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息抜きの間の人生
第1章 日常 ~土曜日~
植田の頼み事は服装を「女の子らしく」と言うことだった。
(簡単な頼みだな・・)
Gパンにミュール、少々薄めのカーデガンを羽織って玄関に立つ。
「おはよう」
ガラガラと音を立てて、玄関のガラス戸が開く。
「・・・おはよう、R」
「・・・CAT?どうしたの?おばさんみたいね」
小首を傾げながら、少々大柄な白人女性(自称R)は流暢な日本語でCATこと、悠を貶した。
「・・・失礼だな。お前、女の子だろ」
「そう?いつもの格好じゃない?」
「今日は違う!映画とパフェを勝ち取ったんだよ」
「へー、でその格好?」
「おはよう、R」
将が家の奥から出てくる。
「おはよう、将。今日は神を拝みにね。で、さあCATが変よ。見てないと駄目よ。どうよ、この服」
肩を掴まれ、ぐるりと回転させられる。
「・・・悠、センスないなぁ」
「・・・そうか?」
二人が同時に力いっぱいうなずく。
「もっといいのないの?CATは小柄だからフリルとか、ラブリーなのが似合うよ」
Rの口から恐ろしい言葉が飛び出る。
「・・・ラブリーは嫌・・・」
「そう?」
青い瞳がパタパタと開閉する。
「待ちあわせの時間は?」
「十二時にSODの前」
「・・・まだ九時だよ?」
「いや、本屋へ」
「悠、人と会うのに本屋に行くのは・・・」
将が肩を落としている。Rもお手上げをしている。Rと将に挟まれてうだうだと言われる。ここに彬がいないのが救いである。
「とりあえず、上がって。服を着替えようよ。CAT」
「そう?」
「そう」×2
ぐいぐいと押されてまた部屋に戻る。
「Rがんばれよ」
将がわけの分からない応援をしている。
「見立ててあげるよ」
そう言い、Rがクローゼットを漁る。
「結構、服持ってるのに。どうしてそうかな?」
ぶつぶつと言う。
「仕事用も入ってるし」
「・・・そう、CAT。ボーイフレンド?ガールフレンド?」
振り返る。
「クラスメイト」
「・・・いや、CAT。そうじゃなくて、男の子か女の子か、どっち?」
「ん?ああ、男だよ。一応ね、でも、私は彼女じゃないよ」
そう言うとRはにやっと笑う。
「誘われた?」
「いや、だから、賭けで勝った」
「・・・そう」
あからさまに肩を落とす。いつでもオーバーリアクッションのRである。
「で、Gパンなのに女の子?」
少々、不思議そうである。
「ああ、映画見るし、相手が女の子らしくしてくれって言ったから」
答えると、ぱぁっと顔を明るくして、うなずきながら服を出してきた。
「これね、CAT。今日はこれね。合う靴ある?」
「・・・あるよ」
一回しか着た事ない服である。将が見立てた物で一年ぐらい前の服・・・。
「これね。決定。髪もちゃんとしてあげるよ」
「・・・時間がないよ」
ハイソックスで七分袖のクリーム色のレースニットにピンクとエンジの柄のスカートに黒いショートブーツに黒い小さなかばん。
長い髪は二つに分け、ゆるく結ぶ。
オレンジ色のグロスを塗って、眉も少々、整える。
Rの手際は良かった。
「出来たよー。CAT、かわいいじゃない」
「・・・うん、そうか?」
「いいよー。まだ時間あるし、将と彬にも見せようよ」
「いや・・・。いい」
将にはあまり見せたくない。一年前は大笑いされたような気がする。彬だって一緒だ。影で笑うに決まっている。
「あの二人はいいよ」
「なぜ嫌がるの?CAT?かわいいのに」
Rは肩を押す。そのまま、ずるずると廊下に押し出される。
「おー、出て来た。悠、その服、俺が見立てたやつじゃん。いやー、変わったね。去年とは大違いだな。成長したな~」
将がずかずかと近づいてくる。 すいっ と長い腕が伸びて、ひょいっ と抱えられる。
「うわっ」
「やっぱり、かわいいじゃん。目の付け所が違うね。Rは」
「そうでしょ。どう、娘の成長振りにパパは感激ね」
Rは得意そうである。プランと宙吊りにされたまま、悠はため息を付く。
「放してくれ。将、去年は大笑いしてたじゃないか」
トンッ と床に下りて、悠はかばんと靴を持ち直し、玄関に向かう。
「すねてるのか?」
「多分ね」
こそこそ つぶやく二人を置いてブーツを履いて外へ出た。
「悠、出かけるのですか?」
「ああ、ちょっと行ってくる。Rが来てるよ。将と一緒に居るから」
「・・・あまり、遅くならないように」
「はい」
境内を掃除していた彬に声を掛けられて、石段を下った。 初夏の日差しがじりじりと高くなってきていた。
―十二時―SOD前
人が多くて混雑している。こんな状態では植田が近くに居るのかさえわからない。
「・・、仕方ない」
ピッ 携帯を出す。
『プルルルルルッ、プルルルルルッ』
数回の呼び出し音が鳴って、留守番電話のメッセージが流れる。
「・・・おや、出ない」
目の前のベンチが空いたのを目ざとく見付け、腰を下ろす。時間を確認する。十二時を軽く過ぎている。ぼんやりと携帯をかばんに投げ込んだ。
(十分待って来なかったら、本屋に行って帰ろう)
そう、心に決めて手持ちぶたさに、腕を組む。
「待ち合わせですか?」
不意に横から声を掛けられ、びくっとする。
「・・・・」
何も言わずに相手の顔を見る。
植田だった。
「死ね」
一言、言い放ち、立ち上がる。
「うわ、ひで」
驚いている。人を待たせておいて、さらにナンパとは・・・、この男。
「お前、電話しただろう!。出ろよ」
「マナーモードにしてたよ。悪かったな」
(本当にそう思っているのか?)
悪びれた様子はまったくない。
「行くぞ、映画館に」
「そうだな、しかし、変わったな~。前はGパンにトレーナーだったからな。今日は分からなかったよ。本気で」
へらへらと笑いながら植田は歩き始める。それに付いていきながら苦情を申し上げておく。
「人を待たせておいてそれかよ。今日はお前が私を接待するんだぞ。分かってんのか?先に来て待っとくとかないのか?」
そう言うと足を止める。
「着てたぞ。十一時五五分ぐらいにな。本気で分からなかったんだよ。お前は携帯で掛けてくるときはいつも非通知設定にしてるから、こっちから連絡は付かないし」
振り返ってきた。まじまじと服装を見る。その視線に慣れない物を感じて悠は歩き出す。植田にぶつかりそうになりながらスタスタと先を急ぐ。
(なんだ、嫌な感じだな。なんなんだ?あの目は、人を小馬鹿にした様に見やがって)
高森 悠(一八歳) 人の好意の視線に慣れていない、いや、気づかない鈍い女。
その日、悠はイライラと過ごした。
「なんだかな」
目の前に置かれたイチゴパフェにスプーンを突き刺す。
「ちゃんと食えよ。俺のバイト代なんだからな」
植田の前にはコーヒーがある。ぐるりとパフェに刺したスプーンを回して、中のアイスをほじりだす。
「一口どう?」
最初の一口は自分の口に運びながら悠は植田を見る。
「俺がコーヒーのみ終わる前に完食したら、夕飯もおごってやるよ」
するすると音を立てて、熱いコーヒーをすすりながら言った。
「いや、いいよ。そこまではいい。彬兄が遅くなるなって言ってし」
「・・・彬兄ね、たまにバイクで送ってくれるのは将兄だっけ?」
「・・・ああ」
「あんまり、似てないよな」
(そりゃ、そうだ。兄弟じゃないもん)
「そうか」
適当に話をはぐらかして、目の前のパフェに専念するふりをする。
「バイトってなにしてんだ?。高森もバイトしてたよな」
「・・・あっ、してるけど。いろいろ、だな。パソコンの簡単な入力とか、お茶くみとか」
「事務か?」
「いやー、そんなに形式ばってない。雑用とか、小間使いみたいな感じ」
「へー、時給いくら?俺は日給になるけど三千円だな」
(?時給? そうか、前の仕事は一週間で二千五百万だったから・・・)
指折り数える。 そんな、数字ではないのだが・・・。
「おっ、一四万八千円・・・」
思わず口から声が漏れる・・・。
「はぁ?一四万八千円?なんだそりゃ。何言ってんだよ。桁が違うぞ」
かなりの額だ・・・。
「・・・あっ、そうだね。九百円」
「・・・九百円、どうやってさっきの金額なんだよ」
納得してない様な顔でうなずく。
「お前の兄さん達は何してるんだ?」
「・・・なんで? 神社の管理だよ。どうしてそんな事聞くんだよ」
「いやな、噂なんだけどさぁ。神社の狛犬の口に手紙を置いといたら、なんでもやってくれる仕事屋に繋がってて、金次第で仕事をしてくれるって話があるんだけど。知ってるか?」
(ああ、『PLANET』の事か・・・)
世間はその名をあまり知ってはいない・・・。どこで仕入れてきたのだろうか?
都市伝説などを集めているマニアックなネットで知ったのであろうか?
「・・・で?。うちにもそんな手紙が来ないかと?」
植田は頷く。そして、真剣な顔をして顔を近づけてきた。
「・・・何だ?」
「この前、隣町であった事件知ってるか? 橋から死体がぶら下がっていたの」
「・・・あぁ、知ってるよ」
何も言わなくても分かっている。吊るしたのは自分なのだから・・・。
「あれさぁ、その噂の仕事人がやったって話だぞ」
「・・・へっ?」
少々、驚く。 どこからそんな話が出てきたのだろう。偶然にもその事件と噂が混ざったのであろうか? しかし、そんなにうまくいくものだろうか?
「SATURN」の名は残してきたが、警察がその名前を公開することはない。
無意識に赤いジャムを避けながら、アイスを口へと運ぶ。
植田の話いわく、警察に従兄弟がいるらしくその従兄弟が謎の仕事人の事を捜査していて、その噂にたどりついたというのだ。
「いいのか?捜査中の事を世間、一般人に話して・・・」
そう言うと困ったような顔をする。
「それがさぁ。お前の家、神社だろう?だから、そんな手紙が来てないかって」
(ああ、少々行き詰っているんだな)
「・・・ないと思うよ。見たことないし、彬兄さんは合っても相手にしそうにないし、中身確認して落ち葉と一緒に燃やしてそう」
「・・・そうか~」
面白くなさそうに言う。
(ちょっと、からかっておくか)
よからぬ事を思いつく。
「なんだ。面白くなさそうだな。私の神社にそんな手紙が来たほうは良いか?」
「あっ、そうじゃない」
「もしかして、疑われているの? 兄さん達はそんなことしない」
怒ったような口調で言っておく。
「いや、そうじゃなくて」
戸惑っている、追い討ちをかけておこう。
「今日は帰るよ。パフェ代はいいよ、もう。じゃ」
鞄から財布を出し、伝票を持つ。
「あっ、高森」
「なに?またね」
「おつりはいらないから」
小声ですれ違った店員に言い、伝票とお金を渡す、小走りで店を出る。
人ごみに駆け込めば、見つかり難いだろう。
するすると人を避ける、後ろを確認しないでしばらく歩く。人の流れに逆らわないように歩き、先ほどの自分の行動を思い出し、笑う。
(何やってんだろうな~)
少し歩く速度を落としながら、行きたかった本屋に向かう。
「やっぱり、好きなことするのがいいね」
呟きながら本屋の中を散策する。
やはり、自分の好きなことをするのが一番いい。
地学や天文学などの本を探す。 今日は目ぼしい物が見つからずに、そのまま本屋を出る。
途中、コーヒーを買い、パフェを残したことを後悔しつつ、新しく出来た店に目を向ける。
(今は行けないな)
手のコーヒーに目を向ける、今日はなんだか順調に事が進まない気がする。
ふらふらと通りを歩く。
「あっ、居た」
肩を掴まれ向きを帰られる、植田に見つかる。
「あっ」
「探したよ。怒るなよ、なぁ」
「・・・」
少し、黙って見ていよう。どんな、行動を取るのだろうか?楽しみである。
先ほどの喫茶店での自分の行動は一昔前のドラマでもやってはいないようなことのような気がする。心の中で笑う。
「何か言ってよ」
「・・・」
ふいっ と顔を背ける
(この動きもなんだか変だな)
周りの人達を見る 少し、気に留めている人もいるようだ。歩いたほうが良いだろうか?
「なぁ、高森。来週、ちゃんと奢るよ。今日はもう払っちゃったからさ」
(そう来たか、なんだか、餌付けされてる気分だな)
「・・・そうゆう事ではないだろう、植田。奢るのはいいよもう、映画見たし、今日は帰るよ」
「そうか。じゃあ、電話するから番号教えてよ。さっき、非通知だったから」
「・・・」
(どうしようか)
「何だよ」
何も言わないので、不機嫌そうだ。
「私からかける。九時以降になるがいいか?」
「あっ、そうか。じゃあ待ってる」
あっさりと去っていく植田と別れる。急いでSODの前へ走る。もう、Rが来ているかも知れない。地下道を抜けて、地上へ走る。
「はーい、ここよ」
地下道の出口へと着いたと、同時にRの声が聞こえる。
「・・・ごめん、ちょっと、手間取って」
「いいよ、大丈夫。もう帰るの?彼は?」
「・・・彼じゃない。クラスメイト!」
息を整えながら、歩くようにRを促がす。
「つまらないな~ 人生もっと楽しまなくちゃ」
おどけながらRは言う。
「楽しむのは仕事だけで十分です。彬に友人を作るなと言われている、本当は高校に行けるだけでも良しとしなければならない。私が一番外へ向いているから」
「CAT」
Rが口を閉じる。
『PLANET』所属の最年少者である「CAT」は特別な存在でもある。外の世界の学校に行き、友人を作り、なおかつ仕事もこなしている。だから、「CAT」がなにかミスをすれば、そこから『PLANET』が崩れる可能性もある。この可能性は誰もが持ち合わせたものだが、「CAT」は確立が高い事になる。通常は学校に行く事はなく、外の世界との接触も極力避けるようにしているはずである。多少の例外はあるが・・・。
帰りの車の中で、Rに植田から聞いた話をしてみる。どうやら、神社の中の一つとしてだが、警察がいろいろ調べているようであると。
「あ~、大丈夫。何かあればMARSに頼めばいいのよ。データーバンクを破壊すれば大丈夫」
けらけらと笑いながら、ハンドルを操る。
「まぁ、そうだけど」
「そうそう、CATは明るくしてなきゃね。SATURNも心配するよ」
「・・・しないよ」
「CAT・・・」
Rはため息を付き、片手で軽く頭をなでた
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