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2024年09月26日

十五夜・熊野市金山町内の正常な時代（2024）

テーマ： ★つ・ぶ・や・き★(548799)

カテゴリ：町のこと

お月見の日（50年前）
熊野市金山町の 農家では お月様にお供えをします
木製のリンゴ箱やみかんのコンテナが祭壇代わり
一升瓶やビール瓶を花瓶代わりのいしてススキ等をさし
オボンに、サツマ芋、早生サト芋、柿（まだ青い？）、栗、他をお供え

町内でも財産家の家では
（昔の価値観＝山持ち、苅場持ち、田畑所有面積大、親族多数、蔵あり、 ※くど釜3以上 ）
※並家ではくど窯は２つであり 向かって右が日々使う煮炊き釜、左釜は小さく大事な時に使用
広い縁のにオボンを置きお皿にはおはぎ、よもぎ餅、お神酒をお供え

お月様が顔をだしてくると
米や芋の収穫の感謝をお月様や地神に感謝の意のお祈り
お供え穀物は下げずに、そのままにしておくと
お祈りが終わった時間を見計らって
各部落の児童たちが、数人のグループ（上級生が下級生連れ添い）で
お供え物を頂きに（たばって）各家を廻る　
基本的には住む部落内だけ廻る
小学校の高学年同士で下級生が居ない場合は他の部落まで廻る
※上級生は遅くならないうちに1年生や２年生を家におくり返す義務あり

各農家の屋敷に入り、子供達は
「 こんばんは、たばらして 」と大きな声でお家の人に言う
返事がない場合 、もういちど「たばらして」と
それでも返事がない場合は、仕方ないのでお許しがなくてもたばらして貰う

下級生の声が小さい場合や、お供え物をいくつもたばろうとした場合は
上級生は注意する

たいていのお家では
たばらして、と言うと　「 たばっていってよ、ひとつずつやで 」の声があります
なかには、家の中からでてきて小さい子が居る場合
この子はどこの子、と聞かれる時もあり
上級性が、その子のお父さんやお母さんの名前を言うと
わかって頂く場合もあり

「グーグルマップ」より

※廻って行ったお家の人から
　〇上から？下から？まわってきたん
　〇お父さん、お母さん元気か
　〇寝たきりのお祖母ちゃん、ご飯たべやるか
　〇この子ら、小さいから早く切り上げてお家に帰れや
　〇ようけたばってきたの、芋で米袋一杯やの
　〇あそこのお家、〇〇君らの分を
　　別に置いておくと言っていたので、なんかくれるんと違う

お家の人といろんな会話をし、ジュースをもらったり
落ち着いた芋たばりをしたものです
自分の住む部落を廻ると
高学年は自転車で他の部落までたばりに行くけれど
既に、たばられていてお供えの無いお家が多かった
しかし、せっかく「たばり」に来てくれたと
お供え以外にお家の中から、ゆでた栗、蒸した芋をくれるお家が多かった
＜〇〇君らちょっと待ってよ、栗もっていかいしと＞

よき時代であった、風情があったし、
普段、話をする機会が少ない、お家の人ともお話ができ
町全体が、子供を見守る形態が自然とできていた

今はなんだ、泥棒と一緒ではないか
親の教育、学校教育の衰退と過剰な人権主義がもたらした
我欲の塊のお月見になってしまった

新聞社にも昨年に伝えたが
「たばらして」ではない、
「芋たばり」が行事の真の名称であり
いつの間にか、呼び名が変わってしまった
これも上級生が下級生に教える事がなくなった事
地区住民も昔からの住民より
ここ30年で町内に移住してきた人たちの方が多くなり
意味も知らずに真似事する家が多くなってきたことが
要因かと思う

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