2003年10月15日
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テーマ: 中国旅行(113)
カテゴリ: カテゴリ未分類
雲南省形式のレンガ色の鳥居をくぐると、そこは島の西端だった。目の前に、南北に細長い形が耳に似ているところからそう呼ばれるようになった【さんずいに耳】海が広がっている。

広い湖と広い空とを、霧に包まれたように霞んだ藍色の山々が隔てている。空には乳灰色の雲が低くたちこめ、それを映す湖の色も同じだった。向こう岸の連山は中腹から上が雲に隠れて、どこまでが山でどこからが雲なのか区別がつかない。見渡す限りここには「雲」と「湖」と「山」以外は何もない。その墨絵のような単色の風景の中で、赤や薄紫のブーゲンビリアがひと際鮮やかに咲き誇っている。tetywestはこのような雄大な風景に出会うと感動してしまうのだ。

それぞれの場所でそれぞれに感動したのでとても難しいことなのだが、今回の旅行中に感じた雲南省のイメージを一番よく表している写真を一枚だけ選ぶとしたら、おそらく↓下の写真になるだろう。


南詔風情島から【さんずいに耳】海を望む


【さんずいに耳】海を眺めながら島を巡る小道を歩いていると、初めて他の観光客と出会った。湖面に下りる道があると教わってそちらへ進む。

【さんずいに耳】海の湖面はとても穏やかだった。その湖面の岩の上に水浴びをしている2人の女性のオブジェがある。そのブロンズ像はかなり大きいのだが、この雄大な風景の中ではとても小さく見えてしまう。湖岸は人工的にぐり石をコンクリートで固めてあるので歩きやすい。


漁女沐浴的形象


そこを過ぎると、湖岸沿いにも小道が整備されていた。

時計盤の8時の方向まで歩いてくると、古代白族の民族館があった。入り口に誰もいなかったので、
「入場料は要らないのかな?」
と余計な心配をしながらそのまま塀に囲まれた敷地内に入る。

塀の中には庭と木造の二階建ての家があった。家は中央に2階へ上がる階段があり、左右対称の形をしている。階段の下にはタバコを吸うパイプや古い漁師の道具が展示されている。家を掃除していたおばさんが出てきたのだが、whさんがどのように交渉したのか結局無料で見学させてもらえることになった。

二階に上がると、大きな部屋が1つ、両脇に小さな部屋が1つずつあった。床は板張りだった。庭に面した側には大きな窓があるが、反対側には小さな小窓しかなく、それも閉まっている。運転手が開けようと試みたのだが開かなかった。部屋の中は丸木で作ったベッドが全部で10個くらい並んでいる。ベッドにはちゃんと布団が敷いてあった。昔の白族は大家族で生活していたのだろう。庭に面した中央の窓の傍のベッドは、庭が見下ろせるように他のより高く、ひと際豪華だった。家内に、
「ここはきっと家長夫婦のベッドだよ」
と説明したのだが、両脇の小部屋にも4つずつのベッドがあることがわかった。結局2階にはベッド以外には何もないのだ。
「これは子供たちが宿泊学習で使うための場所じゃないの?」
と家内。tetywestもそっちの方が正解だろうと思う。

階下に降りて庭を散策する。柱だけの建築中の二階建ての家がある。その木組みの方法は日本の家と全く同じだった。庭にはリンゴの木とミカンの木が植わっている。ミカンがあると、たとえそれが庭に植えられたものでも見に行ってしまうtetywestなのだが、果実がまだ濃緑色で固い晩生品種の温州ミカンだった。

庭には昔の船も置いてある。島に渡るときに見た漁師の船と同じ形で、こちらは木造だった。今はグラスファイバー製に変わってはいるが、この地方の漁師は昔からの船の形を継承しているのだ。

庭の奥には小さな池が造られていて、その周りにテーブルと椅子が置いてある。池の奥には「屋外厨房」との看板があるので行ってみると、キャンプ場にある炊事施設だった。やっぱりここは子供たちが昔の白族の生活を体験しながら宿泊学習する施設だったようだ。管理人のおばさんにお礼を言って、塀の外に出る。

さらに湖岸沿いに岩の間の小道を進んでいくと、最初に見た「沙壹母群雕」の場所に戻って来た。ここが時計盤の6時の位置にあたる。これで「南詔風情島」を一周したわけだ。来たときには閑散としていたのに、広場には結構たくさんの観光客がいた。

船着場から船に乗って島を離れたのは8時35分だった。






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最終更新日  2003年10月15日 12時48分30秒
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