海砂のつらつら日記

海砂のつらつら日記

2011/06/23
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カテゴリ: 読書

【送料無料】さよならドビュッシー


ピアニストを目指す遥、16歳。両親や祖父、帰国子女の従姉妹などに囲まれた幸福な彼女の人生は、ある日突然終わりを迎える。祖父と従姉妹とともに火事に巻き込まれ、ただ一人生き残ったものの、全身大火傷の大怪我を負ってしまったのだ。それでも彼女は逆境に負けずピアニストになることを固く誓い、コンクール優勝を目指して猛レッスンに励む。ところが周囲で不吉な出来事が次々と起こり、やがて殺人事件まで発生する-。『このミステリーがすごい!』大賞第8回(2010年)大賞受賞作。(「BOOK」データベースより)


先に『おやすみラフマニノフ』を読んでしまったので、早く読みたかったのですが
意外にも早くに借りることができました。
ただ、「おやすみラフマニノフ」の他の方の感想を見ているときに
たまたま『さよならドビュッシー』の犯人の名前を書かれているのを見てしまい
かなりへこみました
忘れるまで読まずにいようかな~とも思ったのですが、
早く読みたいという気持ちに勝てずに読んでしまいました。

さて、なので真相にはそれほど期待をせず、ミステリというよりも
数々の苦難を乗り越えピアノにまい進する少女の物語として読みました。
『おやすみ~』のとき同様大変読みやすく、またピアノの演奏シーンでは
思わず楽譜を引っ張りだしたくなるような細かい描写に感心します。
岬先生の事情はこちらの方が詳しく描かれていたので「なるほど~」と思いました。

ただ、私の個人的な感想ですが、どうもこの主人公が苦手です。
「あたし」という一人称のせいかしら・・・。
それとも何かにつけて攻撃的な性格のせいかしら・・・。
いや、攻撃的なぐらいでなければこの苦難に立ち向かえないのは分かるんだけどね。
なので、イマイチ感情移入できず、最後のコンクールの場面も
『おやすみ~』で出ていた美鈴が出てきたので、彼女に「がんばれ~」
なんて思ったりごめんよ。主人公・・・。
まあ、こちらを先に読んでいたら間違っても美鈴に「がんばれ~」なんて
思わなかったと思うけどね。(笑)

どうでも良いことだけど気になったのが、コンクールの課題曲と自由曲。
予選のショパンは良いとして、本選の課題曲が『月の光』って。。。
作品中でも述べられていたけど、少し上手い子なら小学生でも弾ける曲なので。
まあ、予選で技術を本選で芸術性を見たいということかな~とここは無理矢理納得。
しかし、その課題曲とペアにして選んだ自由曲が『アラベスク』って・・・。
これまた、『月の光』と同様技術的には比較的平易な曲。
主人公の弾きたいという気持ちは分かるし、素敵な曲だけど
コンクールで弾く曲じゃないような気がする・・・。
ショパンコンクールみたいに予選から何曲も何曲も弾くなら
その中の1曲としてはありかもしれませんが。。。
リハビリの曲として選択し、それを大事に弾き続けるといった設定の方が
しっくりきたような気がします。
特に本筋とは関係のない話かもしれませんが、ピアノ好きにはちょっと気になりました。


(ここからは ネタバレ 反転!未読の方はご注意ください)


さて、事件の犯人については、残念ながら先に知ってしまっていたんですが、
でも、実際に主人公が犯したのは母親に関してだけだったので、
他の真相については十分楽しめることができたからラッキーでした。
入れ替わりは全身大やけど、死んだ方は炭化していたということと、
主人公が犯人だと知っていたので、十分想像がつきそうなものでしたが、
おバカな私は全然疑っておらず、岬先生の解説に驚かされた幸せ者です(笑)
ただ、インドネシア国籍の帰国子女の割には、日本語上手すぎる気も・・・。
後、ずっと主人公の一人称で語られる物語なので、はじめの部分の遥の口調と
その後のルシアの口調がほぼ一緒なのがちょっとずるいな~なんて。。。
何となく性格が遥とルシアでは全然違うような印象があったから。



岬先生は相変わらず、かっこいいです。
でも、さらに新谷先生がお気に入りです。
実際いたらはっきりいわれるので怖そうだけど・・・(笑)
それにしても、実際の整形外科ってホントにあそこまで火傷をキレイに治せるのかな。





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最終更新日  2011/06/23 09:47:13 AM
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