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November 4, 2005

「偽りの契り」 by スティーヴン・グリーンリーフ（黒原敏行訳）

カテゴリ：読書

＜ あらすじ ＞

「私立探偵ジョン･タナーは、知り合いの弁護士ラッセルからグレタという女性の身辺調査を頼まれる。サンフランシスコの服飾専門店のオーナー、コルバート夫妻の代理母として相応しい人物かどうか調べてほしいという依頼だった。調査の結果、問題なしと報告したタナー。だが、人工授精から2ヵ月後にグレタは姿を消してしまう。彼女は誘拐されたのか？それとも胎児を人質に、コルバート夫妻に身代金を要求しようというのか？行きがかり上、タナーはグレタの行方を捜すはめに陥るが、事件は思わぬ展開を見せていくのである。果たして、タナーは無事グレタを探し出すことができるのか？！」

いやぁ～、これは面白かったですね。一気に読んでしまいました。扱っている表のテーマが「人工授精」＆「代理母」なので、最初は『う～ん、どうだろう？ちょっと、重そうな話かな？』と思っていたのだけれど、いつものジョン・タナーものとは違って、この問題には深入りすることなく、さらっと流しているので大丈夫。そして、裏のテーマというか、こっちが本筋なんだけど、それは”A skeleton in the closet”。

調査が進むにつれて、コルバート一族の隠された過去が、グレタの失踪につながっていることがわかってくる。そして、その秘密の中にはコルバート夫妻も知らない、ある忌まわしい出来事があるのだけれど、それがタナーの調査で白日の下にさらされていく。そして、最後にあっと驚く大どんでん返しが！よく読むと、いたるところに伏線が張ってある。っていうか、読み終わってから、『あっ、あそこにあんなふうに書いてあったのは、こういうことだったのか！』と後で気づくことになるのだ。

そして、7作目の「匿名原稿」で再会したベティーとの付き合いが、ある結末を迎えることになるのだけれど、この結末を迎えることになる原因も、この「大どんでん返し」の伏線のひとつとなっている。う～ん、全く良く練られたストーリーだな～。

これも秋の夜長にお勧めの1冊です。

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