本作以前のWHITESNAKEは渋めの楽曲とサウンドで、それはそれでデヴィッドのセクシーな声を堪能するには充分であったのですが、当時隆盛であったメタルのニューウェーブと比較すると薄っぺらで地味な印象であったことは否めません。アメリカ市場を意識しながらも初期路線の集大成ともいえる前作「SLIDE IT IN」は、個人的には本作と拮抗するぐらい気に入っている作品です。しかし、デヴィッドの声自体の魅力は初期WHITESNAKEの3~4作目ぐらいがピークであったのではないでしょうか。以降は喉のコンディションの悪化のためもありますが、雑で粗野な声に変貌していきます。
グダグダ解説文を並べましたが、この作品は単純に「格好いい!!」の一言です。シングルで世界的にヒットした「HERE I GO AGAIN」が個人的には本作中もっともイマイチ(ファンの中でも同じ意見を持つひとは多いです)といえるほど充実した楽曲群。アルバムから落ちた曲もミニアルバムとして発表されましたが、それらの素晴らしさから見てもこの時期のCOVERDALE-SYKESのソングライティング能力がいかに優れていたかがわかるでしょう。