20代の独身時代、高校からの 親友3人 して 馬籠・妻籠 の旅に出ました。その馬籠での話。
泊まった所は馬籠の本陣跡(島崎藤村の生家で藤村記念館がある)のすぐ近くの小さな民宿。夕食後、隣の部屋の女の子たちにトランプでもしない?と持ちかけ、振られた我々三人組、気分直しに外に 星でも観に行こう ということになり 、近くの駐車場まで行きました。地面に寝っ転がって星を眺めながら、あれこれ将来のことなど語り合ったんだわさ。青春やね~♪
夜中に宿屋に戻って来ると、あらたいへん、 入口に鍵がかかっているではありませんか そんなあほな! 我々の部屋は二階です。戸を小さくノックしたり、声を掛けたりしておりましたが、誰も出て来てくれません。「野宿なんていややがな」とか「壁伝いに二階にのぼる方法ないやろか」とか思いつく限りの冗談を言った後(大阪人の特徴ですな)、もしやと玄関脇の窓に手を掛けると、これが有り難いことに鍵がかかっておりません
おっ、 助かった と喜び勇んで窓によじ登り、上半身部屋に入ったところで、「 こらあ、お前ら何じゃ! 」とすぐ目の下の暗闇から怒鳴り声! 宿屋の主人がソファーで寝ていたのでありました。事情を説明して玄関の戸を開けてもらい一件落着。この話には後日談があります。
翌朝、朝げの場面、民宿のこととて長テーブルについて他の客、つまり昨晩われわれに恥をかかせてくれたあの女性陣のいる所で、宿屋の主人がいらぬ一言。「 ゆうべは夜遅うまでお楽しみやったのう 」
まるでいかがわしい所に出掛けて午前様になったかのような言い草にムッとした私は、言わずもがなのことを口走っていました、「ちょっと星を観に行ってただけなんです」。 いい歳した若いもんが三人、清く美しく宇宙のロマンを語り合っていただけだと!
とでも言いたげな主人の含み笑いが気に障りました。でもそれ以上に、 女の子たちが口にご飯を詰め込んだまま笑いをこらえている
のが、シャイな我々の心をより深く傷つけましたとさ
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