フランス


被害は無かったんだが、あまりにも露骨に着いて来るので姉と二人で少々試すことにした。

まず二人で気付かないフリをして歩く。
ちゃんとスリが着いて来ることを確認しながら歩く。
私らがスピードを落とすと確実にスリも落とし、早く歩くと早く着いて来る。
そして出口に近づいた時、スリが一番私たちに近付いたか否かって瞬間に、
おもむろに振り向き、Uターンする。
あの時のスリの顔は忘れられないほどおもしろかった。

コンシェルジュリ(マリーアントワネットが最期を過ごした独房跡)に行きたくて、探せど探せど見つからない。
ガイドの地図によると確実に近くにいるはずなんだけど、そこらへんにいる警察官に聞いても「あっちいけ」「こっちいけ」で右往左往させられた。

姉と二人疲れ果てライン川沿いの欄干に寄りかかり、ぼけーっとしていたら、
この迷い東洋人をずっと見てた刺青掃除夫が近付いてきた。
そして親切に入口まで連れて行ってくれたのだ。

ヴェルサイユ宮殿見学時は、たらぞの疲れはピークに達していた。
ルイ14世騎馬像を見て「あー・・これが落馬像ね」と呟くしまつ。アホやん。

それでもラトーヌの泉水、鏡の回廊、素晴らしいものだった。
金さえあればこんな建物や公園がつくれるんだーと感動した。恐るべしマリー。

ユトリロの絵になったレストラン「La Maison Rose」で昼食・・・が観光化されてしまったためか、料理の味は悲しいもんだったな。
特に姉ちゃんが食べたクスクスは凄かったそうだ。

姉ちゃんに一番嫌いな食べ物は?と聞くと、今でも「クスクス」と言う。
それくらい姉ちゃんの食生活人生に影響を与えた一品なのだ。

パリの子供服屋でたらぞが大好きなタンタンの人形が売られていたので購入した。
店員さんが「タンタンはいつもスノーウィと一緒だからスノーウィも買って」と言っ・・てたようだ。
スノーウィとはタンタンの相棒である真っ白い、雪のような犬なのである。

店員さんの懇願も空しく、私はフランスからタンタンだけ持ち帰ってきた。
しかし外人さんは何故こんな可愛い、シャレたことが言えるんだろう。
ラッピングも丁寧にしてくれた。

さすがフランス。オスカル様の国。


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