○・。Mooncalfの絵本。・○

○・。Mooncalfの絵本。・○

06-10



6■水の星1■

草原に仰向けになって
町並みを見てみれば
私と一緒に町並みもひっくり返ってる
町は上にくっついていて
空は下に広がっている
まるで海のように
ああ、そうか
空は海の水面で
海は空の底なんだ
だからこの星は海の星
そして私達は
海から生まれた子供

aqua

7■水の星2■

空は海の水面
海は空の底
そんな優しい両腕に抱かれているから
海から生まれた私達は
母なる地球と、この星を呼ぶんだね

aqua

8■夏の思い出■

あの夏 僕は海にいた
そこで不思議な魚と出会った
銀に身を染めた魚
その色を引き立てる蒼い海
同じようにどこまでも続く蒼い空
遠い山には蝉の音色が聞こえ
菓子屋の氷を削る音が聞こえ
照りつける太陽の下
どこまでも続く夏の記憶

あの夏 僕は考えていた
なぜ四季があるのだろうか
今では一言で答えられる疑問を
木の木陰でひたすら考えていた
そしていつの間にかハンモックで寝ていて
はっと気づくと、しんと辺りが冷えていて
僕はその大樹に登って
空の上のもう一つの世界を見上げる
胸の奥にともる夏の記憶

あの夏はもういない
蝉も 菓子屋も 太陽も
木も ハンモックも あの疑問も

そしてあの不思議な魚ももういない
僕の中ではいまだに
銀の鱗をきらめかせて跳ねているのに
もう戻れない、遠い夏の記憶の海で

aqua

9■虹のむこう■

虹の向こうに何が見える?
それは誰も知らないよ
大きく飛び立つあの鳥さえも
答えは知らないはずだから

虹の向こうに何が待ってる?
それは誰も知らないよ
空の上にいる神様さえも
答えは知らないはずだから

虹の向こうに何がある?
それは誰も知らないよ
皆のところへ行く春さえも
答えは知らないはずだから

aqua

10■美しい季節(とき)■

 春は黄が美しい
 菜の花に黄色い優しい光が差すとき
 黄色い帽子をかぶって手をつないだ一年生を見たとき
 何とも言えない優しい気持ちになる
 そして道端の黄色い小さなたんぽぽを眺めたときも

 夏は蒼が美しい
 蒼海に寝ころんで太陽を感じるとき
 またそのまま蒼穹をまぶたの上に思うとき
 何とも言えない爽快な気持ちになる
 そして蒼々と生える背丈の高い草の草原を眺めたときも

 秋は茜が美しい
 紅葉したあとの紅葉を見たとき
 またそれに茜色の夕日が差したとき
 何とも言えない穏やかな気持ちになる
 そして水田の上に舞う赤とんぼを眺めたときも

 冬は白が美しい
 雪で雪兎をつくったとき
 白い毛糸のセーターを編んだとき
 何とも言えない楽しい気持ちになる
 そして寒い冬の朝にはいた息が白くなったのを見て
「あっ。息が白い!」
 と、友達と笑い合うときも

aqua

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