ものむ」「…お前は奴の何なのだ?青丘公子」すると相柳は暗殺なら請け負うが人助けはしないと言って帰ってしまう。翌朝、拷問師が地下牢に戻ると小六は気を失っていた。しかし何やらうわ言のように呟いている。「…ん?魚の焼き方か?変だな、蛆虫に問題でもあったのか?」拷問師は箱の中身を確認したが、小六の手は確かに蛆虫に食われている。信じられない忍耐力の持ち主に驚く拷問師、実は小六をここまで強くしたのは朝雲(チョウウン)殿で過ごした小夭(ショウヨウ)としての幸せな記憶があったからだった。その時、何者かが地下牢に侵入、拷問師たちは蹴り飛ばされてしまう。小六が目を覚ますと塗山璟がいた。両手は包帯でぐるぐる巻き、すると塗山璟が手を動かせない小六を抱き起こしてくれる。「ここは辰栄軍の陣地か?」「そうだ」実は相柳が軒を引き離した隙に塗山璟が地下牢へ潜り込み、小六を救出していた。小六は助けずとも自分で逃げられたと言ったが、塗山璟は阿念に毒消しを渡して恨みを解こうという。「…毒ってのは嘘だ、一芝居うったのさ 軒は阿念を溺愛している、何の毒を盛ったのか分からなければ俺を殺すことはない だがこれは一時しのぎでしかない、だから阿念ではなく軒に毒を盛った 正確には毒ではなく蠱虫だ、体内で飼っていた2匹のうち1匹を軒の身体に埋め込んだ これで俺が怪我をすれば奴も同じ痛みを味わうってわけだ 本当は相柳を懲らしめるために育てていたんだ あいつにはどんな毒も通用しないから知恵を絞ったのに… まさか軒の身体に埋めることになるとはな」塗山璟は軒のことなら自分に任せて欲しいと言った。しかし小六は相柳からも自分のそばにいるよう忠告されていたと明かす。「俺は長い間、何でも1人でやってきた、これからも自分で何とかする 俺の命を救ったことで貸し借りはなくなった、もう俺に構わないでくれ」すると塗山璟は仕方なく痛み止めの薬を置いて引き上げた。その夜、小六は気分転換に外へ出た。すると木の上で休んでいる相柳に気づく。実は相柳は塗山璟と小六の話を全て聞いていた。「私を討つために蠱虫を?…で、軒の体内の蠱虫はいつ動き出す?」「数日後だ、どのみち奴は苦しみから逃れられない」蠱虫は育てた小六にしか操ることができないという。小六はわざと痛み止めを飲まず、真っ赤に腫れ上がった手を放置して激痛にもだえ苦しんだ。「イタイイタイイタイイタイイタイイタイ~!」相柳は山頂に響き渡らんばかりの小六の悲鳴に耐えかね、耳をふさいでいる。すると小六は振り返った拍子にうっかり柱に手をぶつけた。「あ″ーーーーーーーーーっ!」「大丈夫k…」相柳は思わず手を差し伸べようとしたが、小六はすでに塗山璟が差し入れた帰墟(キキョ)水晶と玉(ギョク)山の万年玉髄(ギョクズイ)に手を突っ込んでいた。「ふう〜」「本当に痛み止めはいらないと?」「いらない、軒に痛みを与えなきゃ拷問を受けた意味がない」頑固な小六は外へ出ると、また激痛に襲われながら悲鳴を上げ始めた。「敵を討つのに己を痛めつけるとは…愚か者め(ボソッ」同じ頃、阿念と食事をしていた軒は突然、手が激しく痛み、箸を落とした。阿念はすぐ医者を呼んだが原因が分からず、ひとまず痛み止めを飲むと徐々に症状が治る。軒は安堵したが、そこへ暗衛の鈞亦(キンエキ)が駆けつけた。「玟小六の居場所が分かりました」小六は急に鼓動が早くなり、軒が近づいていると気づいて慌てて外へ飛び出した。するとすでに相柳と配下たちが軒たちが来るのを待ち構えている。相柳は今日こそ決着をつけると覚悟し、小六に身を隠すよう勧めた。「相柳、生きて帰れよ」しかし小六は居ても立っても居られず、様子を見に行ってしまう。相柳と軒、双方入り乱れて激しい戦いが始まった。そこで軒は手負いの相柳を誘き出し、一対一での対決に持ち込む。小六は物陰から2人の戦いを見ていたが、その時、相柳が劣勢に立たされた。仕方なく小六は自分の腕を岩に打ちつけ加勢、そのせいで軒も急に腕が痛み、攻撃の手が止まる。相柳は近くに小六がいると気づき、蠱虫を利用することにした。「右腕!…左足!」「ひと事だと思って…」小六は相柳の指示通り自分の身体を痛めつけていたが、思い切り足で岩を蹴飛ばした時だった。突然の激痛にひざをついた軒は後方へ吹き飛び、その勢いで肌身離さず持っていた玉の入れ物が転がり落ちてしまう。すると入れ物のふたが開き、中から白狐の尾が飛び出した。小六は軒が落とした白狐の尾を拾い、確かに自分が西炎瑲玹(セイエンソウゲン)に贈ったものだと分かった。「瑲玹哥哥…」しかし小六が感傷に浸っている間に優勢に転じた相柳がついに瑲玹を追い詰めた。…西炎王の孫よ、お遊びはここまでだ…深手を負った瑲玹は相柳の呪縄で締め上げられ、身動きが取れなくなってしまう。「すまない」小夭との約束を果たせないまま目を閉じた瑲玹、その時、突然、小六が現れ、身を挺して瑲玹をかばった。瑲玹は激しい背中の痛みに襲われたが、無事だった。ふと目を開けると小六が相柳の一撃を受けて喀血している。「早く逃げろ!」小六は白狐の尾を瑲玹に返して背中を押し、相柳が後追いしないよう足にしがみついた。相柳はあと一歩のところで瑲玹を逃し、激高して小六の首を締め上げた。「哥哥…」小六は息を詰まらせながら瑲玹との幸せな時間を思い出し、その記憶を垣間見た相柳は慌てて手を放す。「邪魔しやがって…どう片をつけようか」一方、瑲玹は急に首を圧迫されたように苦しくなったが、医者が到着する頃には症状が消えた。「自分の痛みを他人に感じさせる毒は存在するか?」「毒薬ではできませんが、蠱虫なら可能かと…」医者は確かに無傷にも関わらず強い痛みを感じるのは蠱虫の症状だと納得した。しかし辰栄王の孫弟子と言えども蠱術には不案内、そこで詳しい知人から取り除く方法を聞いてくるという。相柳は深手を負った小六を洞窟にかくまい、わき水に入れて休ませた。その間に正体を隠して暗殺を請け負い、報酬として帰墟水晶と玉山の万年玉髄を手に入れる。洞窟に戻った相柳は無理がたたって立ちくらみを起こしたが、それでも小六のために尽力した。つづく( ๑≧ꇴ≦)肝心な場面だけどフタがパカッ!尻尾がぼよよよよ~ん!で笑ったw
2024.08.17
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第34話″真実の水″で妖王の真身を暴こうと企んだ狂龍(キョウリュウ)長老。実は念には念を入れて媚薬も一緒に仕込んでいた。祥雲(シャンユン)は媚薬のことまで知らなかったと釈明したが、相手は愛する初空(チュコン)、思い切って身を捧げる覚悟を決める。初空はついに祥雲を寝台に押し倒し、腰紐に手をかけたが…。狂龍長老と不問(フブン)長老は回廊で様子をうかがっていた。やがて祥雲の悲鳴が聞こえ、妖王が酒を飲んだのは事実だと分かる。妖王の真身は太古の奇獣・猙(ソウ)、しかし同時に情愛は断たれていないと暴かれた。「媚薬ごときで耐えられなくなるとはな」長老たちは呆れて階下へ戻ったが、その時、ほっかぶりした妖王が慌てて屋敷を飛び出して行く。「どうやら見くびっていたな」「私も大王を軽く見ていたようだ」実は初空は祥雲の腰紐を解き、手足を縛って拘束しただけだった。森の中に逃げ込んだ初空は猫耳が消えてから屋敷に戻った。掃除をしながら待っていた祥雲は喜んだが、初空は情愛に惑わされぬよう祥雲の顔を見ようとしない。そこへ狂龍長老が駆けつけた。「黒豹の妻を見つけました、夫が消滅して怖くなり隠れていたそうです」しかし祥雲は妻が白粉店で見つかったと聞いて訝しむ。「愛する夫が殺されたのに化粧をする気になるでしょうか?」狂龍は再び妻を尋問し事実が判明した。黒豹妖の水晶の商いは見せかけ、本当は妖族をさらって売り飛ばしていたという。「7人の悪党と盟を結んでいたようです」7人の名を見た祥雲は次に襲われるのは尾狐(ビコ)公子だと気づいた。夜な夜な若い娘を探し回っている尾狐公子は格好の標的となった。その夜、ついに尾狐公子は紫色の元神に襲われたが、危ないところで金色の元神が現れ、逃がしてくれる。驚いたことに妖怪の金丹を狙っていたのは紫輝(シキ)だった。「なぜお前が?…斉国で別れたあと何があった?」「教主、小祥(シャオシャン)が捕らわれの身となったら助けますか?」初空は錦蘿(キンラ)のためだと気づき、自分が力になると説得した。しかし紫輝は黙って姿を消してしまう。…紫輝は24話で教主と小祥と分かれ、真実を求めて旅立ったあれから錦蘿を探し回り詭(キ)界へたどり着いたが、錦蘿は単独で妖王を襲って失敗、天界へ送られたと知る紫輝は厳しい警備をかいくぐってついに長寧宮に侵入、昊軒に錦蘿を返すよう迫った『先の妖王ができなことを代わりに私がやると言ったら?』昊軒はここまでたどり着くことができた男の手腕を高く評価した『いいだろう、必ず私の言うことをやり遂げろ』紫輝は約束通り金丹の妖怪を6人始末した滅妖(メツヨウ)陣を動かせるまで金丹はあと1つ、すると昊軒は錦蘿に毒を飲ませてから紫輝に返してやる『この毒は私にしか解けぬ 1年のうちに最後の金丹を手に入れることができなければこの女子は死ぬ』…紫輝は最後の金丹を探すため、再び出かけることにした。すると錦蘿がちょうど目を覚まし、昊軒のために働かないよう訴える。「生死なんて忘れたわ、いつ死んでも同じよ」「覚えておけ、お前の命は私の物、死ぬにも私の承諾が必要だ この小屋は私の霊力で作った、全ての結界が私とつながっている、逃げられると思うな」紫輝はわざとつれない態度で接していたが、これも錦蘿を失いたくない一心だった。初空は尾狐公子に成りすまし、紫輝を誘き寄せることにした。案の定、紫輝が現れたが、尾狐公子の正体が初空だと気づくと姿を消してしまう。昊軒との約束の1年までわずか3日。紫輝は仕方なく昊軒を訪ね、妖王が金丹の妖怪を全てかくまってしまい、策を練る時間が欲しいと懇願した。「情勢が変わったのです!せめてあと半月…」しかし昊軒は決して猶予を認めなかった。屋敷に戻った初空はひどく弱っていた。祥雲は初空の霊力がなくなっていると気づき、自分の元神を使って癒すことにする。やがて祥雲のおかげで初空は意識が戻った。「詭界で神仙の術を使えば死んでしまうわ!」詭界は神仙にとって禁足の地、霊力の強い神仙ほど結界に踏み込んだ時の反噬(ハンゼイ)が大きいことは初空も重々、承知しているはずだ。「何をそんなに急いでいるの?」実は祥雲は治療中に初空の意識の中をのぞき、自分を忘れていないと知っていた。初空は仕方なく全てを明かすことにした。詭界に来たのは妖王の力を得るためで、そのためには情愛を断つ必要があるという。狂龍長老が美しい祥雲を送り込んだのは、妖王が本当に情愛を断っているのか試すためだった。確かに今は祥雲への愛情を忘れていないが、どちらにしても妖王の力を鍛えれば情愛を断たれてしまうという。「だから初めから希望を与えなかった、その方が失望や苦しみがない」「でも何のためなの?」実は妖王の力を使えば無界に入れることから、初空は滄海(ソウカイ)の力を取り戻そうと考えていた。もちろん祥雲のためだったが、それ以上に麒麟と滄海の力を合わせて同じ悲劇を止めたいという。すると祥雲は例え初空が自分を忘れても、また思い出させてみせると笑った。「寝ても覚めても一緒にいたい…あなたがそう言ったのよ?」詭界の境界に昊軒が現れた。「神君、なぜ自らお見えに?」結界から現れたのは不問長老だった。昊軒は先王の目付役として不問を送り込んだが、新しい妖王に変わって身動きが取れなくなったという。「詭界の金丹の妖怪は皆、妖王のところなのか?」「その通りです、神君の命は死んでも果たす所存ですが、妖王のそばで動けば疑われます」昊軒は紫輝の話が言い訳ではなく本当だと分かった。「確かお前も金丹を持っていたな…」すると昊軒はいきなり不問に襲いかかり、金丹を奪ってしまう。その様子を物陰から修茗(シゥミン)が見ていた。…金丹をどうするつもりだ?すぐ初空に知らせねば…初空と祥雲は詭界の地図を広げて紫輝の居場所を探していた。すると天界の修茗から麒麟の伝令符が届く。実は金丹を集めていたのは昊軒だった。祥雲は初空が以前から昊軒を疑い、わざわざ死んだふりまでして詭界に転生したと思うと胸が痛む。しかしもはや兄弟の対決は避けられなくなった。祥雲は初空の辛い胸の内を理解しながら、正義のためにやるべきことをやるだけだと励ました。昊軒は詭界にある紫輝の小屋を訪ね、最後の金丹を託した。しかし紫輝は滅妖陣を動かす前に錦蘿の解毒薬が欲しいという。「女子の生死は石の心に関わる、危険は冒せません」すると昊軒は解毒薬を出した。「では明晩は満月で妖力が最も高まります、滅妖陣を動かしましょう」「最後の山場だ、慎重に頼む」一方、修茗は孫(ソン)天王に足止めされていた。修茗を見張っていた孫天王はなぜ帝君をつけ回していたのかと追及、白状しないのなら帝君に報告するという。仕方なく修茗は昊軒が詭界に降り、妖族を殺して金丹を奪うのを見たと教えた。孫天王は当然、信じなかったが、修茗から李(リ)天王の死を持ち出されて顔色が一変する。「…もし昊軒が野心を持ち、世を危うくするとしたら?」修茗は本当の忠誠とは暴君を助けることではなく諌めることだと諭した。錦蘿は解毒薬のおかげで回復した。すると紫輝は錦蘿にここを離れ、また自然の美しい場所で医者をやればいいという。「私が憎いのでしょう?」「君を追いかけながら探す理由を考えたよ、恨みやつらみ、そして心のこと… やがて分かったんだ、君が心を奪ったのは私を錦蓮(キンレン)から守るためだったと」紫輝は錦蘿が無謀にも独りで妖王を襲ったのも自分のためだったと気づいていた。ようやくわだかまりが解け、涙する錦蘿。「知っていたのね…」つづく ( ๑≧ꇴ≦)金丹と見せかけて仁丹…ゲフンゲフン
2024.08.16
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第33話初空(チュコン)を追いかけ詭(キ)界へ転生した祥雲(シャンユン)。何とか侍女として妖王府に潜り込むことに成功したものの、初空から手ひどく追い返されてしまう。…どうして?初空は私のことが分からないのかしら?…しかし初空が頑なに拒んだせいで狂龍(キョウリュウ)長老が怪しんだ。「もしやこの小虎妖の美しさに心が動くのが怖いのですか?」「…下っ端の妖怪に過ぎないが長老のせっかくの好意だ、残るが良い」無事に妖王の寝殿に入った祥雲は安堵から思わず初空に抱きついた。「どれほど会いたかったか!何があっても隠さないと約束したでしょう?」しかし初空は祥雲を突き放し、無礼だと憤慨した。「初空、分かってるわ、詭界に来たのは何か大事なことがあるからよね? 安心して、足は引っ張らない!あなたに会うまで大変だったの でも狂龍長老が大王に侍女を贈ると聞いて入り込めた」「これは新しい悪巧みか何かか?旧知のふりをするとは…」すると祥雲は二度と寝殿に入るなと叱られ、追い出されてしまう。…初空、本当に忘れたの?あの矢を受けたせいかしら、また新しくやり直さないと…一方、厄誅(アクチュウ)痕に蝕まれる昊軒(コウケン)は体調が悪化していた。そこで表向き弟が急逝したせいで気力が出ないと言い訳し、初空を暗殺してくれた修茗(シゥミン)を信頼して政務を代行させることにする。しかし修茗は誤解だと訴えた。砕魂箭(サイコンセン)を鍛えていたのは神託で滄海(ソウカイ)が復活すると知り、帝休(テイキュウ)族の敵を討つためだという。昊軒はそれ以上、追求せず、恐らく摩羅(マラ)族が滄海のために強敵である初空を排除したのだろうと言った。妖王の寝殿に追い出したはずの祥雲が戻ってきた。初空は香袋の匂いに驚いて祥雲を引きずり出そうとしたが、祥雲は初空の背中にしがみついて離れない。「下りろ!」「側に置くと約束するまで下りない!」「下りろ!さもないと…もう間に合わな…い」その時、祥雲の香袋に入っていた虫除けの荊芥(ケイガイ)草のせいで、初空の猫耳が出現した。「あ!耳だ!」初空は祥雲の香袋を握りつぶし、ひと安心した。しかし詭界では毒蠍王を死に追いやった猫妖は見つけ次第、殺すよう命じられている。祥雲は思いがけず初空の弱みを握り、自分を排除すればうっかり狂龍長老に口を滑らせてしまうかもしれないと脅した。「ならば私の邪魔はするなよ?」「ご安心を、力になります」妖王の突然の交代、しかし昊軒は新しい協力者に金丹を集めさせていた。「あと1つで滅妖(メツヨウ)陣を動かし、詭界の妖力を取り込めるでしょう 私との約束を覚えていますか?」「安心しろ、全て終わったら約束通りお前の望むものを与える」一方、昊軒の側近である孫(ソン)天王は修茗の行動を怪しみ、密かに探っていた。そんなある夜、水晶を商う黒豹妖が襲われ、金丹を奪われた。金丹を持つ妖怪は狂龍長老と不問(フブン)長老の他に10人、この数日で6人が続けて消滅しているという。すると報告を聞いた妖王は自ら犯人探しに乗り出した。これまでの妖王はこの件に一切、関わろうとしなかったが、新しい妖王は今までとは違うらしい。美しい祥雲にも目もくれず、どうやら本当に情を断ったように見えた。しかし慎重な狂龍長老はまだどこか妖王を信じられずにいる。「先王の虚霊鏡(キョレイケイ)が眠ったままだ、きっと役に立つだろう」その話を祥雲が回廊で立ち聞きしていた。翌朝、初空が身支度を整えて寝殿を出ると、すでに長老たちが階下で待っていた。実は先王が残した虚霊鏡を新王に保管して欲しいという。しかしそれは単なる口実、初空はこの鏡が妖族の真身を映し出すと知り動揺した。すると上階にいた祥雲が長老たちを誘き出すため、狐妖のかんざしを抜いて屋敷を飛び出して行く。神仙の気配を感じた長老たちはもはや鏡どころではなくなり、妖王の猫耳姿が映し出される前に出払った。祥雲は集落の物陰に隠れ、かんざしを挿した。何とか長老たちをまいて妖王府に戻ることにしたが、その時、運悪く尾狐(ビコ)公子に見つかってしまう。尾狐公子と言えば若い娘をかどわかすことで有名、しかし金丹を持つ妖怪に祥雲が勝てるはずもない。「しまった…ここで終わるわけにいかないのに」その時、初空が現れ、妖王を見た尾狐公子は慌てて姿を消してしまう。初空は自分を助けるため祥雲が気配を現したと気づいていた。「私を助けてくれたお返しに忠告しよう、ここはお前に不向きだ、早く離れろ」「残ると言ったら?」しかし初空は何も言わず帰ってしまう。長老たちが妖王府に戻ると鏡は消えていた。妖王は言われた通り鏡を大切にしまったという。長老たちの企みは失敗、そこで狂龍長老は祥雲を使って妖王に″真実の水″を飲ませることにした。黒豹妖の身辺を探っていた初空は黒豹の妻がいないことを訝しんだ。すると祥雲が現れ、差し入れの海棠の花酒を勧める。「狂龍長老が真実の水を入れたの、飲まないで(コソッ」しかし初空は飲まねば疑われると言って杯を空けてしまう。そこで祥雲は初空の声真似をしてごまかすことにした。「大王、あなたの真身は何ですか?…″私は太古の奇獣・猙(ソウ)だ″…そうなんだ~なんつって」回廊では長老たちが聞き耳を立てていた。不問は猙なら分からないはずだと納得したが、狂龍は頭が切れる妖王のこと、念のため酒に別の薬を入れてあるという。「もしそれが効いたとしたら本当に酒を飲んでいる」その頃、初空は異変を感じて杯の香りを確認した。「早く出て行け」「助けたのに恩を仇で返すのですか?」祥雲は不満を漏らしたが、確かに初空の様子がおかしい。実は酒の中には媚薬も入っていた。驚いた祥雲は知らなかったと釈明したが、苦しみもだえる初空を見て決心する。「私が助けになります」初空は我慢できず祥雲を寝台に押し倒したが…。つづく( ๑≧ꇴ≦)猫だ、猫だwww
2024.08.15
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长相思 lost you forever第8話川辺で玟⼩六(ビンショウリク)が現れるのをひたすら待ち続ける塗山璟(トザンケイ)。水汲みから戻った桑甜児(ソウテンジ)は葉十七(ヨウジュウシチ)が川にいると教えたが、小六は強がって会いに行こうとしなかった。その夜、独り寂しく星を眺めていた小六、そこに突然、相柳(ソウリュウ)が現れる。相柳は十七があの″青丘公子″だと聞きつけ、瘴毒(ショウドク)に侵された兵士たちのために薬材を用意させろと迫った。「なぜ俺が?!食われてもお断りだ、直接、塗山家に買いに行けよ」「…銭がない」「(* ̄m ̄)プッ!そもそも妖族のあんたがそこまでする必要があるのか?」「お前も他人の面倒を見ている、無駄なことが悪いか?」小六は確かにその通りだと失笑し、仕方なく手を貸す事にした。「分かったよ、兪(ユ)府へ行こう」「こっちだ、川辺にいる」塗山璟は小六の咳払いを聞いて嬉しそうに振り返った。しかし小六の後ろに憎き相柳の姿がある。「頼みがある」「はい、喜んで」「薬材が必要なんだ、これに詳しく書いてある」小六は相柳から預かった処方箋を渡し、揃ったら連絡が欲しいと頼んだ。「相柳が取りに行く、分かっていると思うが銭は払わない」「君から銭は取らないよ」「そうか、ありがとな」「…私に礼は不要だ」塗山璟は快く引き受け、帰って行った。すると相柳は薬材が届くまでの人質として小六を軍営に連れて行ってしまう。軍師である相柳の天幕は驚くほど質素だった。すると小六は相柳が眠った隙を狙い、例の胡桃を取り出す。…俺の血で育てたんだ、お前たち、頑張るんだぞ…小六は胡桃で育てた2匹の蠱虫(コチュウ)を解放し、1匹を自分の身体に入れ、もう1匹を相柳に寄生させることにした。しかし蠱虫が相柳を拒み、計画は失敗してしまう。小六は軍営で相柳の意外な一面を知ることになった。あの気位の高い相柳が山奥に隠れ住み、早朝から自ら練兵しているなど誰が想像できようか。また小六がうっかり茶葉と間違えて虫をいぶす薬玉を飲んだと分かると、相柳は初めて自然な笑顔を見せた。そんなある日、また2人の兵士が瘴毒で犠牲になってしまう。相柳は献杯して弔い、軍営に兵士たちの鎮魂歌が響き渡った。小六は辰栄軍が尊敬に値すると気づき、相柳に安易に帰順を勧めたことを謝罪した。今は薬材が1日も早く届くのを祈るばかりだが、肝心の薬材は軒(ケン)が全て買い占めている。そこで塗山璟は兪信(ユシン)に命じ、付近の名家が持っている薬材を貴重な帰墟(キキョ)水晶と交換して調達した。軒は暗衛・鈞亦(キンエキ)から塗山璟が薬材を集めたと聞いた。恐らく相柳と何らかの取り引きをしたのだろう。そこで塗山璟を見張って薬材の置き場所を探り、相柳が現れたところで捕まえることにした。辰栄軍ではいよいよ薬材が底をつき、医者は出がらしを再度、煎じて時間を稼ぐことにした。その話を偶然、耳にした小六はこっそり自分の血を薬湯に混ぜることにしたが、相柳に見つかってしまう。「死ぬ気か?!」確かに小六の血を全て絞り尽くしたとしても足りるはずがない。その時、毛球(ケダマ)の甲高い声が聞こえた。塗山璟が川辺で待っていると、小六と相柳が現れた。薬材は東柳(トウリュウ)街の丁字路を東に進み、4軒目の地下に隠したという。すると相柳は黙って引き上げて行った。「奴のために?」「友だちだからな、手伝うのは当然だ…いつここを離れる?」「離れない」「ふっ、許嫁が来るのか…とにかく助かったよ、それじゃ」小六はそっけない態度で帰ってしまう。しかしその夜、回春堂へ戻った小六の前に再び相柳が現れた。明け方、小六は何やら違和感に気づいてふと目を覚ました。すると傷だらけになった相柳が寝台に腰掛けている。「また怪我したのか…」小六は仕方なく自ら首を差し出し、血を飲ませた。聞けば薬材を取りに行ったところ刺客の待ち伏せに遭ったという。相柳に心当たりはなかったが、以前に自分を狙った刺客と同じだった。「軍営内に間者がいる、1人は始末したが1人は取り逃した」その時、小六は酒蔵で聞いた軒と暗衛の話を思い出した。「嘘だろう?まさかあいつが…」相柳は酒店の軒の仕業と聞くや否や出かけようとしたが、小六は多勢に無勢だと引き留めた。「俺に考えがある!無傷で取り返せるぞ!」相柳は自分の護衛4人を小六に貸して毛球の背に飛び乗った。「相柳!死ぬなよ!」小六は思わず叫んだが、相柳は何も言わず飛んで行ってしまう。酒店に戻った鈞亦はまたしても相柳に逃げられたと軒に報告した。すると鷲の鳴き声が聞こえ、相柳が来たことを知る。「その度胸に免じて会ってやろう」相柳は軒たちを誘き出すことに成功した。そこで小六が酒店を訪ね、老桑(ロウソウ)に軒老板が白髪の男と戦っていると伝える。「老板が劣勢で怪我をしていた!あっちだ!急いで助けろ!」小六はまんまと老桑を追い出し、今度は門を叩きながら大声で軒の名を呼んだ。すると阿念(アネン)が現れ、小六に気づいて激怒する。「なんの騒ぎ?さっさと帰って!」「帰らないね!老板に頼まれてなかったらお前なんかとっくに張り倒してる! お前、マジあたおかだよな!」「何ですって?!」「くやしかったらここまでおいで~」短気な阿念は小六に煽られ、思わず屋敷を飛び出した。侍女・海棠(カイドウ)は門を閉めて急いで王姫を追ったが、途中で相柳の護衛に襲われ、気を失ってしまう。その頃、軒は罠とも知らず、林の中で相柳と剣を交えていた。配下も駆けつけ優勢となった軒、その時、夜空に照明弾が上がり、相柳はあっさり引き上げてしまう。一方、無我夢中で小六を追いかけていた阿念はふと海棠がついて来ないことに気づいて足を止めた。「小姐ェ~怖くなったのかい?」「誰が怖いもんですか!」阿念は小六に向かって氷刃を放ったが、結界に阻まれてしまう。すると相柳の配下が現れ、阿念を包囲した。翌朝、軒が酒店に戻ると、老桑と海棠は慌ててひざまずいた。海棠は脅迫文を渡し、王姫を人質にして薬材との交換を要求していると伝える。「玟⼩六に騙されました!」「…私が敵を侮り、隙を突かれたのだ」軒は脅迫文を床に叩きつけ、再び出て行った。…もう二度と従妹を失うわけにはいかぬ、阿念を傷つける者には思い知らせねば…つづく(  ̄꒳ ̄)小夭の代わりに阿念を溺愛?哥哥もちょっと…w
2024.08.14
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长相思 lost you forever第7話回春堂で祝言を挙げた串子(カンシ)と桑甜児(ソウテンジ)。軒(ケン)は場違いな阿念(アネン)を連れて早々に引き上げることにしたが、葉十七(ヨウジュウシチ)の姿がないことを訝しんだ。門まで見送った玟⼩六(ビンショウリク)は十七なら厨房で料理を作っているとごまかしたが、軒に目をつけられたと気づく。十七はいつの間にか祝宴を抜け出し、西河の畔に隠れていた。すると小六がやって来る。「急に姿を消したりしたから、軒はきっとお前のことを調べるぞ?」しかし小六の警告を聞いても十七はどこか飄々としている。その時、毛球(ケダマ)に乗った相柳(ソウリュウ)が現れた。十七は小六を行かせまいと腕をつかんだが、小六はすぐ戻ると言って相柳と出かけてしまう。相柳は軍営で偶然、兵士たちが妖族である自分に不信感があると知った。そこで気晴らしに小六に会いに来たが十七の邪魔が入り、今日はいつになく機嫌が悪い。小六は毛球の乱暴な飛行のせいで何度も落ちそうになりながら、ようやく湖畔に到着した。「…なぜ霊力が弱いのだ?」「霊力は高い方だったが、全部あの狐妖のせいさ 狐妖は俺に霊力を使わせないため薬を飲ませ、少しずつ霊力を身体中に散らしたんだ」それは想像を絶するような痛みを伴っただろう。小六は地獄のような30年間をあっけらかんと話してくれたが、さすがに相柳も胸が痛んだ。相柳はふと立ち上がり、葫芦(コロ)湖に入った。すると水蛇の相柳は沈むことなく水面に立ち、小六を手招きする。小六は相柳の手を取って恐る恐る一緒に水面を歩き始めたが、驚いた事に自分も沈まなかった。やがて日が落ち、青い月が浮かび上がる。「見慣れた景色も誰かと見れば価値を感じられる ずっと変わらぬ景色に価値を見出せるのは人だけだ…」相柳は小六の言葉が嬉しかったが、その帰り道、小六の思わぬ言葉に激怒してしまう。「なぜそこまで辰栄(シンエイ)軍に肩入れするんだ?洪江(コウコウ)と一緒にいて何になる? もし権力を手に入れたいなら西炎(セイエン)王に帰順したほうがいい」激情に駆られた相柳の目は怪しく赤く光り、小六を呪縄で締め上げた。「悪かったよ…許してくれ」小六は無事に河畔に到着、相柳にいきなり放り投げられた。しかし今夜もずっと帰りを待っていてくれた十七が抱き止めてくれる。部屋に戻れば暖かい汁物、食べ終われば口を拭く手巾、小六は思わず十七が突然、消えたらどうすればいいか分からないと笑った。「ずっと一緒だ」「約束する者は大勢いるが、守れる者は滅多にいない…ふっ」すると十七は相柳に二度と会わないで欲しいと頼んだ。「相柳のことは私が何とかする」小六は十七が部屋を出ると、枕の下から胡桃を取り出した。「安心しろ、俺にも考えがある」その頃、辰栄(シンエイ)軍大本営では兵士が次々に瘴気(ショウキ)にあたり、倒れていた。清水(セイスイ)鎮に見慣れない豪華な馬車が到着した。馬車に乗っていた美しい娘は兪(ユ)府に到着、すると清水鎮の王と呼ばれる兪老板が娘を出迎え、拝礼までしている。どこかの富豪の家の娘なのか、ともかく貴人の来客に間違いない。そんなある日、麻子(マシ)が息急き切って回春堂へやって来た。実は兪老版が川沿いの店すべてに立ち退くよう要求しているという。小六は十七を連れて兪府を訪ねた。愛着のある回春堂を手放したくない小六は賃料の値上げなら話し合いたいと提案したが、兪信(ユシン)は自分ではなく主の決定のため、従うしかないと明かす。小六はひとまず引き上げる事にしたが、その時、例の馬車の娘が本殿に入って来た。「少主!」十七は無視したが、娘は慌てて十七にしがみつき、引き止めた。「あれからもう10年…天がまた引き合わせてくれたのですね… お忘れですが?私です、静夜(セイヤ)です、蘭香(ランキョウ)もいます! 兪信!少主のお戻りを太夫人に知らせて!」静夜と蘭香は十七の侍女だった。小六と十七の別れはあまりに突然だった。独りで回春堂へ帰った小六は追い出されずに済みそうだと報告し、もう十七の食事はいらないという。しかし小六が独り寂しく川辺を散歩していると十七が現れた。十七はまだ″葉十七″でいたいと言ったが、小六はもともとも葉十七などいなかったと突き放してしまう。一方、軒もその夜、暗衛・鈞亦(キンエキ)の報告で葉十七の素性を知った。…葉十七の正体は塗山璟(トザンケイ)、兄の塗山篌(トザンコウ)に陥れられ清水鎮に流れ着く…小六が川で洗い物をしていると桑甜児がやって来た。甜児は小六と十七の間に何かあったと察し、自分が洗い物を代わるという。「…もう慣れたか?」「回春堂に来てから心穏やかな日々を過ごせています、朝が来るまで眠れる…ふふ 六哥、私たちを認めてくれてありがとう」しかし小六はいつか後悔するのが怖いなら、今のうち離れた方が良いと言った。すると甜児は確かに突き放せば苦痛から逃れられるが、喜びも失ってしまうという。甜児の答えで小六は目から鱗が落ちた。「…お前のおかげで納得できた、ありがとうな」わだかまりが解けた十六は十七に自分で調合した香り袋を贈り、万が一の時にはここへ戻れば良いと笑った。辰栄軍の兵士が次々と瘴毒に侵され、相柳は薬材集めに奔走していた。その夜、鈞亦から報告を聞いた軒は絶好の機会だと判断、直ちに薬材を買い占め、万策尽きた頃に投降を促すよう指示する。鈞亦は拝命したが、投降させても西炎(セイエン)の五王や七王に手柄を横取りされると警戒した。しかし軒は1日も早く平穏な世の中にするためにも、私情は挟めないという。「王位が欲しくとも民を見捨てることはできぬ」翌日、軒は石妖(セキヨウ)の新しい講談を聞くことにした。今日の物語は4世家のひとつである天下一の富豪・塗山氏一族の話だという。…塗山氏一族とは九尾狐の子孫で、代々続く商いは手広く行われている塗山氏宗家が暮らす青丘の屋敷は玉や金で装飾され、珍しい動物もいた王族でなくともそれに匹敵する力を持ち、代々続いている勢力は複雑に絡み合っている皓翎(コウレイ)王と西炎王でさえ一目置くほどの力であった…小六が講談を聞きに行くと偶然、軒がいた。「六哥!ここへ座れよ」「軒老板!」小六は軒の席に座らせてもらったが、向かいの席には立派な衣をまとった十七が座っていた。…塗山氏一族は裕福だが子にはあまり恵まれず、直系の子は2人の兄弟だけだった弟は聡明で美丈夫なだけでなく、琴棋書画にも精通し、″青丘公子″と呼ばれ世の女子たちの憧れの的となるしかし兄のことを知る者はおらず、同じ名家に生まれながら兄弟の運命は正反対だった…塗山璟は小六の元へ向かい、皮を剥いた銀杏を差し入れた。小六は黙ったまま何も言ってくれなかったが、軒が座るよう勧めてくれる。その時、講談はちょうど塗山璟の許嫁の話になった。…天下に名高い青丘公子は塗山氏一族の次の族長になる方公子の母が迷いに迷って決めた許嫁は防風(ボウフウ)氏の令嬢だった令嬢は幼い頃から各地を遊歴し、花のような美しさと優れた弓術の腕前を持つというしかし災いはいつ訪れるか分からないもの祝言の準備が進む中、青丘公子は突然、重い病に倒れ、祝言は中止になってしまうそれ以来、青丘公子は世俗を離れて静養、今や塗山氏宗家は兄に託された…小六は十七に許嫁がいたと知り、深く傷ついた。「…6年だ、面倒を見た代わりにその分の家賃を免じろ、それで貸し借りなしだ」すると小六は帰ってしまう。呆然とたたずむ塗山璟。軒は思わず命の恩人にさえ正体を明かさなかったのなら、小六が怒るのも仕方がないと言った。「彼の怒りが収まったらちゃんと謝れよ、な?」つづく( ゚ェ゚)十七も相柳も気づいたのに、なぜお兄は小六が女子だと分からないのか?
2024.08.12
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长相思 lost you forever第6話老木(ロウボク)の大慌ての理由はすぐに分かった。実は串子(カンシ)が妓女に入れ上げ、その日も玟⼩六(ビンショウリク)たちが見張っているとも知らず、店から出て来た妓女と落ち合い、物陰で睦み合っている。「何とかしろ」老木は目も当てられないとばかりに小六に任せて帰ってしまう。串子は突然、現れた小六に慌てふためいたが、相手の妓女は肝が据わっていた。「桑甜児(ソウテンジ)と申します、彼から銭はもらっていません」しかも遊びではなく、串子と夫婦になりたいという。小六は祝言の相談をすると言って串子を連れ戻した。しかし老木が妓女との縁談に反対するのは必至、そこで小六と串子は一芝居打つことにする。小六は激怒しながら店に入ると、串子を追い回して折檻するふりをした。見かねた老木は小六をなだめ、気がつけば串子の肩を持ってしまう。「世帯を持つ相手は惚れた女子でないとな、周りがうるさく言うのは良くない」「チッ!そうと決まれば身請けしないと…祝言の準備もだ!」こうして串子の縁談を上手くまとめた小六、その様子を見ながら十七は嬉しそうに微笑んだ。老木は早速、桑甜児の身請けに出かけたが、なぜか独りで戻って来た。何でも妓楼の女将が法外な額を吹っかけ、とても払えないという。小六は首を傾げた。普通ならさほど若くもなく、看板娘でもない妓女の身請けを渋るのはおかしい。「裏に誰かいそうだな…相柳(ソウリュウ)か?あの時の顔のことかな(ボソッ」その夜、串子は軒(ケン)の店でやけ酒を飲んだ。軒は自分のおごりだと言って一瓶、差し入れ、それとなく探りを入れる。「小六は忙しいのか?新酒をごちそうしたいが店に来ない」「ここの酒は辛すぎて六哥は好かない…六哥が一番好きな酒は桑葚(ソウシン)酒だ」「なぜ好きなんだ?」「哥哥のせいさ、桑葚酒は六哥に哥哥を思い出させる」軒は驚いて小六の哥哥が誰か聞いたが、泥酔した串子は老木だと答えて潰れてしまう。そこへ十七が現れた。十七は軒がおごりだと言っても銭を置き、串子を連れて帰ってしまう。しかし回春堂へ戻ると、小六の姿がなかった。小六は毛球(ケダマ)に頼んで相柳を呼び出した。いたずら書きの仕返しとばかりに小六の首にかみつく相柳、しかし小六は美しい満月を眺める余裕がある。「…もう良いだろう?胃袋も9つあるのか?」「お前の首をここでかみ切ってもいいんだぞ?」相柳は侮られないよう牙まで出して脅したが、小六はどこか達観して見えた。「あんたには40回も鞭打たれて血も吸われているが気にしてない、だって俺は寂しいから 昔、奇病に侵されて何十年も山に隠れ住んでいた ある日、俺を食おうとする蛇妖に出会い、危険と知りつつ良くからかっていた 話し相手がいなかったからな」「で、蛇妖はどうなった?」「死んだよ、九尾狐が殺した、蛇妖は俺を九尾狐に渡すまいとして殺されたんだ」「面白い…で、九尾狐は?」「俺が殺した、あいつは俺を檻に入れて吐き気のする食事を与え、太らせて食おうとしたのさ あいつもうかつだったよな、獲物を太らせすぎると反撃するのに…」小六はその時の様子をふと思い出した。そんな小六の記憶を読み取った相柳はあまりの壮絶な情景に唖然とする。「…そう言えば大事な話とは?」「あ、南槐(ナンカイ)街の妓楼はあんたの店か?うちの串子が妓女に惚れたんだ」「私に請け出せと?」小六は相柳の様子で無関係だと気づいた。「どうもあんたの流儀じゃないと思ったよ、忘れてくれ、別の者に頼む」「…大事な話とはこれか?」相柳は小六にとって自分がただの暇つぶしの相手だと気づき、無性に腹が立ってしまう。その時、ちょうど小六が大木から降りるため枝にぶら下がっていた。相柳は思わず術で枝を折り、小六はそのまま落下してしまう。( ˙꒳˙ )月がキレイだな…小六が枝を杖代わりにして歩いていると十七が現れた。十七は小六が足を怪我していると気づいて駆け寄ったが、首元にまた赤いあざがあると気づいて悶々となる。「もう独りで出かけるな、姿が見えないと不安になる」「うん、分かったよ」十七は小六を背負って回春堂へ戻り、足を手当てして部屋で寝かせた。「邪魔したのは相柳ではなかった、別の奴だ」すると十七は酒屋の軒だと教えた。翌朝、小六は酒屋に軒を訪ね、串子の縁談に力を貸して欲しいと頼んだ。「なぜ私に?」「…あんたの真の素性を探る気はないが、ただ者じゃないことは分かる あんたが寛大な心で情けをかけてくれたら上手くいくはず」「そっちこそ真の素性はどうなのだ?」「老板、俺はどんな勢力とも関係ない、平凡な日々を送りたいだけだ 串子と麻子(マシ)に世帯を持たせ、老木に楽をさせる…家族の無病息災を願う平凡な男だよ」「″家族の無病息災″か…」小六の言葉を聞いた軒は感慨深げに自分も家族と平和で静かな日々を送りたいと漏らした。「祝言には私も呼んでくれるか?」「もちろん!」喜んだ小六は怪我を忘れて急に立ち上がり、うっかり足を痛めてしまう。軒は咄嗟に手を差し伸べたが、突然、飛び込んできた十七が軒を制し、小六を連れて帰ってしまう。「…鈞亦(キンエキ)、あの葉十七という男は怪しい、調べろ」老木が無事に桑甜児を回春堂へ連れて来た。すっかり舞い上がる串子だったが、小六は桑甜児に串子への情愛がないことなどとうに気づいている。「目的は何だ?」実は桑甜児は3ヶ月前にある男から銭を渡され、串子を誘惑して回春堂を探るよう頼まれていた。すると昨夜になってまたその男が現れ、仕事の終わりを告げて銭を渡して帰ったという。「男の素性は分かりません… 卑しい女の身です、真の愛など諦めていますが、串子は本当に私を身請けしてくれた だから串子に賭けてみたいんです! 誓います、串子が私を一途に想ってくれるなら私も一途に尽くすと… もし二心を抱けば殺されても構いません」そこへ運悪く桑甜児の衣を調達して来た串子が戻って来る。串子は小六の前でひざまずく桑甜児の姿に動揺したが、小六は婚家への挨拶だと安心させた。小六と十七は川辺で仲睦まじく寄り添う串子と桑甜児の姿を遠目から眺めていた。「桑甜児は串子の情を信じていない、そうとは知らず尽くされた串子は彼女への情を深める 串子の情が深まれば芝居の情も本気になり、添い遂げられるという仕掛けだ …もし串子が心変わりしたら死人がでそうだな、ふっ、俺の人生は長い、結末が見られる」「彼女は勇敢だな」「偽の情で気を引くのに?普通ならそしられる」「己の未来を懸けて偽の情を誠の情に変える機会を与えたんだ」「変わった考え方だな」結局、小六が酒蔵に忍び込んだことで軒に怪しまれ、串子を巻き込むことになった。今さらながら相柳に頼んでいたら面倒な事になっていたと胸を撫で下ろす小六。すると十七は相柳に会わないよう頼み、小六の杖を取り上げてふいに抱き上げた。「足元が悪い」小六は十七の腕に抱かれながら回春堂まで戻った。しかし鼓動が早くなるのを感じ、十七に気づかれまいと慌てて部屋に入ってしまう。回春堂で串子と桑甜児の祝言が執り行われた。すると祝宴に招かれた兄を探して阿念(アネン)が現れ、下々を見下した物言いをして場を凍り付かせてしまう。つづく( ゚ェ゚)前話の疑問の答えがもう来たわwどんな相手だろうと孤独よりはマシってことなのね
2024.08.10
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第32話砕魂箭(サイコンセン)を鍛えていることが昊軒(コウケン)帝君に知られてしまった修茗(シゥミン)。「すぐ対処します!」すると昊軒はその使い道を察し、それ以上は追及せずに見逃した。長寧宮に突然、妖(ヨウ)族の王が現れた。昊軒は滅妖(メツヨウ)陣の話かと期待したが、陣には7人の大物妖怪の金丹が必要なため容易ではなく、妖王はまだ時間がかかると釈明する。「今日は別の件で…」すると妖王は摩羅(マラ)族の娘を捕まえたと報告し、錦蘿(キンラ)を突き出した。昊軒はひとまず預かることにして収監したが、金丹の件で進展がなければ妖王をすげ替えると脅す。「分かりました、すぐ戻って取り掛かります」その頃、初空(チュコン)は祥雲(シャンユン)と晨星(シンセイ)台で落ち合っていた。実は兄に探りを入れてみたが、左腕に厄誅(アクチュウ)痕がなかったという。「だが自分から左腕を見せて来た、わざとらし過ぎる」「でも神託を改ざんしたなら痕があるはずよ?…もしや勘づかれたのかしら」そこで初空はまず無界に落ちた滄海(ソウカイ)の霊力を取り戻そうと考えた。「心配だわ、あなたが疑われていないか…」「そうかもな、ずっと前から」「何ですって?」「いや、何でもない」初空は祥雲の肩を抱き、ここは星だけでなく日の出を見るにも絶好の場所だと言った。天界で一番、高い場所から星を見上げる2人…。その時、突然、初空は背中から弓矢で射抜かれ、祥雲の目の前であっという間に飛散してしまう。祥雲は呆然、すると戦星が流れ落ち、天界は戦神が滅したと知って悲しみに包まれた。工エエェェ(;╹⌓╹)ェェエエ工初空を砕魂箭で射抜いたのは修茗だった。修茗は動揺し泣き叫ぶ祥雲を背後から点穴、眠らせて蓬莱(ホウライ)居に閉じ込めてしまう。祥雲が目を覚ますと修茗がいた。するとふと意識を失う前のことを思い出し、自分を抱き止めた仮面の男が″天穹玉(テンキュウギョク)″を持っていたことから、初空を殺したのが修茗だと気づく。「なぜ?!なぜなの?!」「報いを受けたのだ、3万年もこの日を待っていた」驚いた祥雲は滄海の記憶が戻ったと明かし、自分を殺したのは初空ではないと否定する。しかし今は真相を説明している時間はなかった。「すぐに初空を探しに行かなくては…」「すまない、滄海」一方、昊軒は人払いしてから結界を張って鍛錬していた。…初空はすでに消え、この世で私を阻む者はいなくなった、7つの金丹を集めて滅妖陣を動かし、妖王の力を私に加えれば、この世は全て我が物となる…修茗に監禁された祥雲は未だ初空を失った現実を受け入れられずにいた。その時、ふと初空の言葉を思い出す。…そうかもな、ずっと前から…すると手首でうっすらと光っている牽糸引(ケンシイン)に気づいた。確か結ばれたどちらかの元神が消滅し、魂が飛散すると牽糸引は切れるはず…。「初空はまだ生きているのね」冷静になった祥雲は始めから初空の計画だったと分かった。その夜、祥雲は差し入れを届けに来た修茗に牽糸引を見せた。「初空は生きてる…3万年前も今もあなたはむやみに人を殺したりしない 3万年前、初空は無実と分かっていた だから2人でひと芝居打ち、私を閉じ込めた、私を守るためね」「行って」すると修茗は門の封印を解いた…初空が3万年前から戻って来たあの日瀟雲(ショウウン)殿で待ち構えていた修茗は初空から2つの件を頼まれた実は無界に落ちた滄海の霊力を取り戻すため、詭(キ)界へ行って妖王の力を得たいというすると初空は砕魂箭を完成させるため、自分の古の元神を取り出して渡した『私が本当に殺すと思わないのか?』『できるのか?』修茗は何も言えなかった『で祥雲には?』『それが2つ目の頼みだ』…その頃、流れ落ちた戦星の元神は詭界にいる白猫の身体に宿っていた。祥雲は紅線翁(コウセンカク)に初空が生きていると明かし、探しに行きたいと訴えた。紅線翁はそんな一大事なら昊軒に相談すべきだと諭したが、祥雲は天界で信じられるのは紅線翁だけだという。「戦神の初空を天界で襲うなんて相当な身分のはずよ…ねえ、どうやって探せばいい?」「2人の元神を結びつけている牽糸引があるじゃろ?」「はっ!そうだった!」祥雲は早速、牽糸引をたどり、初空の転生先を突き止めた。するとこの世の外にある凶悪な妖族が巣食う詭界へ行ったと分かる。詭界は神仙にとって禁足の地、紅線翁は霊力の弱い祥雲など妖族の餌食になるだけだと猛反対したが、祥雲は譲らなかった。「生死を共にし、永遠に離れないと誓ったの」紅線翁は止められないと気づき、念のため駆毒(クドク)丸・霹靂(ヘキレキ)弾・催眠散(サイミンサン)・隠身(インシン)符を持たせ、かつて狐妖から手に入れたかんざしを髪に挿した。「これを挿せば妖族に成り済ませる、取ってはならぬぞ」「分かった、ありがとう」ここは詭界にある妖王府。妖王は昊軒に″妖王の力″を献上すべく長老に掛け合っていたが、また修行を断られた。「私がふさわしくないとでも?!」激怒した妖王は配下に八つ当たりしていたが、そこへ白髪の妖魔が現れ、呆気なく殺されてしまう。すると妖王の印である指輪が外れ、新しい妖王の手に移った。妖族では強者が妖王の座につく決まりだった。不問(フブン)長老と狂龍(キョウリュウ)長老は初空を第6代目の妖王と認め、拝礼する。そこで初空は妖王の力をもらえるか聞いた。「大王に就いたばかりなのに時期尚早では?時機が来たらお渡しします」詭界ができて3万年、初代の妖王・蠍妖は掟を定め、長老の職を設けて妖王の力を司らせていた。これも牽制し合うことで妖王に力を持たせ過ぎないようにするためだろう。しかし2代目以降、妖王の力を得た妖王は1人もいなかった。初空は妖族の間で狂龍長老が妖王の力を独り占めしている噂だと嫌味を言ったが、不問長老は誤解だとかばう。「大王、狂龍長老は誓いを立てました、不純な思いを持てば元神は消え去ると…」当時、妖族は他族から相手にされず、辱めを受けていた。しかし蠍妖がある人物の助けで詭界を作り、結界を張って他族を遮断、そのため神仙も容易に踏み込むことができない。むしろ霊力の強い神仙ほど詭界に踏み込んだ時の反動が大きかった。おかげで妖族は安住の地を得たが、ある時、妖猫(ヨウビョウ)族が私欲のため結界を破り、詭界を守ろうとした蠍妖は命を落としてしまう。それ以来、見掛け倒しの妖王が続き、長老が妖王の力を授けることはなかった。狂龍長老は新しい妖王から一筋の希望を感じていた。しかし今はまだ妖王の力を授ける時ではないという。実は妖王の力を習得するには大きな代償があった。「それは情愛を断つことです、愛する者の全てを忘れること」「私はすでに情愛を断ったぞ?」「それが本当か嘘か、私には断じかねます」「ではゆっくり見極めてもらおう」妖王府で第6代目妖王の継承式が始まった。妖王に忠誠を誓う長老と各部族たち、すると狂龍長老が妖王に贈り物があるという。そこへ侍女たちが1人の舞姫を連れて来た。「祥雲です、大王にご挨拶を」「…どこから来た?目が汚れる」つづく( ๑≧ꇴ≦)キィャア!白髪も似合うけど、白猫もピッタリだわwでも猫妖は敵なのに大丈夫なの?と思ったら、初空の真身は分からない設定でした( ̄▽ ̄;)
2024.08.09
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第31話摩羅(マラ)帝宮本殿。明月(メイゲツ)の力を得た昊軒(コウケン)は六界の盟主となるべく、次に滄海(ソウカイ)の霊力を狙った。「皆の者、魔女を殺せ!」すると麒麟(キリン)兵が現れ、滄海と護法・錦城(キンセイ)に襲いかかる。強大な霊力を誇る滄海にとって一介の天兵たちなど敵ではなかったが、昊軒が背後から滄海を狙った。しかし錦城が咄嗟に飛び出し、帝君を守って昊軒の一撃を受けてしまう。滄海は結界を張って閉じこもり、自分の霊力で錦城を助けようとした。しかし死期を悟った錦城は帝君を制し、必ず明月を救って欲しいと懇願する。「私が詫びていたと…お伝えください」すると錦城はそこで気を失い、倒れてしまう。滄海の怒りが爆発、激しい気で結界を破り、麒麟兵たちを吹き飛ばした。すると激情に駆られた滄海の目が血気で赤く光り、額に元神の印が浮かび上がる。「いいだろう、見せてもらおうか、お前たち姉妹のどちらが強いのか」昊軒は明月の邪気で我が身を守った。しかし滄海の霊力がわずかに勝り、宝剣の剣先がついに昊軒の胸に到達する。その時だった。『姐姐…』明月の声を聞いた滄海は昊軒に妹の姿が重なり、一瞬、手を止めてしまう。その隙をついて昊軒は一撃を放ち、滄海は激しく床に打ちつけられた。「滄海、私がお前の力も全て取り込んだらどうなるかな?」驚いた滄海は姿を消したが、昊軒もすぐあとを追った。滄海は無界の崖へ逃げたが無駄だった。すぐ昊軒が現れ、深手を負った滄海にじりじりと迫る。『姐姐!私を早く殺して!もう殺しはたくさんよ!』明月は昊軒に取り込まれながらも、自分の邪気を使わせまいと抵抗した。しかしそれも一時のこと、昊軒は弟に免じて楽に死なせてやるという。その時、人間界にいた初空が戻って来た。「やはり兄長か…」初空は滄海の前に立ちはだかり、兄と対峙した。「見られては仕方ない、初空、今までならお前には勝てなかっただろう だが今は違う、私は明月の力を得たのだ…それを試そう」昊軒は明月の邪気の力で攻撃、金の麒麟である初空でさえ身を守るだけで精一杯だった。滄海は劣勢を強いられる初空の背中を見ながら覚悟を決めた。…明月の力があるのなら初空が危ないその力は私と同源、だから私が死んだら明月の力も永遠に消えるはず…すると滄海は急に崖っ縁に向かって走り出した。「小棠(シャオタン)!馬鹿なことをするな!」「初空、どうか長生きしてね、生き延びてこそ望みがある」「私と添い遂げると言ったな…ゥッ……君は約束したはずだ…(´ ° ཀ°)グッ!」「ごめんなさい、またあなたを騙して…でもこれが最後よ」その時、初空は全身全霊で兄の邪気を跳ね返し、滄海を追いかけた。「小棠nnnnnnn!不要啊aaaaaa!不uuuuuuu!」初空は精一杯、手を伸ばし、身を投げた滄海の腕をつかんだかに見えた。しかし腕は初空の手をすり抜け、滄海はそのまま無界へ吸い込まれてしまう。「不uuuuuuu!小棠nnnnnnnn!」♪我的愛你明白~ (꒦ິ⌑꒦ີ)ダー!初空の手元に残ったのは虚しくも敗れた薄絹の切れ端だけだった。すると昊軒の身体からも明月の霊力が消滅してしまう。一方、滄海は落下しながら、祥雲(シャンユン)の記憶を取り戻していた。…初空、これが私たちの定めなのね…そしてついに滄海の身体が消散、しかし金の麒麟が滄海の元神を追いかけて行った。初空は滄海を失って絶望し、そのままうなだれていた。するとふいに祥雲との歴劫の記憶が蘇る。…これが3万年前の真相だったのか、いつも記憶を消され、同じことの繰り返しだ…しかし今回は天機盤(テンキバン)を持っていた。昊軒は元神を損なった弟の記憶を消したが、初空は危ないところで後ろ手に招喚した天機盤を操作することに成功する。その時、慌てて修茗(シゥミン)が駆けつけた。「修茗殿下、帝休(テイキュウ)族の敵は討った」足元には滄海の衣の切れ端を握りしめて倒れている初空の姿があった。祥雲が天界に戻った。額には一瞬、滄海の印が浮かび上がったが、すぐ消えてしまう。紅線翁(コウセンカク)はどこへ転生したのか、いつ戻るのかも分からなかった祥雲の無事な姿に安堵した。すると祥雲は思いつめた様子で長寧宮へ行ってしまう。初空と祥雲の転生場所は誰も知らなかった。神君から詳細を聞かれた祥雲は意を決して何か言おうとしたが、ちょうど天界へ戻った初空が現れ止める。「祥雲…自重しろ」…確かに今の私に滄海の霊力はない、無茶はできないわ…そこで祥雲は孫(ソン)天王のひどい筋書きのせいで悲惨な死を迎えることになったと嘆いて見せた。昊軒は元神が復活していない初空を怪しんだが、初空は七星連珠(シツセイレンシュ)で時空が乱れ、渡劫の際に命を落としかけて歴劫が失敗したとごまかす。「何より無事に戻れてよかった、次はもっと慎重にな」「恐れ入ります、では」初空は祥雲を連れて瀟雲(ショウウン)殿に戻った。「なぜ私を待たずに行ったんだ、危険すぎる」「ごめんなさい」「信じれくれ、約束する、滄海の潔白を明かし、李(リ)天王の敵を討つ そのためにも慎重に考える必要があるんだ」祥雲も頭では理解していたが、摩羅族の3万年の苦労を思うと胸が痛んだ。その時、ふいに海棠の花吹雪が舞う。「私たちの縁は3万年前に結ばれたの?それとも修行で?考えてもいつだったのか分からない」「いつであれ私たちは巡り会う運命だった」「だけど…多くのことが解決していない」「摩羅族の名誉を回復し、婚礼を終わらせよう」初空は昊軒が神託を改ざんしたのなら必ず左腕から心の臓にかけて″厄誅(アクチュウ)痕″があるはずだと気づいた。その頃、摩羅山では錦蓮(キンレン)が父の最期の姿を思い出していた。当時、錦蓮は双子の妹・錦蘿(キンラ)と一緒に本殿で虫の息となった父を発見している。錦城は息子に妹の面倒を見て、帝君と摩羅族を守るよう頼んで消散してした。すると歴劫を終えた初空が天機盤を返しにやって来る。初空はまだ摩羅族の潔白を示す証しが見つからないと正直に報告した。落胆する錦蓮だったが、そこへ歴劫で小師妹だった小祥(シャオシャン)が現れる。「いや、小祥ではないな?何者だ?」「私は祥雲、3000年前は彩雲でかつては摩羅族だったの」錦蓮はまた何か企んでいるのかと疑ったが、祥雲の話を聞いて顔色が一変する。「病弱だったのに大きくなったわね 昔、錦蘿をかばってあなたが殴られ泣いた時、私が相手を追い払ったわ あなたは父親(フーチン)には言わないでと懇願し、指切りしたでしょう?忘れたの?」「(はっ!)帝君!」すると錦蓮は拝礼し、帝君と共に摩羅族を率いて再興を果たすと誓った。初空が摩羅山から戻ると修茗が瀟雲殿で待っていた。「3万年前に戻ったのだろう?証しは見つかったか?」「…見つからない」「認めたくないだけだろう?」「だったら私を殺すか?」「殺せないと思うのか?」一方、滄海と再会を果たした錦蓮は錦蘿と紫輝(シキ)の捜索を打ち切った。…父親、どうか摩羅族を見守ってください、必ず昊軒に血で償わせます…初空は兄の腕の厄誅痕を確認すべく、六界の情勢をまとめた報告書を兄に献上した。しかし報告書を受け取った兄の左腕に厄誅痕は見えない。実は初空が訪ねてくる前、昊軒は青雪草(セイセツソウ)の薬湯を飲み、痕を抑えていた。孫天王は長寧宮に駆けつけ、修茗が古の神器を鍛えていると報告した。「砕魂箭(サイコンセン)ではないかと?」驚いた昊軒はすぐ修茗を呼びつけ、天界で邪悪な神器を鍛えるなど許されないと叱責する。「このことを知るのはまだ私だけ、もし他の者に知られれば罰は免れぬ」「…分かりました、すぐ対処します」つづく( ๑≧ꇴ≦)ノ<不uuuuuuuuuuuuu!
2024.08.08
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长相思 lost you forever第5話9つの頭を揶揄され、術で玟⼩六(ビンショウリク)の口をふさいだ相柳(ソウリュウ)。「私の好物は人だ」相柳は脅しのつもりで小六の首に噛みついたが、思いがけず小六の血に霊力を回復させる力があると気づく。小六は自分の血の秘密がばれてしまい覚悟したが、相柳はしばらくすると牙を抜き、術を解いて牙の痕を消した。相柳は毛球(ケダマ)で小六を西河の畔まで送り届け、帰って行った。すると同じ場所でひたすら小六を待っていた葉十七(ヨウジュウシチ)の姿がある。十七は小六の首に赤いあざがあることに気づき、何とも言えない焦燥感に襲われた。「また起きていたのか?早く休めよ」小六は笑顔を見せたが、十七は小六が自分に心を閉ざしてしまったと分かった。相柳は軍営に紛れ込んだ間者に気づき、敵の通信手段だった伝書鳩で黒幕を誘き出した。すると罠とは知らず軒(ケン)の暗衛・鈞亦(キンエキ)が現れる。「会って話したいとは何事だ?」鈞亦は相柳が密偵に化けていたと気づいて慌てて逃げ出したが、捕まってしまう。「誰の差し金だ?」相柳は霊縄で縛りつけた鈞亦に氷刃を突きつけた。その時、万が一に備えて隠れていた伏兵が現れ、相柳を法陣に閉じ込めることに成功する。しかしあと一歩という所で相柳が剣を召喚、陣を破って反撃した。翌朝、小六たちは中庭で食卓を囲んだ。しかしそこに老木(ロウボク)の姿はなく、串子(カンシ)はやはり軒の酒店をつぶしに行こうと訴える。小六は生きていれば悔しい思いもすると諭し、講談の王孫と王姫も我慢して生きていると言った。「…六哥、まるで知っているみたいな言い方だな」その時、老木がようやく部屋から出て来た。「俺なら平気だよ」老木は笑顔を見せたが、肩を落として店に入ってしまう。軒の酒店は客で賑わっていた。すると小六が現れ、酒を注文しては言いがかりをつけて商売の邪魔をする。さらに食欲のない阿念(アネン)のため苦労して手に入れた新鮮な茘枝(ライチ)まで横取りした。「この前は悪かった、謝る」「妹妹に謝らせろ」しかし軒は従妹の過ちなら従兄である自分の責任だと言った。小六は妹思いの兄に感心し、ならば店の看板商品である桑葚(ソウシン)酒を持って回春堂へ謝罪に来るよう要求する。「老木に謝るんだ、それで老木が許したら二度と店の邪魔をしたりしない」軒は約束通り大量の酒を持って回春堂にやって来た。始めはふて腐れていた老木だったが、軒が謝罪のため何杯も酒をあおる豪快さに感服し、最後は義兄弟の契りまで結んでしまう。「今日は酔うまでとことん飲むぞ!」その様子を小六は物陰から眺めていた。「…本当にすごいヤツだ、妹妹をなだめる一方で、老木とは義兄弟になった」軒は大事な任務があるため今回は穏便に済ませた。屋敷へ戻ると酔ったふりをやめて一安心、しかし間者に会いに行った鈞亦がまだ戻って来ない。一方、陣を破ったものの深手を負った相柳は密かに十六の部屋に転がり込んだ。小六はまた相柳に捕まって血を吸われたが、動じる様子はない。河原で血を吸っただけで解放してくれたのなら、霊力を上げるため自分を食べるつもりはないのだろう。すると小六は相柳の袖に血がついていることに気づいた。「あんたを怪我させるなんて…どこのどいつだ?」しかし相柳は黙ってそのまま横になってしまう。相柳に寝床を奪われ、仕方なく床で横になったものの寝つけない小六。そこで眠っている相柳の顔にいたずら書きしようと思いついた。すると突然、相柳が目を開ける。驚いた小六だったが、相柳は経血をめぐらせて内傷を治しているため動けないと分かった。「これは上出来だ!1、2、3…これで目が9つになった!(*≧∀≦)ブハッ!」小六は鏡でいたずら書きを見せると、相柳の仕返しを恐れて部屋を飛び出した。小六が部屋を出るとちょうど十七と出くわした。そこで相柳が部屋で休んでいるため、誰も入らないよう見張って欲しいと頼む。「起きたら勝手に帰る、俺は出かけるよ」小六は軒の酒蔵に隠れた。安全な上、ここなら上等の酒がある。すると夜更けというのに軒が誰かと入って来た。小六は息を潜め、耳を澄ます。「相柳に深手を負わせましたが、配下は全員、殺され、残ったのは私だけです」「利用できないなら先手を打つしかない、奴が深手を負っているうちに仕留めるぞ」小六は軒も賞金首の九頭蛇を狙っていると知り、相柳が無事に逃げ切れるのか心配になった。翌朝、恐る恐る小六の部屋に入った十七は相柳がいないと知ってほっとした。しかし寝台に銀髪が落ちているのを見て激しい嫉妬に駆られ、寝台の敷物や掛け物を全て交換してしまう。一方、空腹に耐えかねた小六は厨房で食べ物を物色しているところを軒に見つかった。「つい匂いに釣られて…」小六は愛想笑いしながら後ろ手で毒を放つ準備をしたが、なぜか軒は一緒に朝食を食べようと誘った。小六は酒蔵にいたことがばれたのかと警戒したが、少なくとも軒に殺意は見られなかった。しかも食卓に並んだ料理は全て軒が作ったという。「まさか酒造りだけじゃなく料理も得意とは…阿念(アネン)は幸せ者だな」「哥哥が面倒を見るのは当然だ」小六は軒のような従兄を持った阿念を心から羨ましいと思った。「老板は本当に良い哥哥だな」「…良い哥哥ではない」軒は表情を曇らせたが、小六はそこで引き上げることにした。相柳を追っていた鈞亦だったが、間者から相柳ならすでに完治していると連絡が来た。「最高の機会を逃したな」報告を聞いた軒は仕方なく時機を待つことにしたが、その一方で老桑(ロウソウ)に回春堂を調べさせていた。しかしこれと言って怪しい点はなかったという。「玟小六は臆病で銭に目がないとか、でも温和な性格で隣近所との付き合いもいい 悪さもしていません、ただの医者でしょう」「じゃあ私は?」軒は自分が酒店の主にしか見えないように裏の顔があるはずだと疑った。十七は小六がどんなに突き放しても尽くし続けた。それがかえって小六を苛立たせてしまう。十七はわだかまりを解こうと素直に謝罪した。「二度としない…何が起きようと私を頼りたい時に姿を消したりしない 二度としないと誓う」その時、老木が息急き切って現れた。「大変だ!すぐ来てくれ!」すると老木は小六を強引に引っ張って行ってしまう。独り取り残され、意気消沈する十七。しかし小六はふいに立ち止まり振り返った。「おい!お前も来い!」十七は小六が許してくれたことに気づき、笑顔で後を追う。つづく( ゚ェ゚)九頭蛇が次第に小六に惹かれるのは分からんでもないでも小六の気持ちがピンと来ないなぁこのツンデレ蛇!どうせ食えないんだろう?って煽ってるのかしら?w
2024.08.07
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长相思 lost you forever第4話辰栄(シンエイ)軍臨時陣営に侵入者が現れた。報告を聞いた相柳(ソウリュウ)は仮面を招喚して幕舎から出ると、兵士に包囲された神族の男がいる。「お前は誰だ?」「葉十七(ヨウジュウシチ)、玟⼩六(ビンショウリク)を迎えに来た」十七が来たと気づいた小六は慌てて外へ飛び出し、相柳にすがりついて十七を見逃すよう懇願した。すると相柳はあっさり2人を解放、十七は傷だらけの小六を背負って帰って行く。その後ろ姿を相柳は黙って見送った。…女子であるうえ高貴な神族でもある、なぜ身分を隠す?実に面白い…( ̄▽ ̄;)え?女だと気づいてからの鞭打ちなの?最悪___小六は自分を探し当て、迎えに来てくれた十七の優しさが嬉しかった。しかし長年、辰栄軍と戦った老木(ロウボク)は相柳を怖がっているため、秘密にして欲しいと頼む。十七の口が固いことを思えばいらぬ心配だったが、固過ぎるせいで小六は十七のことを何も知らないと気づいた。「永遠に葉十七でいてくれるといいが…それは無理か でもここにいる間は葉十七として俺の言うことだけを聞いてくれ」十七はちょうど休めそうな洞窟を見つけ、小六の背中に薬を塗ることにした。しかしいくら幻形術で男の身体をしているとは言え、本当は女子だと分かってしまった以上、直接、肌に触れることははばかられる。そこで十七は手巾で薬を塗ることにした。すると小六が身の上を語り始める。「…俺は20年以上、一人で暮らしていた、″奇病″にかかってすごく怖かった 人を避けて鏡も見ず、姿を消してさすらい続けたよ 初めはずっと黙っていた、でもある日、山で果物を見つけたんだ 何という果物か分からなくて、訳もなく急に怖くなったよ それからおしゃべりになってね、ある時は猿を捕まえて1日中、話しかけてた 猿は耐えきれずに石に頭をぶつけて死んだけど…」( ;∀;)さっるぅぅぅぅぅ…十七は数日ほど小六を静養させ、その間にこっそり霊草を採りに出かけた。断崖絶壁を登ってついに霊草を手に入れた十七、しかし踏み場が崩れて落下してしまう。すると途中で9本の真っ白な尾が現れ、十七の身体を浮かせて無事に着地した。(  ̄꒳ ̄)お、ここで十七の正体が九尾白狐と判明小六は十七のおかげで希少な霊草を手に入れ、麻子(マシ)の結納金を工面した。しかし回春堂へ戻ると早速、窓枠に相柳の霊獣・毛球(ケダマ)が止まり、短い足で毒薬を催促されてしまう。「まずい!間に合わない!」小六は慌てて薬材を調合し、寝る間も惜しんで薬を煎じた。すると十七が現れ、自分が代わると申し出る。「相柳はなぜ毒薬を?」「知らない、俺の毒は色がないが臭いは強烈だ、どうせ誰も殺せないさ」こうして翌朝、小六は無事、期限通り毛球に毒薬を託した。↓通常運転は小さい毛玉です回春堂の中庭で麻子と春桃(シュントウ)の祝言が執り行われた。しかし思いがけず相柳が現れる。小六は祝宴を抜け出し相柳を部屋に案内、わざわざ人質が増えたと知らせに来たのかと嫌味を言った。「お前は神族だ、連中が死んでもお前の姿は変わらない、何が面白い?」「寂しいのは嫌だ、一時の道連れでも構わないさ」相柳は小六に勧められるまま毒酒を飲んだが、びくともしなかった。「毒を除けば何てことのない酒だな」すると十七が現れ、相柳は居心地が悪くなって帰ってしまう。新婚生活が始まった麻子は医館の仕事をほったらかして春桃の実家の肉屋を手伝っていた。そんなある日、春桃が顔を怪我した麻子を連れて回春堂に駆けつける。実は配達に出かけようとした春桃が店先で阿念(アネン)と衝突、衣に羊の血をぶちまけた。春桃はすぐ謝罪して衣を弁償すると言ったが、侍女・海棠(カイドウ)は無知な人間族の娘に激高する。『お前に弁償できると思うの?!』これに怒った串子(カンシ)は敵討ちに行くと飛び出し、老木が追いかけて行った。小六は麻子を手当してから十七に店を任せ、老木たちの様子を見に行くことにした。すると通りに人だかりができている。実は霊縄に捕まった串子を助けようとした老木が法術で蹴鞠のように転がされていた。残酷な神族の仕打ちに眉をひそめる村人たち。驚いた小六は阿念に駆け寄り、降参している2人を許して欲しいと懇願した。しかし阿念は無視、本来なら殺すところだが従兄の手前、命までは奪わないという。「ゥッ…小六…いっそ殺してくれ…このままでは生き地獄だ…」そんな老木の哀れな姿を阿念は笑って見ていた。小六は激しい憎悪に苛まれ、ついに後ろ手でこっそりを呪術を放ってしまう。その時、十七が密かに法術で老木と串子を解放してくれた。海棠は誰が術を破ったのか分からず不安になり、急に主を連れて引き上げてしまう。「姑娘!回春堂で待っている!」(`ω´ )阿念ムカつくわ〜ヤンズーより早く拳に力が入ったわ💢意気消沈した老木の姿に小六は胸を痛め、十七だけに本音を漏らした。「老木たちは俺のことを善人だと思っている、でも子供の頃には人をたくさん殺した 忘れていた感覚だ、今日は連中を殺したいと思ったよ」十七は相手が霊力の強い神族だと警告したが、小六は彼らの霊力の属性を見極めることができれば毒で殺せるという。その頃、屋敷に戻った海棠は得体の知れない毒に当たり苦しんでいた。軒(ケン)は大夫を呼んだが解毒できず、激怒した阿念は自分が敵討ちに行くという。経緯を聞いた軒は阿念を連れて回春堂を訪ねた。待ち構えていた小六は解毒薬を渡す代わりに妹に謝らせろと迫ったが、軒は丁重に解毒薬が欲しいと頼む。「嫌だと言ったら?」小六はわざと挑発して軒に霊力を使わせ、後ろにいる十七が属性を見極める間、足止めする段取りだった。「十七っ!」しかし振り返ると十七の姿はなく、小六は軒の掌をまともに食らって倒れてしまう。「すまぬ、まさかこれほど弱いとは…だが傷つけてはいない、少し苦しいだけだ」( ;∀;)えーっ?!そりゃないぜ〜17w小六はあっけなく解毒薬を奪われた。これまで自分に忠実で尽くしてくれた十七の突然の裏切り。さすがに小六も自分の浅はかさに乾いた笑いが出てしまう。するとしばらくして十七が戻って来た。「奴らは知り合いか?」「神族の高貴な令嬢だ」「素性を気づかれないよう隠れたのか?ふっ… それとも怒らせるのは得策じゃないから解毒薬を渡そうと?」「私が顔を見られる以上に…」十七は釈明しようとしたが、小六は怒って出て行ってしまう。小六が西河のほとりでふて腐れていると、毛球に乗った相柳が現れた。「乗れ」「小六!」その時、小六を追いかけて来た十七が引き留めたが、小六は自ら手を伸ばし、相柳と行ってしまう。相柳は小六と十七の間に何かあったと気づいた。「奴は何をしてお前を怒らせたんだ?」「自分に怒っている、他人に頼りたいと思うなんて…期待するなんて馬鹿だ 期待が大きいほど失望も大きくなる、やっぱり頼れるのは自分だけだ」小六は自分には頼れる親も兄弟もなく、どん底の時にも誰にも頼らなかったと言った。「もう大人なんだ、誰も当てにすべきじゃない つまづいたとしても支えてくれるのは自分しかいないんだ」すると小六は急に毛玉の背中から川に飛び込んでしまう。夕日を背に小六は無心になって泳いだ。毛球に乗った相柳は黙って小六を追いかけ、河原に到着する頃にはすっかり日も暮れる。すると小六は捕まえた魚を焼いて相柳に振る舞った。「ところで9つの頭はどう生えてるんだ? 食事の時はもめるだろうな~順番は決まってるのか?」すると相柳は術をかけて小六の口をふさいでしまう。「私の好物は人だ、お前ぐらいの大きさならちょうど9人分ある」つづく( ๑≧ꇴ≦)ちょwww一番、聞いちゃダメなヤツwww
2024.08.03
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第30話【摩羅(マラ)女帝が魔に落ちて世を滅ぼす】思わぬ神託が下り、真偽を確かめるべく麒麟(キリン)王宮へ戻った初空(チュコン)。すると昊軒(コウケン)が現れ、初空に摩羅帝宮に戻らないよう強要した。しかし初空は滄海が神であれ魔であれ決して裏切らないと反発、兵士たちを退け帰ってしまう。…初空、すでに神託は下った、滄海と摩羅族は間違いなく六界の敵となる、そして私が麒麟族を率いて六界の盟主となるのだ、天下を私の足元にひれ伏せさせる!(๑•̀ㅂ•́)و✧…一方、摩羅公主・明月(メイゲツ)は護法・錦城(キンセイ)から滄海との接触を絶たれ憤った。そのせいで邪気が抑えられなくなり、錦城の説得にも耳を傾けなくなってしまう。「どうせ私は捨て子、好きに生きて死ぬわ!」神託の噂を聞いた修茗(シゥミン)が滄海を心配して駆けつけた。滄海は六界を束ねる摩羅族に挑める者などいないと強がったが、未だ初空が戻らず不安が募る。「初空がいなくても私がそばにいます」「…殿下、私の夫人なら心配には及ばない」その声は初空だった。実は初空は婚儀の前に山荘を片付けていたので遅くなってしまったという。すると修茗は安堵し、潔く滄海を初空に託した。「滄海を幸せにしてくれよ」そんなある日、錦城の双子の子供が突然、血を吐いて昏倒した。追い詰められた錦城は昊軒を頼ったが、昊軒は双子を救えるのはこの世で初空だけだと明かす。「天下で唯一の生まれながらの金の麒麟は元神を癒す力を持っている 双子を助けたいのなら初空のところに行くんだな」錦城はようやくこれが初空を陥れる昊軒の巧妙な罠だったと気づいた。しかし昊軒は選択したのはあくまで錦城自身だという。「私は良かれと思って霊薬を渡しただけ、子供が飲むかどうかは知らなかった それに初空は弟なのになぜ私が害する必要が?( ̄ー ̄)フッ」全てが昊軒の計画通りに進んでいた。初空のこと、錦城に泣きつかれれば必ず手を貸すだろう。しかし初空の元神が傷つけば滄海が黙っているはずがない。…そうなれば私の企ては誰にも止められない…昊軒にそそのかされた麒麟王は初空と女帝の縁談で麒麟族まで巻き込まれることを恐れ、すぐ出兵するよう指示、摩羅族に異変があった時は昊軒に一任すると命じた。その夜、初空と滄海は人間界で2人だけの婚礼を迎えた。「生涯、離れず、生死を共にして悔いを残さない」2人は誓いを立てて夫婦の杯を交わした。すると滄海は以前、姻縁廟で買った牽糸引(ケンシイン)を招喚し、自分の元神を込めて初空に贈る。「これを手に結べばどこにいても見つけられるわ」そこで初空も一条の元神を引き抜き、牽糸引に加えた。「これなら来世も来来世も来来来世でも見つけられる!」「共に手を取り合い…」「年老いるまで…」初空と滄海が手を握り合い唇を重ねると、牽糸引が2人の手首に巻きついて永遠の縁を結んだ。その時、突然、中庭から錦城の悲痛な叫び声が聞こえて来た。「帝君!二殿下!お助けください!」初空と滄海が門を開けると錦城が昏倒した錦蓮(キンレン)と錦蘿(キンラ)を連れて立っていた。「初夜を邪魔して申し訳ありません…どうか子供たちをお助けください!」驚いた初空はすぐ子供たちを部屋に運び、金の麒麟で双子の元神を癒した。しかし力を使い過ぎたせいで自分の元神を損ない、倒れてしまう。その頃、昊軒は錦城の留守を狙って深海の結界に入った。やがて暗闇から明月が現れる。「なるほど、滄海とうり二つだ」「あなたは誰?錦城はどこ?」「私が誰かはどうでもいい、大事なのは私と一緒にここから出るかどうか… これがたった一度の機会になるだろう、決めるのはあなただ」昊軒は3000年以上も暗闇で独りきりだった明月の心の隙間を上手く突いた。「…行くわ!」すると昊軒は明月を助ける対価として3つの願いを叶えて欲しいと条件を出し、契約符を招喚した。明月は迷っていたが外界への誘惑に負け、魂の契約を結んでしまう。「まずはひとつ目だ、帝休(テイキュウ)族を皆殺しにしてもらおう」滄海にうり二つの明月が摩羅族に忠実だった帝休族を滅ぼした。明月の存在を知らない世間は摩羅の女帝が魔に落ちたと誤解、昊軒は2つ目の願いも成し遂げられたと喜ぶ。「では3つ目は何?」「…それはお前の力を捧げてもらうことだ」明月は魂の契約を結んだせいですでに昊軒から逃れることができなかった。すると昊軒から邪気の力を全て吸い取られ、消滅してしまう。その頃、滄海は初空の元神を自分の霊力で癒していた。すると急に胸を刺すような痛みを感じ、まるで身体の力の半分を奪われるような感覚に襲われる。錦城は明月の身に何かあったのではと気づき、ついに滄海に事実を明かすことにした。「帝君、その異変は明月公主が関わっているのやも…」「明月?明月とは誰なの?」摩羅族の王族は代々、双子が生まれ、滄海も例外なく双子の姉妹だった。しかし呪われた王族ゆえ男女の双子なら問題ないが、同性の双子の場合、一方は神で一方は魔として生まれてくるという。本来は滄海の力と通じる前に明月を滅する必要があったが、先帝は娘を殺せず、密かに錦城に幽閉させていた。「私が子供たちを救いたいと焦ったばかりに… 昊軒にはめられ、明月公主の居場所を教えてしまったのです 神託も昊軒の陰謀かもしれません」その時、初空の手がわずかに動いたが、滄海は気づかなかった。滄海は初空を人間界の山荘に残し、錦城と一緒に急いで摩羅帝宮に戻った。しかし深海の結界の中に明月と昊軒の姿はない。滄海は明月が書卓に残して行った家族4人の絵を見ながら、夢の中で自分とうり二つの娘に会ったこと思い出した。その時、滄海は再び胸が苦しくなり、明月の力が全て奪われたことに気づく。「明月公主の力は帝君と同源、誰もかなわない もし昊軒が手に入れたのなら…この世が危うくなります!」昊軒が本殿で待ち構えていると、予想通り滄海と錦城が現れた。すでに明月の力を我が物にした昊軒、これで滄海の力も手に入れば金の麒麟など敵ではない。「お前は錯乱し、罪のない者を殺した 帝休族は摩羅族に忠誠を尽くして皇子を人質として送ったのに、残らず殺し尽くすとは… 神託通りだな、世を滅ぼす魔女め!」「よくぞまあそんな君子面できるわね!」滄海は明月を返すよう迫ったが、昊軒は明月とは誰かとしらばくれた。確かに滄海に姉妹がいることを知っているのは自分たちだけ、すると昊軒は麒麟族が先頭に立って戦うと宣戦布告する。「魔女を殺せ!」つづく( ๑≧ꇴ≦)盛り上がってまいりました~!
2024.08.02
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第29話無謀な鍛錬のせいで倒れた修茗(シゥミン)。初空(チュコン)の元神の力で事なきを得たが、滄海(ソウカイ)は護法・錦城(キンセイ)からその原因が自分にあると指摘されてしまう。そこで滄海は元神を養う摩羅(マラ)族の神器・天穹玉(テンキュウギョク)に自分の力を入れ、修茗に贈った。「修茗、私はずっとあなたを弟だと思って来た、その気持ちはこれからも変わらない」昊軒(コウケン)が麒麟(キリン)宮に戻ることになった。初空は父への口添えを頼んで見送ったが、別れ際、兄から滄海にとって帝休(テイキュウ)族の皇子は大きな位置を占めていると警告されてしまう。「ご心配には及びません、では…」昊軒は弟をわざと嫉妬させ、ほくそ笑んだ。すると初空と入れ違いで錦城が現れる。錦城は昊軒からもらった霊薬のおかげで双子が元気になったと報告し、薬を譲って欲しいと懇願した。そこで昊軒は対価として摩羅族の内情を知りたいと言ったが、錦城は摩羅族を裏切ることはできないと拒否する。「無理強いはしませんよ…もし気が変わったらご連絡を」初空が庭園に駆けつけると、ちょうど滄海が修茗に天穹玉を与えているところだった。「待て!…元神なら私が癒せる!」結構だ!>(,,Ծ‸Ծ,,)( ≧ꇴ≦ )<ダメよっ!滄海と修茗に拒否され立つ瀬がない初空。すると滄海は修茗に意地を張らず天穹玉を必ず身につけるよう命じ、初空にもむやみに癒しの力を使って元神を損なわないよう釘を刺した。「分かった、お前の同意なしには使わないと約束する、怒らないでくれよ…」(」゚ロ゚)」<俺が悪かったヨォォォォォォォ~!初空は滄海の機嫌を直そうと大きな声で謝罪、滄海は思わず失笑した。( ゚ェ゚)あ、長公主と将軍の歴劫の時、祥雲が大声で話しかけたネタってこれか〜後から出してくるって上手いね修茗は滄海が初空に向けた笑顔を見て驚いた。…滄海が私にあのように笑ったことはない、滄海への執着を捨てるべき時が来たのか、初空が滄海の落ち着き先なのかもしれない…( °◊° )意外と物分かりが良い修茗nnnnnn我が子の命と忠誠心の板挟みに苦しむ錦城。封印された公主は差し入れを届けに来た護法の異変に気づいて心配したが、錦城は双子の話ではぐらかし、戻ってしまう。そんなある日、すっかり元気になった錦蓮(キンレン)と錦蘿(キンラ)が急に倒れた。錦城は双子を救うため、昊軒からもらった伝令麒麟を放ってしまう。一方、昊軒は父から神託を取り仕切るよう命じられた。配下はこれで族長の座も確実だと喜んだが、昊軒は気まぐれな父を簡単には信用できない。その時、護法からの連絡が届いた。「…全てを知る者がやって来た、ふっ」錦城はまんまと昊軒の罠にはまった。当初は霊薬と引き換えに初空の消息を伝えることが条件だったが、次の霊薬が欲しければ昊軒のために働くよう迫られてしまう。「ほんの些細なことだ、昔のことを知りたい、深刻に考えるな ただ誓いを立ててもらう、もしお前が私を欺けばあの双子は魂が飛散し、元神も失われる」すると昊軒はあの日、庭園で見た不思議な力は誰のものか聞いた。錦城は口をつぐんだが、それが答えだと見透かされてしまう。「摩羅族の王族は代々、双子、滄海が1人娘のはずがない 男女の双子なら隠す必要がないから答えはひとつ、あの強い不思議な力の源はもう1人の… ふふ、ご苦労だった」昊軒は護法に感謝し、霊薬を渡して帰った。滄海は庭園で居眠りしながら夢を見ていた。…あなたは誰?なぜ私にそっくりなの?なぜ何も話さないの?…娘は笑顔で滄海を眺めていたが、急に消散してしまう。「小棠(シャオタン)?」滄海は初空の声で目を覚ました。「夢を見ていたのか?」「私とよく似た女子の夢だった…あまりにも姉妹が欲しいせいね、ふふ」初空はそれより婚礼の話をしようと切り出した。すると滄海は人間界で暮らした山荘で2人きり、静かで素朴な婚儀を行いたいという。幼い頃から華やかで精緻(セイチ)な宮殿で育った滄海にとって山荘で身分から解放された自由な日々は何より幸せだった。しかし昊軒から一向に返事がなく、やはり身分を捨てての婚姻に両親が反対しているのかもしれない。「もしそうだったら私を諦める?」「世界を敵に回しても君を選ぶ!(๑•̀ㅂ•́)و✧」その頃、深海の結界に入った錦城は自責の念に苛まれていた。『錦城、そなたに明月(メイゲツ)を託そう、決して誰にもその存在を知られるな』『帝君、ご安心を、我が身が消散しない限り明かすことはありません』すると明月が現れた。明月は夢の中で自分とそっくりな女子に会ったと話し、もしや自分の姉妹ではないかという。書卓の上には明月が描いた4人家族の絵があった。しかし顔が分かるのは自分だけ、両親と姉の顔は何も描き入れることができない。「近いうちに彼女と話ができそうなの」「公主、いけません!邪気を抑えるには外界に触れてはならない」錦城は問答無用で霊力を放ち、滄海と明月が夢で繋がらないよう通り道を断ってしまう。「ただ夢で会いたいだけなのに…どうして唯一の家族に会えないの?!」「存在を知られてはならないのです!」その頃、天の星に異変が現れた。ちょうど庭園にいた初空と滄海は天を見上げ、神託が下るのだと気づく。「神託は数万年に1度、この世が滅びるような危機がある時だけ下されるわ」滄海は胸騒ぎがしたが、初空は何が起ころうと滄海のそばにいると約束した。神託が降った。【摩羅王女が魔に落ちて世を滅ぼす】昊軒は″摩羅王女″を指すのが滄海ではなく、あの強い不思議な力の源である滄海の双子の姉妹だと気づく。その時、昊軒は恐ろしい計画を思いついた。表向き摩羅の娘は滄海だけ、双子のもう1人は世に知られていない。神託が告げる″摩羅王女″が滄海なら初空の夫の地位も無駄になり、六界を牛耳る摩羅族も非難の的となる。昊軒はこの機に乗じて族長の座だけではなく、六界の盟主の座まで手に入れようと企んだ。そこで天に逆らって神託を書き換えてしまう。【摩羅女帝が魔に落ちて世を滅ぼす】すると昊軒の腕に″厄誅(アクチュウ)痕″が現れた。…長年、屈辱に耐えて来たのもいつの日か世の主となるため、そのためならどんな代償を払っても惜しくない、至上の高みに登る私を誰も止められぬ…( ̄▽ ̄;)兄さん、エグいわ___初空は政で忙しい滄海の代わりに婚礼衣装を準備した。「どうだ?気に入ったか?」「気に入ったわ!」婚儀を間近に控え、幸せそうな2人。しかしそこに血相を変えた護法が飛び込んで来た。「帝君!大変です!神託がありました!摩羅女帝が魔に落ちて世を滅ぼすと!」「私が誰かに魔に落ちるよう強いられると?」初空はありえないと否定した。錦城も絵空事だと一蹴したが、ふと神託が指すのは明月ではないかと気づく。…古より神託を司るのは麒麟族、もしや…初空は神託をこの目で確かめようと麒麟宮へ戻った。すると驚いたことに神託には本当に滄海が魔に落ちて世を滅ぼすとある。その時、昊軒が現れ、天兵が初空を包囲した。つづく( ゚ェ゚)摩羅宮殿って海底?本殿はブクブクしているけど…って、どうでもいい?w
2024.08.01
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长相思 lost you forever第3話玟⼩六(ビンショウリク)の血のおかげで奇跡的に回復した神族の男。ようやく顔中を覆っていた包帯を外し、沐浴を済ませて身なりを整えた。すると男は端正な顔立ちで、粗末な装いでありながらどこか高貴さを漂わせている。多少、脚を引きずるものの、歩くのに不自由はないようだった。そこで小六は明日にでも出て行くよう言ったが、男は名前も行き場もなく、命の恩人である小六に仕えたいという。果たして男は記憶を失ったのか、ただ言いたくないだけなのか。小六はそんな訳ありの男にどこか共感し、医館に置くことにした。すると喜んだ麻子(マシ)と串子(カンシ)は自分たちのように男にも名前を付けてやってはどうかと提案する。「…その葉っぱを数えろ、何枚ついてる?」「17枚」「じゃあ今日からお前は葉十七(ヨウジュウシチ)だ」清水(セイスイ)鎮の郊外には九頭蛇の相柳(ソウリュウ)率いる辰栄(シンエイ)残党軍の陣営があった。西炎(セイエン)の五王は賞金首の筆頭である相柳を仕留めようと躍起になっていたが、相手は手強い。軒(ケン)は暗衛・鈞亦(キンエキ)の報告を聞きながら、確かに九命相柳は侮れないと警戒した。「大将軍・洪江(コウコウ)だけなら制圧できていたはずなのに…必ず始末して見せます!」「いや、殺すには惜しい」軒は相柳の手腕に目をつけ、自分に帰順させるよう命じた。そんなある日、老木(ロウボク)は麻子と恋仲の春桃(シュントウ)の家に結納を届けに行った。しかし父親は猛反対、一人娘の嫁ぎ先は自分の老後にも関わるという。「こんな結納で娘をやれるか!」すると老木は追い返されてしまう。十七は仕事覚えが早く、小六はこれで悠々自適の日々だと喜んだ。しかし麻子が縁談を断られたと知り、結納金を工面するため霊草を採りに行くと決める。霊草がある山奥は辰栄残党軍の縄張り、老木は危険だと止めたが、小六はただの薬草採りだと笑って出かけた。するといつの間にか十七が付けて来たことに気づく。小六は帰るよう命じたが十七は頑に一緒に行くと譲らず、結局、道連れになった。痒い所に手が届く十七のおかげで快適な山登りになった小六。やがて辰栄残党軍の領地を示す大きな岩が見えて来た。「ここから先には絶対に入るなよ?西炎に滅ぼされ、洪江の領地はここだけだ 軍律が厳しいらしいから残党軍を怖がることはない ただ九頭蛇の相柳は面倒だ、悪辣な手段も辞さないからな」小六は老木の受け売りで十七を散々、怖がらせて待たせることにした。すると運良く石ころにくっついた朏朏(フェイフェイ)の糞を見つける。実は希少な朏朏は人族に解憂獣(ゲウジュウ)と呼ばれ、貴人に高く売れた。「気をつけて!ここで待ってる!」「…待ちくたびれたら帰れよ!」小六が振り返ると心配そうに見送る十七の姿がある。しかし小六は自身の苦い経験から、永遠に待ち続けることなどできないと知っていた。朏朏の足跡は池のほとりで途切れていた。朏朏は若い娘の歌声が好きで、人の悲しみに寄り添うという。そこで小六は自分の前に罠の陣を敷き、哀愁ただよう情愛の曲を歌った。まさか自分の歌声が高台にいる九頭蛇にまで届いてしまうとは夢にも思わず…。(* ̄0 ̄)θ~♪相見相思ぅ~小六の歌を聞いた朏朏が巣穴からひょっこり顔を出した。すると小六の歌に導かれ、まんまと罠に掛かって出られなくなってしまう。しかし小六は自分を慰めに来てくれた朏朏の優しさに心を打たれ、陣を解いて逃すことにした。その時、巨大な鷲が朏朏目がけて降りて来る。小六は鷲に毒を投げつけ朏朏と逃げ出したが、鷲の主が現れた。「毛球(ケダマ)、だから言っただろう?人は信用ならぬと」↓フェイフェイと鷲の兄貴w木の上に仮面で顔を隠した銀髪の男がいた。驚いた小六は男にも毒を投げつけたが、毛球を倒せることはできても主には効果がない。小六は仕方なく朏朏だけを逃し、男に解毒薬を渡して許しを請うた。「こいつは西炎の太医の毒にも倒れなかった、驚いたな」「まぐれでできた薬だ、俺はただの町医者、子作りの手助けをしている」すると解毒した鷲が無事に目を覚まし、朏朏はあっけなく捕まってしまう。小六は捕縛され辰栄軍の臨時陣営に連行された。すると幕舎に放り込まれ、さっきの銀髪の男が現れる。小六は恐る恐る男の顔を見たが、その時、男の仮面が消えて素顔が現れた。…九命相柳だったのか…一方、十七は背負っていた荷物を降ろし、ひたすら小六の帰りを待っていた。相柳の配下が調べたところ、この男は確かに玟⼩六という回春堂の医者だった。しかしただの医者とは到底、思えない。「お前は何者だ?」すると相柳の目が怪しげに赤く光り、小六の首に氷刃を突きつけた。小六は怯えていたが、かと言って何とも答えようがない。実のところ小六にも自分が何者なのか分からないからだ。「俺はただ…」あの時、小夭(ショウヨウ)は川に映った自分の顔が次々と変わる様子を見て驚愕した『私の顔がない!顔を忘れたら元に戻れなくなってしまう!』「…俺はただの捨てられた者だ、身を守る力もなく、頼れる者もいない 帰れる場所もなく、天下をさすらっていたが、20年余り前、清水(セイスイ)鎮に住み着いた もし許されるなら生涯、ただの小六でいたい」小六の話を聞いた相柳はふいに殺気が消えて目の色が戻り、命が欲しいなら自分の配下になれと言った。「明日、答えを聞こう」その夜、阿念(アネン)は庭で酔い潰れた老桑(ロウソウ)に上掛けをかけている従兄を見かけた。「これじゃ哥哥が老桑に仕えているみたい」すると老桑が何かうわごとを言っている。「″王姫″…私の千年桑葚(ソウシン)はあなたに取ってあります、誰にも渡しません…」「ふふ、主思いなのは感心ね」一方、小六は縛られたまま相柳の幕舎の床に転がっていた。…十七は帰っただろうな、老木たちは心配しているだろうか…翌朝、十七はついに霊力を使って小六の行方を探し始めた。その頃、小六は相柳から答えは出たのか迫られ、まだ考え中だと時間を稼いでいた。「のどが渇いたな…」「…誰か」小六はようやく水が飲めると思ったが、噂通り相柳は容赦なかった。「鞭を打て、20回だ」小六は拷問の末、配下になると約束した。しかし条件があると言ったせいで、さらに20回も打たれてしまう。すでに背中は血で真っ赤になり、肉が裂けていた。「まだ条件があるのか?」「…これだけは譲れない、清水鎮からは離れない、承諾できないならここで殺してくれ」「いいだろう」その頃、十七は小六が反乱軍の陣営にいると突き止め、独り乗り込んでいた。相柳は小六が清水鎮で医者をすること認め、自分に必要な毒を調合するよう命じた。「必要な時には必ず命に従え…毒を作れなければ身体で償ってもらう まずは耳を切り落とそう、次は鼻を削ぐ」その時、配下が駆けつけ、侵入者だと報告した。つづく※字幕では毛球(モウキュウ)ですが、ずっと″けだま″と呼んでいたのでこのままでw
2024.07.30
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长相思 lost you forever第2話清水(セイスイ)鎮に到着した軒(ケン)一行。ここには知らぬものはないと豪語する霊石の妖怪がいた。霊石の広場では講談中に兎妖(ウヨウ)の急なお産で一騒動あったばかり。軒たちはちょうど医者の玟⼩六(ビンショウリク)と入れ違いで講談の続きを聞くことにした。しかし思いがけず小夭(ショウヨウ)と瑲玹(ソウゲン)の物語だと気づき、軒は目を潤ませてしまう。…小王姫は玉(ギョク)山で哥哥との再会を待ち続けていただが待てど暮らせど哥哥は迎えに来ない小王姫はあきらめて父の皓翎(コウレイ)王を探すため密かに下山するも、その後、行方知れずとなり、今では生死すら分からないという…「今日はここまで、続きを聞きたい方はまた明日、来てくれ」すると石妖(セキヨウ)は霊石に戻った。軒は身分を隠し、街の東側にある空き家を借りた。早速、従者の老桑(ロウソウ)と2人、手際よく住まいを整え、中庭には従妹・阿念(アネン)の好きな梅の木を植える。阿念はまだ真冬のため花が見られないと残念がったが、軒は霊力で梅の木を満開にした。しかし花びらの舞う中ではしゃぐ阿念を見ると、軒は鳳凰木の鞦韆(ブランコ)で遊んでいた小夭の姿が重なってしまう。その夜、軒は寝つけず中庭で酒を飲んでいた。すると老桑が現れ、王姫のことを考えているのだと気づく。あれから300年、遊歴しながら西炎と皓翎をくまなく探したが小夭の手がかりは何もなかった。「私を役立たずの哥哥だと思っているだろうな」「殿下は長年、王姫の行方を探す一方で五王や七王から命を狙われてきた 王姫が知ったら胸を痛めるはずです」「小夭が見つかるのなら大したことではない 化外(ケガイ)の地である清水鎮にいれば何か分かるやも」しかし清水鎮に来た目的は本来、辰栄(シンエイ)の残党軍を探るため、小夭の件は秘密にするよう釘を刺した。一方、小六も石妖の講談を思い出しながら独り、月見酒で寂しさを紛らせていた。石妖の話では瑲玹が叔父たちの排斥を受けて人質として皓翎国に送られたが、今や第二王姫と楽しく過ごして世俗を忘れてしまったという。軒の店の前は小六が子供を取り上げた兎妖の点心の店だった。挨拶がてら朝食を食べに行った軒、すると兎妖がお近づきの印に漬物をおまけしてくれる。「それで何の店を開くの?」「酒造りを学んだので酒を売ろうかと…酒ができたら店を開きます」小六が往診から戻ると、弟分の麻子(マシ)と串子(カンシ)が西河(セイガ)沿いで物乞いを見かけたと報告した。実は洗い物当番だった小六も草むらで倒れている物乞いに気づいたが、余計な事に首を突っ込まず、悠々自適に過ごすことが信条、見て見ぬふりをして帰っていた。「六哥、すごく哀れだったし…」「哀れな奴はいくらでもいる!面倒を起こすな!」そうは言ったものの、小六はやはり気になって散歩がてら様子を見に行った。物乞いはまだ川辺で倒れていた。するとその男は麻子が恵んだ焼餅(シャオビン)ではなく、すぐ横に咲いている小さな花に手を伸ばしている。小六はかつて監禁されていた時、自分も同じように必死に花へ手を伸ばしたことを思い出し、結局、男を助けることにした。男は余程むごい仕打ちを受けたのか全身傷だらけだった。鞭打ち傷、やけど、刀傷に刺し傷、どれも古傷から生傷まであり、足には釘で地面に打ち付けられていたような跡があった。右脚は手当てしなかったせいか、折れた骨が曲がったままくっついている。小六は脚をもう一度、折って骨を真っ直ぐ治すと決めたが、老木(ロウボク)は怪我人が神族だと気づいて心配した。恐らくただならぬ事情を抱えているはず、助けてもろくなことにならないという。しかし小六は耳を貸さず、手当を始めることにした。その時、怪我人の目がうっすら開く。「心配するな、ここは医館だ。これから脚を治療する」すると脚を折られた男は気絶してしまう。小六の献身的な治療で神族の男は落ち着いたように見えた。しかし長年、虐げられてきたせいで五臓六腑が傷つき、どちらにしても長くはもちそうにない。一方、軒の屋敷に密かに暗衛・鈞亦(キンエキ)が現れ、辰栄の残党軍に潜入している間者と接触できたと報告した。「慎重に動いてくれ」五王や七王も残党軍にはお手上げの様子、祖父の心の棘である残党を滅ぼすことができれば西炎山へ戻れる日も近いはずだ。その夜、軒は老桑と一緒に石妖を訪ねた。「清水鎮にいる旧友の居場所を知りたい」軒がお礼に妖族の修行に役立つ玉山の万年玉髄(ギョクズイ)を差し出すと、石妖は喜んで引き受けた。しかし長年、会っていないため風貌が特定できず、かろうじて分かっているのは眉間にある桃の花のあざだという。石妖は早速、清水鎮の住人を全て映し出したが、その中に小夭はいなかった。「そうだ、旧友は姿形を変えているのかも…術を見破って真の姿を見られるか?」石妖はそこまでの霊力がないと断ったが、軒は自分の霊力を使わせた。神族の強い霊力のおかげで霊石は人の姿をした妖族たちの真身を映し出した。小夭はやはり見つからなかったが、霊石はなぜか最後に小六の寝顔を映して止まる。「彼は知り合いの医者だ、名前は玟⼩六、数十年ここに住んでいる 戦を好まぬ西炎の逃亡兵1人と、親のいない2人と共に暮らしているが、怪しい点はない だが…隣にいる怪我人は見たことがないな?」「旧友は女子で男ではない、この2人も神族だが姿は変えていないようだ」軒は結局、小夭の手がかりを得られず、落胆した。翌朝、小六は神族の男に付き添ったまま目を覚ました。男は眠っていたが、どうやら枕元の燭台から溶けた蝋燭が小六にかかないよう腕を伸ばしていたらしい。…これほどの仕打ちを受ければ性格も変わるはずだが、それでも善良な心が残っているとは…しかし男は再び高熱を出してしまう。老木は見切りをつけて棺の準備に出かけたが、小六は男の包帯の上ですっかり固まった蝋を見て心が動いた。「安心しろ、俺は神医だ、すぐ良くなる」小六は手首を切って男に自分の血を飲ませた。小六の献身的な看護が実を結び、神族の男は起き上がれるまでに回復した。そこで湯浴みをさせることにしたが、男は小六に触れられるのを頑なに拒む。「身体を拭いて薬を塗り、頭を洗ったのも俺だ、今さら気にするな」小六は遠慮なく男の肌着を脱がせ始めたが、なぜか急に鼓動が激しくなってしまう。「ちょっと用事を思い出した、後は自分で…」すると感の鋭い男は小六の様子から実は医者が女子だと見抜いた。つづく( ̄▽ ̄;)小夭のおでこの印ってあざだったのか…
2024.07.29
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第28話両親に背いても愛する伴侶と生きることを選択した初空(チュコン)。しかし長兄の昊軒(コウケン)に説得され、麒麟(キリン)族の面目を保つために摩羅(マラ)族の女帝と謁見することになった。あわよくば自分が婚姻しようと企む昊軒だったが、思わぬ事実を突きつけられてしまう。…小棠(シャオタン)は摩羅族の女帝だったのか…小棠の正体は摩羅族の滄海(ソウカイ)帝君だった。一杯食わされた初空は帝君と許嫁がそっくりだとチクリ、しかし滄海は悪びれる様子もない。「ものすごいご縁だこと、それならゆっくり滞在なさって」「い~や、ご好意には感謝しますが、度量が狭い許嫁が嫉妬しますので」「そう、なら無理にお引き止めしません」「ピキッ!フン!」初空は意地を張って帰ることにしたが、昊軒が止めた。「弟はまだ若く、礼を失したことはお許しを…」滄海は護法・錦城(キンセイ)に昊軒のもてなしを任せて人払いした。小棠が身分を隠していたと知り、すっかりへそを曲げてしまった初空。しかし滄海は自分が誰であっても好きだと言ったはずだと迫る。「もう心変わり?」「心変わりはそっちだろう?!摩羅族は各部族の子息を招いて婿選びしているくせに あの修茗(シゥミン)だって帝休(テイキュウ)族の皇子じゃないか!」すると滄海は失笑した。「確かに護法が婿候補を集めたけれど、私が会ったのは麒麟族だけよ? それに修茗のことは本当に弟だと思ってる だからこうして自分でちゃんと小麒麟を捕まえたわ!」こうして初空と滄海はようやく本来の身分で顔を合わせ、互いに愛する気持ちに変わりないことを確かめ合った。昊軒はこのまま初空が摩羅族と婚姻すれば族長の座は確実だと憤った。…そうはさせるものか…昊軒は護法と庭園を歩きながら、まさか小棠が女帝とは知らず、初空との縁談を軽々しくまとめてしまったと恐縮した。「破談にしたいのなら麒麟族は従います」「まさか!二殿下は文武に秀で、帝君に釣り合う高貴さ、何より2人は気が合います まさに天が授けた良縁です」笑顔を見せながらその裏で悔しさを滲ませる昊軒、その時、一瞬だが海の方から鋭い風切り音がした。…しまった!公主が成人して最初の満月だ、力を抑えきれないのか?…錦城が動揺していると、昊軒は何かの霊力だと気づいて付近を見渡した。「護法大人(ダーレン)、今のは一体?」「近頃は星の動きが激しく、そのせいでしょう」錦城は適当にはぐらかし、昊軒を客殿へと促した。その頃、初空は修茗と再会していた。修茗は滄海を好きだと認め、滄海だけが自分を蔑まず、真心で接してくれたという。「永遠に彼女を守ると誓ったのだ」初空は小棠を譲れないと釘を刺したが、修茗も簡単には負けないと宣戦布告した。錦城は昊軒を送り届けてから慌てて庭園に戻り、ある岩から結界の中へ入った。実は海底には滄海とうり二つの公主が封印されている。錦城は激しい霊力を放出している公主の姿に呆然、慌てて自らの力を使って鎮めたが、元神を傷つけて喀血してしまう。すると公主が我に返った。「(はっ!)なぜかしら?自分が抑えられない…」「公主、成人すると力が強くなります、抑えるすべを学ばなければいけません」「やってみる」公主のやるせない表情を見ながら、錦城は亡き帝君との約束を思い出していた。『帝君…公主は手はずどおりに…』『公主ではない、摩羅族の公主はただ一人、皇后のそばにいる』『…はい、摩羅族の公主は滄海公主のみ』修茗は政務で忙しい滄海に霊芝(レイシ)の汁物を差し入れることにした。しかし道すがら偶然、侍女たちの噂話を耳にする。「修茗殿下が帝君の夫になると思っていたら麒麟族の二殿下が現れたわ」「修茗殿下は優しいけれどひ弱よ、二殿下のような強い方の方がお似合いよね」実は昊軒はすでに摩羅族を探らせていた。摩羅族の元侍従に接触した密偵の報告では、摩羅族の王家は代々双子が生まれるという。異性の双子の場合は問題ないが、同性の場合は1人だけ残すとか。しかし滄海帝君だけは例外的に独りで生まれていた。政務に追われ、なかなか初空と過ごす暇がない滄海。ようやく時間を見つけて初空の顔を見に行ったが、実は初空もある問題を抱えていた。「…つまり金の麒麟であるあなたに族長を継がせたいのね」「族長の座を兄長と争う気はないんだ、長子が後を継ぐべきだから」しかしこのまま滄海と婚姻すれば誰もが初空を次の族長だと目するのは必至、兄の顔を潰してしまうという。「天下に婚姻を告げたら面倒なことになる、相手が麒麟族の皇子ではだめだ」「じゃあ私が一目惚れした名もなき英雄ならいいのね?ふふふ」すると初空は滄海の手を握りしめた。「生涯、離れない、共に星空を見上げ、どこまでも旅をし、白髪になってもそばにいるよ」「いつまでも私の心は変わらないわ」初空は早速、兄に報告した。昊軒は身分を捨てるという初空の決断に驚きを隠せず、何より父が初空と女帝との婚姻を切望しているという。しかし初空の決意は固く、両親の説得を兄に頼んだ。「私が政を嫌いなのはご存知でしょう?族長なんてなりたくない、どうか力を貸してください」「仕方がない、私が話してみよう」その夜、滄海は夕餉の席で婚姻に協力してくれる昊軒に心から感謝した。初空はふと修茗の姿を見ていないと気づいたが、錦城の話では独りでどこかへ出かけたという。「誰もついてくるなとおっしゃって…」その時、修茗皇子が大変だと報告がきた。修茗は密かに鍛錬して倒れていた。「百草の力を取り込もうとして反噬を受けたのね…」滄海は霊力で助けようとしたが失敗、すると初空が自分の元神を使って癒してくれた。おかげで修茗は無事に意識が戻ったが、助けてくれたのが初空だと気づいて複雑な心境になる。「…お前は金の麒麟、元神で傷を癒せる、だがそのために元神を消耗するのだろう?」その時、それまで修茗を心配していた滄海が慌てて初空に駆け寄った。「大丈夫なの?!」「それほど弱くない、休めば元に戻るよ」夕餉が途中でお開きとなり、錦城は昊軒を見送ることにした。昊軒は道すがら錦城の双子の子供の話を聞いたと切り出し、たまたま入手した霊薬があるので使ってはどうかと勧める。錦城は感謝したが、実はこれまで色々な霊薬を試しても無駄だったと明かした。「どうかお持ち帰りください」「試すだけでも…もしかすると効くかも知れません」錦城の子供たちは生まれつき元神が弱かった。遊ぶことも術を学ぶこともできず、ただ屋敷にこもって静かに暮らすしかない錦蓮(キンレン)と錦蘿(キンラ)。しかしその夜、昊軒からもらった霊薬を試しに飲ませてみると、驚いたことに2人は身体に力がみなぎり、飛んだり跳ねたりできるようになった。翌日、錦城は朝議に出てもどこか上の空だった。滄海は散会後に錦城だけ呼び止め、子供たちのことが心配なのかと尋ねる。しかし錦城は昊軒からもらった薬のことは明かさなかった。「それより修茗殿下の具合は?」「百草の力を取り込もうとして元神を損なったの、でも事なきを得たわ」「殿下がそのようになったのは恐らく帝君のためかと…」つづく( ゚ェ゚)なるほどね、パパは掟を破って2人とも助けたのね残り10話、展開が気になる!
2024.07.28
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第27話小花妖を救うため蠍妖の毒消しを探しに出かけた初空(チュコン)。滄海(ソウカイ)は山荘で独り仙友の帰りを待っていたが、思いのほか早く初空は戻って来た。しかしどこか仙友の様子がおかしい。「とにかく部屋に入ろう」初空は小花妖に解毒薬を飲ませ、事情を説明した。実は妖魔退治のせいで恨みを買い、妖族が総出で自分の排除に乗り出してきたという。「私と一緒にいたお前も仲間だと見なされる、だから…当分ここから出ないほうが良い」「来るなら来なさい、誰が死にたいか見てやるわ!」「じゃここにいてくれるんだな!╭( ・ㅂ・)و ̑̑ yes! 」初空は小花妖を引き止めることに成功した。しかし仙友の嘘に気づいた滄海は、自分に助太刀させる魂胆かと追及する。「いや…そうではなくて…」なかなか素直になれない初空、すると滄海は煮え切らない仙友にいきなり口づけした。どうやら全て見透かされていたらしい。「…策を講じたのに失敗したか」「失敗したけれど、おかげで大事なものを手に入れたでしょう?ふふ」実は2人は互いに相手の素性など関係なく、初めから不思議な縁を感じていたと分かる。「お前が古の女神だろうと小花妖だろうと関係ない、お前が好きだ!」↓何気にペアルックが可愛( ˶´꒳`˵ )こうして互いの気持ちを確かめ合い、仲睦まじく暮らし始めた初空と滄海。初空のおかげで剣術が上達した滄海はお返しに得意の土笛(ツチブエ)を教えることにした。しかし初空はまともに音を出すこともできない。「どうやらあなたにもできないことがあるのね~ふふ …この土笛は父が教えてくれたの、この音を聞くと懐かしい気分になると言ってた 両親が亡くなってから寂しくなるといつもこれを吹くの」「私がそばにいる、私が…」初空は何か言おうとしたが、その時、麒麟(キリン)の伝令符が届いた。初空は長兄からの文を読むと険しい表情になった。摩羅(マラ)族の女帝に謁見するため帰って来いという。…招待状を受け取ったのは部族の子息だけ、まさか彼が麒麟族の二殿下なの?…滄海は思いがけず初空の素性を知った。しかし初空は小花妖を心配させまいと女帝には会わないと断言、幼い頃から政と向き合ってきた女帝など頭が固く独善的で横暴に違いないと口を滑らせてしまう。「私は縛られるのが嫌いなんだ、そんな惨めな夫になってたまるか!」すると急に小花妖の機嫌が悪くなった。「なぜ怒ってるんだ?」「怒ってません」「怒ってる」「怒ってない!」「お、おう」一方、錦城(キンセイ)と修茗(シゥミン)は帝君が人間界にいると突き止め、霊力を頼りに滄海の居場所を探していた。夜になっても滄海は悶々としていた。露台に上がって独り、仙友から言われた自分の悪口を思い出しては無性に腹が立つ。そこへ恐る恐る初空がやって来た。「兄長には好きな女(ヒト)が出来たから女帝には会わないと伝えたよ」初空はこうして遊歴しながら妖魔を討つのが幼い頃からの夢だったと明かした。しかし実はもう1つ、願いがあったという。「ずっと探していた、そしてやっと見つけた」「あなたも同じ?私も初めて会った時、なぜかとても懐かしく感じたわ」「私も…(あ!)流星だ!」「流星に願い事をすると望みが叶うらしい!今回ばかりは信じてみるか」初空は小花妖と手をつないで願を掛けた。「この先もずっとお前と2人で寝ても覚めても一緒にいられますように…」すると滄海は思わず初空に口づけする。「私は一生あなたと離れない」「よし!これからは千年万年いつまでも何が起きようとずっと一緒だ」「うん!…見て!あの雲、海棠の花に似ているわ!」「そう言われればそうだな!」「人間界では″人は皆、死ぬと星になる″という言い伝えがあるそうよ 私は嫌だな~昼は隠れて夜に出ても面白くないもん それより私は死んだら雲になりたい、自由にどこへでも行けるから」「またそんな事を~お前と来たら!お前には私がいる、誰もお前に触れさせない」「分かってるって〜ねえ、私が誰であったとしても変わらず私が好き?」「少爺、嘘つかない!」「その言葉、忘れないで、後悔しないでよ?後悔なんてさせないけど」「この少爺、後悔などしたことはない!(はっ!そうだ!) さっきの願い事の時、目を閉じていなかっただろう?もう一度やり直そう」滄海は素直に目を閉じて改めて願掛けした。その間に初空は運命の相手を守るため、護神(ゴシン)呪をかけることにする。…私、麒麟族初空が麒麟族の名において戦星の元神の力を招喚する、私の愛する者を守れ…♪我的愛你明白~小さな金の麒麟が現れ、夜空を駆け上がり元神の力を呼んで戻って来た。すると滄海の額中に金色の封印が現れる。その時、ちょうど願い事を済ませた小花妖が目を開けた。「生涯あなたに決して背かない」初空は滄海の額中にそっと口づけし、元神の力で封じて愛する人を守った。(* ̄0 ̄)θ~♪為愛~為愛~唯愛~そんなある日、弟を説得するため麒麟族の大皇子・昊軒(コウケン)が山荘にやって来た。…本来なら長子の私が摩羅族と婚姻すべきなのに…そんな弟への嫉妬などおくびにも出さず、昊軒は初空と笑顔で再会した。「兄長、彼女が小棠(シャオタン)です」「こんにちは」すると滄海は兄弟で積もる話もあるだろうと席を外すことにした。昊軒は将来の麒麟族の族長として摩羅族との婚姻は務めだと弟に言い聞かせた。父は金の麒麟である初空が一族を栄光に導くと信じているという。しかし初空は束縛されるのを嫌い、両親が納得しないのならこのまま小棠と山荘で暮らすと言い放った。中庭にいた滄海は初空の決意を聞いて嬉しかったが、その時、ふと摩羅族の霊力を感知してこっそり出かけてしまう。錦城と修茗はようやく滄海を見つけた。滄海は全てが済んだら戻ると言って追い返そうとしたが、2人は帰ろうとしない。「帝君の恩人なら摩羅族の恩人も同然、お礼を言わなければ…」その時、急に修茗が咳き込んでしまう。「あなたは身体が弱いんだから早く戻りなさい」「病弱ですが、そこまで悪くありません!」しかし思いがけず滄海を探しに来た初空に見つかってしまう。「小棠!どうした?!…何者だ?私の土地で勝手をするな!」シャンタン?(*´・ω)(ω・`*)いやそれスープ滄海は仕方なく家職の錦城と幼なじみの修茗だと紹介した。小棠の家族だと知った初空は安心して自ら許嫁だと名乗ったが、錦城と修茗はともかく帰ってから話し合おうと滄海を説得する。すると運悪く昊軒までやって来た。「まあまあ~立ち話はやめてどうぞ中へ…」その夜は昊軒だけでなく、錦城と修茗まで山荘に留まることになった。修茗は本当に初空が生涯の伴侶なのかと戸惑いを隠せなかったが、滄海は初空と出会って初めて人を愛する気持ちが分かったという。「彼のそばにいる時が人生で一番の幸せよ、あなたは一番大事な家族、だけど彼とは違う」一方、昊軒も婚姻を独りで勝手に決めた弟を戒めていた。初空は長兄も反対なのかと落胆したが、昊軒は手助けしてもいいという。「その代わり摩羅族の女帝との謁見に私と一緒に行ってくれ 婚姻のためではない、摩羅族からの招待を何の説明もなく断れば両族の仲に亀裂が入る」昊軒は自分が全て取り仕切ると安心させた。初空は小棠に何と説明しようか考えながら部屋に向かった。するとちょうど滄海が部屋から出てくる。「話が…実は摩羅帝宮に行くことになった、あ、形だけで兄長も一緒だ 惚れられないよう頑張る!(๑•̀ㅂ•́)و✧」「信じてるわ、実は私も一度、家に帰ることにしたの」「そうか!じゃあ、戻ったら正式に挨拶に行くよ…ん?…お前の家ってどこだ?」「ぁ…家に戻って婚姻の話をしたら知らせるわ、縁談の申し込みに来てね」しばらく会えなくなるというのに、やけにあっさりしている小棠。初空は思わず名残惜しくないのかと嘆いた。「ふふ、すぐに会えるかもね…」初空は昊軒と摩羅帝宮を訪問、滄海帝君と謁見した。視線を落とし、なるべく顔が見えないよう気をつけながら拝礼する初空、しかし先に顔を上げた長兄の顔色が一変する。つづく( ๑≧ꇴ≦)そうか!だから祥雲には護身呪がかからなかったのねやだ胸熱w
2024.07.26
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第26話摩羅(マラ)族の女帝・滄海(ソウカイ)の1日も早い婚姻を願う護法・錦城(キンセイ)。人質とは言え帝休(テイキュウ)族の修茗(シュウメイ)とは幼なじみで仲が良く、錦城は2人に縁があればと期待した。しかし滄海にとって修茗は弟のような存在だという。錦城はならば各部族の子息を招いて見合いさせようと決めたが、滄海は話題を変えた。「それより錦蓮(キンレン)と錦蘿(キンラ)の具合はいいの?」錦城の双子の兄妹は生まれつき元神が弱く、色々と薬を試すも効果がなかった。「摩羅の王族は必ず双子が生まれるのに私だけなぜか1人… 私にも兄弟がいたら護法の小言を独りで聞かなくて済んだのに、ふふ」見合いを嫌がる滄海は各部族の使節が来るのに乗じ、こっそり人間界へ逃げ出した。…霊力を使わなければ護法にも見つからないわ…そこで夢で見た姻縁廟(インエンビョウ)を訪ね、参拝客の真似をして牽引糸(ケンインシ)を買うことにする。「牽引糸って何かしら?」「これは自分と縁のある相手を結び付けて、一生、離れなくする糸ですよ」滄海はちょうど境内で願掛けしている娘を見かけた。「牽引糸で物語のように美女を救う英雄に会えますように…」「姑娘(グーニャン)、その手に持っているのは何?」「流行の姻縁物語よ」滄海は銀子と書を交換、″英雄が美女を救う縁″の物語では英雄が主人公の女子の危機を颯爽と救い、それが縁で2人は結ばれるという。その時、夢の中で何度も巡り会った″後ろ姿の人″を見つける。「人間界の姻縁祠(シ)は霊感あらたかだわ、ふふ」彼は人間界を遊歴している麒麟(キリン)族の第2皇子・初空(チュコン)だった。初空を一目見て気に入った滄海は姻縁物語を手引きにして縁を結ぼうと画策した。そこで蠍妖に協力を頼み、襲われていると見せかけて英雄に助けてもらうことにする。「助けて~!誰か助けて~!」すると物語通り颯爽と英雄が現れ、危うく転びそうになった滄海を抱き止めた。初空は美しい娘に目を奪われたが、ふと冷静になる。「どうも芝居がかっているな…」焦った滄海は密かに蠍妖に合図、毒針を投げるよう指示した。滄海は英雄をかばって腕に毒針が刺さったが、怒った初空は逃げようとした蠍妖を乾坤袋に封じ込めてしまう。初空は毒に当たった娘を自分の山荘へ運んで手当てした。滄海の目論見は大成功、まだ人像を手に入れたばかりの小花妖を装って救いを求める。仙友は必ず解毒すると約束してくれたが、情に疎いのか美人計には全く引っかからなかった。すると初空は蠍妖から毒消しをもらえばいいと思いつき、乾坤袋から蠍妖を解放する。チラッ!(;꒪ꈊ꒪;)oO(帝君、助けてくれますよね( ̄꒳ ̄).oO(おうよ初空が毒消しを出すよう蠍妖を脅し始めると、滄海はわざと喀血した。故意とは知らず初空は急いで自分の霊力で小花妖の毒を抑えたが、その隙に蠍妖に逃げられてしまう。帝君に逃がしてもらった蠍妖だったが、なぜか戻って来た。実は恋人の蜘蛛妖からもらった契りの証しを袋の中で落としたという。「手作りの証しを失くしたとばれたら8本の脚を全て折られてしまいます!」「シーッ!声が大きい!…手を考えるから、ひとまず帰って」そこで滄海は仙友にお手製の海棠の酒を飲ませ、酔い潰れたところで乾坤袋を盗もうとしたが失敗してしまう。翌朝、初空が剣術の稽古をしていると小花妖がやって来た。「幼い頃から修練したのでしょうね」「子供の頃、兄が教えてくれた」初空は兄とは幼い頃から仲が良かったが、いつまでも子供の頃のようにはいかないという。しかし昔から独りぼっちだった滄海は一緒に剣の稽古や遊べる相手がいるのは羨ましいと言った。「いじめられても私にはかばってくれる兄弟はいなかったわ…」初空は悲しそう小花妖を見て、これから自分が武芸を教えると言った。「いいか、よく見ろ」滄海はどさくさに紛れて仙友の腰にぶら下がっている乾坤袋を盗もうとしたが、また機を逃してしまう。滄海は仙友の沐浴中に乾坤袋を手に入れ、蠍妖に契りの証しを返してやった。しかし乾坤袋がないと気づいて小花妖を探していた初空に見つかってしまう。「ばれちゃったわね…」「お前は誰だ?何が目的だ!」「あなたを見初めたの、大人しく私に従えばいい思いをさせてあげる」すると蔑まれた初空は憤慨、霊力で攻撃し、滄海も応戦した。その隙に蠍妖は巻き込まれないようさっさと逃げてしまう。初空は小花妖の霊力の強さに驚いた。「バカにしやがって!」「ふん!どうやら私に従う気はないようね…ならもう結構!」滄海はそこで手を引き、初空を置いて行ってしまう。すると独りになった初空めがけて陣が現れ拘束、謎の刺客集団が現れた。その時、運良く引き返して来た滄海が刺客たちを一蹴し、陣を解いてくれる。「何で引き返した?」「争いを見過ごすなんて性に合わないの」しかし霊力を使ったせいで帝君を探し回っていた錦城に人間界へ行ったことがばれてしまう。初空に刺客を放ったのは兄の昊軒(コウケン)だった。唯一、命からがら逃げ出した刺客は第2皇子のそばに霊力の強い女子がいたため暗殺に失敗したという。一方、滄海は再びわざと吐血、まんまと初空の山荘に戻った。「芝居のはずが本当に蠍の毒に当たったみたい…(ノ≧ڡ≦)ナンテナ」「望んで手を組んだのだ、自業自得だ」「そうね、私なんて死ねばいいのよ」「何を言うんだ、解毒すると約束した、放ってはおかない」初空は小花妖の口元の血を拭き取ってやったが、滄海は思わずその手を握りしめた。「感謝します」「ここで待っていろ、蠍妖を探して来る!(๑•̀ㅂ•́)و✧」初空が出かけると、滄海はようやく怪我人の演技をやめて茶を飲んだ。ヤレヤレ…(  ̄꒳ ̄)_🍵つづく( ๑≧ꇴ≦)あ~やっぱり!歴劫中の初空を狙ってた死ね死ね団は兄の刺客だったか~始めはてっきり錦蓮だと思ってたけれど、摩羅族はモクモクさんじゃないな〜と思ってw
2024.07.25
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第25話李(リ)天王が消滅したと聞いて悲しみに暮れる祥雲(シャンユン)。すると初空(チュコン)が姻縁(インエン)閣に駆けつけ、優しく肩を抱いて慰めた。「仙君、お願いです、皆に無事でいて欲しい、どうか私のそばから離れないで」「約束する、絶対に離れない」紅線翁(コウセンカク)はそんな2人の様子を眺めながら、祥雲のそばに戦神がいてくれることに感謝した。祥雲は李天王が物語や暗号遊びを教えてくれたと懐かしんだ。すると″暗号″と聞いた初空はふと思いつき、例の″童謡″の歌詞を記した書き付けを招喚する。「李天王が使っていた暗号はどんなものだった?」「最後の行の一番下の文字から斜め読みに…これでいうと神→託→改→倉→亥→冤″です」「…神託は改、倉亥は冤?」※″倉亥″と″滄海″は同音初空は昊軒(コウケン)に呼ばれて長寧(チョウネイ)殿に参上した。「転生から戻っても元神に変わりがないな?」「筋書きがひどくて失敗しました、で、李天王亡き後、誰が筋書きを書くのです? 李天王が突然、消滅したのも筋書きと関係が?」昊軒は筋書きなら孫(ソン)天王が引き継ぐと教え、李天王は不慮による死だったと嘘をついた。「何度も下界へ遊びに行っていたが、今回は運悪く大妖と出くわしてな」すると帝君の目配せに気づいた孫天王が咄嗟に証言した。「知らせを受けて私が駆けつけましたが間に合いませんでした 私が大妖と共に消え去るところを見たのです 奴は大技を…逐浪九峰(チクロウキュウホウ)を使いました」一方、修茗(シゥミン)は祥雲が歴劫から戻ったと聞いて姻縁閣に駆けつけた。「李天王のことは聞いた、望むならいつでもそばにいる」「感謝します、用があるのでこれで失礼します」祥雲の態度はどこかよそよそしかった。突然の渡劫で今回は一緒に行けなかった修茗、しかし天穹玉(テンキュウギョク)に変化がないところを見ると祥雲の元神は無事なのだろう。昊軒が何か隠しているのは明らかだった。確かに李天王は逐浪九峰を習得したと触れ回っていたが、初空はただのはったりだと知っている。あの暗号がにわかに真実味を帯びて来た。…神託は改められ滄海(ソウカイ)は冤罪…初空は修茗が仇敵であるはずの滄海をかばったことを思い出し、蓬莱(ホウライ)居を訪ねた。初空は修茗に滄海が潔白だと示す証しがあるのか聞いた。しかし修茗は失笑、この世は常に勝者が王で敗者が賊であり、麒麟(キリン)族が記す歴史に証しがあるはずないという。「もし祥雲が残忍で血に飢えた妖魔だと言ったら信じるか?」「それはあり得ぬ」「滄海も同じだ、3万年前の滄海を知れば分かる」すると初空は当時、何があったのか自分が明らかにすると断言して帰って行った。全ての謎が3万年前につながっていた。初空は祥雲が無茶しないよう李天王の死には兄の昊軒が関わっていると明かす。驚いた祥雲だったが初空の立場を考え、無茶しないと約束した。2人は何か手がかりはないか転命司を調べ始めたが、不思議なことに3万年前に関する資料が全く見つからない。まるで誰かが隠しているようだ。すると初空が″玄天鏡(ゲンテンケイ)″という古の神器の記述を見つける。「これで過去をのぞける」「どこにあるの?」「長寧宮だ」2人は早速、初空の術で長寧宮に潜入したが、玄天鏡は壊れていた。祥雲は紅塵(コウジン)井で3万年前に戻れないかと考えた。しかし過去に戻れたとしても、正確な時代を選ぶことはできない。すると初空が摩羅(マラ)族の神器・天機盤(テンキバン)なら定めた時代へ行けると気づいた。「でも力づくで奪うことはできても、神君に気づかれてしまいます」「お前と来たら…」天界の戦神・初空が突然、単身で摩羅宮に現れた。錦蓮(キンレン)はその大胆な行動に呆れたが、思いがけず初空が3万年前の真相を自分が明らかにすると持ちかける。「今日はそのために天機盤を借りに来た」「ここをどこだと思っている?!」侮られた錦蓮はいきなり攻撃を仕掛けたが、やはり戦神の霊力には及ばなかった。「摩羅族の無実を示したいなら私を信じろ、それしかないぞ?」邪風(ジャフウ)は騙されないよう警告したが、錦蓮には信じるに足る理由があった。そこで天機盤を招喚、誓いを立てるよう迫る。すると初空は一条の元神を引き出し、誓いに背けば魂が飛散すると約束して天機盤を借りた。「…滄海を甦らせるため紫輝(シキ)を探すつもりか?他の者を犠牲にしても良いと?」錦蓮はふいに背を向けた。「あの時の従順な千忍(センジン)はもういない」「…聖凌(セイリョウ)教では世話になった」驚いた錦蓮は振り返ったが、すでに初空の姿は消えていた。…初めから私が錦蓮だと知っていたのか?…初空は祥雲の元神が傷つくことを恐れ、念のため補元丹(ホゲンタン)を飲ませて渡劫することにした。しかし今日は1000年に1度の七星連珠(シツセイレンシュ)の日、転命星君は時空が定まらなくなるため危険だと止める。実はそれが初空の狙いだった。七星連珠の混乱に紛れて転生すれば痕跡を残さず、昊軒に3万年前に戻ったとばれずに済む。「仙君、お考え直しを…」すると祥雲が転命星君と紅線翁の気を引き、その間に初空が忘川蜜を仕込もうとした。その時、突然、孫天王が駆けつける。「筋書きを書く者として見送りに来ました!」初空と祥雲は忘川の水を飲む他なく、戻ってから経験したことを思い出すしかなかった。昊軒は初空の転生先が分からず苛立ちを隠せなかった。孫天王の話ではあらすじを書いたものの、2人は時空の乱れに巻き込まれ、転生先が不明だという。戻ったら聞きましょう~!>ε=ε=ε=┌(; ̄◇ ̄)┘逃げ!一方、修茗は砕魂箭(サイコンセン)を完成させようと根を詰めていた。…太古の元神が少しでもあれば出来上がる…そこへ側仕えが駆けつけ、初空が摩羅族から天機盤を借りたと報告する。修茗は初空が本当に真実を知るため3万年前に戻ったのだと分かった。3万年前、摩羅王に公主が誕生した。…祖先の戒めに背いて天に逆らった、全て私1人で決めたこと、娘は関わりない、いかなる罰であっても私が引き受ける…それから3000年、大木でうたた寝していた滄海はまた同じ夢を見た。小さい頃からいつも同じ光景で、必ず同じ後ろ姿の人が現れる。…夢には天意が現れると言うけれど…すると護法・錦城(キンセイ)がやって来た。「帝君、3000歳をお祝い致します、各部族からの贈り物です」「何がめでたいの?たかが1歳、老いただけ」「もう大人ですね、早く婚姻して子孫を増や…」「護法、いつもそればかりね、耳にタコよ」しかし摩羅の王族は世継ぎが滄海だけ、錦城の願いは帝君の1日も早い婚姻だった「修茗殿下は私よりもっと焦っているようですが?」人質となって1000年あまり、修茗は常に滄海のことを気にかけていた。つづく(* ゚ェ゚)ん?急に転生じゃなくてタイムスリップになったってこと?
2024.07.24
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七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)第24話錦蘿(キンラ)の山荘で思いがけず女媧石の化身・紫輝(シキ)と再会した初空(チュコン)と祥雲(シャンユン)。2人は紫輝を連れて逃げることにしたが、結界に手こずっているうち錦蘿に見つかってしまう。「旧知の者だから命は助けたいけれど、物分かりが悪いわね」錦蘿は霊力で攻撃、すると紫輝が身を挺して2人を守り、霊力を跳ね返された錦蘿ともども激しく血を吐いてしまう。すると錦蘿が張り巡らせていた結界が敗れ、封じ込められていた紫輝の記憶が蘇った。錦蘿は脅されてやむなく紫輝の心を奪ったと釈明した。確かに女媧石には女帝・滄海(ソウカイ)を蘇らせる力があり、滄海が復活しなければ安寧は得られない。「でも他にも蘇らせる方法があると聞いたの、そうすればあなたの心は不要になる 騙したかも知れないけれど、嘘をついたことはない」「お前の心は顔と同じで偽物だ!私を本当に愛したことなどない!もう私を騙すな!」錦蘿は紫輝を想う気持ちに偽りはないと訴えた。しかし怒りと悲しみに震える紫輝に今は何を言っても無駄だと気づく。「あなたを守るために心はまだ返せない。身体に気をつけて、またいつか会いましょう」錦蘿は姿を消した。…女媧石を狙うのは一体、誰なんだ?…紫輝は必ず全て解き明かして心を取り戻そうと決意、初空たちとはここで別れることにした。祥雲はまた捕まってしまうと反対したが、初空は紫輝の選択を重んじようという。そこで初空は雀頭参(シャクトウサン)を渡し、祥雲と2人で紫輝を見送った。一方、天界では昊軒(コウケン)が孫(ソン)天王に李(リ)天王が消散したと伝えていた。何でも李天王は遊歴中に魔物と遭遇、応戦したが魔物と共に消滅したという。( ̄◇ ̄;)<文官なのに、なんちゃらとかいう生半可な術で無茶したんだな~「李天王の体面を保つため、お前は見たことにしろ」「はい…」孫天王は李天王の死に衝撃を受けながらも、素直に拝命した。明日の出征を前に初空と祥雲は3度目の月見酒を酌み交わした。「ふふ、すでに陸長空(ルーチャンコン)の時から私を想っていました? 面目を保つために認めたくなかっただけ?」痛いところを突かれた初空は祥雲を引き寄せ、唇を重ねた。翌朝、祥雲は初空に自分の手巾を渡し、必ず身につけるよう頼んで送り出した。…例え戦死したとしても天界に戻るだけ、それなのに別れがこんなに辛いなんて…皇太后と過ごしていた祥雲のもとに戦況が届いた。初空は初戦に勝利、しかし衛国はさらに10万の援軍を送ったという。前線が緊迫していると聞いた皇太后は明日にでも祈祷に行くことにしたが、祥雲は反対した。「母后、馨然(ケイゼン)を覚えていますか?」祥雲は皇太后に馨然が実は衛国の間者だったと明かした。馨然を泳がせていたが見張りに気づいて姿を隠してしまい、今、宮中を出るのは危険だという。「…それならなおさら姿を見せなくてはね」皇太后は間者を誘き出すため、祥雲と一緒に参拝に出かけた。「もう少し生かすつもりが自ら死にに来たなんてね」案の定、馨然が刺客と共に現れたが、すでに待機していた衛兵たちに包囲されてしまう。しかし馨然は初空を助けたいなら皇太后を殺せと祥雲に迫った。「罠にはまって痛手は受けたが衛国には無数の精鋭がいる いくら初空が強くても10万の大軍に勝てはしない」「例え捕えられても初空は自らのために民を犠牲にすることは望まない、あきらめて!」すると皇帝が射手隊を連れて駆けつけた。刺客たちは全滅、馨然は肩を射抜かれ生け捕りになってしまう。「皇兄!…母后、私が知らせたのよ!」しかし馨然がふいをついて隠し持っていた暗器を皇太后めがけて投げた。真っ先に気づいた皇帝が皇太后をかばって腕を負傷、馨然はその場で斬られてしまう。…初空の奇策で不利と思われた斉国は大勝を収めた実は初空が3000の兵を率いて自らおとりとなり、衛国の大軍を林におびき寄せ、その隙に空いた本陣を突いて衛国の皇帝を捕えたというこうして衛国は降参、今後100年は斉国を攻めないと約束した…母子のわだかまりが解け、皇太后は政務を全て皇帝に任せることにした。皇帝の手元についに揃った逐浪(チクロウ)と九峰(キュウホウ)の玉佩、そこで祥雲は皇兄に玉佩を見せて欲しいと頼む。すると2つを合わせて1つになった玉佩に″童謡″と浮かび上がった。一方、初空は祥雲を生かすため、深手を負ったが命は無事だと知らせた。しかし戦乱がなくなったわけではなく、国のために残るという。祥雲は人間界での将軍さえこれほどの重積を担うのなら、天界の戦神はいかばかりかとおもんばかった。…初空、この数万年、この世を守るために人知れず苦労をして来たのね…祥雲は滄海が復活するならなおさら初空の元神を傷つけるわけにいかないと考え、覚悟を決めた。祥雲は母と兄に別れの言葉を書き残し、毒酒を飲んだ。…初空、先に逝くわ、しっかり生きてね…しかし初空はその頃、戦場で祥雲の無事を願いながら倒れていた。祥雲が目を覚ますと紅塵(コウジン)井に戻っていた。すると偶然にも同時に戻って来た初空が目の前に現れる。2人は駆け寄って抱き合い、互いに元神が無事だと確認して安堵した。今回の初空と祥雲の転生におかしな点はなかった。しかし祥雲は玉佩のことを思い出し、李天王失踪の手がかりは″童謡″だと訴える。確かにあの夜、子供たちが意味不明な童謡を歌っていたが、何を言いたいのか分からなかった。すると初空は思い詰める祥雲を心配し、李天王はすぐ見つかると安心させた。一方、紫輝は摩羅(マラ)族が自分を探している知って単身、乗り込んだ。すると錦蓮(キンレン)は人払いし、歴劫で無二の親友だった紫輝と対峙する。「錦蘿から何も聞いていないのか、どうやら兄を恨んでいるようだ」「兄妹だったのか…どうして私の石の心を奪おうとする?千忍(センジン)!」錦蓮は千謀(センボウ)との別れを思い出すと居たたまれなかったが、歴劫での20年は避けられない不測の事態に過ぎないと強がった。「人間界での儚い夢だと知るべきだろう、お前は千謀ではなく、私も千忍ではない 私には使命がある、私の一生は雪辱を果たし、一族を再興するためにある 私たち兄妹にとってお前は大業を成す助けになる女媧石だ」「そうか…全ては私の独りよがりだったのか…私の心を返せ!」「返して欲しくば錦蘿を連れて来い!」初空は銭(セン)天王から李天王が消散したと聞いた。「姻縁閣にもちょうど知らせが届いているかと…」驚いた初空が姻縁閣に駆けつけると、祥雲が悲しみに暮れていた。つづく( ๑≧ꇴ≦)急にスピードアップする歴劫w
2024.07.23
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