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October 21, 2005
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カテゴリ: 読書


<あらすじ>

「私立探偵ジョン・タナーは、故郷の中西部の小さな町、カルディアに30年ぶりに戻った。タナー家所有の農場の処分に関して、兄弟4人で話し合うためだ。売却を主張する兄のマットとカート。反対する妹のゲイル。不景気で様変わりをした故郷がタナーを暖かく迎えてくれるわけもなく、そこは安らぎの場所ではなかった。そんな時に、町で嫌われ者になっているカートの息子ビリーの首吊り死体が発見される。警察は自殺と断定するが、タナーには信じられない。真相究明に立ち上がるタナー。しかし、調査すればするほど、彼の心は傷ついていく。苦悩するタナー。果たして、真実は?!」

作品には、タナーが過ごした50年代の青春やヴェトナム戦争が色濃く反映されている。また、農村不況だけでなく、工場も次々とつぶれていき、失業者の増加とともに鉄道までも撤退の噂が流れている。そんなカルディアの様子を読んでいくと、こちらの気分もだんだんと落ち込んでくる。

そして、ビリーはヴェトナム帰りなんだけど、エージェント・オレンジに毒されていたことがわかる。これはヴェトナム戦争で使われた枯葉剤。文中の「 .....それに、エージェント・オレンジを自軍にまで振り撒き、ビリーが受けたのと同じ苦しみを何千もの兵士に味わわせた当の政府が、その責任を一切否認しているのだから。ヴェトナムのジャングルの木の葉を枯らすのに使われたスプレーに、人類にとってもっとも有毒な物質の一つといわれるダイオキシンが大量に含まれていたというのに。政府は被害者に対する保障や治療を拒否しているのだ。.... 」なんて記述を読むと、なんと言っていいのか言葉もない。

このストーリーは、いわゆる ”A skeleton in the closet” ものなんだろう。知らない方が良かった両親の秘密、家族の過去....。あっと驚くような展開はあまりなく、淡々と話は進んでいく。もちろん事件は解決するんだけど、なんだか全体的にどんよりとした感じのお話でした。





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Last updated  October 25, 2005 09:48:26 PM
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