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お別れのお食事だった。
ご夫婦の知り合いが経営するポルトガル料理の店で豪勢に食べ、結構もりあがった。
そのご夫婦はダンナさんが学生さんで、
あまりお金がなかったので、思い切っておごってあげた。
奥さんは
「悪いですね」といって、
なぜか村上春樹の「海辺のカフカ」を取り出した。
大ファンなんだそうだ。
「あたし、もう読んじゃったから、よかったら。」
と渡された。
お別れの記念にくれるつもりだったらしい。
僕はあまり本を読まなくなっていたし、
大ファンから本をいただくのは恐縮したけれど、
日本の文化はなつかしかったし、
おごってあげた後だったので、
ありがたく頂戴することにした。
帰国後忙しくて全く手をつけていなかったけど、
最近本屋で文庫本が立ち並ぶようになって
急に読まないといけない気になり、
とりあえず持ち歩くようになった。
そしたら・・・・なぜか急に会社の女性から声がかかるようになった。
「海辺のカフカ読んでるんですか?」
「村上春樹すきなんですか?」
「読み終わったら貸してくれない?」
etc, etc,・・・・・
あれ?
急に人気者になったぞ??
村上春樹ってまだこんなに人気があるんだ。
もらっておいて得したかも(笑)。
なんかわらしべ長者になった気分だ。
人の繋がりの大切さをちょっと感じたのであった。