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2005年06月03日

「蛇行する川のほとり」　恩田陸

(10)

テーマ：今日どんな本をよみましたか?(91831)

カテゴリ：読んで（観て）みました

日本のホラーの特徴といえば「水」なんだそうです。
そういわれてみれば外国のホラーに「水」の恐ろしさってあまりないかなあ・・・
水から出てくるとか、水にうかぶ髪とか・・・。
だから、「川」もその時の設定で様子が変わってくる。
急に不気味なものに感じられたりします。

今回の舞台は「蛇行する川のほとり」の「船着場のある家」。
不安さを「川」が増長しているよう。
そしてまた「超ド級」の高校生たちが主人公です（笑

この本は合本して１冊になったものがあるそうですが、
私の読んだのは「１・２・３」の３冊のほう。
個人的には読むなら３冊のほうをおすすめします。
１冊1冊はとても薄いのですが、非常に効果的なのです。
１冊の終わりに「あっ」と言わせられ、ぱたんと閉じる。
「落ち着け～、わたし。落ち着くんだ」と我に帰るんですよね（笑
で、さらに２冊目の終わりで「ぎゃっ」と言わせられる。
「ちょっと待て、落ち着け～～！！」とまた思う（笑

１冊ごとに「あたし」が変わる文章になっていて、
この切り替わりと連続性が絶妙です。恩田さんの得意な書き方かな？？
書き下ろしの勢いも感じます。（書き下ろしって知って読んだせい？）

とにかく読んでほしい　という感じです。恩田さんに「どっぷり」なお話です。
「小夜子さん」よりずっとずっとパワーアップした高校生モノのように思いました。
同じ高校生モノでも、こちらは彼女たちの「くぎり」を描いたものだからかもしれません。
読み終わった後、ふっと本から顔を上げたら現実の世界があって、
頭がくらくらしそうになりました。

恩田さんの周りには「膜に包まれた繭のようなもの」が沢山あって、
その一つを彼女がカッターで「つーっ」と切り込みを入れる。
すると中に完璧な「蛇行」の世界や「麦海」の世界や「常野」の世界があって、
その世界のドキュメンタリーをそのまま本にしているようなのが浮かんできました。
この世界のどこかに彼女達がいて・・・　というより全く別世界のように思います。

今日はその次に「長井秀和」が浮かんできて、しゃべりだした（笑

「またまた、高校生がでてきたぞ。
　しかも、こんな高校生いるのか　というほどの美人・美男ばかり
　こんな高校生がでてきた時点で「きゃー」なんてときめいていたら
　それこそ、作者の思うツボだ。
　思うツボだと思ってももう止まらないのだ。
間違いない！！ 」

みたいなことを私の頭の中の長井秀和が言っていた。
今回はそれだけインパクトが強かったのかなあ・・・
「夜のピクニック」もいいのだが、恩田的「インパクト」というと
こちらも負けてないと思うのですがいかがでしょうか？

「夜のピクニック」読了後には長井秀和は出てこなかったもんなあ・・・（笑

今日の感想はまたまた極楽猫さんとの第二弾です。
彼女の感想はどんなんでしょうかね？？　
是非双方をご覧くださいね。私も楽しみなんだよね♪♪

それから、本日恩田さんの新刊「蒲公英草紙」が発売されます。
「常野物語」の続編のようです。楽しみですねえ♪

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