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流氷をさがして 1,2
流氷をさがして 1
いわゆる家族旅行、はよく行ったが、
それ以外にどこかへ行きたいなんて一度も思わなかった。
夏休みに友達同士で海へ行くとか、
卒業旅行なんて考えもしなかったし、
修学旅行さえ面倒で仕方なかった。
要するに、出不精で人付き合いの悪いタイプなのだ。
学園祭の打ち上げなんかもさっさと逃げ出して早く帰ってくるものだから、
母親にアンタは付き合いが悪い、と咎められると、
「買い食い」は禁止されている、と開き直った。
おうち大好き、自分の部屋から一歩も出られなくたって全然平気
という少女だった。
それでも旅行記や写真集を見るのは大好きで、
行ったことのない土地の風景や、
知らない言語が音楽のように耳の後ろから聞こえてくる様を想像しては、
一人悦に入っていた。
そんな私に転機が訪れたのは22歳の冬のことだった。
NHKの朝7時のニュースを見ていると、
北海道の知床に流氷が接岸したと報じていた。
そして巨大な氷の塊が海岸に打ち寄せて、海と陸が一体となり、
どこまでも続く白い平原と化した様をカメラが映し出していた。
これが日本?
自分の暮らすこの国の果てでそんなことが起こっているなんて。
今思えば、あまりにも無知で世間知らずだったが、
私はすっかり感動してしまった。
そして、台所に立っていつものように、
4個いっぺんに焼いてくっついてしまった目玉焼きを、
一人1個ずつに取り分けている母親に言った。
「私、これからちょっと出かけてくる。」
「あ、そう。いってらしゃい。学校?
もう卒業式まで行かなくていいんじゃないの?」
「違う違う。北海道。流氷を見に行ってくる」
「あ、そう。北海道ね。わかった。気をつけてね」
娘が日本の果てまで出かけるというのに、なんとものんきな母親である。
だが、こののんきでマイペースなところを
しっかりとその娘も受け継いでいるのだから、
もうしょうがないなあ、親子ってヤツは。
さて、冬の北海道といえば非常に寒い(と思う)。
そして流氷といえばもっと寒い(に決まってる)。
何しろ思いつきで出かけるのだから、予備知識など何もなし。
ガイドブックなどあるわけない。
とにかく早く行かなくちゃ、氷が融けてしまうではないか。(?)
あせった私はとにかく持っているものの中で、
一番厚手のコートとスキー用手袋、ブーツのなかには携帯用カイロをいれ、
セーターにマフラー、レッグウォーマーなど
考えられる中で一番暖かい格好をして、
2時間後にはもう羽田空港の搭乗ゲートの前に立っていた。
そして、これから始まる旅への期待と、
あまりの暑さに、気を失いそうになっていた。
行く前から厚着をしたのは失敗だった。
空港ロビーはとても暖かいところだったのである。
午後、女満別空港に到着。
流氷は目前である、と思う。
というのは地図で見る限り、流氷に一番近そうだったから。
流氷といえばオホーツク。
オホーツク海に一番近い空港がここだった。
ただし女満別自体は海に面していない。
どこか海に近い町に出なければ。
その時、網走行きのバスが目に入った。
とりあえず乗り込む。
網走といえば有名な番外地シリーズの舞台である。
高倉健と流氷、よく似合いそうではないか。
網走にさえいけばきっと流氷に会えるに違いない。
はやる気持ちを抑えつつバスに乗り込む。
そして、カチンカチンに凍りついた雪道をバスに揺られること20分。
国鉄(まだJRではない)網走駅に到着。
こんな寒い時期に観光客はまばらで、
おお、ここが「幸福の黄色いハンカチ」で武田鉄也が桃井かおりを
ナンパした場所かぁ(古い!だけど名作よ)などと感慨に浸るも、
二ポポ人形をかたどった電話ボックスの前で記念写真を撮るのに、
シャッターを押してくれる人がなかなか通りかからず、
寂しい気持ちでいっっぱいになる。
待つこと10分。それ以上は無理無理。
息をするたびに鼻の穴がピタッと貼りついてしまう。
凍っているのに違いない。
脳ミソまで凍りつきそうな寒さの中、「流氷バス」の文字を発見。
記念写真のことはあきらめて、さっさと乗り込む。
写真左上:能取岬 気温-11℃ 今日は暖かい方だとバスガイドさんが
写真右上:今は無きYS-11 当時でも結構ボロかった
写真左下:能取岬の先端の方 もっと寒い カメラのシャッターが凍ってしまった
写真右下:流氷を間近で見る 釧網線北浜駅で
流氷をさがして 2
さて、やっとのことで流氷に逢えそうだ。
さすがにバスの中は暖かい。
駅前は人っ子一人いなかったが、バスの中にはすでに10人位の観光客が乗り合わせていた。
さあ、いよいよ流氷とご対面だ。「流氷バス」というくらいだからね。
期待に胸膨らませたわれわれ観光客を乗せたバスは出発。
海沿いの道を快調に飛ばしていく。
このあたりはまだ着岸していないようである。
快晴の青空を映した海もまた青く、波もなくおだやかだ。
「えー実はですねえ」バスガイドのおネエさんが解説する。
「昨日1度着岸しました流氷でございますが、折からの強風にあおられまして、
今朝方また沖の方に戻ってしまいましたあ。どうぞ沖の方をご覧ください。
1本の白いすじのように見えますのが流氷でございます」
なんだ、TVの映像は昨日のものだったらしい。
しかし、青い海のはるか沖合い、空との境目に
真っ白なラインが1本スウっと入ったような景色もなかなかである。
バスはさらに進む。
これから道が悪くなるので少し揺れます、とのアナウンスが入る間もなく
ガタガタ道を走り始める。
ガタガタガタ、そのときである。
前の席の吊棚の上にあった、ジュラルミンのケースが、踊り始めた。
ガタガタガタ、え、この荷物誰の?と思う間もなく、
その小型のトランクは、バスのブレーキに連動して私の頭上へとやって来るではないか。
そしてバスが右へゆるいカーブを曲がったとたん、
その荷物は完全に網棚から離れ、私の頭上へと落下した。
ゴツン!
大きな音を立てて荷物は私の頭に当たり
「お客様、落ちやすい荷物は座席の下へお入れください」と
バスガイドのおネエさんに注意されるや車内は爆笑のウズに包まれた。
ちょ、ちょっとー! この荷物は私のじゃないってば。
このトランク落下事件により車内は一転して和やかムードになった。
バスは能取湖という展望スポットに到着。
この湖は海とつながっていて、まだ完全には凍っておらず、
青い空に白く凍った湖、ところどころ青い水、
遠くに海と流氷の白いラインがくっきりと美しく、
先程の痛みと恥ずかしさを忘れさせてくれる光景であった。
さて、今夜の宿は駅前の二ポポ人形型電話ボックスから電話して決めた
「おばちゃんの家」という民宿である。
アットホームなネーミングに惹かれて決定した。
宿に着くと早速「おばちゃん」が出迎えてくれた。
しかし、このヒト、どう見ても「おばあちゃん」なのである。
昔よその子に「おばちゃん」と呼ばれて、
「違う、おネエさんとおいい!」と無理強いしたことが思い出された(?)
「いらっしゃい。ゆっくりしてってねぇ。あらぁ、東京から来たの」
こちらの人は関東地方を東京というらしい。
でも、おばあちゃんの笑顔にほっとする。
朝からの疲れも出て、その日は早く寝た。
早く寝たら、早く起きてしまうもので、
早起きした私は、朝ごはんの前に散歩することにした。
わー、きょうも快晴。遠くに見える流氷もきれいだ。
「風が強く吹いた次の朝、着岸するんだよ」
おーっと、いつのまにか宿のおば(あ)ちゃんが来ていた。
「なあーんもないところだけど、こういうのを見るとネエ、
やっぱり他では暮らせないと思うわ」
とおばちゃん。そうだろうなあ。
こういうところで静かに年を取っていくのもいいなあ。
朝食の後、おばちゃんが、ちょっとアンタ、と手招きする。
「ちょっとー、これ立派なコンブでっしょー」
「はあ」
当時まだ料理を知らなかった親不幸娘の私に、そんなもの見せられても、
?である。
「おみやげにどう? アンタにだけ特別に安くしておくからさー」
なかなかの商売上手である。
「喜ばれるよォ。ほらこうやってヒモ付けてやるからさあ。
どう、これなら持ちやすいっしょー」
ながさ50センチほどのコンブをゴソッと箱に入れ、
その箱の両端に荷作り用のピンクのヒモを貼って、肩から提げろと言う。
この人が噂のおばちゃんです
海と空の境目の白いすじが流氷です
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