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この本は、スリンと一緒に約3か月間の相談記録を整理したものである。スリンは「ファノ島子どもたち拉致事件」の容疑者を隠匿し、逃走するよう助けた。流行のように広がった憤怒が、子供をめった切りにした。筆者は、この本を通じてスリンの話を予断なく、伝達する予定だ。このことがスリンを理解するとき、少しでも助けになることを願う。(児童心理学者ミン・ギョンヒの『隠された時間』序文)↑こういう出だしなので、これは実話を基にしているのかと誤解する人もいるらしいけど純然たるフィクションです。私は寧ろ逆に純然たるファンタジーだからこそ、後半で現実と対峙することになるのが辛くて辛くて、バッドエンドになりそうで怖くて、観るのを中断してしまった(笑)少ししてまた観たわけだけど…そしたら悲劇では終わらなかった。なので、ご安心下さい>ぉ☆★☆★☆★☆★☆★【ネタバレあり】★☆★☆★☆★☆★☆母を亡くし義理の父親と、ある小さな島に引っ越してきた少女スリンと身寄りがなく施設で暮らしている少年ソンミン孤独な2人は心を寄せ合い、2人の間だけで通じる暗号を作ったりもする。ある日、ソンミンを含む3人の少年が行方不明になり少しして、その内の1人の遺体が発見される。さらに少しして…スリンの前にソンミンだと名乗る大人の男性が現れる―ソンミン達は時間が止まった空間に閉じ込められていた。つーか、彼らだけが物凄く早い時間の中を生きていた…と言えるかも?『ターン』(北村薫著)を連想した。同じ世界では決してないんだけど静かで孤独で閉塞感と焦燥感があってでも美しくもある世界。『化石の街』(広瀬正著)そのままとも言えるんだけどあれは、ほんの少~しずつ世界の時間も動いていてそれでも食べ物その他、時間の速さが違う主人公の身体は受け付けなかった。こちらは世界の時間は全く動かない。なので色々な物が空間に浮かんでいて、その描写等は面白いし友達の1人の家族は家で皆でくつろいだ姿のまま止まっていて友達がその姿をたびたび見に行くところは切ない。でも、食べ物は普通に食べられる。液体はゼリーの様に固まっているのだけど、ちゃんと飲める(食べられる)ここはやっぱりSF的観点では、かなりのツッコミどころだろう。それに、島から出られないまま自分達の時間でいえば16年(後にスリンが計算)過ごしたのになくならないのはオカシイ(笑)まあ、これはSFではなく、あくまでもファンタジー。同い年の少年少女が身体的な年齢に大きな差ができてしまう…という状況になるために必要な非現実的な要素。スリンを演じるシン・ウンスは大人っぽいけどこまっしゃくれた感じはなく子供っぽさもあるけれど、アザトく作られた無邪気さでもなく自然な感じで感情移入しやすい。ソンミン役のカン・ドンウォンは身体は大人でも中身は少年のまま…というのを眼差しや佇まいから醸し出している。止まった世界で過ごした日々の中で、本を読んだりして知識は身に着けたけれどそれは部分的なものに過ぎず、少年の時のまま止まっている部分も多い。変わりのない日々ではあるけれど長い長い時を生きてきて、友の死にも直面し癒えない疲れを抱えている様にも見える。ラストではさらに年を取っていたしね。それを白髪と、さらに疲れた様な表情で一瞬にして表現してきたのが凄い。で、最後まで観終わった時ああ、この構図というか絵がまず頭にあってそれを描きたいがために作った物語ではないかと思った。そしたら、どうもその通りらしい(笑)題名で検索したら、オム・テファ監督は「大きな波の前に並んで立つ男性と少女」の絵にインスピレーションを受け僅か数日でこの映画の物語を完成させた―という様な文章があったので。だから、あのシーンが全て。あそこで本当の意味で時間は止まり、だからこそ私達の心に残った。そして私達の見えないところで、2人の時間は新たに動き出したのだろう。これは不思議で美しいラブストーリー。寓話と思えば色々な意味を見出すこともできるだろうけどそのまま不思議で美しいラブストーリーとして心にしまっておきたい。『隠された時間/Vanishing Time:A boy who returned』2016年/韓国監督:オム・テファ脚本:オム・テファ、チョ・スレ音楽:タルパラン出演:カン・ドンウォン(ソンミン)シン・ウンス(スリン)イ・ヒョジュ(幼いソンミン)キム・ヒウォン(スリンの義父)クォン・ヘヒョ(刑事課長)ムン・ソリ(ミン・ギョンヒ)☆トラックバックは何がなんだか…ひじゅに館へお願いします☆http://yakkunchi.blog90.fc2.com/tb.php/3855-68d464dc☆応援クリック、よろしくお願い致します☆ にほんブログ村 人気ブログランキングへ DVDカン・ドンウォンin『超能力者 』スペシャル・エディション動画配信
2021.03.13
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日帝強制占領時代外部と完全に断絶した京城の療養寄宿学校に隠されていた77年前の秘密―★☆★☆★ネタバレあり★☆★☆★主人公チュラン役のパク・ポヨンの第一印象が井上 真央に似ている…だったので最初の内は、そればかりが気になってしまった(笑)まあ、それはともかく>ぉ全体的に『ミネハハ』や『エコール』に似ている。つーか、確実に意識していると思う。パクリというのじゃなくて、そういう世界を作りたかった…って感じ?(あ、そーいえば、『エコール』はまだ観てなかった>ぉぃ)世間から隔絶された小さな空間で日々を過ごす10代の少女達。いわば純粋培養。それでいて、どこか隠微な雰囲気が漂う。百合要素もあり。白いフンワリしたネグリジェを着ているところとかチュランとヨンドクが逃亡を図るも、辿り着いたのは……なところとかやはり『ミネハハ』を髣髴とさせる。とはいえ、それだけでは終わらず真相も性的なものではなく、残虐なもの。その学校では、日本軍による人体実験が行われていた―そのため、反日映画だと批判する人も少なくないみたい。でも、日本には731部隊という黒歴史があるし『海と毒薬』(遠藤周作)の題材となった九州大学生体解剖事件もある。少女達や、少女達に用いた薬はフィクションでも日本軍がこの手の物語の悪役に用いられても無理はないと思うな。日本だって、色んな外国を悪としているエンタメ作品は沢山あるだろうし。だからって、この映画が傑作かというとそれは全くの別問題(笑)生徒達が一人また一人と姿を消してしまう…ってとこも『ミネハハ』っぽくはあるんだけど逃げ出そうとしたり秘密を知られたとかで抹殺された…なんてのではなくてその異変こそが真相に直接繋がるもの。いわば、彼女達は失敗作だった…ってことになるのだろう。つまり、悲しい真相なのだけど描写はいきなりホラー…それも心霊系のJホラー・チック。そして、クライマックスは『キャリー』っぽい。色んなネタがてんこ盛り(笑)しっちゃかめっちゃか…とまでは言わないけどナンダカナ…感は否めない。サービス精神旺盛…とは言えるかな(笑)映像的には美しく終わらせよう…としているところは好感持てた。やはり、この手のものは耽美的でないと(笑)チュランが学校にやって来た時に来ていたのは赤いワンピース。ヨンドクに貰ったのは赤いキャンディ。地下室に咲いていて、食べると病気が治ると言っていたのは赤い花。イカニモ象徴的!って感じだったな。何の象徴なのか、よく分からないけど>ダメじゃんダークカラーと白…の世界>モノクロと言っちゃって良いんだろうけど(笑)の中に閉じ込められた少女達の血?生命を表す血であり、悲惨な死を暗示する血であり通い合う温かい人間的な心であり本来ならずっと続いて行くはずの彼女達の生き生きとした人生であり鮮やかな夢?↑考え過ぎ?2015年/韓国監督/脚本:イ・ヘヨン脚色:イ・ヨンジュ,キム・ユジン出演:パク・ポヨン(チュラン/静子)オム・ジウォン(校長・加藤早苗)パク・ソダム(ヨンドク/和恵)コン・イェジ(優花)チュ・ボビ(紀平)パク・セイン(恵口)シム・ヒソプ(体育/日本軍・健二)☆トラックバックは何がなんだか…ひじゅに館へお願いします☆http://yakkunchi.blog90.fc2.com/tb.php/3704-155376c5☆応援クリック、よろしくお願い致します☆ にほんブログ村 人気ブログランキングへ DVDミネハハ 秘密の森の少女たち紅い花
2020.09.12
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もう随分と前(年単位)録画しながら、なかなか観る気にならなかった。じゃあ何故、録画までしたかというと韓国映画にハマるきっかけとなった映画の中の一本『八月のクリスマス』と同じホ・ジノ監督の作品だから。それじゃあ何故、すぐに観なかったというと―☆★☆★☆ネタバレあり★☆★☆★―好きな季節は?―春です―僕は冬が好きです―私は雪は好きです―春に雪が降ればいいのに―そんなことがあるのかしら男は、妻が女は、夫が交通事故で重傷を負ったという知らせを受け病院に駆けつける。意識不明の2人はW不倫の仲だった。混乱と苦痛の中、男と女に次第に惹かれ合っていく―というお話。いかにもドロドロしてそうだし、それほど新鮮な題材でもないし好みでもないので観る気力が涌かないでいた。でも、HDDがイッパイになりそうなので仕方なく(?)観た。ドロドロ…という感じではなかった。映像は綺麗だし台詞に頼らず、人物の表情や動き、置かれたシチュエーションを通して静かに語る作風は『八月…』に通じる。男は、コンサートの照明監督を務めるインス。女は、専業主婦のソヨン。最初は、お互い腫れ物に触る様な感じ。そりゃあ気まずいよね。まだ自分の状況にも実感が涌かないでいるだろうし問い質したくても、怒りをぶつけたくても、相手は意識がないまま。色々なことに納得できないまま、看病のため縛り付けられた様な状態。そして目の前にいる人は自分と同じ立場に置かれ同じ苦しみを抱いている。同情とか痛々しさとか、多分、同じ状況故の鬱陶しさもあったかと思う。少しずつ、慰め合う様になり瑕を舐め合うかの様な関係になっていく。でも、その先は単純に男と女の恋愛に甘い言い方をするなら、“純粋な”恋人同士の様になっていく。いや、これはラブストーリーなのだから純粋と受け取って良いのだ。彼らは一旦、別れるのだけれど上記の会話のまんまの“奇跡”が起きる。いや、実際は“奇跡”というほど非現実的な出来事ではないだろうけどでも、彼らにとっては十分な“奇跡”だった。彼らの出逢いそのものも同じ様に、“ありえない”というほどではないけれどやはり“奇跡”と言いたくなるほどの美しい結末となった…ってことだと思う。ここは美しく爽やかささえ感じたな。ここに感動してしまいましたですよ(^^)『八月…』もラストシーンは雪景色だったよね。あれは、夏とは最も遠いところにあるという意味でクリスマスをくっ付けたタイトルなのだそうだけどこちらは四月。冬と春は地続き。辿り着けないほど遠い先にあるのではない。でも、全く違う色合いを持つ。その異なる2つを雪が繋ぐ。韓国では恋人と一緒にいる時に初雪が降ると2人は必ず結ばれる、幸福になる―という伝説(?)があるそうだけどこちらはいわば、最後の雪。「どこに行きましょうか」最後は姿は映らず交わす言葉が聞こえるだけ。(それが敬語なのが良い感じだった)全ては冬と共に過去になってしまったけれど心の傷はいつまでも残るのだろう。花々の上に積もる雪の様に。でも、目の前に広がるのは全く新しい道。先に何が待ち受けているのかは分からない。ただ、新しい人生が始まっていく。『外出/April Snow』2005年・韓国監督:ホ・ジノ脚本:シン・ジュノ,イ・ウォンシク,ソ・ユミン,イ・イル,ホ・ジノ音楽:チョ・ソンウ出演:ぺ・ヨンジュン(インス)ソン・イェジン(ソヨン) イム・サンヒョ(インスの妻)キム・グァンイル(インスの後輩) リュ・スンス(ソヨンの夫)☆トラックバックは何がなんだか…ひじゅに館へお願いします☆http://yakkunchi.blog90.fc2.com/tb.php/3067-66806390☆応援クリック、よろしくお願い致します☆ にほんブログ村 人気ブログランキングへ blogramランキング参加中!四月の雪 プレミアムBOX(初回限定生産)ドキュメンタリー 四月の雪八月のクリスマス
2018.10.21
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気になりながらも何故か後回しにし続け今頃になってようやく観た(笑)すぐに引き込まれたし、面白かった。「何が描きたいのか分からずイマイチだった」という人もいるのだけど私には爽やかな成長物語として、とても楽しめた。 ☆★☆★ネタバレあり★☆★☆トンケ(糞犬)とは主人公チョルミンのあだ名。父親と2人暮しで、昼間は独りぼっちのチョルミンが近所の人達に食べ物を貰っていたことから名付けられたそうで皮肉っぽいなと最初は思ったけれど実は韓国では幼い子供達を愛をこめてこの名で呼ぶことがあるらしい。駄犬の様に丈夫に育ってほしいという気持ちか込められているとか。トンケは生まれて間もなく母親を亡くし代わりに育ててくれた祖母も彼が4歳くらいの時に亡くなってしまう。映画は、祖母のお葬式から始まる。はしゃいだり食べ物に夢中になったりしている彼の姿はまだ幼過ぎて死の意味が分からない…ということと共に愛し愛されるということも、まだ分かっていないことを表していると思う。頭も少々弱い様子の彼は、まさに野良犬の様。そんな彼が雑種犬を飼うことになる。自分と同じくトンケと名付け、それからは何処に行くにも一緒学校にまで連れて行ってしまう。ここで彼は兄弟の様に、あるいは自分自身の様に愛する対象を得た…ってことなんだと思う。高校生になったトンケは、勉強もスポーツもイマイチな様子。友だちもいないみたいだし…っていうか人とコミュニケーションを取るということ自体が上手くない。そして、ある日冷酷な形で犬のトンケを失ってしまう。犬が登場した時点で悪い予感がしてたの。もう、観るの中断しようか…とさえ思っちゃったの。でもさ“物語”としては必要な展開ではあるよね。トンケが「糞犬」→「人間」に成長するためには自分の分身の様に愛していた犬のトンケとの別れがどうしても必要だったのだと思う。ただ、犬のトンケを手に掛けたジンムクが何のお咎めもなし…のままなのはムカムカした。取り撒きの2人はボコボコにしたけどジンムクには手を触れる前に邪魔が入ってしまったから余計に。でも、数年後にジンムクはちゃんとトンケの前に再登場する。トンケが乗り越えるべき壁として。高校を中退し、就職もせず何の目的もなく、大した楽しみも持たずニートとして数年暮らしてきたトンケに3つの出逢いがある。一つ目はMJKの連中二つ目はジョンエ三つ目はジンムク。一つ目のMJKは密陽(ミリャン)ジュニア・クラブの略。密陽は舞台となっている街の名でトンケと同じ様に学校を途中で辞めた地元の若者達の集まり。最初は喧嘩を吹っ掛けてきたので嫌な連中なのかと思ったら要は仲間が欲しかったみたいでトンケはそれを察したわけではないのだろうけど、彼らにまず食事を振る舞う。まさにフード理論。トンケに初めて人間の友達が出来る。しかも、チンピラに見えて実は真面目に働いている彼らに感化されてトンケも就職するまでになる。まあ、風俗店に誘われるという、女性視点では「おいおい」なエピもあるんだけどここでトンケは恋愛経験(性経験)もないということが分かるしそういう面だけ貪欲なヤツではないってことも分かる>未遂に終わるし二つ目はジョンエ。スリの常習犯で、身寄りがないことからトンケの父親が引き取ることにした女性。年頃の息子がいるのに、それってあり?と最初は思ったけど、コレって、ある意味犬のトンケの時と同じ様な経緯だよね。そこが面白い。コミュ障のトンケだから彼女とすぐにどうとか…なんてことにはならない。ほんの少しずつ打ち解けていく…って感じ。その取っ掛かりが彼女が淹れたコーヒーってところもフード理論と言えるかも。彼女はちゃんと将来の夢を持っていてそのために少しずつ努力しているので好感が持てる。トンケが風俗店の火事でテンテコマイになった時ちょっと嫉妬心を見せるところも微笑ましい。三つ目のジンムクとは最終的な対決となる。MJKの友達が巻き込まれ犯罪が絡んでいるため警察官であるトンケの父親も関わり大きな騒動になるけれど最後はトンケとジンムクの一対一の戦いになる。そこに至るまでに父親との葛藤もあるし母親の思い出も新たなものとなるし色んなものを色んな意味でトンケはクリアしていく。そして最後に彼にとって一番大きな壁だったものを打ち破る。ジンムクが女物のショーツでトンケが大き目のブリーフってのも何か象徴的(笑)まあ、トンケの場合はアクション中に見えちゃわない様にという意味もあるだろうけど>ぉこうして頭が弱くて親の愛を知らなくてコミュ障でニートで孤独だったトンケが一皮剥けたっていうか立派に成長したと言えると思う。トンケ自身は多分何も気付いていないけど。明日から何かが劇的に変わる…ということはないだろうけど何か飄々とした終わり方ではあったのだけどホンワカとした希望の様なものが感じられた。凄く爽やかで温かい気持ちになれた。『糞犬/Mutt Boy』2003年/韓国監督:カク・キョンテク脚本:カク・キョンテク、キム・チャンウ音楽:ユン・ミンファ出演:チョン・ウソン(チョルミン/トンケ)キム・ガプス(イックン/トンケの父)オム・ジウォン(ジョンエ)キム・テウク(ジンムク)イ・サンフン(テットク/MJK会長)ソン・サンギョン(ユングン/シルム男)イ・テジュン(スェパリ/カンフー男)ホン・ジヨン(スンジャ)☆トラックバックは何がなんだか…ひじゅに館へお願いします☆http://yakkunchi.blog90.fc2.com/tb.php/2305-07317aba☆応援クリック、よろしくお願い致します☆ にほんブログ村 人気ブログランキングへ blogramランキング参加中!デラックス版DVD台湾版DVDチョン・ウソン キーホルダー
2016.09.11
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「全ての人間は結局、欲望により生まれたので結局、家族は全て一つで全ての人物が一つの構造中で動く<メビウスの輪>の様に循環構造を有している」(キム・ギドク監督談)☆★☆★☆ネタバレあり★☆★☆★☆表も裏もなく、切り離すこともできなメビウスの輪。ウィンドウの向こうに飾られた仏像にひれ伏す謎の男性。彼が、この家族の裏と表を繋いでいる?主役は台詞なし、というのはギドク作品には付き物だけど今作は登場人物全員が台詞なし。でも、サイレント映画というわけではなく物音や呻き声(言葉にならない声)は聞こえる。そういうのって普通は結構、頭を使う。登場人物の表情や動きから意味を掴もうと普通以上に集中しなければならない…ものだと思ってたけどこの作品は物凄く雄弁だ。あ、そういえば台詞がないんだっけと、終わってから思ったくらい(笑)全く普通に鑑賞。夫の不倫に疲れ果て心を病んだ妻が夫の性器を切り落とそうとするも失敗し何と、息子の性器を切断してしまうという痛いお話。ギドク作品はいつも、どこか痛いんだけどこれはもう本当に痛い。女の私でもそう感じるのだから男性にはとても正視できないかも(^^;)で、面白いのはその後。傷が癒える過程とか母親へのトラウマとか原因を作った父親との確執とか色々と現実的な話が続くかと思ったら父親が息子のために必死で探したのは性器なしに性的快感を得られる方法だった。でもって、それを息子も受け入れる。その方法は石の様な堅いもので皮膚を擦りむけるまで擦ることとナイフで身体を刺した上にグリグリと動かすこと。痛い…これまた痛い(^^;)興味深いのは特に後者は女性的な感覚じゃないのかな…ってこと。途中、性器がないことを知って息子をイジメる同級生達を通りがかったチンピラ達が助けてくれるシーンがある。でもその後、そのチンピラ達は父親の愛人だった女性をレイプする。間接的に息子の復讐をしてくれたという意味かな、と一瞬思ったけどもしかしたら、彼女にとっての贖罪という意味を持たせているのかなとも思うけど主な理由は、単純に彼女が色っぽくて魅力的な女性だったから。このエピからして性欲→女性を征服すること→それを果たす性器ということで男性にとって、まさに性器こそがアイデンティティ!なんだなってことがよく分かって哀れでもあり滑稽でもあり…って感じたわけなんだけどその性器を失った時性欲の向かう方向は同じなんだけど快感を得る方法は寧ろ女性のそれに近くなる…ってのが何だか面白いなと思った。ついでに言うと母親と愛人は同じ女優(イ・ウヌ)が演じているのだがボンクラひじゅには気付かなかった。髪型や化粧や服装で女は化けるっちゅーことですな。ところが双方が別々にだけど、胸を露わにするシーンがあって乳房の形で同じ人だと分かった。男も女も性的な部分にこそアイディンティティがあるっちゅーことでせうか?何だか虚しくなるなあ…(^^;)その後、父親が手術で切除した性器を息子が移植し形だけは“男性”に戻るものの今度は性的興奮を得られない…という事態に陥る。そんな時、フラリと帰って来た母親にその性器は反応する。元は父親の性器だってところが面白いよね。愛人には反応せず、母親にだけ…ってとこが。でも、父親自身にはもはや性器はなく息子に向かう母親に、今度は父親が嫉妬の塊になる。表がいつの間にか裏になっている。ああ、もう、本当にグチャグチャやねん…痛いねん。でも、ラストの息子の笑顔はこの輪が断ち切れたってことを意味するんじゃないのかなあ…まさにギドク風贖罪って感じで。それともまだまだ輪廻の如く続いていくのだろうか?『Moebius』 2013年/韓国監督・脚本・撮影:キム・ギドク出演:チョ・ジェヒョン(父)、ソ・ヨンジュ(息子)イ・ウヌ(母/愛人)、キム・ジェホン(不良リーダー)☆トラックバックは何がなんだか…ひじゅに館へお願いします☆http://yakkunchi.blog90.fc2.com/tb.php/2120-ccfbb226☆応援クリック、よろしくお願い致します☆ にほんブログ村 人気ブログランキングへ blogramランキング参加中!ブルーレイ↓これを観てキム・ギドクを愛しいと思ってしまった私って変?DVD
2016.03.06
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70歳のおばあさんがが20歳の娘に若返ってしまう話―設定としては特に目新しいものではないと思うけれどとにかく主演のシム・ウンギョン(若返った姿を演じる)が可愛いから許す>ぉ★☆★☆★☆ネタバレあり☆★☆★☆★オードリー・ヘップバーンのポスターが飾られた写真館でオードリー・ヘップバーンの話をした後で写真を撮ると何故か若返っていたヒロイン@マルスン。オードリー・ヘップバーンみたいな髪型と服装でオ・ドゥリと名乗った彼女の新しい人生が始まる。何が可愛いって姿形は若くなっても中身は同じままなので動きも表情も口調も話題も感覚も全てが“おばあさん”なところ。いや、おばあさんといっても、まだまだ元気だから日本の感覚では“おばちゃん”とか“おばはん”という感じ?そんなオ・ドゥリが何故かめちゃくちゃ可愛い。でもって、そんな彼女のキャラには彼女の山あり谷ありの過去が上手く行かされていると思う。かつては美しいお嬢様で、幸福な若妻で、やがて貧しい寡婦となって惨めな生活も、他人に恨みを買う行為も経験してきて…その良い点と悪い点の混合が彼女を形成しているのが分かる。だから、若返るまでの追い詰められ方も哀れにも思えるし自業自得にも思えてしまう(^^;)そんな清濁併せ持った彼女の前に突然開かれた新しい人生はひたすら明るくて前向きで輝かしい。清濁併せ持つってのは、つまり、非常に人間的と言えることで同じ人間である観客は彼女に同化して新しい人生を今度こそ美しく幸福に行きたいと願う…んじゃないかな。作中には色々な歌が登場する。ほとんどが、いわゆる懐メロみたいなんだけど韓国の懐メロなので、そこのところの楽しみ方ができないのは残念。シム・ウンギョン自身が歌っているらしい。上手いかどうかはよく分からないけれども>ぇ声が綺麗で自然に引き込まれる。そんな歌声でトントン拍子にスター街道に向かっていく様子は爽快。そして淡い恋もする。そこはちょっと切ない。そのまま新しい人生を生き続けるか元に戻るか…選択を迫られることになる終盤の展開は、まあ予想がつくんだけどそこで彼女の息子が関わってくるところが、なかなか感動的だった。親としては何を犠牲にしてでも子供を助けたいと思うだろう。そのために彼女の前で土下座して頼み込んだりしてもそれは寧ろ自然な行為と周囲は受け取るだろう。でもそれは親である自分の犠牲ではなくて自分の母親である彼女、自分のために犠牲になってきた彼女に再び犠牲を強いること。息子はちゃんとそれを理解していて自分の子供は自分が何とかする、と宣言する。ここは、なかなか良かったな。最後の彼女の決断は、彼女を崇高なものとしている。思わぬ挫折というものではなくこのために今回の不思議な経験があったのだ…という気もしてくる。…いや、そんな教訓的な物語ではないのだけどね。つーか、意味などあってはいけないのだと思うのだけどね。ラストのラストは思わぬ人が若返って前に出てきたシーンと真逆のシーンになるのが面白い。傍に立っていた若い女の子達の反応もしっかり入れているし。色々なことが上手い具合に収まった後なので明るい気持ちで終わる。でも、やっぱり、切なさが残る。『怪しい彼女/Miss Granny』 2013年/韓国監督&脚色:ファン・ドンヒョク脚本:シン・ドンイク、ホン・ユンジョン、トン・ヒソン音楽:モグ出演:ナ・ムニ(オ・マルスン)、シム・ウンギョン(オ・ドゥリ) パク・イナン(パク氏)、チニョン(ジハ)☆トラックバックは何がなんだか…ひじゅに館へお願いします☆http://yakkunchi.blog90.fc2.com/tb.php/1848-9746a16e☆応援クリック、よろしくお願い致します☆ にほんブログ村 人気ブログランキングへ blogramランキング参加中!ブルーレイノベライズ(韓国語)この映画のシム・ウンギョンも可愛い>『サニー』
2015.06.07
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多分、同意見の人が多いんじゃないかと思うんだけどこの邦題はイマイチだよね。『悪魔を見た』を連想しちゃうから。つーか、実際それを目論んで付けたんだろうと思うけどだいぶ傾向が違う作品なので。復讐という意味では共通しているけど。いや、復讐というより罪を自覚させ、正当な罪の報いを受けさせると言った方が合っていると思う。原題は『モンタージュ』。所々で犯人のモンタージュが映る上に終盤でオ刑事@キム・サンギョンが犯人を前に、そのモンタージュについてポツリ言うその一言が面白い。15年前に起きた幼女誘拐殺人事件が時効を迎えるところから始まる。担当刑事はオ刑事。前半と後半で組む相棒が異なる。厳密には後半は他部署に協力を要請される形なんだけどね。この前半の相棒刑事がマヌケっぽくて良かった(笑)最初、カセットテープの扱い方はイラッとさせられるんだけど(このカセットが終盤になって意味を持ってくる)道路で通りすがりの車に文句を言われ走って追いかけるところは笑ってしまった。それがあるので、後半協力し合った相手がオ刑事が手柄を盗る気かと怒ったり上司がさんざん罵倒するシーンとの差の激しさにマジ引いたもの(^^;)時系列がちょい分かり難かったり警察よりもヒロインの方が有能に見えてオイオイってなったりしたのはボンクラひじゅにのせいでせう。ま、警察こそがボンクラなのも韓国映画“お約束”(笑)『悪魔を見た』みたいに猟奇的な事件ではないし復讐といっても身体的危害を与えるわけでもなくあくまでもミステリー系。ちゃんと、どんでん返しになっているし。感心したのは2点。1:被害者の心理と加害者の心理は紙一重2:オ刑事の決断1は、被害者であるユン・ハギュン@オム・ジョンファの悲しみ、喪失感、そして憎しみ等をクローズアップするだけでなく加害者も同じ様に家族に関する苦悩を抱えていることを描く。といっても、同情すべき点として掲げているのではなく寧ろ身勝手さを強調していたと思う。独身であるオ刑事に「あなたは結婚しているのか?子供を育てた経験があるのか?」と問い詰めるとことなんて、リアルだし恐いと思った。現実世界でも、第三者的に見てオカシイと思えることでも子供に関する出来事だったりするとオカシイと感じるのは子育て経験ないからで酷い時には独身者の嫉妬だと、逆に詰られて終わったりすることあるじゃん。それを思い出しちゃったよ。ましてや映画内での出来事は、それだけで見るなら同情すべきことだしね。でさ私の中にも一種の理想もしくは偏見(?)として子供に対する親の愛というのはとてつもなく強くそれ故に狭い…というイメージがあるのでこの加害者が他人を(ある意味、自分と同じ)不幸に追い込んででも自分の子供を助けたい!という気持ちになったことは責められないっちゅーか、さもありなんって気がしてしまう。してしまうけど勿論(ある意味)身代わりにされる被害者側は堪ったもんじゃないんだけどね。だから被害者側の気持ちを思い、涙まで流すオ刑事に対し独身者の彼には時分の親心は分からないと決めつける加害者の姿はちょっとゾッとするものがあった。最終的には加害者としての罪悪感とかではなくあくまでも被害者としての気持ちから結末が付いたのも皮肉だし、面白味があると思う。2は「やったね」って感じ?ここで右京さん@『相棒』みたいに正義を押し通すってのも良いんだけどどちらかというとポアロ@『オリエント急行殺人事件』的な決断を下すところは、やはりスッとする。ポアロの場合とはちょっと違うか(笑)もっと能動的と言えるかも。どーでもいいツッコミとしてはじーさん、体力あり過ぎ!ってところでせうか(笑)最後は(最後まで)復讐を果たしても何をしても失われた子供は戻ってこないし母親の喪失感がなあくなることもない―というのが言葉でなく示されて良いラストだったと思う。『モンタージュ』 2012年/韓国監督&脚本:チョン・グンソプ出演:オム・ジョンファ(ユン・ハギュン)キム・サンギョン(オ・チョンホ)ソン・ヨンチャン(ハン・チョル)☆トラックバックは何がなんだか…ひじゅに館へお願いします☆http://yakkunchi.blog90.fc2.com/tb.php/1841-85fcac8d☆応援クリック、よろしくお願い致します☆ にほんブログ村 人気ブログランキングへ blogramランキング参加中!☆朝ドラ感想は「REVIEWの部屋」に纏めてあります☆やっくんちDVD「韓国が描いた“10”の闇」という特集で今作も取り上げられているらしい悪魔を見た
2015.05.31
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今は動画サイトがあるからなあ…被害者は何重にも痛めつけられるのね(――;)レイプ事件の被害者となった娘の復讐をしようとする母親の物語―★☆★☆ ネタバレあり ☆★☆★多分、多くの人が思うだろうけどこの邦題はナンダカナ…ポン・ジュノ監督『母なる証明』とパク・チャヌク監督『復讐』シリーズにあやかろうとしてるんかい!?って感じで安っぽい印象を受けてしまうし映画の流れが想像できてしまって気持ちが萎える。主人公の娘である女子高校生@ウナが登場しそのイマドキ珍しい様な純朴な印象にああ、この子がこれから酷い目に遭ってしまうんだ…と思えて、気が重くなってしまった。いや、まあ、気付かないままでも酷い目に遭う展開は同じなんだけど(^^;)韓国映画やドラマでは警察が役立たずなのがデフォルト。これって単に物語上の都合というだけでなく現実を反映しているのかもね。現実に起きた事件を基にしたという、この映画でも警察の存在は寧ろ邪魔なくらい>ぉだからこれは事件そのものの悲劇に加え警察が、さらに悲劇を招いてしまった―というお話。とはいえこれは韓国ならでは…というものではない。日本でも、警察官の不祥事はよく聞くし助けを求めても動いてくれず悲痛な結果を招いたという件も複数あるし勿論、その他の国でもそうだし所詮は人間だから大して変わらないんじゃないの?と思う。れっきとしたレイプ事件なのに犯人は無罪放免…『リップスティック』(ラモント・ジョンソン監督/米映画)というのを観たことがある。調べてみたら’76年の映画だ。被害者側の服装や言動や、職業までもが批判され“合意”という判断が下されてのこと。女性の立場がクローズアップされていたと思う。『母なる復讐』の方は少年法が盾となっている。それだけ犯罪が若年化していること親世代の意識や、家庭内環境や教育の問題も含まれている。主人公@母親が自分の離婚の際に世話になった女性弁護士に娘の事件を頼むシーンがあった。題名から復讐に取り掛かることはバレバレだったのでその復讐を果たした後、その弁護士の活躍により母親は無罪を勝ち取り世間には事件とそれに関わる社会問題を訴える―というスカッとする結末を期待した。でも、そうではなかった。ま、そうなるとまるきり『リップスティック』になっちゃうものね(^^;)あくまでも悲劇のままあくまでも虚しい終わり方。まあ、復讐はしてのけたので現実よりは遥かにドラマチックで多少はスッキリ感もあったしそれが悲劇で終わったことでこの現実的な問題を強く訴えることにはなったかも。とはいえ、その結末の付け方が日本の二時間ドラマみたいな少しばかり安い印象を与えている様な気がした…のは、私だけ?>だけだろとはいえ被害者の母親を主人公にしその心情を強調した物語にしたのは正解だと思う。『Don’t Cry Mommy』 2012年 / 韓国監督:キム・ヨンハン脚本:イ・サンヒョン出演:ユソン(ユリム)、ナム・ボラ(ウナ・ユリムの娘)トンホ(チョハン・ウナの同級生)、ユ・オソン(ヒョンシク刑事)☆トラックバックは何がなんだか…ひじゅに館へお願いします☆http://yakkunchi.blog90.fc2.com/tb.php/1570-a4b93ca9☆応援クリック、よろしくお願い致します☆ にほんブログ村 人気ブログランキングへ blogramランキング参加中!DVD小説>韓国語リップスティック
2014.08.31
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臓器密売を描いた作品。☆★☆ネタバレあり☆★☆正直言うとね、ちょっと乗りが悪かった>私だけ?だから最初は眠気を催したりなんかしたんだけど後半に入ってから面白くなってきた。DVDパッケージのあらすじは旅行中の船内で妻が行方不明になるサンホの視点で書かれてたので彼が主役だと思って観始めたら父親のために臓器密売に手を出そうとするユリの話から始まったので彼女が主役かと思い直したら密売組織で働くヨンギュに視点が移ったりして誰を中心に観て行けば良いのか、ちょい戸惑ってしまった(笑)私だけ?まあ、群像劇ってことなのねと納得して観てはいたけど、メリハリがイマイチだったかも?ヨンギュはユリに片思いしていて根は純情な男なのね、と思う反面乗り気になってくれないユリに逆切れしたりしてナンダカナ…なところもあり。だから感情移入し難いのだけれどそこが却って、チェヒに関して生かされているとは言える。ユリはヨンギュをどう思っているのかはハッキリ示されないまま。心の底では惹かれているのに父親のために抑えている、というのならキャラに厚みが出たかも?それとも、そういう設定なのに私が気付かなかっただけ?>ありうる誰にも信じてもらえないサンホと一緒にチェヒを探したりして良い人ぶり(もしくは巻き込まれ型体質?)を見せたかと思ったら途中で父親に心配かけさせないためにアッサリ降りちゃったりして彼女もまた両極端な面を見せる。父親が逆に犠牲にされたのが分かった時の反応のためにそれほどまでに彼女にとっては父親が全てなのだと強調するためかも?それでも最後は呆気なさ過ぎな気が…サンホは実に韓国映画らしいどんでん返し(笑)結婚後に欲に負けて…なのかと思ったら結婚前から計画的に行動していたと明かされてチェヒが気の毒でしかなかった。最後まで夫を信じていられたのがせめてもの幸い?いや、できれば彼女が助かって夫の正体を知る―という結末の方が苦かったかも?誰一人として救われない映画だった。オ・ダルスまで死んじゃうんだもん。彼は実に良い顔をしているよね。最高の存在感だと思う。(注:イケメンという意味ではない。寧ろ真逆)でもね、これだけ冷酷無比な話にすべきだったのかも。臓器密売について訴えているわけだから。でもって、直接組織に関わっている奴らだけでなくごく普通に生きている女性@ユリも結果的に加担してしまったわけで『共謀者たち』と複数形になっている原題の意味があるのだろう。『共謀者たち』 2013年/韓国監督・原案:キム・ホンソン脚本:キム・サンミョン、キム・ホンソン脚色:パク・ソヒョン出演:イム・チャンジョン(ヨンギュ)、チョ・ダニエル(サンホ) オ・ダルス(キョンジェ)、チョ・ユニ(ユリ)、チョン・ジユン(チェヒ)☆トラックバックは何がなんだか…ひじゅに館へお願いします☆http://yakkunchi.blog90.fc2.com/tb.php/1506-354e07f1☆応援クリック、よろしくお願い致します☆ にほんブログ村 人気ブログランキングへ blogramランキング参加中!DVDブルーレイ(韓国版)イム・チャンジョン12集『平凡な歌…平凡なメロディ』
2014.06.22
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日本の場合だけれど絞首台のボタンはダミーと合わせて3つ設置されており3人の刑務官がそれぞれを同時に押すことになっているとか。実際に作動させたのは誰なのか分からない様にして精神的負担を軽くしようとの配慮らしい。随分前にこの話を聞いた時は、ちょっとした衝撃だった。死刑を執行する側の気持ちを考えたことがなかったから。相手がどんな凶悪犯であっても法を執行するだけだと割り切ろうとしてもこれもまた「殺人」であることには変わりはない。物凄い矛盾。韓国では1997年12月30日に23人が死刑に処されたのを最後に現在まで死刑執行命令は下されていないそうだ。2009年に作られた、この映画は12年ぶりに死刑が復活したら…という物語。ちなみに韓国もまた絞首刑で>軍刑法では銃殺刑あり映像の様子では日本と同じ形式>ダミーを交えた複数のボタン☆★☆ネタバレあり☆★☆その理由は連続殺人事件の犯人が遂に捕まったものの罪の意識は全く伺えず、遺族に対しふてぶてしい態度を取り続けるので「死刑にすべき!」という世論が高まったため。群衆の中の一人としては、痛ましい事件が起こるたび死刑は必要だと強く思ってしまうのは事実なんだけどね…死刑というと何となく思い浮かぶ素朴な疑問。前日に自殺を図ったら―?殺すために命を助ける―?本番になって、どのボタンを押しても作動しなかったら―?実行されたのに、死ななかったら―?そういう場合が全て出てくるのが面白い。ただ、それらは全て件の凶悪犯の上に成就するからまだモンスターを見ている様な目で見ていられるのだけれどS・キングが書いていた長年刑務所にいる間に罪を悔い改め本来の人間性を取り戻しいざ刑が実行される時には“善人”に戻っている場合がある―という様なことを。まさに、その通りの囚人も登場する。刑務官の一人@キム刑務官との間に友情が芽生えてさえいる。まあ、ここは映画ならではのデフォルメだろうけどでも、映画だからこそ、ここに泣けた。その囚人が前夜遅くまで一生懸命作っていたクリスマス・プレゼントは多分、キム刑務官に向けたものだったろうから彼が手に取るところを見たいと思ってたんだけど、そこは全くスルーだった。でも、そこまで描いちゃうと過剰になっちゃうからかもね。で、その囚人が20年前に犯した事件―強盗殺人―の被害者はキム刑務官と同じ姓なんだけどここの関連性がボンクラひじゅににはよく分からなかった(^^;)その刑務官は一人暮らしの様だったしまさにその因果関係にあるのか?単に同姓というだけか>よくある姓ではあるし同姓というところに意味を持たせているのか>悔い改めの象徴?アホ過ぎて理解できなかったんだけど>スミマセンスミマセンでも、このエピは良かったと思う。オッサン同士ってとこが、また味があるしさ。とはいえ物語は新人であるオ刑務官の視点で描かれる。『プンサンケ』では野性的かつクールな男だったユ・ゲサンがここでは未熟で軽い若造を自然に演じている。「命」「殺すこと」という点で彼の恋人のお腹の子が重ねられるところが興味深い。彼の先輩であるぺ刑務官も良い味を出している。ひじゅにがキム・ギドク監督に惚れるきっかけとなった『悪い男』に主演していたチョ・ジェヒョンなんだけどこちらでは人間的弱さも醸し出していて、また違った魅力。彼は同期だった刑務官の死という悲しい過去を背負っている。この3人の年齢もタイプも経験も違う刑務官が執行者としての苦悩を象徴している。聞くところによると、韓国本国では公開初週にかなり良い成績を収めたのにも関わらず(ボックスオフィス全体の中で2位、封切り作の中で1位)7日目に交差上映が決定されてしまったそうだ。ボンクラひじゅには交差上映って知らなかったんだけど複数の作品を交互に上映することらしいつまりそれだけ観る機会が失われてしまうことになる。ヒットしないと決めつけられてしまった様なもの。いやあ、なかなか良い作品だと思いますよ。『執行者』 2009年/韓国監督:チェ・ジノ脚本:キム・ヨンオク出演:チョ・ジェヒョン(ぺ矯査)、ユン・ゲサン(オ矯導)、パク・イナン(キム矯尉)チャ・スヨン(ウンジュ)、キム・ジェゴン(ソンファン)、チョ・ソンハ(チャン・ヨンドゥ)☆トラックバックは何がなんだか…ひじゅに館へお願いします☆http://yakkunchi.blog90.fc2.com/tb.php/1436-54600c56☆応援クリック、よろしくお願い致します☆ にほんブログ村 人気ブログランキングへ blogramランキング参加中!DVDカムジャタンプンサンケ
2014.04.13
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私にとっての韓国映画黎明期>要するに、知り始めた頃に観た幾つかの作品を思い出した。台詞は少なく美しい映像の中淡々と日常が描かれていき途中でハッとする展開になったかと思うとまた静かに終わる―そこはかとない悲しみと仄かな温かさが残る。高校生の時妊娠出産した女性@ヘファと逃げてしまった男性@ハンスが5年後に再会。ハンスは死んだはずの2人の子供が生きていると言い出し…という物語。☆★☆ネタバレあり☆★☆美しい映像と書いたけど実はキモい描写も幾つか出てくる(笑)脱腸の犬切った爪を貯め込んでいるヘファヘファの部屋に落ちている犬の糞それを踏んで汚れたハンスの靴下…etc.でも、それらはヘファやハンスの捨てられない過去や5年経っても膿んだままの心の傷を象徴している様に思う。その脱腸の犬とヘファが重ねられている。脱腸の犬を保護しようと仕掛けた罠に自分がはまってしまうところがそれを示していると思う。ヘファも自分の一部分が外に出てしまったままいつ感染症にかかり命を危うくするか分からない状態。その犬が、かつて彼女が飼っていた犬の子供だとラスト近くに言うんだけどこのくらいの因縁話めいたものは韓国映画には十分あり得るけど(笑)でも、それが事実か否かなんて関係ないんだよね、きっと。彼女はそれで“過去”を取り戻した…ということなんだと思う。ハンスもまた立ち直れないでいた。彼を逃がしたのは彼の親で勿論、親としては、それが息子のためだと考えたわけでそうした気持ちも分かる。でも、ハンスは却ってそれで人生を投げ出してしまった。軍隊に行ったものの脚を怪我して帰ってきたのもずっと脚を引きずっている姿も彼の心の状態を形にして示しているものだと思う。彼の夢が、ヘファと子供と3人で食事をすること―というのが悲しい。最後に真相が分かるところは上記したのとはまた別の意味で韓国映画らしい。ただ事実が判明したというだけでなくそこで初めて、生まれた子供側の視点で語られたのが良かった。父親は逃げ出し母親は怖がって震えるばかり祖父母は子供を厄介払いすることしか考えていないその長い一日が過ぎた後あの子は逝ってしまった―↑このままの言葉じゃなかったけど(^^;)この言葉を聞いた時私もまた初めて、その子供の側に立ってあまりの哀れさに涙ぐんでしまった。その子が本当に生きていて、どこかに養子に出されていたならある意味“救い”にはなっただろう。ヘファ&ハンスも探し続ける…という生き方ができたかもしれない。でも、事実は事実…それをハッキリと認めたことで傷はやはり消えないだろうけど新たな目で自分の人生を見つめられるのかも?脱腸の犬と生まれたばかりの子犬達を車に乗せて走り出すヘファ。ハンスの横をいったん通り過ぎるも止まってギヤをバックにして後ろを見るヘファの目がだんだん潤んでいくところが美しかった。ヘファを演じるユ・ダインが良い。表情だけで複雑な心情を表現している。快活だった高校生時代と少し内に籠った感じの現在の姿を自然に演じ分けているし髪型や服装等で違った可愛さがあるのも○『ヘファ、ドン/Re-encounter』 2010年/韓国監督/脚本:ミン・ヨングン音楽:キム・ミョンジョン出演:ユ・ダイン(ヘファ)、ユ・ヨンソク(ハンス)☆トラックバックは何がなんだか…ひじゅに館へお願いします☆http://yakkunchi.blog90.fc2.com/tb.php/1429-4139c3e5☆応援クリック、よろしくお願い致します☆ にほんブログ村 人気ブログランキングへ blogramランキング参加中!DVD韓国版DVD>リージョンALL・英語字幕レスビー缶コーヒー>CMにユ・ダイン出演(このリンク先で観られるよ)
2014.04.06
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15年前に起きた連続殺人事件に関わる2人の男性―一人は、その事件が時効になった途端、マスコミの前に姿を現しその殺人についての詳細を書いた自叙伝を発表。ルックスの良さも相まってスターになっていく男性。もう一人は、婚約者を拉致され、その生死さえも分からない状態のままその事件を追い続けている刑事。…の物語。☆★☆ネタバレあり☆★☆まず、その殺人事件というのは『殺人の追憶』(ポン・ジュノの監督)で扱われているのと同じ実際に起きた事件が元ネタ。ああ、だから原題はズバリ『私が殺人犯だ』なのに、邦題は『殺人の告白』となっているのね。題材からシリアスな心理劇みたいなのを想像していたのだけど観てみたら、派手なアクションシーンがあり結構ハード、かつコミカルなもので「えっ、コレってもしかしてコメディだったの?」と驚いた(笑)後半はシリアスになっていくし、会話劇の要素も入る。ドンデン返しもあるし復讐譚に残酷描写に…と韓国映画らしい作り。良くいえばサービス精神満載のエンターテインメント作品になっている。悪く言えばちょい散漫かなあ…(^^;)サービスといえば“殺人犯”ドゥソクを演じるパク・シフ。そのルックスで人気が出ちゃう役なくらいだから実際にイケメンだった。写真で見た段階では「別に好みじゃないしぃ」って感じだったんだけど>ぉ 『王女の男』はチラ見程度だったし 『殺人の追憶』のソン・ガンホのファンだったりする私なもので映像では、やはり綺麗(^^)顔だけでなく、立ち姿も。ちょっと興味深かったのはプールのシーンでの水着姿は、まさにサービスシーンなんだけどそれだけでなく直後に続くカーチェイスシーンでは水着の上にガウンを羽織っただけなので美脚が丸見えになるのは勿論下側からカメラが追っていくという徹底ぶり(笑)終盤でのスーツ姿も長い&細い脚線美が際立っていた。―とセクシー美女を愛でるオヤジの様な鑑賞の仕方をしてしまった(*^^*)そのため、後半で登場する“J”という男性のキモさが目立ったな。これはこれでオイシイ役だな。そしてラストで刑事ヒョングが取った行動は賛否両論だとは思うけど…それは日本人の感性にとっては…かもしれない。復讐譚が多い韓国映画としては妥当だったかも?『殺人の追憶』の方はカタルシスのある終わり方ではなかったからね。それに対する一つの答なのかも?ヒョングの婚約者は女性として一番残酷な目に遭わされたと言えるからあれでも生易しいって気もするしな。それでもラストのあの写真はどうなのか?っちゅー気はする。まあ、ヒョングを肯定しているとか讃えているとかいうよりもそれまで反対され否定されてきた彼が、やっと受け入れられたってことかもしれない。少しは救いがなくっちゃね。『私が殺人犯だ』 2012年/韓国監督/脚本:チョン・ビョンギル出演:チョン・ジョエン(ヒョング)、パク・シフ(ドゥソク)チョン・ヘギュン(J)、キム・ヨンエ(スヨンの母)☆トラックバックは何がなんだか…ひじゅに館へお願いします☆http://yakkunchi.blog90.fc2.com/tb.php/1428-ceae7c11☆クリックしてね♪(3つも多過ぎ?)☆ にほんブログ村 人気ブログランキングへ 人気BLOGRANKDVDブルーレイ スペシャルBOXパク・シフ写真集
2014.04.05
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『アジョシ』『冬の小鳥』の名子役キム・セロンちゃん主演作ということで観た。大きくなったなあ…というのが最初の感想>親目線?【お話】知的障害のある父親と暮らす幼い姉妹。姉スニョンは家族思いのしっかり者妹スンジャはバービー人形に憧れる病弱でワガママな女の子。ある日、叔父マンテクを仲介しスニョンの方を養子にもらいたいというアメリカ人がやって来る。★☆★☆ネタバレあり☆★☆★いやあ、実は途中までエロい映画だと思って観ておりました>ぉスニョン達は小さな民宿を経営しているのだけどそこに中年男の一人客(イ・サンウ監督自身が演じている)がやって来るシーン「民宿にしちゃ高いな」とか「部屋にティッシュ持ってこいよ」みたいな台詞に『悪い女』(キム・ギドク監督)みたいに民宿を装った売春宿かしら?と疑ってしまった(^^;)まあ、後の方でその客がまた出てきて嫌がるスニョンを強引に部屋に連れていこうとしてスニョンの父親に殴られるシーンがあるのでそうじゃないってことが分かるのだけど(笑)でも、それって、比喩の一種でわざわざ韓国に養子を求めてやって来たアメリカ人父子の真の目的がそれこそ性的な意味合いを持つものであることを示唆しているのかな?と、またまた疑ってしまった(^^;) ↑ひじゅにの人間性が疑われるでせうか?でもさーあのアメリカ人、見るからに胡散臭いじゃん。父親は医者で家は裕福らしいんだけど>あまりハッキリとは描かれていないそんな風には見えないし寧ろ怪しい雰囲気だし彼の娘のバービーはスニョンと年齢は同じくらいなんだろうけど、ずっと大人っぽく色っぽい。まあ、西洋人と東洋人の違いはあるだろうけど。ついでに言うとスニョンもクラスメート達も、バービーのことを「黄色い髪の女の子」と呼ぶのだけどバービーは別にブロンドじゃないし>ぉでも、父子のシーンも何となし実の父子というより、幼い愛人みたいに見えてしまった。スニョンと仲良くなるのもバービーの方が必要以上にスニョンを追い求めてるって感じで同じ年頃の女の子と接する機会がないのかも…あまり自由な環境じゃないのかも…と邪推してしまった。 ↑ひじゅにったら、どんだけ~(古)で、この胡散臭さは全く別の意味を持っていたのだってことはすぐに分かる仕組みになっているんだけどね。オチが見えて来た時姉と妹という関係もスンジャが病弱という設定もスッと理解できる様になっている。ちょっと気になったのは叔父のマンテク(イ・チョニ)が最初、スニョンを養子に出そうとしていた時は積極的だったのにスジョンに切り替える話が出たらかなり躊躇していたこと。スジョンの方に思い入れが強いみたいに感じられるけど別にそういう設定もなさそうだった。まだ年齢的に幼いことと病弱なこととで憐みが増したってことなのかな?自分の娘のために幼い命を犠牲にしようとしているアメリカ人よりもこのマンテクが小悪党ぶりを発揮していてオイシイ役どころだった。彼が物語を引っ張っていた、と言える。根は悪い人物ではないし、罪悪感も抱いているけれど最後は結局、入手したお金で新車を買いに行ったりしてやっぱ、ダメダメな奴だな…ってところが面白い。キム・セロンちゃんは繊細な演技が良かったけどやはり目立つのはキム・アロンちゃんかな。ちょっと嫌な子で、でも実は必死で…みたいなスジョンを上手く演じていたと思う。セロンちゃんの実の妹だそうで何と達者な姉妹だ!って感じ。日本でも白人至上主義みたいな人がいる様に韓国もアメリカ=夢の国と盲目的に受け取る人は結構いるのかもな。逆にアメリカの方は東洋を少し見下している様子。たまたま闇ルートがここにあったとか自国から遠いので足が付き難いとかってのもあるだろうけど自分達より少し下の人間(少し動物に近い存在)と見なす部分がどこかにあるからこその行為じゃないかなあ… ↑全てのアメリカ人がそうだと言っているわけではないぞそうしたコンプレックスと非情な現実を皮肉っぽく描いた作品。実話ベースという噂だけど、確かにリアルにありそう。子供の頃、バービー人形にはどうも馴染めなかった。少女マンガっぽい顔のリカちゃん人形には抵抗はなかったけどバービーは大人っぽくセクシーで別世界の存在に見えた。アメリカの表面上の(もしくは、イメージ上の)華やかさ自分とは明らかに違う世界の違う存在…という感覚上手く言えないけど憧れるけれど、心を許しきれない…感じ?そうしたものがバービー人形に絶妙に象徴されていたと思う。『バービー』 2012年/韓国監督/脚本:イ・サンウ出演:イ・チョニ(マンテク・叔父)、キム・セロン(スニョン)、キム・アロン(スンジャ)Cat Tebo(バービー)、Earl Jacson(スティーブ)、チョ・ヨンソク(マンウ・父)☆トラックバックは何がなんだか…ひじゅに館へお願いします☆http://yakkunchi.blog90.fc2.com/tb.php/1394-96c0bee5☆クリックしてね♪(3つも多過ぎ?)☆ にほんブログ村 人気ブログランキングへ 人気BLOGRANKDVDバックパックソーセージ
2014.03.08
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カン・ドンウォンVSコ・ス想像していたのとはちょっと違ったけどこれはこれで面白かった。★★★ネタバレあり★★★どんな想像をしていたのかというともっと暗くシリアスな作品だと思っていた。カン・ドンウォンのあの表情からいって彼の超能力を持って生まれてしまった故の苦しみとその超能力が通じない唯一の存在であるコ・スとの悲劇的な友情物語…みたいな。でも、全然違うというわけではなくコミカルな要素とアクション・シーンを盛り込むことに重きが置かれて陰鬱なムードは押しやられてしまったな…という感じ。最初はカン・ドンウォン@チョインの子供時代から始まる。そこは暗くてシリアス。でも、コ・ス@イム・ギュナムが出てると途端にノホホンとした雰囲気に変わる。この対照を見せたかったのかもしれないけれど視点がほぼギュナムに移ってしまって(W主役というより彼が主役でチョインが悪役という形になってしまって)ギュナムの明るさ、能天気さ、正義感、真面目でお人好しでちょっとおバカな熱血漢…という様なキャラが前面に出てくる。だから、もしかしたら最初の意図とは違う作品になってしまったのかも…なんて疑惑も湧いたりなんかしちゃうのだけどそして実際チョインの内面をもっと出して文字通りの対決だけでなく、双方の心の葛藤を深く描いていたらもっと面白かったかもしれない…なんて思う気持ちもないではないんだけど個人的にはギュナムのキャラが可愛くて、ボバとアルという親友達との関係が素敵でコメディタッチとよく合っていて、楽しく観ていられた。まあ、だからこそ、ボバとアルの最後は「何で何で~!?(涙)」と思っちゃったんだけどさ(^^;)もう最後まで、どんでん返しを期待してたんだけどダメだったな…車の中に2人で現れたところは良かったけどね。でも、これは必要なことではあったんだよね。ギュナムが行動したのは、最初は社長を殺されたからだし彼の能力が加速度的に強くなっていったのも今後の自分の生き方についてチョインに言った言葉も大切な人の死があるからこそ。あの質屋の名前が“ユートピア”というのは象徴的。ギュナムが「イム代理」と名乗り続けたのも。ある意味、ギュナムの成長物語とも言えるな。登場した時は、てんでボンクラ青年だったんだものね。チョインの方はどうなのか、というと…もうちょい重きを置いて描いてくれても良かった、という気もするけどじゃあ描写不足だったかというと、そういうわけでもない。子供時代のエピで、彼の立場や苦しみというものが十分伝わってきたしそれからイキナリ年月は飛んだけど持ち歩いているフィギュアを見るだけでも孤独感が伺える。あれだけの能力の持ち主なのにチマチマと窃盗を繰り返しているだけなのはただ生きていくためだけだったのだろう。「世界の帝王に俺はなるっ!」宣言してもオカシクないのにそういうところには興味がないのだと思う。母親に再会するシーンも泣けたしね。彼にとって他の人間達は物と同じだったろうし他の人間達は彼の存在を知ることもできなかっただろう。だから本当は、ギュナムとこそ友情が芽生えて然るべきだった。でも、そうできず、寧ろどんどん悲劇の方向に事態は進んで行った。あまりにも悲しい物語だったと思う。『超能力者/HAUNTERS』 2010年/韓国監督・脚本:キム・ミンソク出演:カン・ドンウォン(チョイン)、コ・ス(イム・ギュナム)☆トラックバックは何がなんだか…ひじゅに館へお願いします☆http://yakkunchi.blog90.fc2.com/tb.php/920-993238af☆クリックしてね♪(3つも多過ぎ?)☆ にほんブログ村 韓国映画 人気ブログランキングへ 人気BLOGRANK☆ドラマ&映画感想は「REVIEWの部屋」に色々置いてあります☆やっくんちDVD韓国版ブルーレイ韓国版OST
2013.02.03
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子を思う母と母を思う子…というと綺麗なんだけど(^^;)★★★ネタバレあり★★★手塚治虫のファンだからか生前はぶつかることも多かった母を失くして久しいからか母の愛は至高…という思いがある。時には狂気にもなり得るけれどだからこそ美しい…と。でも、この作品に登場する母親はう~ん、微妙(^^;)つーかそこまで行ったらマズイっしょ…って感じ(笑)でもまあ、世の“毒親”よりは遥かにマシ、つーかマトモ…なのかもしれない。“母親”という意味では。主人公ユニは心臓病の娘を抱えるシングルマザー。娘イェウンは心臓移植をしなければ明日をも知れない状態。そんなある日、臓器ブローカーから紹介されたのは“生きている”臓器提供者。何かあって死んだ時に…とか既に脳死してしまったから…とかではなく生きているうちに心臓を取り出して売りたい、という申し出。家族にお金を送るのに、もうそれしか手段がない、と。その時まで、ユニは何とか理性を保っていた。この申し出を断るだけの分別があった。でも、それが引き金というか彼女の意識を緩ませるきっかけとなった。お金で命は買えるのだということ―そのお金は遺された家族のためになるのだということ―そして勿論、実際に容体が急変した娘を目の当たりして彼女の理性は吹き飛んでしまう。ちょうど上手い具合に娘と適合する瀕死の女性が運ばれてきてまだ、辛うじて息がある彼女から何としてでも心臓を奪おうと。ということで子供のために鬼になるユニの姿が描かれるのだけどそれがあまりに強引で傲慢で「母の愛」なんぞと甘いフィルターをかけて見ることなど、とても出来ない(^^;)それを強調する様に母の命を守ろうとする息子が描かれる。この息子@ヒドとユニの対決が物語の中心になるわけなんだけどつまり第三者である観客にとっては、どちらが良いとも悪いとも言えない状況でジレンマを抱えつつ顛末を見守る…というのが正しいあり方かと思うんだけどヒドの気持ちは切なく伝わってくるんだけどユニの気持ちはどんどん遠ざかるばかり…どうしても偏った見方になってしまった。ま、結局のところ子供の言葉に我に返るんだけどさそれでもヒドに対し、悔い改めの言葉を述べたと思ったら「イェウンが死んだら後を追えば良いことよね」とまで言っちゃうなんておい!と説教したくなっちゃったよ>ぉそれに、ヒドの母親は最初から助からないとは言われていたもののあそこで亡くなってしまうのは、やはりユニが引っ張り回したからじゃ…と疑っちゃうしさ>言い過ぎ?ラストのユニの複雑な表情も…解釈分かれそうな気がする。様子からして既にわだかまりはなくなってもう何度も仲良く過ごしている様子なのであそこで悲しい顔やショックを受けた様な顔をしたら却って変だろうけど何かなあ…ヒドの方は生活の改善も見られたし辛い思いをして人間的に成長したね!って感じで彼にとってはハッピーエンドだと思う。でも、もしかして表面上は思う通りに行ったユニの方が今は寧ろ葛藤の中に生きていて内面が物凄く(良い方に)変わった…と好意的解釈をすべき?いずれにしろ母は強し!それは間違いない。ヒドの母親も含めて…ね。『心臓が走る』 2011年/韓国監督・脚本:ユン・ジェグン出演:キム・ユンジン(チョ・ヨニ)、パク・ヘイル(イ・ヒド)☆トラックバックは何がなんだか…ひじゅに館へお願いします☆http://yakkunchi.blog90.fc2.com/tb.php/896-184547af☆クリックしてね♪(3つも多過ぎ?)☆ にほんブログ村 韓国映画 人気ブログランキングへ 人気BLOGRANK☆ドラマ&映画感想は「REVIEWの部屋」に色々置いてあります☆やっくんち 【23%OFF!】【送料無料】ハートビート 【DVD】 映画『ハーモニー』のキム・ユンジン、映画『10億』のパク・ヘイル出演の『対決(心臓が脈打つ)... 【送料無料】神弓ーKAMIYUMI- ブルーレイ&DVDセット(2枚組)【Blu-ray】 [ パク・ヘイル ]
2013.01.17
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韓国三大未解決事件の1つ「城西小学生失踪事件」をベースに描いたもの。ちなみに、他の2つは「華城連鎖殺人事件」→『殺人の追憶』(ポン・ジュノ監督)「イ・ヒョンホ君誘拐殺人事件」→『あいつの声』(パク・チンピョ監督)と、それぞれ映画化されている。といっても『あいつの声』は未見。日本ではDVD化もされていないらしい(ソル・ギョング主演なのに)で、この『カエル少年』だけど「カエルを捕まえてくる」と言ってでかけていった5人の少年が行方不明になったことからこう呼ばれているそうだ。1991年3月26日、大邱広域市達西区でのこと。全く糸口がつかめないまま、2002年9月になって臥竜山で白骨死体として発見され2006年3月に時効が成立した。映画の主人公カン・ジスンはTVのドキュメンタリー番組のプロデューサーで大きな賞を取るも実は「やらせ」で失脚。返り咲くために、このカエル少年事件を利用しようとする。何だかイマイチ胡散臭い説を説く大学教授ファン・ウヒョクと共に。ちゅーことで、最初からあまり良い雰囲気が漂っていないのだけどそれならそれで徹底して彼らを悪っぽく描けば面白かった可能性もあるかも?実際はジスンが中途半端に“善人面”していたのが難だった気がする。ファン教授の方は前半における失敗で仕事もクビになり落ちぶれてそれでも自説を曲げなかったりして、ちょっとばかり面白味があるんだけどジスンは特にお咎めもなく、子供まで生まれて、すっかり“普通の生活”をしていてファン教授に冷たい視線を向けるだけだったりしてナンダカナ…と思ってしまった。前半はジスン&ファン教授が子供の一人の両親を犯人と決め付け強引な捜査をするのがメイン。ファン教授ったら、最初は選挙に関連した事件だという推理を披露していたのに次にはその両親の小さな動きに大きな推理(という名の願望?)をして結局、証拠も掴めず大失敗。これは、かなり酷いなあ…と思ったんだけどファン教授の推理を聞いていると、もっともらしく感じてしまってある意味、ベタなミステリー作品への皮肉?なんて思ってしまった(^^;)それと、ドキュメンタリータッチというのか、あまり起伏のない描き方である意味、事実である重みを感じられた気もするけどあまり引き込まれもしなかったって感じ>スミマセンスミマセン『殺人の追憶』は緩~いギャグと緊迫感あるシーンとで上手いこと緩急つけてたなあ…と改めて思った>比較してスミマセンスミマセンでも、皆が帰った後の両親の憔悴ぶり特に父親が「皆があの子を死んだものとして語っていた。誰一人違うと言ってくれる人はいなかった」と言って嘆くところには涙ぐんでしまったよ。親心だよなあ…と思って。後半は犯人とおぼしき人物が登場する。おぼしきっちゅーか、ありゃあ完全に犯人として描いているよね。もうイカニモ怪しく、イカニモ変態。ジスン自身の子供が狙われて彼と犯人との格闘シーンまであるんだけど…現実には未解決事件と分かっているのでここまで“ドラマチック”に描かれると却ってシラケる(^^;)前半とトーンが違ってきちゃうしさ。まあ、何も分からないまま…より嘘でも犯人をハッキリ見せた方が映画としてはスッキリするのかもしれないけどでも、結局、捕まらないままだしな…つーか、本当の本物の犯人がこの映画を観たら嘲うんじゃないかと思うと余計に悔しい気持ちになる>私だけ?『殺人の追憶』でも犯人らしき人物は出てくるけどここまでハッキリ描いてないものな。あの曖昧さがちょうど良かったっていうか、ギリギリの線だった気がする。あ、また比較してしまった>スミマセンスミマセンでもね、その後にまた前半で疑われた両親が、疑われるに足る行為をしたことを告白するんだけどそれがまた親心の発露でさ…やっぱほだされるのよ。そしてラストシーン。癌で他界した父親が失踪した時の姿のままの子供達と一緒に山を歩いていく幻想が描かれてここはもうマジで泣けてしまった。反則だぞ!アザトイじゃん!とツッコミを入れながらも、やっぱ泣けてしまったんだよ…『子供達…』 2010年/韓国原作:キム・ガウォン監督:イ・ギュマン出演:パク・ヨンウ(カン・ジスン)、リュ・スンニョン(ファン教授) ソン・ドンイル(パク刑事)、ソン・ジル(チョンホ父)、キム・ヨジン(チョンホ母)☆トラックバックは何がなんだか…ひじゅに館へお願いします☆http://yakkunchi.blog90.fc2.com/tb.php/818-792021c1☆クリックしてね♪(3つも多過ぎ?)☆ にほんブログ村 韓国映画 人気ブログランキングへ 人気BLOGRANK☆ドラマ&映画感想は「REVIEWの部屋」に色々置いてあります☆やっくんち↓DVD↓原作(韓国語)↓同じ監督の作品(感想は「やっくんち」にあるよ)
2012.11.20
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「隣の家のおじさんだ」韓国映画というと美男美女による甘いラブストーリーを真っ先に思い浮かべる人が多いかもしれませんが実は容赦ないバイオレンス描写こそが真骨頂。この『アジョシ』は美形ウォンビンを迎え、かつハードなアクションものにしたという点でその両者の美味しいとこ取りをした作品と言えるかも?まあ、この両者を軽やかに行き来しているイケメン俳優は多いのですけどね。イ・ジョンボム監督は最初、日本の北野武をイメージして、この物語を書き上げたのだそうです。でも、いざ映画にしようとすると韓国には武の様な俳優がいないことに気付き少し年齢を下げてソン・ガンホやソル・ギョングで行こうと考えたらしいですがウォンビンが是非ともやらせてほしいと自ら売り込んできたとかでさらに設定を変えて、彼主演で作ることにしたのだそうです。ガンちゃんやギョングッシでも、かなり面白いものが出来ただろうなとちょっぴり惜しい気もしないではないですがでも、やっぱり、ウォンビンで大正解!と思います。若いだけあってアクションが華麗。美しい!彼以外はイケメンが外国人殺し屋以外いない、という潔さも良いです(笑)そして、彼以外で唯一の美形であるその殺し屋は、一目で彼の凄さを察知し仕事を超え、彼と一騎打ちをすることだけを望んで動くのです。この、そこはかとないホモ・ソーシャル感がまた良し(笑)とはいえ、私は彼ではなくキム・セロンちゃん目当てで観たんです。『冬の小鳥』での演技が本当に素晴らしかったから。この手の映画というと『レオン』が有名ですが、不勉強の私は未見です。でも、似た設定は結構ありますよね>『レオン』フォロワーかもしれませんがで、個人的に、こーいう設定の子役って孤独感とか影とかを背負っているけれど本人は強いふりをしているので登場時は生意気さが前面に出ていて、ちょっと嫌な印象を受けたりしてそれから段々事情が分かっていって感情移入できるようになる…というイメージがあるんですけどセロンちゃんは最初、暗がりの中からお喋りしながらスッと出てくるんですがただそれだけで、孤独感も影も強がっている様子も根は純粋な子だということもそしてウォンビンを心から慕っている様子も、親しくできているのは彼だけとういうのもつまりはソミという女の子を、その全身から漂わせているんです。最初に画面に映ったところで、観客の心をすっかり掴んでしまうんです。やっぱ、凄いよ。まあ、『冬の小鳥』のイメージも加わっているから…とも言えるしまた、あれをこなせた彼女だから今作の役なんてチョロいもんだっただろう…とも思えます(笑)ウォンビンの初登場シーンは買い物をしているところで大きなソーセージを手に取って吟味して、店のオバサンに怒られる姿でした。どれも同じ様なソーセージをいちいち持ち上げて選んでいるところから「そんなにソーセージが好きなんかい?」と言いたくなるんですけど(笑)後のシーンで、ソミが店に訪ねて来た時、窓口から見える様にワザとソーセージを動かして「あ、この子のために買ったのか」と分かるところが微笑ましいです。今迄この2人は何度もこの様に一緒に食事したりして同じ時を過ごしてきたんだなソミは彼を慕い、彼もまたソミを可愛く思っているんだな…というのが一瞬にして伝わってきます。食べ物の扱い方によって、その人物の性質や立ち位置が分かる、というのはいわゆるフード理論として知られているものですが私はまだ詳しくはないので、それにどの様に当てはまるのか断定はできないのだけれど印象的なシーンが2つありました。一つは上記のソーセージでもう一つは悪役のマンソク兄弟がデリバリーのお寿司を食べるシーンです。ソミの母親の愛人を無残に殺した後、部下達が死体を片付けている傍らで2人はお寿司を広げます。その際、兄のマンソクがお寿司を一個、さり気に弟の器に入れてやるんです。で、弟は当たり前の様にそれを食べます。ネタは何なのかよく見えなかったけれど、弟の好物で兄もそれが好きなのか逆に苦手なのか分からないけど弟が好きだってことは知っていてそうやっていつも弟にやっていたのだろうな…悪人なんだけど、兄弟の間は愛情で結ばれているんだな…と伝わってきて彼らのキャラが立体的に描かれていたと思います。後はとにかくアクションが面白いです。色んな武器や色んな武術が取り入れられていて相手の手を噛む等、手段を択ばないところも実戦らしさが見えて細かい演出が良いです。贅沢を言えばテシクが髪を切るシーンはとてもカッコイイんですけどどうせなら髪だけでなく服装もあそこで一新して変身ぶりをもっと強調させても良かったかな…いや、それこそ贅沢だな(笑)ケースに入った目玉を見せられた時、テシクが感情を露わにするんですけどちょっと早過ぎたかな…でも、あそこは盛り上がるところだからな。ラストでソミを抱きしめるところは、ちょっと情緒的過ぎたかな…まあ、泣かせのシーンだからな。という程度でしょうか(笑)ソミの万引きを見て見ぬふりをしてくれた雑貨屋のオジサンも良かったです。犯罪組織の一員の老婆のふてぶてしさと面白い対比。(しゃあしゃあとカップ麺を食べてる老婆の表情が素晴らしかったね)で、ラストで、そのオジサンの店でソミにバッグを買ってやるところに繋がるのが良いです。これから一人で生きていかなければならないソミだけどああいうオジサンがいると思うと、少し希望が伺えるし。で、“オジサン”繋がりだし>ウォンビンとは全然違うけど(笑)あ、そうそう、それからウォンビンは最初、顔が隠れるほどのボサボサ長髪なんですがムサいどころか甘い雰囲気さえ漂わせています。髪を切ると精悍になります。そして回想シーンでの少し昔の姿は現在よりも少しふっくらして幾らか子供っぽさを残しています。ここのとこ、さすが!と感心しました(^^)『おじさん/The Man from Nowhere /Thin Man』 2010年/韓国監督/脚本:イ・ジョンボム☆トラックバックは何がなんだか…ひじゅに館へお願いします☆http://yakkunchi.blog90.fc2.com/tb.php/661-8f32eae9☆クリックしてね♪(3つも多過ぎ?) にほんブログ村 韓国映画☆ドラマ&映画感想は「REVIEWの部屋」に色々置いてあります 【送料無料】アジョシ スペシャル・エディション【Blu-ray】価格:3,982円(税込、送料別) 【送料無料】アジョシ ウォンビン・エディション【初回限定生産】価格:4,914円(税込、送料別)
2012.07.15
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エリ、エリ、ラマ サバクタニ「我が神、我が神、何故私をお見捨てになりましたか」(マタイ27:46)父親に捨てられた9歳の女の子の物語―ウニ・ルコント監督の実体験がベースになっているそうだ。イ・チャンドン監督が制作に関わっているというだけでも観る価値があると思う。★★★ネタバレあり★★★幾らでもドラマチックに、お涙頂戴に仕立て上げることもできる題材なのに寧ろ盛り上げることを拒否するかの様な淡々としたドキュメンタリー風の語り口で描いている。冒頭、父親と過ごすジニ@主人公の楽しそうな笑顔が映る。それこそ説明なしに。でも、ジニが心から父親を愛し信頼していることは伝わってくる。その笑顔は本当に子供らしい自然で可愛い笑顔。その笑顔を、ジニはすぐに失うことになる。父親に連れて行かれたのは孤児院でジニを置いて、父親はそそくさと帰ってしまう。父親役はソル・ギョングなんだけどこの時にのみチラリと映るだけで後は顔が一切出てこない。贅沢な使い方と言えるけど彼の様に有名で存在感もある役者だからこそ生きる手法かも。こうして捨てられたジニが戸惑ったり苦しんだり反抗的になったり絶望したりした後再生していくまで描かれている。原題の「旅行者」は、ジニや彼女の様な立場の子供達が何処に行っても異邦人であることを示しているのだろう。邦題の「冬の小鳥」は、ジニと初めての友達が拾った傷ついた小鳥を示すと共にその小鳥に重ね合せたジニ自身を表しているのかも。「天才子役」という言葉は日本でもよく耳にはするけれど達者故に、または環境故に内面は大人びてしまった子供が演技で子供らしさを表現するそんな「天才子役」は多くいる気がするけれどジニを演じるキム・セロンは、そんな言葉では表現しきれないと思う。彼女の演技はとても自然で、本当にジニという子供がそこに生きているかの様。例えば唯一、説明的な台詞を彼女が言うシーン。彼女なりに考えた“捨てられた理由”を語るんだけど全くもって演技臭くない。もう、ここんとこ泣ける。少ない情報からでも観客は、彼女の父親が新しい妻とその間にできた子供を優先しそのために邪魔なジニを排除したのだ…というのが分かるのにつまりそれは大人の勝手な理由であるのにジニは自分のせいだと考える。子供ってそうなんだろうなと思う。どんなに虐待されても、親を信じ、親を慕う。親の仕打ちは自分が悪いからだと考える。例えば死んだ小鳥を埋めた地面を再び掘り返し出てきた死骸を放り投げさらに深く掘った穴に自分自身を埋めようとするも苦しさに耐えきれす挫折するシーン。あの目、あの表情…凄いよキム・セロン!ところで、この穴に一旦埋まるエピだけどそのずっと前の方で僧職者が上記のキリストの言葉を語るシーンがある。キリスト教系の孤児院なので。意味と場合は違うにしろ、死と復活という点においてジニとキリストを重ねているのだと思う。穴に埋まったジニは、それまでの生き方の面で死に“大人”になって復活する。絶望が彼女を大人にする…何て皮肉。いや、現実ではある。でも、それでもこんな小さな子供が、こんな形で“子供”であることに決別させられるなんて…孤児院に来て以来、笑ったことのなかったジニが皆で写真を撮る際に初めて笑顔を見せるんだけど冒頭の父親と一緒の時の笑顔とは明らかに違うんだよね。まさに大人が浮かべる作り笑顔。こうして“大人”になった時、ジニに引き取り手が現れるというのも皮肉。ウニ・ルコント監督と同じくフランスに養子に行くことになったジニ。フランスに向かう飛行機の中でジニは父親の夢を見る。でも、やはり父親の顔は映らない。覚えているのは、その背中の温もりだけ…ここがもう、死にそうなくらい泣ける。監督がどんな人生を歩んだのか知らないけれど今、こうした映画を撮ってるくらいだからそれなりに希望を持てる生活をしてきたってことだよね?だからジニにも希望が待っているということだよね?そう思わないと、観ているこちらが立ち直れない。韓国では、この様に外国に養子に出す例が多いのだとか。それを初めて知ったのは、ムン・ヒジュンの『Alone』という曲を聞いた時だった。『旅行者/A Brand New Life/Une Vie Toute Neuve』 2009年/韓国監督/脚本:ウニ・ルコント制作:イ・チャンドン出演:キム・セロン(ジニ)☆トラックバックは何がなんだか…ひじゅに館へお願いします☆http://yakkunchi.blog90.fc2.com/tb.php/642-04cefc99☆クリックしてね♪(3つも多過ぎ?)☆ にほんブログ村 韓国映画 人気ブログランキングへ 人気BLOGRANK☆ドラマ&映画感想は「REVIEWの部屋」に色々置いてあります☆やっくんち 【23%OFF!】冬の小鳥(DVD)価格:3,072円(税込、送料別) [DVD] アジョシ スペシャル・エディション価格:3,112円(税込、送料別)
2012.06.28
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「太陽が高く昇ったら影は消えるんだ」私の『白夜行』体験はTVドラマ版(綾瀬はるか、山田孝之、武田鉄矢)*ところどころ視聴↓映画版(堀北真希、高良健吾、船越英一郎)↓本作の順で、原作は未読>ダメじゃん聞くところによると、原作は主役2人の心情を細かに語ってはいないそうでミステリーとしては、その方が面白そうです。この点では映画版が一番近いそうです。TVドラマ版は敢えて2人の心情を描くことをテーマにした様です。私も、その描き方に惹かれました。そして本作は、その中間という印象でした。物語的には時間の関係か真ん中部分をスパッと省略してしまったのが残念ですが全体に漂う雰囲気とか衝撃度はかなり良いんじゃないかと思います。なので、3作揃うことで互いに補い合い立体的な作品になっていると言えるかも?本作はまず『白鳥の湖』から始まります。美しい旋律の中に女性の喘ぎ声がチョコっと挟まれたかと思うと画面はいきなりミホ(原作では雪穂)のベッドシーンになりそれと交互にヨハン(原作では亮司)による殺人シーンが映ります。この導入部は上手いと思いました。2人の武器、2人の罪、2人の苦悩、2人の生き方はまさにここに象徴されています。本来は小説『風と共に去りぬ』がキーになっているのでしょうけどTVドラマ版も映画版もそこを見逃してしまったらしく、あまり印象に残っていない私です。でも、この『白鳥の湖』は強烈に耳に残りました。映像化する際、小説ではなく音楽を用いると言うのは良い手だと思います。白く美しい白鳥。優雅に泳いでみせているけれど水面下では激しく脚を動かしている白鳥。対照的な存在である黒鳥。その二者を完璧に踊ろうとして心を壊して行くヒロインを描いた映画『ブラックスワン』。色んなことを連想させます。ソン・イェジンは作り笑顔がシタタカでもあり痛々しくもあり二面性のあるヒロインをよく体現していたと思います。コ・スも影のある佇まいや苦悩の表情が良かったです。刑事役のハン・ソッキュもハマり役だと思います。実を言うと、この前の出演作『目には目、歯には歯』で髪のせいか老けちゃった上に役に必要なオーラが足りない…と失礼な感想を抱いてしまったもので(その内もう一度観るつもり。観たら感想変わる自信はあります^^;)今回は若返った感じがしました。映画版での刑事はラストでようやく逢えた亮司に自分の息子になってくれと訴えるんですが非常に唐突に感じました。長い年月追い続け夢想してきた相手に身内の様な情を抱く様になる…というのは、まあ分かる気はするのですが、そこのところをもっと深く描写してくれないと感動に結び付かないと思いました。ボンクラな私なので刑事の私生活を描いた部分を見逃したか忘れているだけかもしれないですが(^^;)で、本作ではハン・ソッキュは最初の殺人事件で自分勝手な捜査をしたために一人息子を亡くしてしまうのです。ここは見逃しませんでした(笑)息子に約束した自転車を買ってやれなかった彼は自分も乗れないまま現在に至るのですけれどミホ&ヨハンに辿り着いたあたりで自転車の練習を始めるのです。映画版の様に「息子になってほしい」なんて台詞は一切ないんですけど寧ろ銃を突き付けてヨハンを追いつめたりするんですけど却って複雑な彼の心境が迫ってくる様な気がしました。ラスト、ヨハンがミホのすぐ傍に落ちてくるというのが韓国映画らしいドラマチックな演出だなと思いました。それと、子供時代のミホが映画版やTVドラマ版よりも年齢が上なのも殺人よりもヨンウン(ミホの結婚相手の娘)をレイプすることにヨハンが何よりも苦悩した描写にしたのもこうした部分に日本よりもデリケートだからかな…と思いました。反面、他のベッドシーンは濃厚なんですけどね。ラスト、高校時代のミホ&ヨハンがベンチに離れて座りながらも寄り添っているかの様な写真を撮るところ全編を通じて初めて2人が幸せそうな笑顔を浮かべているところが実に切なかったです。『White Night』 2009年/韓国原作:東野圭吾監督:パク・シヌ出演:ハン・ソッキュ(ハン・ドンス刑事)、ソン・イェジン(ユ・ミホ(柳迷湖)) コ・ス(キム・ヨハン)☆トラックバックは何がなんだか…ひじゅに館へお願いしますhttp://yakkunchi.blog90.fc2.com/tb.php/597-951e0c22☆クリックしてね♪(3つも多過ぎ?) ☆ドラマ&映画感想は「REVIEWの部屋」に置いてあります 【送料無料】白夜行ー白い闇の中を歩くー【Blu-ray】価格:3,652円(税込、送料別) 【28%OFF】【スプリングセール】[Blu-ray] 白夜行価格:3,553円(税込、送料別) 【送料無料】【ポイント3倍映画】白夜行 完全版 DVDBOX価格:16,758円(税込、送料別)
2012.05.24
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『キム・ボンナム殺人事件の顛末』という原題の通りメインの物語はボンナムという女性をヒロインとしたもの。その前後は、彼女の幼馴染であるヘウォンという女性が中心になっている。だから最初はヘウォン=ヒロインかと思われたのだけれどこれがさ…イマイチ感情移入できない、ちょい嫌な女なんですわ(^^;)でも、彼女を配したことで真の悪とはもしかして…と考えさせられる。ここに深みがあると思う。★★★ネタバレあり★★★出だしはちょっと『スペル』(サム・ライミ監督)に似ている。女性銀行員が貧しい年配女性の嘆願を規則を盾に断る…というところが。あちらでは、そのためにヒロインが恨みを買い、その顛末がメインのお話。こちらは、その問題は同僚が客の要求が叶うよう上手く進めてくれたしメインの物語はそれとは直接関係ない。要は、彼女@ヘウォンの人となり。いわゆる悪人ではない。親切心とか憐れみがないし、自己保身が強いっていうのかな…もう一つ、警察で事件の証人となるエピがあるのだけれど容疑者にすぐ正体がバレてしまうという体たらくで>韓国映画名物“無能な警察”それで怖くて逃げてしまう、というのは、仕方ないっていうか少なくとも責められないことだと思うんだけどね(^^;)でも、銀行での出来事は彼女が他人のために親身になって何かをしてあげる…ということが出来ない人というのを示している。上司に勧められ休みを取ってヘウォンは生まれ故郷の島に帰る。ここからがメインのお話。たった9人しか住んでいない小さな島。後の方の台詞で、嵐で多くの島民が亡くなったらしい。ヘウォンを歓迎してくれたのは幼馴染のボンナムだけ。彼女は同じく幼馴染のマンジョンと結婚しヨニという娘もいて一見幸せそうだった。でも実は皆から虐待されていた。休む間もなく働かされ、暴力や暴言にも晒され、夫の弟からも性的関係を強要されていた。後の方になって語られたところによると、昔から島中の男性にレイプされておりヨニの実の父親は誰だか分からない状態らしい。それでも必死で耐えていたボンナムだったが夫が幼い娘を性の対象としていることに気付き、遂に島から逃げることを決意する。でも、失敗に終わり、酷い暴力を振るわれ、それを止めようとした娘が殺される。そして、ボンナムは悪魔に化身する。まあ、ここまで来るとボンナムに感情移入しないではいられないからその後に続く暴力シーンは、スカッとするとまでは行かないにしろ>残虐だからね否定的にはなれなかったりする。だから、ここまでは良かったんだけどひとり逃げ出したヘウォンを追いつめて、2人の対決をクライマックスに持ってきたのは私的には微妙…だったな。だって、ボンナムがまるきりモンスターになってしまってたから。ヒロインの座がヘウォンへと戻り、ヘウォンがボンナムをやっつけてメデタシメデタシ…みたいな、アメリカ映画によくありそうな展開だった。最後の最後で、読むこともしないまま放っておいたボンナムの手紙を読みヘウォンの中に少しばかり変化が生じた様子を見せて終わりにしたのは纏まりとしては良いと思うけどね。ボンナム中心の物語は閉鎖的な社会でのドロドロした人間関係や風習を告発している。ここだけでも凄い内容になっている。でも、ここにヘウォンを絡めることで、もっと広く大きな問題が描かれている。チラリ出てきた子供時代の様子ではヘウォンは普段はボンナムに優しくしていたけど、いざとなると自分だけ逃げていた。ヨニが殺された時、ヘウォンは遠目にそれを目撃していたけれど警察には何も見ていないとシラを切った。ボンナムの辛い毎日を薄々察していた様子だったのに何も言わなかったし島を出てソウルへ行きたがるボンナムの願いにもマトモに耳を貸さなかった。これが彼女の罪。ボンナムにとってはヘウォンは憧れであり希望であり、もう一人の自分でもあったのだろう。ヘウォンはそれを裏切った形となった。暴力をふるう等の直接的な“悪”を行う機会はあまりないかもしれないけどヘウォンの様になる可能性は誰でも持っているよね。そういう意味ではヘウォンが断罪されない終わり方で良かったのかもね。でも、その分、心に重いものが残った。『キム・ボンナム殺人事件の顛末/Bedevilled』 2010年/韓国監督:チャン・チョルス出演:ソ・ヨンヒ(キム・ボンナム)、チ・ソンウォン(チョン・ヘウォン)☆トラックバックは何がなんだか…ひじゅに館へお願いします☆http://yakkunchi.blog90.fc2.com/tb.php/572-8ca465bcクリックしてね♪(3つも多過ぎ?) にほんブログ村 人気ブログランキングへ 人気BLOGRANK☆ドラマ&映画感想は「REVIEWの部屋」に色々置いてあります☆やっくんち 【25%OFF】[DVD] ビー・デビル価格:2,993円(税込、送料別) 「チェイサー」のソ・ヨンヒ、ドラマ「イ・サン」のチ・ソンウォン出演の『ビー・デビル』!【Bl...価格:3,780円(税込、送料込)
2012.05.03
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母は薄暗い店で働いている。視線の先には息子。息子は外の光の中にいる。狭い出入り口横に広がる道路対照的な映像が面白いというだけでなくこれはメタファーなのだと思った。母がいる場所は“子宮”なのだと感じた。広い世界へと子供を生み出した後も母親はずっと子供を見つめている。「韓国のスピルバーグ」から既に「世界のポン・ジュノ」になった感のあるポンちゃん。’69年生まれ。これがまだ劇場長編映画4作目。観てから随分と経ってしまった。何と書いて良いのか分からなかったから。冒頭、草原の中をフラフラと歩いてきた母は、いきなり踊りだす。涙を拭いながら。ここで観客は度肝を抜かれる…と思う。その直前の状況は物語も終盤になって明らかになる。また、ラストシーンへの伏線でもある。ラスト、バス旅行に浮かれるオバサン達に混じって母はまた踊る。嫌な記憶、辛い思い出を消してくれるというツボに鍼を打った後で。私もたまにあるんだよな。嫌なことがあった後、辛い思いをした後、「踊っちゃえ~」と身体を動かしたりすること(笑)韓国は“アジアのラテン系”と言われているそうだから尚更そういうところがあるのかも…?そして、生きるということは踊ることに似ている。私は母となった経験はないし私を産んだ母はもう何年も前に亡くなった。だから観念的な捉え方かもしれないけどこの映画の“母”は、まさに“母親”だと思った。親にとって子供は何歳になっても子供だと聞く。お腹を痛めて子供を生み出す母親にとってはもっと、何ていうか、動物的?肉的?自分自身の身体と密着したものなのかな…という気がする。主人公の息子は知的障害がある…というのが実に象徴的。同じベッドで抱き合う様にして眠る母子は傍目にはアヤシく映るかもしれないけどこれって、母親にとっては息子はまさしく、いつまでたっても幼い子供のまま…ってことだよね。目が離せない、いつまでも苦労が絶えないそれでも、“母”にとっては、この上なく幸福な日々だったのかもしれない。障がい者=ピュアと描く傾向が、特に日本の作品には多い気がするけどこれは違う。普段は子供のままの様な息子には、それなりに下卑た部分も芽生えてくる。お酒を飲んで酔っ払ったり、女の子を欲したり…そして時々、ハッとする程、鋭い顔を見せたりもする。“母”が狼狽するのは、息子の中に見知らぬ大人の顔を見た時。そんな息子に殺人容疑がかえけられ、何とか罪を晴らそうと奔走する“母”―というのが主な物語。哀れだったり滑稽だったり…ポンちゃんは容赦なく描く。ペットボトルのシーンなんて絶妙(笑)そして驚愕の事実が判明しさらに驚愕の事態へと進む。その中で“母”が叫ぶのが「お母さん」であるのが…もう、凄いよポンちゃん。ポンちゃん、すげー!で、「真犯人」に“母”が尋ねるのも「お母さんはいるの?」だってところが、もうね…母親の愛は盲目的で愚かで哀れで自己中。『マザー/Mother』 2009年 / 韓国監督:ポン・ジュノ出演:キム・ヘジャ(トジュンの母)、ウォンビン(トジュン)☆トラックバックは何がなんだか…ひじゅに館へお願いします☆http://yakkunchi.blog90.fc2.com/tb.php/558-1eade51f☆応援クリック、よろしくお願い致します☆ にほんブログ村 人気ブログランキングへ blogramランキング参加中!☆映画&ドラマ感想は「REVIEWの部屋」に纏めてあります☆やっくんち 【22%OFF!】母なる証明 【スマイルBEST】(DVD)(発売日お届け)価格:1,147円(税込、送料別) 【25%OFF】[Blu-ray] 母なる証明価格:3,780円(税込、送料別) 【25%OFF】[DVD] アジョシ スペシャル・エディション価格:3,071円(税込、送料別)
2012.04.22
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韓国映画にはとっても多い復讐譚。以前にも何度か書いたことがあるけれど最後の最後になって良心に目覚めたり“正義”の邪魔立てがあったりして最も恨みに思う相手を前に挫折する…なんてことは決してなく、キチンと最後まで復讐を成し遂げるのが韓国映画の良いところ。勿論、復讐の虚しさや暴力の連鎖等もちゃんと描いている。第三者からの説得で簡単に折れるのではなく、それこそ最後まで実行したからこそ達する境地として。―ということで、この映画の主人公@スヒョン(イ・ビョンホン)も婚約者(しかも妊娠中)を無残に殺され、その復讐に取り掛かり遂げた時には空虚感に打ちのめされ、ひたすら号泣するしかない。最初、目についたのはチェ・ミンシク演じるギョンチョルが金槌を武器に使うところ。『オールドボーイ』の名シーンを思い出すよね。塾の送迎バスを運転しているところは塾講師の設定だった『親切なクムジャさん』を思い出す。彼の実家をスヒョンが訪ねるシーンでは外に掛けられたボクシングのグローブが映って『クライング・フィスト』を思い出させる。探せばもっとミンシク氏絡みの色々なアイテムが見つかるかもしれない。こういう遊び心は面白いな>それとも私の考え過ぎ?ともかくも、まずはこれは、ミンシク氏あってこその映画だと思う。マンガチックでさえある凶悪殺人鬼にリアルな存在感をもたらしている。もしも愛する人を殺されたらしかも、何の関わりもない、いわゆる変質者によりただ快楽のために文字通りなぶり殺しにされでもしたら相手を憎み、同じ様に殺してやりたいと願わずに済む人がいるだろうか…ただ殺すだけでは足りない。同じくらい、出来ればそれ以上の苦しみを味あわせてやりたいと思わずにいられる人はどれくらいいるだろう…考えれば、相手が受ける苦しみは自業自得だけれど被害者は理由もなく全く理不尽に命を奪われてしまったわけだからアッサリ殺してしまったら安らぎを与えてしまう様なものだし同じ殺し方をしても、まだ同等にはならない。―ということで、スヒョンは犯人@ギョンチョル(チェ・ミンシク)を痛めつけてはワザと逃がし痛めつけてはワザと逃がし…という行為を繰り返す。勿論、その痛めつけ方は次第にエスカレートしていく。ギョンチョルは絵に描いた様な残虐な凶悪犯なのだけれどタイトルの「悪魔」は復讐に取りつかれ激化していくスヒョンを表しているのだろう。でも、スヒョンは容疑者を片っ端から当っていき3人目でギョンチョルに辿り着くのだけれど先の2人も前科があるだけでなく現在も罪を犯し続けていることが判明する。スヒョンに追われるギョンチョルは途中で乗せてもらったタクシーの運転手と客を殺してしまうけれどトランクには死体が乗せられていて、彼らもまた犯罪者だと示される。さらにギョンチョルが頼っていった友人もまた快楽殺人者で何だか何処へ行っても悪人だらけ(^^;)スヒョンが結果的にボコボコにして病院送りにしたりギョンチョルを野放しにしてせいで被害者が増えてしまったことへの言い訳にもなっているけど(笑)タイトルの「悪魔」はこんな世の中を差しているのかもしれないしこんな世の中を陰で操作している本物の悪魔を差しているとも言えるかも?また、スヒョンの様に寧ろ“正義”の側で生きてきた人の中にも悪魔はいるのだと示唆しているのかもね。それにしてもスヒョンったらギョンチョルの次の犯行を止めに入るの遅過ぎ。まあ、ギリギリのところで助けたことにはなっているけどもうちょい早くても…って、映画的見せ場のためだから仕方ないですねそうですね(^^;)でも、あの繰り返しに笑ってしまったよ。ギョンチョルが行おうとしていたことは恐ろしいことだしスヒョンが彼を痛めつける方法も過激なんだけどだんだんギャグっぽく見えてくる。逃げるギョンチョルがヒッチハイクした車に複数の軍人が乗っていたシーンはギャグだよね?メインのエピも含めて笑いの要素を意図的に入れてるってことかなあ?そのせいか、題材にも関わらずイマイチ緊迫感が足りなかった気がする。『チェイサー』(ナ・ホンジン監督)と並べて「内容がない」と批判する人もいるけど『チェイサー』は最後まで緊迫感が持続しているところが凄かったんだよ。あれは名作だよ。警察の無能ぶりは韓国映画“お約束”だけど死体の一部(それも頭部)を落としちゃうのはアホ過ぎにも程がある。ってのはまあ置いといて>ぇ婚約者家族に害が及ぶのを阻止できなかったのは警察もスヒョンもアホ過ぎにも程がある。あ、どのみちアホ過ぎなんだ。復讐しても被害者は戻ってこない。復讐は被害者を守ってやれなかった自分を痛めつけること、と言う人もいて成程なあ…と思ったけどスヒョンの場合はますます自分を責める状況に追い込まれてしまった。虚しいなんてレベルはとっくに超えているな。とはいえ最後はあんな殺し方で良かったのか?と、疑問&物足りなさを感じる私でもある>ぉぃぉぃ『悪魔を見た/I Saw The Devil』 2010年/韓国監督:キム・ジウン出演:イ・ビョンホン(キム・スヒョン)、チェ・ミンシク(チャン・ギョンチョル)☆トラックバックは何がなんだか…ひじゅに館へお願いします☆http://yakkunchi.blog90.fc2.com/tb.php/449-109d7378クリックしてね♪(3つも多過ぎ?) にほんブログ村 韓国映画 人気ブログランキングへ 人気BLOGRANK☆ドラマ&映画感想は「REVIEWの部屋」に色々置いてあります☆やっくんち 期間限定 厳選DVD 25%OFF悪魔を見た スペシャル・エディション 【DVD】価格:2,993円(税込、送料別) 期間限定 厳選DVD 25%OFF悪魔を見た イ・ビョンホン スペシャルBOX 【DVD】価格:4,489円(税込、送料別)
2012.01.22
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1950年6月25日午前4時―朝鮮戦争勃発。同年8月―浦項を守っていた部隊は洛東江へ終結。誰もいなくなった浦項は71人の学徒兵達に任されることになりました。詰襟の学生服に学帽を被った、まだ銃をマトモに撃ったこともない子供の顔をした学徒兵達に。実話を基にしていること戦闘シーンがリアルであることとにかく泣かせる物語になっていること…と、実に韓国映画らしい作品です。少年らしい真っ直ぐさ、熱気、未熟さ、友情、弱さと強さそれらが戦闘を通して束の間の輝きを見せ、散っていくのでした。例えば優等生のメガネ君@ジェソンが私はお気に入りだったのですが彼の最後はですね…撃たれてメガネが飛んでメガネのない顔で倒れた傍の地面にメガネが落ちてそのメガネを戦車が踏んでいく…もう、見せ方を心得てるわねっ!て感じのものでした(涙)特筆すべきはやはりT.O.P.でしょう。彼が演じるジャンボムは、最初のシーンでは台詞がなく激しい戦闘の中、必死で弾を運んでいるのですがそして、その姿は、まだまだ戦いに慣れていない頼りない姿なんです。でも、悲惨なシーンの中に埋没してはいないのです。凄い存在感があると思います。彼の出演作を観たのは『IRIS』『19』ときて、これが3番目なんですけど私的には、今作の演技が一番光っています。本来持っているルックスとか雰囲気とかだけでなく役者としての魅力を発揮していると思います。母親に見送られ戦地に向かう回想シーンでは無垢な子供の顔をしているのに少しずつ強い意志の光が見えてくるんです。特別な能力を持っているわけでもない最初からリーダーシップを発揮していたわけでもない不良でもなければ優等生でもない、普通の学生って感じなのが良いと思います。彼とは対照的に、絵に描いたような不良ガプチョを演じるのはクォン・サンウ。“学生”役が違和感ないのが凄いかも(笑)本来はT.O.P.と共にW主演ってことなんでしょうけど(クレジットはチャ・スンウォンがトップなんですけど)一歩引いてT.O.P.を上手く立てていると思います。ただラストで、この2人だけが最後まで残りチャ・スンウォンと対決…ってのはちょっと出来過ぎかなあ…(笑)実話ベースとはいえ、ここは事実ではないでしょう。実際のところは全滅ではなく、生き残った人達もいてエンディングに映像が流れますからここのところで映画用に作ってしまった部分が目立ってしまうのはちょっと失敗だったような気も…とはいえ、ドキュメンタリーではないのですから娯楽作品として面白く出来ていれば私的にはOKです。楽しんだ後に、物語の奥に息づくテーマをしっかり受け止めるのが重要です。…って、しっかり受け止めることができたか!?と聞かれたらあまり明確な答は出せない私ですけど>ダメじゃん自分が生まれ育った国が2つに分かれて戦い合う…文字通り身を裂かれるような経験なのでしょうね。お国のために戦うという言葉はよく聞くけどその国が分かれてしまっているわけだし殺し合う相手は同胞なわけですからこの苦悩や悲哀といったものは私にはとても理解できないだろうな…と思います。『戦火の中へ/71-Into the Fire』2010年/韓国監督:イ・ジェハン出演:チャ・スンウォン(パク・ムラン・北朝鮮人民軍第5師団少佐 766突撃部隊長) クォン・サンウ(ク・ガプチョ)、チェ・スンヒョン/T.O.P.(オ・ジャンボム) キム・スンウ(カン・ソクテ・韓国軍大尉 第3師団)☆トラックバックは何がなんだか…ひじゅに館へお願いします☆http://yakkunchi.blog90.fc2.com/tb.php/431-e8e3ffceクリックしてね♪(3つも多過ぎ?) にほんブログ村 韓国映画 人気ブログランキングへ 人気BLOGRANK☆ドラマ&映画感想は「REVIEWの部屋」に色々置いてあります☆やっくんち 【送料無料選択可!】戦火の中へ [豪華72Pフォトブック付 DVD & Blu-rayコンボ] [完全限定生産]...価格:5,607円(税込、送料別) 【25%OFF】[DVD] 戦火の中へ スタンダード・エディション価格:2,993円(税込、送料別) クォン・サンウ2012年カレンダークォン・サンウ[2012年カレンダー]【26Dec296P】価格:2,625円(税込、送料別)
2012.01.07
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勘弁してくれ!たのむ、勘弁してくれっ!と、心の中で叫びながら観ていた。だってもう悲劇しか待ってないんだもん。☆ネタバレあり☆脱北者の話だと聞いて観る前から気が重かった。でも、観なきゃいけないと感じた。「天国にも雨が降ると良いな」主人公ヨンスの息子ジュンは雨とサッカーが好き。それはモチーフとなって何度も出てくる。雨の中、父子でボールを蹴る―愛犬が一緒になって駆け回り笑顔の2人が家に帰ると母が夕食を用意している。父が旅立つ日、石ころを蹴り合う―もう犬はいない。母は病気が悪化している。雨の中、ジュンが一人で石ころを蹴る―もう誰もいない。家もない。サッカーは家族の絆や希望といったものが象徴されているのだろうし雨は癒し、安らぎ、優しく包み込んでくれるもの…であるように思う。まあ、何度も出てくるので、少々アザトイと感じる人もいるかもしれない。そもそも、一家族に「これでもか」ってくらい悲劇が襲いかかりドラマチックにも程があるだろ!?って思うかも?そもそも、これは2002年に25人の脱北者北京のスペイン大使館に逃げ込んだ事件をベースにしているらしいし、100人近くの脱北者へのインタビューを行い、彼らの実体験を盛り込んでいるそうだ。勿論フィクションも交えているけれど、大部分が“事実”なのだ。ただ、それを群像劇にするのでなく、一家族の物語として構成したためジェットコースター的展開になっている。そこに却ってリアリティが削がれると感じる人はいるのではないかと思う。…何故そんなことを気にするかというと私自身、北朝鮮の実態をまるで知らないので判断しきれないところがあるから。そしてこれは決してドキュメンタリーではなく娯楽映画の形を取っているから。平和な国でノホホンと暮らしている多くの人々はワザワザ重苦しいドキュメンタリーは観たがらないかもしれないし“物語”を通して伝えられるものの方が受け入れやすいというか理解しやすい。だから娯楽としても成立する作品にするというのは意味があると思うよ。ってか、個人的には、そういう形をこそ評価する。だから娯楽としても成立する作品になっているかどうかに注目してしまう。そういう意味で、少~し難点あるかな…って心配するところもあるんだけどでもやっぱり実態を知らない故だよな…と思うしアザトイと感じる部分があったとしても一家族の物語にしたのは良かったと思う。実質、子供を主人公にしたのが。主人公一家は炭鉱で働く元サッカー選手の父ヨンス第二子を妊娠中の母ヨンファ小学生の息子ジュン飼い犬のペッグ。最初、貧しいけれど幸せそうな光景が出てきて、ちょっと驚いた。映画やドラマで観たことのある戦後間もない頃の日本に似た感じでこれが現代の話なのだと思い出すと別の意味で驚いた。そうした一般的家庭である主人公一家に対しヨンスの親友サンチョルは中国を行き来する貿易関係の仕事をしていて賄賂も沢山貰っていて、かなり良い暮らしぶり。中国製のTVでこっそり韓国の番組を観たりもしている。サンチョル一家にまず悲劇が訪れるのは状況的には当たり前の結果。とはいえ平凡な主人公一家もヨンファの病気をきっかけに脱北を考えることになりそれに伴い悲劇が訪れる。まあ、その前に貧しさがあるんだけど…。サンチョルの家には洋酒や自動鉛筆削りや風船ガム等、ヨンス達の知らない品物が沢山ありその中に聖書が混じっているのに注目した。物質的なものだけでなく精神的にも国民を圧迫するばかりの独裁国とまさに対極にあるものと言えるし人間には精神的な自由や希望や救いや愛が必要不可欠なのだということを表しているのだろうしでも、それらを求めて脱北したヨンスは、結局のところ何も得ることが叶わず神を否定するしかなかったわけで何故こんな不公平や不公正が存在するのか真の救いはあるのか…という疑問を強調するものにもなっている。聖書とその神を信じている私としては辛いシーンなんだけど(^^;)で、勘弁してくれ!と叫びたくなったのは、どうしても子供関係。特に子供好きではない(どっちかっつーと苦手)な私だけど子供が酷い目に遭う話は本当に辛いよ。ヘタレだから普通だったら逃げてしまうところなんだけどこの映画には目を背けることが出来なかった。脱北する父親ヨンスも、それはそれは大変な思いをする。川を渡るシーンで対比的に登場させた見知らぬ老人の姿に胸が痛む。。北朝鮮が酷いだけでなく、中国側とか韓国側の対処の仕方とかお金で動くブローカーとか(これはフィクションだという話だけど)ナンダカナ…って感じだし。でも、やはり、残された子供の側を描いているのが効果的。愛犬のエピでまず、ググッと感情移入しちゃったし母を追いかけるところも泣ける。こんな時でも敬語を使ってるし。たった一人で父親を探しに行こうとするところでは頼むから止めてくれ!って思ったよ。留まっていたところで、餓死するしかなかったかもしれないけど。国境付近で浮浪児達に靴を盗まれるエピもこちらも同じ子供だというところが効果的。サンチョルの娘ミソンと再会するのは、やはりちょっと出来過ぎな気もするけどまあ、彼女も北朝鮮の非情さの犠牲となる大きなエピを担うからな。あの美しい自転車のシーンのために彼女は必要な存在。悲惨という言葉が生ぬるく聞こえるほどの収容所の中でゴミのように片付けられていくミソン。でも、死の間際だけは美しく幸福感さえ漂っていたのがフィクションならではの“救い”だった。ジュンだけは何とか助かってヨンスと韓国で暮らすという結末にしてほしかったけどそんな願いさえも打ち砕く悲痛なラストが待っていた。靴を盗まれるから脱いで懐に抱いて眠る…という、悲しい学習をするジュン。だから最後もまたたった一人なのに凍えるような寒さなのに裸足で眠る姿で…というのが、やはり、どうあっても泣けてしまう。その裸足の足に札が付けられるんだもの。ヨンスが振り返ると雨が降ってくるシーンはやっと父子が逢えたのだ…とも取れるし雨が降る天国…という妄想も重なるしこれまた、フィクションならではの“救い”でだから後味は不思議と悪くなかった>私だけ?ラストが、皆が幸福そうにキャンプしている幻想というのが韓国映画らしいかな…ちゃんと犬もいるところで、またまた泣いてしまった。現実に何も知らないし何もできない私はただ涙するだけなんだけど北朝鮮って…と、怒りや憎しみも湧いてきて何かしなければ…何とかしなければ…という気持ちも芽生えたりもした。現状を訴える手段としても心に響く娯楽映画としてもまんまとハマってしまった私だった。『Crossing』 2008年/韓国監督:キム・テギュン出演:チャ・インピョ(ヨンス)シン・ミョンチョル(ジュン)☆トラックバックは何がなんだか…ひじゅに館へお願いします☆http://yakkunchi.blog90.fc2.com/tb.php/345-3b778c0bクリックしてね♪(3つも多過ぎ?) にほんブログ村 韓国映画 人気ブログランキングへ 人気BLOGRANK☆ドラマ&映画感想は「REVIEWの部屋」に色々置いてあります☆やっくんち ★激安特価・激安送料・まとめ買送料無料★2010/12/24発売! クロッシング [DVD] MX-420S価格:3,798円(税込、送料別)
2011.10.21
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監督のウン・テヨンは、韓国を代表する詩人だそうです。そのせいか、この物語は“詩”を求める歌手の姿から始まります。その歌手を演じるのは本物の歌手であるイ・スンチョル。大人が感情を込められる芸術的な歌詞を探していたところまさに理想の作品に巡り逢います。でも、その作者@クリームは行方不明。彼女を知る人から過去の物語を聞く―という形を取っています。そして語られるのはクリームとケイのラブストーリー。前半後半に分かれているのですが前半はケイ視点で語られた物語を後半にクリーム視点で補うという形になっているのが面白いかな、と思います。韓流ラブストーリーに付き物の悲しい生い立ち、幼馴染、四角関係、気の強い女性、そして難病が出てきます。クリームが、その“気の強い女性”で本当は繊細な心を抱いているのだけれど悲しみをこらえて強がっている…という設定なのは分かるのですが、やっぱちょっと強過ぎ(笑)前半は本心を隠して強い部分を強調しているので、どうも感情移入できませんでした。相手のケイ@クォン・サンウは逆に大人し過ぎ(^^;)死期が近いため自分の感情を内に押し込めている役なので仕方ないんですが…まあ、彼が演じたから少しは存在感をもたらせたのかなあ…とは思います。2人とも相手を愛するが故に相手の幸福ため自己犠牲を払うという内容で確かにそれは最高の愛だとは思うのですが…ちょっと自己中というか、自己満足だなあ…という印象でした>スミマセンスミマセンいや、勿論、ただの人間ですから相手の心を読むことはできません。良かれと思って取った行動が却って相手を苦しめてしまう、なんてこと実はよくあることですよね。そのズレが切ない物語を作り出しているしそのズレがあるからこそ2人の愛の純粋さが際立つ、とは言えるかもしれません。でも、巻き込まれた人々が気の毒なんだよな…ネタバレになるので詳しくは書きませんがケイは、ある人の素行調査をし異性関係が派手なのを突き止めそれをネタに、ある行為を強要しダメだと分かると自分の診断書を見せて同情を引く―という行動を取るのがちょっとなあ…という気がしましたしクリームは、ある人の心を(結果的に)弄んだ形になるのでナンダカナ…という気がしました。まあ、ケイ自身もかなり切ない思いを味わいましたしクリームは、さらに切ない思いをしたことになるので前半=悲しい物語後半=もっと悲しい物語ということなのかと思います。でも、ラストではジュファンの切ない姿が映るのでもしかしたら、彼が「もっと悲しい物語」と言える…かも?死ぬのは悲しいけど、生きていくのはもっと辛いと思うから。印象に残ったシーンは、ケイが「止まった時間」の中で泣き崩れるところかな。本国でもあまりヒットしなかったらしいですし実際、もうちょっと何とかならないかなあ…という作品ではあったかと思います>エラソウでも、ミステリー風に後半で色々な事柄の真相が分かる、という作りやくっついたり離れたりではなく(笑)相手の幸福を願う究極の愛をテーマにしたことや男性のやせ我慢的な愛というか、男のロマン(?)的な物語で終わらせず女性側の、ある意味とても積極的な愛の形を提示したところやそれを“伝説”として、詩で表現して終わるところ等は評価できるんじゃないかと思います。『A Sad Story Than Sadness』 2009年/韓国原作:ウン・テヨン『悲しみよりもっと悲しい物語』監督:ウン・テヨン脚本:ウン・テヨン、チェ・ウナ出演:クォン・サンウ(ケイ/チョルギュ)イ・ボヨン(クリーム/ウォン) イ・ボムス(ジュファン)チョン・エヨン(ジュナ)イ・スンチョル(歌手)☆トラックバックは何がなんだか…ひじゅに館へお願いします☆http://yakkunchi.blog90.fc2.com/tb.php/300-5595f499クリックしてね♪(3つも多過ぎ?) にほんブログ村 韓国映画 人気ブログランキングへ 人気BLOGRANK☆ドラマ&映画感想は「REVIEWの部屋」に色々置いてあります☆やっくんち 【27%OFF】[DVD] 悲しみよりもっと悲しい物語価格:2,913円(税込、送料別) 【送料無料】悲しみよりもっと悲しい物語価格:1,575円(税込、送料別) 韓国音楽界の皇帝イスンチョルが帰って来た!!【K-POP】イ・スンチョル (RUI) 10集「Mutopia」CD価格:1,590円(税込、送料別)
2011.09.04
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う~ん、あんまり面白くなかっ…スミマセンスミマセン。『テレシネマ7プロジェクト』の一つとして制作された作品。日韓の放送文化交流をより一層拡大し、協業をとして新しい産業モデルを創り出そう…という意図の下に始められたプロジェクトで、日本の脚本家・韓国の監督・韓国の俳優の組み合わせで7作の映画が作られている。で、その7作品の中で私が初めて観たのが、この『19』なのだけど―TVドラマでは以前にも日韓共同制作のものが何本かあったよね。全部観たわけではないけど…あまり面白いものはなかった様な…ていうか、面白かったのは深キョン&ウォンビンの『フレンズ』だけだった様な気が…まあ、そのどれもが日本の女優を主役に据えていたのに対しこちらは韓国の俳優オンリーなので、違うっちゃー違うんだけど。それにラブストーリーでもないしね。でも、日韓共同制作って、意図はとても良い思うけれど良いものが出来るとは限らない…ていうか、極めて難しいというイメージがあって今回もその思いを強くしてしまった(^^;)韓江で、19歳の女性が溺死体で発見される。彼女と関わりのあった19歳の男女3人が容疑者として警察に連行されるが警察の横暴な態度に怒り逃亡する―という物語でロードムービーの形になっているのが良い感じだしそれまで知らない同士だった3人が次第に心通わせていく様子も良かったしそれぞれ悩みを抱えていた彼らが、状況は変わらないけれど自分の心の持ち様が変わっていく…という結末も良かったと思う。ちょっとネタバレになるけど(笑)信頼する唯一の大人が真犯人だったり、過去の悲しい経験により若者に偏見を抱いていた刑事が事件後ほんの少しだけ気持ちを変える…という脇の物語が加わっていたのも良かったと思う。じゃあ何故、面白くなかったのかって?う~ん…ベタだってのもあるかもしれないし何となしアザトイ展開に見えてしまったってのもあるし緊迫感があまりなかったってのもあると思うけど19歳という“中途半端”な年齢を扱っているのにその中途半端故のもどかしさとか悲哀とか若さ故の新鮮さとか痛々しさとかその年齢をとっくに過ぎてしまった観客にも味わえる共感やノスタルジーとか…そういうものが足りないのかなあ…私の感受性が弱いだけかもしれないけど(笑)でも、敢えて言うと19歳の若者達を描いているのではなくただ19歳という設定にしただけ…というか大人が頭の中でこしらえた19歳…っていうかスミマセンスミマセン主演のT.O.Pはカッコイイので、彼のPVとして観れば合格点かも。実際、最初と最後と劇中でも彼のラップのシーンがあってめちゃくちゃアイドル映画の様相だし。同じBIGBANGメンバーのV.Iは、頼りないお坊ちゃまの役でカッコ良さという点では分が悪いけど、その分、演技派っぽく見えてお得な気もする。彼も劇中、歌うシーンがあるしラストでは今迄のイメージを覆す様にピンクのジャケットに着替えカメラ目線で本当はカッコイイんだよ宣言してるし(笑)『19-Nineteen』 2009年/韓国監督:チャン・ヨンウ脚本:井上由美子出演:T.O.P/チェ・スンヒョン(ジョンフン)、V.I/イ・スンヒョン(ミンソ)、ホ・イジェ(ウニョン)☆トラックバックは何がなんだか…ひじゅに館へお願いします☆http://yakkunchi.blog90.fc2.com/tb.php/251-ae2a0155クリックしてね♪(3つも多過ぎ?) にほんブログ村 韓国映画 人気ブログランキングへ 人気BLOGRANK☆ドラマ&映画感想は「REVIEWの部屋」に色々置いてあります☆やっくんち 【日本版】T.O.P、V.I初主演の映画「 (テレシネマ7)19」オリジナルサウンドトラック(CD)価格:1,575円(税込、送料別) 韓国語翻訳小説 19 Nineteen : 19歳、彼らの果てしない疾走が始まる!!(ビッグバンのT.O.P、V.I...価格:1,732円(税込、送料別) 【25%OFF】[DVD] テレシネマ7 DVD-BOX価格:15,593円(税込、送料別)
2011.07.17
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「骨は道端に埋めてね、通る人が心置きなく踏めるように」ドラマ版『ファン・ジニ』と、ほぼ同時期の作品で噂によると主演のソン・へギョはドラマ版の主演@ハ・ジウォンに対し「ジニは私一人で良いのに」と発言したとか…う~ん…痛い、痛いよソン・へギョ!ドラマ版を観たのは随分前で細かいところは忘れちゃったりしているので比較するどころか全く白紙状態で映画版を観たんだけど何かイマイチだった…で、観賞後に上記の発言を知ったので、じゃあ敢えて比較してやろうじゃん!と思ったけどいや、比較にならない気がする>言っちゃったまあ、私はハ・ジウォンのあの目力が好きだし、ドラマ版ではその目力がよく生かされていて迫力ある美しさだったし、妓生は身分も低く卑しい職業ではあるけれども、実は知性と教養が求められ厳しい修業の上に成り立っているということも描かれていて興味深かったし、そうした中で頂点を極めたジニは最終的に物質的な華やかさの一切を捨て、愛も捨て音楽さえも排除した“舞”の真髄を極めていく…という物語も好みに合っていた。だからやっぱり、比較しても仕方ないので、単独で感じたことを書くことにする(笑)映画版の方は、もっと渋い映像で、そういうのも好き。少しアクションもあって、それも悪くない。でも…まず、物語がアレもコレも盛り込んでいるのは良しとしても繋がりがなさ過ぎて、まるでダイジェスト。それらによりジニの魅力を見せたいのだろうけど何か存在感のないヒロインだったよな…綺麗なんだけど、オーラがないっちゅーか>言っちゃった両班のお嬢様として育ちながら妓生に身を落とした哀れさを強調してるみたいだけどそれにしてはジニは気が強くて、ちょっと性格もアレな感じで>こらこらその強さの裏に繊細さ純粋さが伺えるかっちゅーと、そうでもなくて同情心も湧かなかった>スミマセンスミマセン妓生の世界の厳しさも、意地悪な同僚や横暴な客がちょこっと出てきただけでジニが凄く苦労しているって感じもしなければ負けずにのし上がっていく様子も感じなかったし詩を書くところが少し出てはきたけれど、芸術の道を追求するという様子もなかった。一応、主軸はジニとノミのラブストーリーなんだろうけど、2人の絆が強く伝わってくるということもなかった。ジニが転落の人生を歩むきっかけを作ったのはノミだという設定なのだけどそれほど、狂おしいほどに、ノミがジニを愛しているという感じもそんなノミにジニが色々と葛藤する様子もあまりなく心に迫ってこなかったなあ。ユ・ジテ君は好きなのに…ソン・へギョのベッドシーンがあるということでも話題を呼んだらしいけどヌードになったわけでもなく、はだけた肩が映っただけ。キスシーンさえもなく、すぐに画面が切り替わってしまった。まあ、それは良しとして(笑)これから妓生の世界に入ろうとしている状況の中で愛憎渦巻いているハズのノミと初めての夜を過ごそうとしているシーンと捕まってしまったケトンを助けるため、引いてはノミを助けるために拒み続けていた地方長官に身を捧げようとしているシーンとが全く同じ表情って…!?ばあやは非常に良かったな。妓生として生きることを選んだジニに「これからは茨の道、道案内が必要です。年寄りが先を歩きます」という台詞には、ちょっと泣けた。酷い映画とは思わないけどちょっと薄い作品だったとは思う>スミマセンスミマセン『ファン・ジニ(黄真伊)』 2007年/韓国原作:ホン・ソクチュン監督:チャン・ユニョン出演:ソン・へギョ(ファン・ジニ/ミョンウォル)、ユ・ジテ(ノミ)リュ・スンニョン(キム・ヒヨル/松島の地方長官)、ユン・ヨジョン(ヒョドク/ばあや)☆トラックバックは何がなんだか…ひじゅに館へお願いします☆http://yakkunchi.blog90.fc2.com/tb.php/237-c1f28779クリックしてね♪(3つも多過ぎ?) にほんブログ村 韓国映画 人気ブログランキングへ 人気BLOGRANK☆ドラマ&映画感想は「REVIEWの部屋」に色々置いてあります☆やっくんち 【25%OFF】[DVD] ファン・ジニ 映画版価格:3,701円(税込、送料別) 【25%OFF】[DVD] ファン・ジニ 完全版 DVD-BOX I価格:16,695円(税込、送料別) (先払いのみ)韓国伝統人形 1人1号 ファン・ジニ捺染 /赤価格:6,405円(税込、送料別)
2011.07.03
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今日、弟が殺された…俺の目の前で光州事件について知ったのは『ペパーミント・キャンディー』(イ・チャンドン監督)だった。主人公が人生を狂わすきっかけとなる出来事の背景として使われていた。「遠くて近い国」という、よく聞く枕詞を出す以前に自国の歴史にさえ疎い私には、ほんの数十年前とはいえ韓国に起きたこの事件はまさに寝耳に水、衝撃としか言えないものだった。それでも詳しい事は分からないまま無駄に年月が過ぎ、今こうして、正面から光州事件を扱った初めての映画『光州5・18』に出逢った。【光州(クァンジュ)事件】1980年5月18日から27日全斗煥(チョン・ドファン)軍政下にあった韓国の光州市で民主化運動を軍が武力弾圧した事件。原題『華麗なる休暇』は鎮圧軍の作戦名だそうだ。総勢2万人以上の大韓民国国軍が、この作戦に動員され対スパイ戦に準じた各種弾薬を装備、航空機(武装ヘリコプター含む)30機、戦車7台、装甲車17台、車両282台が使用された。死亡207人、負傷者2392人、その他の犠牲者987人。(尤もこれは推定値で、正確な集計は現在まで発表されていない)韓国では大ヒットを飛ばしたらしい。日本ではイ・ジュンギ出演作ということで少しは観客を呼べたのかな?架空の人物を主役に据え娯楽作品として作り上げたことに批判的な意見を見かけた。私は、娯楽作品であることに意味があると思う。ドキュメンタリーは正確かつ詳細な情報を与えてくれるかもしれないけど娯楽作品は私の様な無知な観客にも、社会的な事柄に興味を持たない観客にもこうした事実があったのだ、ということそのものを当時の人々が抱いた(かもしれない)感情をダイレクトに心に突きつけてくる。主人公ミヌは架空の人物。両親を亡くし、タクシー運転手をして高校生の弟を養っている。恐らく、高い教育は受けていない(ていうか受ける余裕はなかっただろう)。あまり頭は良くないし、不器用だし、好きな女性@シネにどう近づいて良いのかも分からない。ちょっと寅さんを大人しくした感じ(笑)困っているお婆さんを只で乗せてやる様なお人好しで勉強家の弟を大学に入れてやるために懸命に働いている。そんな彼が理不尽な事態に巻き込まれ、弟を殺され、やがて自らの意思で戦うことになる。他にも、息子を殺された父親、友を殺された学生、教え子達を殺された教師がいる。政治とか思想とかどーのこーの言う前に、愛する者達を奪われた純粋な怒りで立ち上がる市井の人々を中心に描いているところが心に響く。デモの参加者だけでなく、たまたま通りかかった無関係の人々さえも追い回され殴られ死者も続出するというシーンもショッキングだけど、戒厳令を解除するという発表に喜び、国への信頼感を込めて国歌斉唱する人々がその国歌がまだ鳴り響いている中で射殺されるところなんて、もう言葉にもならない。女学生も、幼い子供を庇った父親も、救急車で怪我人を運ぼうとした医者までもが容赦なく射殺される。銃弾が飛び交う中、弟に駆け寄るミヌが全く撃たれないのはツッコミどころ?でも、颯爽とした走り方ではなく、口を開きオロオロした表情でオタオタと出て行く姿に泣けるんだよ。そんな彼が戦いに身を投じることにより、だんだん精悍になっていくんだけどね。だからってカッコイイところを見せるわけじゃない。皆を導く元軍人フンスでさえ、最後はあっけない。ラストは結婚式の記念写真を撮る幸せそうな風景。花婿はミヌ。列席者は戦いで亡くなった人々。皆が明るく笑っている中で、花嫁のシネだけが暗い表情で突っ立っている。たった一人生き残った彼女は、これだけのものを失いこれだけのものを抱えながら、生き続けていかなければならない。何とも言えない思いを残す終わり方だった。人間ドラマの部分は、ベタっちゃーベタなんだけどねでも、ベタだから庶民の心がよく表れていると思う。何も知らなかった私は、今も何もできないままひたすら号泣していたのさ。『華麗なる休暇』 2007年/韓国監督:キム・ジフン出演:キム・サンギョン(ミヌ)イ・ジュンギ(ジヌ) アン・ソンギ(フンス)イ・ヨウォン(シネ)☆トラックバックは何がなんだか…ひじゅに館へお願いします☆http://yakkunchi.blog90.fc2.com/tb.php/180-125fd964クリックしてね♪(3つも多過ぎ?) にほんブログ村 韓国映画 人気ブログランキングへ 人気BLOGRANK☆ドラマ&映画感想は「REVIEWの部屋」に色々置いてあります☆やっくんち 光州5・18 スタンダード・エディション価格:3,591円(税込、送料別) 光州5・18 コレクターズ・エディション価格:5,481円(税込、送料別)
2011.05.15
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人は何故、幸せな時にケーキを求めるのだろうよく分からないが、人生は消えない傷と忘れたい記憶ばかりだだから人は幸せな時にケーキを求めるのかもほろ苦い人生だから幸せな時だけは甘さを楽しみたいのだ例によって(笑)原作もアニメも日本のドラマも未見のまま。だから違いは全く分からないのだけどこの映画の限りで言うと、極めて韓国映画らしい題材だと思った。随分前に一度観て、懐かしくなって今回また観た。以前は胸が痛む部分が多く、最後にちょっとホンワカした気持ちになれた。今回は終始、温かい気持ちで観ることができ、ちょっと「萌え」た(笑)“アンティーク”という名のケーキ屋で働く4人の男性―オーナーのジニョクは子供の頃に誘拐されたことがトラウマになっている。パティシエのソヌはどんな男性をも惑わす「魔性のゲイ」で女性恐怖症。見習いパティシエのギボムは網膜剥離で夢を断たれた元天才ボクサー。ギャルソンのスヨンは目が弱く気も弱く超不器用でジニョク依存症?全員が何かしら心の傷を抱えている。でも、物語のトーンは明るく、所々ミュージカル仕立てになっている。まあ、これは賛否両論かも?私的には、最初はちょっと引いたけど(笑)すぐに慣れて楽しむことができた。妄想系(?)のギャグも多く、必ずしも笑えるわけではない>国民性もあるかも?例えばジニョクがクリスマスケーキを配達してまわるシーンで、客に合わせて「怪獣サンタ」だの「恥かしがり屋のサンタ」だの「失恋サンタ」だのに変身するのはやっぱ以前はちょっと引いたんだけど(笑)今回は楽しかったし、可愛いと思えた。後半、連続誘拐犯を見つけるエピでは少しばかりトーンが暗くなる。で、これこそジニョクがトラウマを克服するために願い続けていたことであり“アンティーク”を始めた真の目的だったと明かされるんだけど、その誘拐犯はジニョクを誘拐した犯人とは別人だしジニョクの事件は結局、何も解決しないまま終わるただ、視聴者にだけは真実を知らせて―そういう終わり方が、なかなか面白いと思った。最後は4人とも、何とか傷を克服し人生に前向きになる。つまり、一つの“成長”を見せる。でも、何ていうか、それが重要ではないという印象を受けた。傷があるから、人生の苦い味を既に知っているからケーキの甘さが分かるのだ。だから、傷はあっても良い。寧ろ、あって当たり前なのかもしれない。だって人生は「ほろ苦い」から。傷を肯定する、というと変かもしれないけど(笑)傷は消えなくても、見方を変えることで痛まないように抱えていくことはできる…みたいな何だか本当の意味での慰めや励ましを与えてくれているように感じた。ちょっと褒め過ぎ?(笑)2008年/韓国原作:よしながふみ『西洋骨董洋菓子店』監督:ミン・ギュドン出演:チュ・ジフン(ジニョク)キム・ジェウク(ソヌ)ユ・アイン(ギボム) チェ・ジホ(スヨン)アンディ・ジレ(イヴァン)☆トラックバックは何がなんだか…ひじゅに館へお願いします☆http://yakkunchi.blog90.fc2.com/tb.php/169-93890f15クリックしてね♪(3つも多過ぎ?) にほんブログ村 韓国映画 人気ブログランキングへ 人気BLOGRANKドラマ&映画感想は「REVIEWの部屋」に色々置いてありますやっくんち バレンタイン本命必勝勝負!濃厚な口溶けの魔法のチョコレートケーキ神様チョコケーキ★オペラ価格:2,100円(税込、送料別) 写真で楽しむ「アンティーク-西洋骨董洋菓子店」!【韓国映画】チュ・ジフン「アンティーク-西...価格:2,940円(税込、送料別) 【25%OFF】[DVD] アンティーク~西洋骨董洋菓子店~価格:2,993円(税込、送料別)
2011.05.06
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1986年、木浦(モッポ)近海で人間の頭部が発見される。解剖の結果、極楽島の住民であることが判明した。そこは住民僅か17人が暮らす絶海の孤島。2人の刑事が捜査に赴くが、殺人事件の痕跡と思われる血痕が発見されたものの何故か一つの死体もなかった。↑という謎めいた雰囲気で始まったかと思うと島民達が元気だった一ヶ月前に時間は戻る。それはノンビリホノボノな世界。と思うと、ちょっと怪しげな昔話なんかも語られて横溝正史風の雰囲気が漂ってきてやがて殺人事件発生―その殺人事件を巡ってノホホンとした島の生活の裏側にドロドロとした人間関係が表れる…という物語なのかと予想していたら、全然違った。人が次々と死んでいくのだけれどそれは恨みとか利害とか…ハッキリした動機を伴うものではなく偶然だったり自爆だったり…何か変、これって殺人事件を解決する話じゃなくて島民達が何かを隠しているというオドロオドロしい話でもなくて寧ろ“無垢”な島民達が何かの犠牲になっていく過程を描いているの?と思っていたら、まあ、大体その様な結末だった。ドンデン返しにはなっているし、悪くはないんだけど…ちょっとイマイチだったかなあ…どんどん死んでいく割には緊迫感が足りなかったかも。コメディ仕立てになってるんだろうけど、あまり笑えなかったしなあ…用務員チュンベ役のソン・ジルは熱演だったと思う。だんだんと狂気を帯びていく様子が迫力あったし、反面、同情心も湧いた。彼が映画全体を引っ張っていたとも言えるし、却って浮いていた様に見える部分もあったし、微妙なところかも。ウソン役のパク・ヘイルは一人爽やかで冷静で知的な感じで好ましかったしラストの姿も似合ってたしルックス云々じゃなくて、やはり演技が上手いんだろうなあと思った。チャン先生役は『冬ソナ』で御馴染みのパク・ソルミなのだけどラスト近くまで気付かなかった(^^;)彼女だけ助かるというオチは賛否両論かも?ちょっと二時間サスペンスを連想してしまったし>ぇまあ、上手く纏まっていたんじゃないかと思うけれど死体が一つも見つからないのは疑問。海に落ちたのは見つかり難いのだろうけどでも冒頭の頭部みたいに流れ着くものもあるかもしれないし、火事になったのは骨は残るんじゃないの?それとも、最後に残った“彼”が全てを綺麗に片付けた?“彼”も結局は亡くなったのだと思うけど…自分自身に施した実験の結果はどうなったんだろう?その部分に謎は残るのだった>私だけ?とはいえ、最後に平和だった時の島の様子が映って“彼”にしたって良かれと思ってしたことだし、最初の頃は上手く行っていたわけだけど、それでも、あの時のままで留めておけば皆も“彼”自身も幸福だったのに…そう思うと何とも切ない思いが残るのだった。『極楽島殺人事件/Paradise Murdered』 2007年/韓国監督/脚本:キム・ハンミン出演:パク・ヘイル(ウソン・保険所長)パク・ソルミ(チャン先生)ソン・ジル(チュンベ・用務員)クリックしてね♪(3つも多過ぎ?) > にほんブログ村 韓国映画 人気ブログランキングへ 人気BLOGRANKドラマ&映画感想は「REVIEWの部屋」に色々置いてありますやっくんち 【25%OFF】[DVD] 極楽島殺人事件価格:3,780円(税込、送料別) [韓国から商品が届く感動をぜひ!]【送料無料】DVD(2disc)/極楽島殺人事件 - 【smtb-k】【kb】価格:4,725円(税込、送料込) 【送料無料】[韓国雑誌]High Cut Vol.43(パク・ヘイル表紙)価格:840円(税込、送料込)
2011.02.14
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「I’ll show you something cool.」いいもの見せてやるぜこれは1997年に韓国の梨泰院(イテウォン)で起きた実際の事件を元にしている―あるハンバーガー店のトイレで一人の大学生(当時23歳)が殺害された。2人の韓国系アメリカ人(当時18歳)が容疑者として逮捕されたが、一方は一審で無期懲役の刑を宣告されたが、最高裁で一転して無罪に…一方は凶器所持etc.の罪で1年~1年半の懲役を宣告されるも1年経たずに特赦…現在は両者ともアメリカに戻り、自由に暮らしている。映画は全くこの通りに作られている。勿論、名前は変えてあるし、細かいやり取りはフィクションだと思うけれど。被害者は貧しい家庭の末っ子。苦労して大学に通い、人生これからという時に突然命を奪われてしまった。偶然寄った店のトイレで排尿中にナイフでメッタ刺しにされて。2人の容疑者は裕福な家庭の息子で酒やドラッグや喧嘩は日常茶飯事。チンピラを気取っている青二才。その日も友人達にナイフの切れ味を自慢していた。凶器となったジャックナイフの。そして犯行動機は、遊び感覚。容疑者の片割れ@一年半の懲役を受けるピアスンという米韓ハーフの少年を演じるのは今、日本でも大人気のチャン・グンソク。私はまだブレイクのきっかけとなったドラマ『美男ですね』は未見で(^^;)映画は『赤ちゃんと僕』に続いて二本目になる。その2本についてザックリ感想を言うと「あと一息で面白くなったのになあ…惜しい」だった>スミマセンスミマセン実際の事件を映画化したものというと『殺人の追憶』や『チェイサー』を思い出すがこの2本は、その事件を世に訴えるという意味でも勿論だけど、娯楽作としても傑作だと思う。この『イテウォン殺人事件』は、前者としては意味があるけれど後者としてはイマイチだったかなあ…まあ、法廷でのパク検事とキム弁護士のやり取りは面白かったしもう一人の容疑者アレックスを演じるシン・スンファンは好演だと思った。チャン・グンソクはカッコ良さでは文句はないんだけど…う~ん…アレックスは最初はただの(寧ろちょっと愚鈍?)ボンボンにしか見えなかったけど父親の前で一瞬、別人の様な顔になる瞬間がある。ピアスンは最初からワルっぽく謎めいた様子で登場するも、法廷では何となく頼りないというか、ナイーブな雰囲気を醸し出す。一審判決が下った時点では複雑な表情を浮かべていたし、ラストでは二種類の微笑を浮かべてみせる。つまりピアスン役の方が表現力が豊かでなければならないし、彼のそうした変化が映画そのものを左右する重さを持っていると思われる。そういう意味で…ちょっと演技にメリハリが足りなかったかなあ…生意気言ってスミマセンスミマセン!とはいえ、やるせなさは残った。それで十分だと言えるかもしれない。ラスト、現場となったハンバーガー店をパク検事が訪れるとトイレは塞がれ、存在そのものが“なかったこと”になっていた。事件の扱いと同じ。その壁の向こうには闇に閉ざされたトイレがあり殺された大学生は今も血まみれのまま惨めに蹲っている…そんな幻想がパク検事の目にも遺族の目にもこの映画を観た私達の目にも残像としていつまでも残る。2009年/韓国監督:ホン・ギソン脚本:イ・ソン出演:チャン・グンソク(ピアスン)、チョン・ジニョン(パク検事) シン・スンファン(アレックス)、オ・グァンノク(キム弁護士)クリックしてね♪(3つも多過ぎ?) にほんブログ村 韓国映画 人気ブログランキングへ 人気BLOGRANKドラマ&映画感想は「REVIEWの部屋」に色々置いてありますやっくんち 【25%OFF】[DVD] イテウォン殺人事件価格:2,993円(税込、送料別) 【25%OFF】[DVD] 赤ちゃんと僕価格:3,780円(税込、送料別) 【25%OFF】[DVD] 美男 イケメン ですね~愛と友情のメイキングですね~前半ですね価格:3,701円(税込、送料別)
2011.02.06
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今から、皆さんを対象に中間考査を始めます。問題が解けなければ、一人ずつ死にます。【ネタバレあり】キム・ボム君@西門総二郎(韓国版『花より男子』)出演作。といっても主役ではありません。でも、一番華があるし、最後もカッコイイです。舞台は、ある高校。選抜授業(=中間試験の成績上位者に行われる特別授業)に集められた20名の生徒と3名の教師、ベストには入らなかったけれど留学経験があるのを買われ英文資料の整理を頼まれたボム君扮するヒョン、彼らを対象に死の試験が行われることになります。問題を解かないと一人ずつ殺されていく―というシチュエーションに『SAW』学園版みたいなものかな…と思い観始めたら、イキナリ『呪怨』チックなシーンが登場し、ちょいビビりました(^^;)でも、それは夢オチ。目覚めたイナは生理が始まったことに気付きます。赤く染まったシーツがアップになるだけでも「うわ…」ってなるのに、股間が移されて、白い下着に血が流れるところまで映すなんて「おいおい」です(^^;)後の方の、ミョンヒョが片足で吊る下げられるシーンでは、下着丸見えだし。それも、この年頃の女の子が履きそうもない、飾りもないズロース・タイプ。だから、エロいっていうんじゃないんです。「容赦ないなあ」って感じかな(笑)まあ、そんなわけで物語が始まります。生理は直接関係ないけど、多くの血が流されることになり、その真相に夢の内容が関わってきます。殺人描写はグロいですが、画面が暗いので観るのが辛い程ではないと思います。その代わり、あまりメリハリも緊迫感もないかも…?一応、主役としては、生徒ではイナ、教師ではファン先生がいるのですがイナは良い子過ぎて、却って感情移入し難いかも?>私だけ?ファン先生は、立ち位置的には頼りになるカッコイイ役どころのはずなのに感情的になりやすく所々で「あれ?」という様子を見せます。だから、やはりヒョンを主役と思って彼の視線で観続けていたのですが、何とアッサリ殺されてしまい…つまらなくはないんだけど、ハマることもできず…という感じで物語は進んでいきます。結局のところ、そうした違和感が伏線となって整合性のある結末に至ります。ラストのイナのアップも、、その違和感が生かされていたと言えるかも?まあ、ここは解釈が分かれるところかもしれませんが。で、犯人とその動機なんですが―非常に韓国映画らしいです。日本でも、よく扱われるものではあるけど、完遂させることは少ないものですね。何故、矛先が大人ではなく、その子供たちに向けられたのか…と疑問に思う人もいるんじゃないのかなあ。でも、私的には「やっぱ、子供に行くよ」と思えるものでした。韓国は厳しい学歴社会と聞きますから、受験戦争が背景にある、こうした物語は、より生々しく、より恐怖心を煽るものなのかもしれません。非常に興味深いのはエンドロール。これがあったことで、この映画の評価がグンと上がりました>私的にえ?こういうところを映しちゃうの?それも、カップ麺?て感じなんですけど蛇足? → NO笑いどころ? → そういう部分もあるけど、リアルでもあります犯人の心に寄り添った様な気持ちになります。激しい悲しみや喪失感や怒りや恨み…と共に生きていることの物悲しさ、情けなさ…淡々と事を進めていくこと、疲れや侘しさ…復讐って、それを実行することって、激情だけでなくこうした滑稽とさえ言えるものが伴うのだろうなあ…という風に思えて怖さも痛さも吹き飛んで、物悲しい気持ちになってきます。原題:『コ死:地の中間考査/Blood Bell』 (2008年/韓国)監督:チャン・カンドク出演:イ・ボムス(ファン先生)ユン・ジョンヒ(チェ先生)ナム・ギュリ(イナ)キム・ボム(ヒョン)クリックしてね♪(3つも多過ぎ?) にほんブログ村 韓国映画 人気ブログランキングへ 人気BLOGRANKドラマ&映画感想は「REVIEWの部屋」に色々置いてありますやっくんち 【20%OFF!】ブラッディ・ミッション(DVD)価格:3,192円(税込、送料別) 【25%OFF】[DVD] キム・ボム イギリス滞在記 it TRAVEL KIM BUM in LONDON DVD(数量限定生産)価格:3,623円(税込、送料別) (先払いのみ)韓国アクセサリー [コティニ][人生は美しい-ナム・ギュリ協賛] りんご(ピンク)ピ...価格:3,045円(税込、送料別)
2010.12.30
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イ・ミンホ君@道明寺司(韓国版『花より男子』)主演作。クラスの問題児@ウッキとパキスタン人とのハーフ@ドゥホンのロードムービー。旅立ちの理由は、ちょっとナサケナイもので>ぇウッキのGFジェウォンが彼を振り新しいBFとスキー旅行に行くのを止めるため。スキー旅行、追いかける…というところに『セントエルモスファイヤー』を連想したけどこちらは、あれほどには彼女のことを好きなようには見えなかった。どっちかっつーと、プライドの問題っぽい。付き合うことにしたのも彼女が優等生だから連れて歩くのが自慢になる…って感じだったし。まあ、それはともかく直前に喧嘩したばかりのドゥホンのバイクで出発するところがミソ。偶然のことだし、ウッキの方は追いかけることに夢中で手段を選ぶ余裕もなかったわけだけどドゥホンの方は、この時点でウッキを受け入れる気持ちが湧き始めていたってことなんだろうな。道中で2人が遭遇する色々な出来事は、少しばかり唐突だったり、浮いてる感じだったり、それぞれの繋ぎが荒かったりしたけど>ぉ2人がだんだん打ち解けていく様子は良い雰囲気だった。氷の上を滑って遊ぶ姿はPVみたいだったけど(笑)まあ、2人の(特にミンホ君の)魅力ありきの作品だから正解。オ・グァンノクは本人が元々持ってる個性的な存在感が生きていた。釣りのシーンだけで終わっても良かった気もするけど>ぇその後のエピは哲学的で、おバカな私には理解しきれなかったもんで(^^;)鶏のところまでは、まあともかくも、あの最後は…どう解釈すべきなの?ウッキ&ドゥホンが雪の中で眠っているかの様な映し方で、それが少しずつ角度が変わって実は建物の中なのだと分かるシーンは、あのまま外で眠ってしまった2人をオ・グァンノクが運んだことを示唆?まあ、だとすれば、2人も同じ結果を迎える紙一重の状況にいたってことと、オ・グァンノクが、それを救ったってことと、彼は自分の最後を十分意識して、積極的に意図して、臨んだってことが強調される。だから、2人の心にとても大きく重く深いものを与えたことも納得できるな。そんな経験を経てスキー場に到着すれば、そこにあるのは何ともちっぽけなもの…新しいBFも引いてしまうだろうと思われる悪態をつくジェウォンの姿はデフォルメなんだろうけどある意味リアルとも言えるかも>女って昔の男には容赦ないとこあるよねジェウォンを無言で断ち切ったウッキは、もっとずっと大切なものに目覚める。1つは勿論、ドゥホンとの友情。もう1つは、担任教師への思い。いつも悪さばかりしていたのは、担任教師に叱ってほしかったから。実の親にも何もしてもらえないウッキは、教師に父親を見出していた…というわけ。そしてドゥホンもまた、ウッキとの友情を得、担任教師の心根を理解する。ちゅーてもさ、あれだけ差別的な言葉を浴びせてきた担任教師を無条件で「良し」とするのはどうなのか…それでも、勿論偽善的な女教師の方が嫌だって気持ちはよく分かるよ。彼女の上目線の方が耐え難いし、綺麗な衣を被った差別に他ならないし。担任教師の方は、ある意味、同じ高さでドゥホンを見てくれていると言えるかも?かなり好意的解釈だけど(笑)ちょっとばかり、ストレートな教訓話みたいだったけどまあ、ミンホ君がカワイイから許す>ぉ2008年/韓国監督:イ・ジェドン脚本:コ・ウンニム出演:イ・ミンホ(ウッキ)、ライム(ドゥホン)クリックしてね♪(3つも多過ぎ?) にほんブログ村 韓国映画 人気ブログランキングへ 人気BLOGRANKドラマ&映画感想は「REVIEWの部屋」に色々置いてありますやっくんち 【25%OFF】[DVD] 僕にはわからないけど価格:3,701円(税込、送料別) 2010年02月14日イ・ミンホ/Minoz JAPAN First Event DVD価格:4,980円(税込、送料別) セント エルモス ファイアー / セント・エルモス・ファイアー / オリジナル・サウンドトラッ...価格:1,620円(税込、送料別)
2010.11.10
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ヤクザの様な俳優と俳優になりたかったヤクザ―観終わってから、原作・製作・脚本の一部もキム・ギドクだと知った。キム・ギドクの名前があるものはジャンルや出演者等に関係なく絶対観よう!と決意(というほどのものではないが・笑)している私なので、たまたま目にした予告編が面白そうだったので観ることにした映画がギドク印だったことで何だか彼に引き寄せられているかの様で嬉しい>ファン心理は大袈裟なものさアクションを本気でやるのは良いとして、レイプ・シーンまで本気じゃマズ過ぎるだろ!?シャレにならんだろ!?ってなエピも、ギドクなら納得>ぉ『訪問者』でか~な~り気になる俳優になったカン・ジファンが演じるのは映画俳優スタ。名前はやっぱシャレ?って感じの大スターだけど、今後のことに少し焦りを感じている。驕りもあり自己中でもあり、カッとしやすい性格で、アクション・シーンでも本気を出してしまい相手役を2人も病院送りにしてしまう始末で映画製作も俳優業も窮地に立たされている。除隊後これが初仕事となるソ・ジソプの役は一度だけ端役で映画出演を経験したことのあるヤクザ。映画への思いは消えてはいないけれど、現在は組織のNO.2の立場もある。現在ボスは投獄中で、組織は窮地に立たされている。で、スタはガンペに映画出演を頼み、ガンペは演技ではなく本気で戦うという条件で引き受けるちゅーことでああ、2人がぶつかり合っていく内に友情が芽生える物語なんだろうな…スタは驕りを捨て人間らしさを取り戻し俳優としても成長するんだろうな…ガンペも夢を取り戻し人生を改め明るく生きていくんだろうな…と、勝手に想像しながら観ていたのだけれど違った。そこは、やっぱキム・ギドク・ワールド。正直なところ、「え~、何でこんなラストなの~!?」と思ったんだけど、キム・ギドクの名前を発見して納得(笑)スタの方は確かに明るい方向に成長する。俳優としても男としても人間としても。恋人との関係が一番分かりやすい。恋人と言うより娼婦の様な扱いしかできなかったのがカフェでお茶するまでに変化する。☆カン・ジファンはやっぱ良いね。凄いイケメンとは思わないけど>スミマセンスミマセン演技力はなかなかだと思うな。起伏の激しいスタを上手く演じている。傲慢なスターの存在感も出してるし、本当は気が優しいところも伝わってくるし段々変化していく様子も自然に表現していると思う。『訪問者』とは雰囲気さえも違っているし、その前に観た『京城スキャンダル』とも全然違う。恋人役のチャン・ヒジンはムン・ヒジュンと所属事務所が同じで、彼のMV『Obsession』でも、ドラマ『テヒへギョチヒョン』でも共演しているので、ちと複雑>ぇガンペの方はスタとは逆の結果になる。いや、彼が人間性を取り戻していくのは確かなんだけど、それが裏目に出てしまうのだ。☆ソ・ジソプも良かった。あの独特の眼差しは、こういう役に不思議な存在感を与えるよね。いつもより顔がほっそりしているところがガンペの雰囲気によく合っていたと思う。最初は殺伐とした感じだったのが、彼の中の映画への愛が膨らんでいくにつれ、少しずつ人間臭さが出てくる。それもまた恋人となるミナへの態度や関係に表れてくる。強引にキスしたり撮影中にレイプする等の「おいおい!」な態度から彼女の前では大人しく純情な様子を示す様になっていく。最後には、彼女の前では普通の人間に戻った様な安らぎを感じる様になる。それよりも私的にはいつか自分達の映画を作ろうと子分とはしゃぐ姿が、とってもカワイかったのだけどね。でも、それは彼が生きる世界では許されないこと。ラストの彼の行動で、ある意味、この映画の全てが引っくり返った気がした。勿論、良い意味で。ミン役のホン・スヒョンは個人的に『サンドゥ学校へ行こう』のイメージが強い上に今回は色っぽい女優役だから、派手で軽いキャラに見てしまいがちなのだけど>こらこらガンペとスタの距離が縮まるように気遣いを示したりして、好印象だったな。そして、ガンペの「最後の映画」―それは彼の現実に他ならない。スタに見せる血まみれの微笑は映画に夢を見ていたけれど、所詮映画は映画、作り物の世界だ!と言っている…のだろうな…悲しいけど俺は、夢の世界では生きられない!と断言しているのかも…こういう何とも現実的で皮肉っぽくて冷徹で悲痛でもあるラストは、やはりギドクっぽいなと、もう実に実に納得してしまうのであった(笑)でも反面、ギドクはファンタジーで締めることが多いからあの血まみれの顔も一種の“夢”の表現なのかな…って気もしなくもないけど。【追記】ガンペが観ていた&過去に出演した映画は『グリーン・フィッシュ』(イ・チャンドン監督)ってのも、あの映画の悲しさとガンペの悲しさが重なって、ラストの意味を強めていると思う。『映画は映画だ/Rough Cut』2008年/韓国監督:チャン・フン出演:ソ・ジソプ(ガンペ)、カン・ジファン(スタ)クリックしてね♪(3つも多過ぎ?) にほんブログ村 韓国映画 人気ブログランキングへ 人気BLOGRANKドラマ&映画感想は「REVIEWの部屋」に色々置いてありますやっくんち 【25%OFF】[DVD] 映画は映画だ価格:3,701円(税込、送料別) 【25%OFF】[DVD] メイキング of 映画は映画だ ソ・ジソブ in Black価格:2,993円(税込、送料別)
2010.10.17
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月曜日の子供は 器量よし火曜日の子供は 品がある水曜日の子供は 悩みでいっぱい木曜日の子供は 遠くに行っちゃう…(マザーグースより―)聞くところによると、この映画の元々の題名は『木曜日の子供』だったそうです。キム・ソナ主演で撮影を開始したものの、途中で彼女が降板。題名、監督、主演を変えて新たに作られたのが、この『セブンデイズ』です。有能な弁護士ジヨンはシングルマザー。最愛の娘を誘拐され、連続レイプ殺人の容疑者チョルジンを無罪にするよう要求されます。娘を案じる母親としての苦悩と有罪がほぼ確定しているチョルジンを救うべく奔走する弁護士としての苦悩。7日間の葛藤をスリリングに描いています。…ちゅーてもね何かイマイチ乗らなかったなあ>スミマセンスミマセンアクション満載だし、死体描写はグロさ満載だしどんでん返しはあるし子を思う母心の切なさを強調しているし実に韓国映画らしく(笑)悪くはないはずなんだけど…(^^;)『シュリ』で御馴染みのキム・ユンジンは美人だしキリッとしていて素敵です。入浴シーンがあり、そこでは生足を披露してくれてるんですけど何故か色っぽくない(笑)体育会系ってヤツですね。だから、走るのが速いという設定に合っています。アクションも無理がないという感じです。パク・ヒスンが、なかなかキュートです。イケメンとは言い難いんですけど>スミマセンスミマセンヤン・ジヌも麻薬中毒患者の役を体当たりで演じていて好感持てます。チェ・ミョンスも、顔だけ見ると素朴で人の好い田舎の青年って雰囲気なのに人の情なんてないみたいな役柄がハマッっていて真犯人か濡れ衣を被せられただけのチンピラかキワドイ状況にある男を実に上手く演じていると思います。鍵は、子を思う母心。片方の娘は、まだ無邪気な幼い女の子もう片方は異性関係に緩い若い女性という対照的な存在なのと、2人とも母親が仕事にいそがしいため、心に寂しさを抱いているという共通点があるのとが、面白いと言えるかも。『セブンデイズ/Seven Days』2007年/韓国監督:ウォン・シニョン出演:キム・ユンジン(ジヨン)、パク・ヒスン(ソンヨル)、キム・ミスク(スッキ) チェ・ミョンス(チョルジン)、ヤン・ジヌ(ジウォン)、オ・グァンソク(チャング)クリックしてね♪(3つも多過ぎ?) にほんブログ村 韓国映画 人気ブログランキングへ 人気BLOGRANKドラマ&映画感想は「REVIEWの部屋」に色々置いてありますやっくんち 【49%OFF!】セブンデイズ コレクターズ・エディション 【BEST COLLECTION 1980 ALL TIME 「ソ...価格:1,000円(税込、送料別) 【輸入品を安心の国内便でお届け】[韓国音楽 サントラCD]【送料無料】【20%OFF】映画/セブンデ...価格:1,840円(税込、送料込) よもう うたおう! マザーグース価格:2,500円(税込、送料別)
2010.10.04
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妻に離婚され大学講師の職も失いアパートで一人引きこもりに近い暮らしをしているホジュンはある日、ドアノブが壊れてバスルームに閉じ込めらてしまう。彼を助けてくれたのは伝道に訪れたクリスチャン青年ゲサン。全く異質な2人の間に、次第に奇妙な友情が芽生えていく―非常に地味かつ一般受けはしなそうな映画です。甘い恋物語も手に汗握るアクションもなく、主要登場人物は上記の2人のみで、片方は、騒ぎばかり起こしているキモおやじだし>こらこら片方は、イケメンだけど理解できる人の方が少ないであろう宗教に人生を捧げているし。ドアノブは、まんま心の状態を表しているのでしょう。最初はゲサンがホジュンの家を訪問し最後はホジュンがゲサンのいる刑務所を訪問し表面的な2人の立場が逆になるところが面白いです。でも、2人とも、自分の人生において立派な「主人」になったのだと思います。ゲサンを演じるカン・ジファン。今のところ『京城スキャンダル』しか観たことないんですが、全く印象が違います。あちらでは軽さと甘さが魅力だったけど、こちらは本当に純粋で清潔でどこにでもいそうだけど、実はそうそう見つからない様な青年です。で、この宗教なんですけど名前は出てこないし、教理もハッキリとは説明されないけれど実在する某宗教組織を示しているのは明らかです。家から家に伝道する―十字架は用いていない―誕生日は祝わない―暴力や性的に過激な映画は観ない―飲酒はするけれど泥酔は避ける―女性に絡みつかれたら身を引く―そして兵役拒否―居酒屋で注文を聞かれ「腸詰の類以外なら何でも」と答えるのは腸詰には血を混ぜたものが多いから、血を食べないという教えに従ってのものだと思います。まあ、細かい部分はちょっと違う気がするんだけど…例えば、母親が作ってくれたスープを嫌な顔をして横にやるというのは、その宗教にはありえないことだと思うので。(親を敬うように、全ての人に平和を求めるように、敵をも愛するように…と教えていますから)勿論、拒否する理由は純粋さ故だし、まだ若いし相手は身内だからついつい人間的弱さが出てしまったのかもしれないですけどね。だからまあ、まんまではなくモデルにしているという程度かもしれません。でも、かなり色濃く特徴を入れているのは間違いないでしょう。何故そんなことに拘るのかって?ただ少数派の宗教という記号として示されているだけだって?告白します。私は、その宗教の信者達の様な生き方こそ人間の理想だと思っているのです。聖書を読んだり、それについて調べたりするのが好きなんですが所謂キリスト教会では純粋にそれを行うことは出来ないと学生時代に少し関わって確信しました。長い歴史の中で積み重なってきた人間的な考えや伝統をこそぎとって純粋な聖書の教えを抽出するなら、この某宗教組織の教えになる…ということも。ただ、ヘタレな私はまだ彼らと生き方を共にすることが出来ないでいるのですけれどね(^^;)ちゅーことで、ゲサンには非常に共感もし憧れも抱きました。人間的な目でこの映画を観るなら、正反対の2人が互いに心を開き、理解し合い影響し合い「成長」していく物語と言えますが宗教の観点から観ると、これは世を憎み自暴自棄になっていたホジュンの心が解放され救いを得る物語と言えるかも?勿論、ゲサンも弱い人間、ただの若造です。完全ではありません。心に傷を負っていて、まだ癒えきってはいません。ホジュンの背中に亡き父親を感じたために、彼を放っておけなかったのでしょうし自分にも色々と傷つくことがあるので、彼に少し甘えたい気持ちもあったのかもしれません。兵役を拒否する理由を法廷で堂々と述べたのは、信仰が基盤であり支えであったことは勿論だけれど、ホジュンの友情もまた心の支えになっていたのでしょう。父親がベトナム戦争の功労者であるため、特別に兵役を数ヶ月で免除するという誘惑がゲサンの前に出されますが彼は信念を曲げず、一年半の服役を選びます。ここは非常に感動的です。いや、一般の人には「はあ?」な話かもしれませんけど。2005年/韓国監督:シン・ドンイル脚本:シン・ドンイル、ホ・ゴン出演:キム・ジェロク(ホジュン)、カン・ジファン(ゲサン)受賞歴:2006年第32回シアトル国際映画祭・新人監督審査委員大賞クリックしてね♪(3つも多過ぎ?) にほんブログ村 韓国映画 人気ブログランキングへ 人気BLOGRANKドラマ&映画感想は「REVIEWの部屋」に色々置いてありますやっくんち 【25%OFF】[DVD] 訪問者 -Host & Guest-価格:3,701円(税込、送料別) 【送料無料】 CD/TVサントラ/韓国ドラマ『京城スキャンダル』オリジナル・サウンドトラック (...価格:2,974円(税込、送料込) 【21%OFF】[CD] ボブ・ディラン/ボブ・ディランのグレーテスト・ヒット価格:1,410円(税込、送料別)
2010.09.30
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エゴン・シーレの絵を抱えて海辺の町にやって来た女性@ジナ。捨てられ破けたエロ雑誌の上を這う小亀。僅かな水の中で瀕死の状態になっている金魚。これって表現が直接的過ぎないかい…と最初は感じたけど(笑)ジナは小亀を拾い上げて水に放してやる。自分と入れ替わりに去っていく娼婦が落とした金魚に自分のペットボトルから水をやる。彼女がそういう職業だということは、おかげで察することが出来たけど肉的欲望の発散というだけでなく、精神的解放を与えてくれるある種のミューズ、もしくはマグダラのマリア的存在…という示唆もある様な気がする。多分、この映画を観た誰もが思うことだろうけど、『悪い女』という邦題は内容に合っていないよね。同じギドク監督の『悪い男』に便乗して付けたのだろうけど(笑)ヒロインが娼婦である、という点や現実の悲痛な出来事が重なったその先はファンタジーになってしまう点は共通しているかもしれないけど。つーか、後者に関してはキム・ギドク作品全般に言えることだと思う。ジナが働くことになったのは“鳥籠”という名の青い門を持つ民宿。民宿というのは表向きで、実は売春宿。部屋を借りる=女を買うということ。その「女」が、少し前までは金魚を持った女性で、今はジナ。ジナもまた金魚を飼い始める。「女」にあてがわれた部屋は一つ、仕事部屋は別に一つ建物の残りの部分は経営者家族が普通に暮らしている。夫婦・大学生の娘・高校生の息子の4人。そんな環境に生まれ育ったため、娘ヘミは性に対し酷く潔癖症になっている。恋人がいて結婚も考えているけれど、彼の誘いには決して応じようとはしない。そしてジナに対し嫌悪感を抱き、歯磨き粉を貸さない等の小さな意地悪を重ねる。これって寧ろ当然だと思うのだけど、何故かヘミに同情的になれない。ジナの様な女性のおかげでヘミ達は生活でき、大学にも通うことが出来ているのだから。でも勿論、彼女は「悪い女」というわけではない。ベリーショートの髪に、飾り気のないシャツ&ジーンズ。サッパリした格好なのに厚化粧だし、少年の様な服がはち切れそうなムチムチボディ。偏見に満ち頑なになった思考の下に押し込められている彼女の「女」を表していると思う。では、ジナの方は解放されているかというと、決してそうではない。男性は皆、彼女を欲望の対象としてしか見ないし、その欲望を成し遂げるためには、ただ金銭を与えれば良いと思っている。この対照的な2人が近づき合っていくのだけれど…ジナの方はヘミのおかげで少しばかり自由を得るのに対しヘミの方はどうなんだろう…?性への歪んだ見方からは解放されたと言えるけど最後の彼女の行為は…?そのシーンは本当に驚いた。ジナに止めてほしいと思った。でも、その後で物凄くよく理解できたような気がした。自由にされた金魚の目に映る、水越しの2人はまるで双生児の様でとても美しい笑顔だったな。これは全てジナが仕掛けた作戦だった…なんてオチだったら『悪い女』ドンピシャだけどね(笑)でも、違うと思う。ギドク監督が皆を導くファンタジー世界は信じられないくらい純粋だから。『青い門/Birdcage Inn』 1998年 / 韓国監督/脚本:キム・ギドク出演:イ・ジウン(ジナ)、イ・ヘウン(ヘミ) チャン・ハンソン(ヘミの父)、イ・イノク(ヘミの母)、アン・ジェモ(ヒョンウ) チョン・ヒョンギ(ジナのヒモ)、ソン・ミンソク(ジノ)チャン・ドンジク(ドンフィ)、パン・ウンジン(去っていく娼婦)クリックしてね♪(3つも多過ぎ?) にほんブログ村 韓国映画 人気ブログランキングへ 人気BLOGRANKドラマ&映画感想は「REVIEWの部屋」に色々置いてありますやっくんち 【送料無料選択可!】悪い女 青い門 / 洋画価格:4,392円(税込、送料別) 【送料無料選択可!】悪い男 [廉価版] / 洋画価格:2,616円(税込、送料別) スーパー・ギドク・マンダラ[DVDソフト] キム・ギドク 初期作品集BOX価格:9,216円(税込、送料別)
2010.07.22
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「真実ゲームのルール、知らないんですね」【いきなりネタバレ】これは実際にあった事件をベースにしている。1995年11月ダンス・グループ“ジュース”のメンバー、キム・ソンジェがホテルで遺体で発見された。死因は薬物中毒。腕に注射針の痕があったため他殺として判断、彼の元ファンで恋人の女性が逮捕されたものの、証拠不十分で無罪となり事件は未解決のままだそうだ。映画ではチョ・ハロクという人気歌手がコンサート直前に死亡。ハ・ジウォン演じる女子高生タヘが自首してくる…という話。もう、とにかくハ・ジウォンが良い。あの目力で睨みをきかせたり、一転して純情そうな様子を見せたりふてぶてしく開き直ったり、思わせぶりな表情で誘いをかけたり異常に怯えたり、発作を起こしたり、泣き出したり…事件を担当するチョ検事を翻弄しまくる。チョ検事を演じるのは名優アン・ソンギ。貫禄も演技力も存在感も十分持ち合わせた役者で、前に担当していた大きな事件を左遷され、何とか巻き返しを図ろうと焦ったり娘との意思の疎通が全く上手く行かず、家庭内は崩壊寸前だったり重い背景を背負った役柄でもあるのに、完全にハ・ジウォンに食われてる!これって凄くね?まあ物語的にも、イイ大人を女子高生が弄ぶという内容なのであのトホホぶりは却って計算通りなのかもしれないけど(笑)キーとなる真実ゲームというのは、韓国で流行った遊びで質問された事に対し一つだけ嘘を入れ、後は全て真実を答えなければならない…というものだそうだ。その、たった一つの嘘を見抜けるか否か、というところに面白さがあるらしい。チョ検事の失敗は、このルールを知らずタヘの言葉を全て真実だと信じたこと。逆を言うとさ、タヘの質問に対する彼の答は全て真実だったってことだ。人間的に弱い部分(特に娘に対する父親としての部分)は激しく揺れ動いても検事としての根本の部分では冷静さを保っていると好意的に見ていたのに何だよ~ただのオヤヂだったってことじゃん!とはいえ、キチンと推理をし、真相一歩手前までは見抜いたのだから丸きりグダグダになってたわけじゃないってことだろうけど…それでも最後の詰めが悪かったね。タヘはタヘで、真相の真相に関しては大したものだったけどその直前の出来事に関しては純然たる被害者だったってわけで…直後によくもまあ、あれだけクールになれたもんだと感心する>感心かいでも、その出来事の復讐も見事に果たしたということだよね。逮捕されたばかりの時に、すぐ出所すると母親に答えていたことからして全ては最初からの計算だったんだろう。そんな彼女だから、将来はどんな大人になるのだろう…と気になる?いや、動機の動機は一途で純粋な思いだったと言えるし、きっと物凄く真っ当で、それ故に平凡な人生を、平穏無事に生きていきそうな気がする。心の中はともかくも…。ところで、チョ・ハロクのライバルでテンプというダンス・グループがチラリ登場するけどあれってアカラサマにH.O.T.じゃん(笑)5人グループで、似たような白いスーツで、個性的な髪形で、似たような振り付けで…ってだけでもH.O.T.ぽいのに、他メンバーより背が低くて、ややぽっちゃりで、目の大きな可愛い系の奴が一人…これって完全にムン・ヒジュンを表してるだろ!?(笑)ヒジュン大好きな私には、少々キツイ内容だったな。芸能界は汚いってよく聞くけどファンクラブも腐敗してるし歌手本人はスターというより奴隷みたいだし…勿論、誇張していると思うけど、当てはまる部分も少なくないのだろうな。純情可憐な私にはシビアな世界だった>ぉ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★『真実ゲーム/The Truth Game/Truth or Dare』1999年 / 韓国監督:キム・ギヨン脚本:イ・ピルヒョク撮影:ソン・ヘンギ音楽:ソン・シヒョン、イ・テソン出演:アン・ソンギ(チョ検事)、ハ・ジウォン(タヘ)クリックしてね♪(3つも多過ぎ?) ドラマ&映画感想は「REVIEWの部屋」に色々置いてあります【20%OFF!】真実ゲーム(DVD)ハジウォン主演ドラマ「ファンジニ」OST♪【韓国ドラマ】ハ・ジウォン「ファン・ジニ(黄眞伊)...【送料無料選択可!】BEST / H.O.T.
2010.04.26
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草なぎ 剛@スマップが出演しているとは全く知らなかった―パッケージは勿論、日本版予告編にもチラリとも出てこないのは何故?映画ではエンドクレジットのところで真っ先に「チョナン・カン(草なぎ 剛)」と出るし韓国本国では寧ろ売りにしていたんじゃないかと思えるけどままままさか日本では黒歴史扱い?草なぎ君の役は主人公ドングが通う高校の日本語教師。そしてドングの片思いの相手。流暢な韓国語で、まんま韓国人の役なのかと思う程だけど、ドングに告白され動揺のあまり日本語になるのが笑える。そう、ドングは女性になりたいと願っている男の子。背が低く太めのドングは自分でも「ブサイクな女の子になる」と自覚している。足が大きいのでストッキングもハイヒールも似合わないと悩んでいる。生理が来た夢を見て喜び、夢精していることに気付いて下着を洗いながら泣く。憧れのマドンナとは程遠い。そんな彼が性転換手術の費用欲しさにシルム(韓国相撲)部に入部し大会を目指す。一生懸命で、どんどん可愛く見えてくる。ダンスも上手いしね。演じているのは『My Son~あふれる想い~』で好演していたリュ・ドックァン君。凄いイケメンでは決してないけど、何ともいえない良い雰囲気を持っていると思う。そして、なかなかの演技派。この映画のために27kgも太ったのそうだ。コメディだし全体に明るい作りになっているのだけれど、ドングの道は険しいのが分かるから、ただ軽く笑ってはいられない。草なぎ君の応対は「それって、あんまりじゃん…」と思えるものなんだけどそれが世間一般の見方を表していて、何ともほろ苦い。シルム部でのアレコレは『シコふんじゃった』を彷彿とさせる。もしかしたら、あの作品にインスパイアされたのかも?それ故の種目かもしれないし。ただ日本の相撲に似てないこともないけど、レスリングの方により近い感じ。『ウッチャッサ』でお馴染みのコメディアン@ムン・セユンら3人組とのトボケた交流が楽しい。挫折感に苦しんでいる主将との関係は、ややシリアス。やはり挫折を経験している父親との関係とも重なるものがある。どっちも、ちょいベタではあるんだけど(笑)ただ軽い笑いだけではないというところが韓国映画らしくて良いと思う。いかにも現代高校生って感じの親友ジュンマンとの対照も面白かった。決勝戦での「何ちゃ、それ」な顛末は、ハグラカシとかフザケスギと感じる人もいるかも?私的には、シリアスに描いたら却って不自然だと思われるので、あれでOKかな。バカバカしいとは言えるけど(笑)ラストシーンは現実とも妄想とも取れる。ムン・セユンが感涙にむせんでいたし、これがドングの幸福な結末だと信じたいけどね。性同一性障害とか、そんな彼が上半身裸で取っ組み合うシルムに挑戦するとか、派手な要素を盛り込んではいるけれど…これは瑞々しい青春映画だと言える。誰かの基準に従うのではなく、自分の人生は自分で切り開いていく…という真っ当なメッセージが残る。★ ★ ★ ★ ★ ★ ★『天下壮士マドンナ/Like A Virgin』2006年/韓国監督/脚本:イ・ヘヨン、イ・へジュン撮影:チョ・ヨンギュ照明:チュ・インシク音楽:キム・ホンジプ受賞歴:2006年第5回大韓民国映画賞・監督賞 2006年第27回青龍賞・新人監督賞、脚本賞、新人男優賞(リュ・ドックァン) 2006年第7回釜山映画評論家協会・新人監督賞、新人男優賞(リュ・ドックァン) 2006年第9回Director’s cut・今年の新人演技者賞(リュ・ドックァン) 2007年第43回百想芸術大賞・シナリオ賞 2007年第44回大鐘賞映画祭・新人男優賞(リュ・ドックァン) 2007年第20回シンガポール国際映画祭・アジア映画振興協会審査員賞出演:リュ・ドックァン(ドング)、ペク・ユンシク(監督)、キム・ユンソク(父) イ・サンア(母)、パク・ヨンソ(ジュンマン)、イ・オン(主将) ムン・セユン(図体1)、キム・ヨンフン(図体2)、ユン・ウォンソク(図体3) チョナン・カン/草なぎ 剛(日本語教師) クリックしてね♪(3つも多過ぎ?) ドラマ&映画感想は「REVIEWの部屋」に色々置いてあります【20%OFF!】ヨコヅナ・マドンナ(DVD)【韓国食品・韓国お菓子】おこげ飴 (ヌルンジサタン) 110g【小】Madonna マドンナ / Like A Virgin 輸入盤 【CD】
2010.04.11
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「2人が止まった所は月から少し離れた天国との境界辺りでした」強盗殺人で無期懲役の刑に服す男が、一日の外出許可を貰う。15年ぶりに逢う息子の顔を、男は覚えていない。当時3歳だった息子も、父親の顔を覚えていない。認知症になった母も、息子の顔を覚えていない。暗い映画かな…後味悪いかな…そんな不安から手に取るのを躊躇ったけれど、それでも惹かれるものを感じ、思い切って観賞。そしたら暗いと言う程ではなかった。透明感というのか、うっすらと明けていく夜明けのような映画だった。所々に、すっ呆けたギャグが入るので、かなり笑えた。若者言葉を練習するところとか、「お父さんって言った」とカメラ目線になるところとか、渡りをする雁の群れにまで会話させるところとか(笑)中盤、夜中にこっそり外に出る父子に、同行してきた刑務官が寝たふりをして、そっと手を振るところから涙腺決壊。銀色の大きな月。2人で入る銭湯。背中に背負った虎。翌朝の駅のシーンでパク刑務官が2人の様子を解説するところはちょっと余分かな…説明過多ってやつじゃないかな…と思いかけたら何とドンデン返しが待っていた。刑務官の言葉は、そのためのミスリードだったみたい。このドンデン返しも、もしかして余計なんじゃないかな…という気もするんだけど、韓国映画らしい盛り上がりだな、という気もする(笑)それまでシミジミと観ていた色々な要素がキチンと伏線になっていたことが分かる。こんなところも、さすが韓国映画って感じ。銭湯の湯船に潜って男が思うことも、渡りの雁でさえも、伏線になっていたと言って良いと思う。刑務所に帰った男が息子はどうだったかと聞かれてハンサムで、背が自分と同じくらいで…と“彼”に言われた通りに答えるところが切なくて温かさも感じた。でもってラスト。後味悪いどころか明るい終わり方だった。良い意味で期待を裏切られたって感じ?★ ★ ★ ★ ★ ★ ★『息子 / My Son』2007年 韓国監督/脚本:チャン・ジン撮影:チェ・サンホ照明:イ・ビョンフン音楽:イ・ビョンウ受賞歴:2007年第15回春史大賞映画祭・男優演技賞(チャ・スンウォン)出演:チャ・スンウォン(カンシク)、リュ・ドックァン(ジュンソク)、キム・ジヨン(母)イ・サンフン(パク刑務官)、イ・ムンス(刑務所長)、イ・ハヌィ(神父) チャン・ジェソク(収監者<チャン監督の実父>)ウリ(ミミ)、ソウ(ヨイル) チン・ウォン(―) 【声の出演】チョン・ジェヨン(父雁)、ユン・ユソン(母雁) コン・ヒョジン(娘雁)、シン・ハギュン(叔父雁)、ユ・へジン(隣人)クリックしてね♪(3つも多過ぎ?) ドラマ&映画感想は「REVIEWの部屋」に色々置いてあります[DVDソフト] My Son あふれる想い リュ・ドックァン / ヨコヅナ・マドンナアウトレットセール 50%OFFチェ・ミンス/リベラ・メ
2010.04.05
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『美しい/Beautiful』 2007年 / 韓国原作:キム・ギドク監督 / 脚本:チョン・ジェホン撮影:キム・ギテ照明:カン・ヨンチャン音楽:ノ・ヒョンウ出演:チャ・スヨン(ウニョン)、イ・チョニ(ウンチョル) キム・ミョンス(キム刑事)、キム・ミンス(ソンミン)、イ・ミン(友人)キム・ボムジュン(友人の恋人)、キム・ワングン(警備員)★ ★ ★ ★ ★ ★ ★美しいって罪ね! な話かと思ったら男の性ってのは厄介極まりない! という話だった。【ネタバレあり】ヒロイン@ウニョンは、ただそこにいるだけで男性は寄ってくる、サインは求められる、花束攻めに遭う…という天然美女。友人の恋人にも言い寄られるし、友人にはそれで自分が責められるし、おかげで折角の美貌を誇るどころか人間不信に陥って恋もできない…という状態。そしてある日、ストーカーの一人に部屋に押し入られ、ボコボコに殴られた上、レイプされてしまう…警察では無神経な男性刑事から根掘り葉掘り訊かれ、自分にも落ち度があったのだろうと説教され、二度と顔を見たくない犯人と同席させられ、さらに犯人からは冷酷な言葉を投げつけられる。「あなたが美しいからレイプした」同じ女として「ひえええ~!」と叫びたくなる事態。ウニョンを演じるチャ・スヨンは美人ではあるけれど一目で男性を狂わせるようなオーラがあるかっちゅーと少々疑問ではあるけど>こらこらまあ、そうした部分は記号で良いんだよね。この後、どんどん堕ちていくウニョンの凄まじい姿を体当たりで演じた点に拍手。でも、少しばかり展開に矛盾も感じる。美しさを捨て去るため、まずは太ろうと過食に走るところは分かる。それが失敗に終わったので今度は拒食症になろうと絶食するのも分かる。いざ拒食症になってしまうと命が惜しくなる何とか食べようとするも吐いてしまうのも。そもそも自殺する勇気がなくて醜くなろうと決意したのだしね。でも、念願叶って外見が少し衰えだすと途端に焦り始めるのって…?まあ、それが女心ってやつだとは思うけどさ。美しさを証明したくて行きずりの男を誘うなんて本末転倒とちゃう…?精神が混乱してきたってことを表しているのかな。で、サングラスを外した途端に男が逃げていくほどの状態になったのに、後のシーンでは元通り美しいことになっていて、さっきまでのシーンは何だったのか?って感じ。ここは気にする方がオカシイ?ところで、キム・ギドクの名前に惹かれてDVDを手にしたのだけれど、実は彼は原作のみ。監督と脚本の両方を手がけたチョン・ジェホンはギドクの弟子だとかいう話。だからまあ、全体的にギドク節というかギドク・テイストではあるんだけど、ギドク作品に付き物の難解さとエロティックかつファンタジックな雰囲気は薄いと思う。それから、これは偏見もしくは贔屓目かもしれないんだけど(笑)ギドク作品だったら、ウンチョルが死ぬところで終わらせたような気がする。ウニョンの外見の美しさに惹かれ、ずっと彼女を追い掛け回すという点でウンチョルとレイプ犯のストーカー男は同じ。でも、次第に狂っていき吐しゃ物の上で醜く転げ回る彼女を見守ってきてウンチョルの思いは人間としての彼女全体に向けられるようになっていったのだと思う。犯罪と純愛が紙一重なのが皮肉っぽく興味深い。可愛がっていた熱帯魚をシンクに流し>これは可哀想レイプ男と同じように裸で部屋を歩き>このシーン、ギドクっぽい気がするそしてウニョンをレイプし、ストーカー男と同化して彼を殺したいと言っていたウニョンの願いを叶える。叶えた時点でウンチョルの思いと行為は純愛に昇華する。だから次の瞬間、爽やかな笑顔で歩いていくウンチョルの幻影が映ったのだと思う。ここで終わらせていれば、ギドク風純愛物語になっただろうけど、その後の悲惨なエピソードを加えてしまったためにウンチョルの存在が薄れてしまった。まあ、これはこれで面白かったんだけどね。でも、死にたくないと泣いていた彼女が殺される結果になり最後は死姦までされちゃうなんて悲惨過ぎ…(――;)ヘアもバッチリ映されるし、男の欲望のしょーもなさを描く物語って感じだなあ(^^;)印象的な作品ではあったけどね。クリックしてね♪(3つも多過ぎ?) ドラマ&映画感想は「REVIEWの部屋」に色々置いてあります【21%OFF!】ビューティフル(DVD)キム・ギドク監督オダギリジョー主演「悲夢」OST!【韓国映画】オダギリジョー、イ・ナヨン「悲...【決算セール】スーパー・ギドク・マンダラ キム・ギドク初期作品集BOX(DVD) ◆25%OFF!
2010.02.28
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これは傑作だと思う。ただ、グロいシーンが多いし、救いようがない結末だから万人に勧められるものではないけど(^^;)イケメンも甘い恋話も出てこないしね(笑)【ちょっとネタバレあり】実際に起きた殺人事件をベースにしているということで、『殺人の追憶』(ポン・ジュノ監督)を思い出す。あちらも傑作だったし、やっぱ凄いな韓国映画。で、あちらは未解決の事件を扱っていたけれどこちら『チェイサー』は、’04年に犯人が逮捕されている。21人(後に31人と供述)を殺害した「殺人機械」ユ・ヨンチョル。前半は裕福な人々を、後半は風俗業に携わる女性達をターゲットにしていたこと警察は彼の逮捕を二回も逃していた上、逮捕後も一度逃げられてしまったこと彼を検挙したのは出張マッサージ店の店長と店員だったことそれぞれの逸話が映画にも生かされている。まんま、ではないけどね。こうして既に犯人が分かっている事件がベースになっているため、犯人が誰か…という推理物にはなっていない。早いうちにアッサリと見つかってしまう。問題&見どころは、その後。主人公は出張マッサージ店の店長で、拉致された従業員の女性を探し回る…というのが主な内容。体調不良で休んでいた彼女を電話一本で叩き起こし無理に仕事に就かせたのが発端で主人公自体が、あんまり良い奴とは言えない。ていうか、女性を人間と見なしていないという点で犯人と同じでさえある。ある種、似た者同士である2人の男性が、追う者となり追われる者となる。ここのところが面白い。主人公役キム・ユンソクはドラマ『復活』でポップコーン探偵を演じていた人だけど、あの飄々としていて温かい人物と、こちらのうらぶれた店長とは全く別人(笑)ソン・ガンホから良い人そうな部分を除いた感じというか>ぇ『オールドボーイ』の時のチェ・ミンシクをナサケナクした感じというか>ぉ成り行きから従業員の女性の幼い娘を連れて行動する派目になるのが、また効果的。そのために短時間の追跡劇の中で主人公の内面が変わっていくのがよく分かる。事態を悟った娘が泣く姿をスローモーションにしてウィンドウ越しに映したところは何気に名シーンではないかと思う。ただ、その娘が怪我をした理由がハッキリ描かれないままなのが、ちょっと残念。ま、そこに時間を割いたら全体の流れが緩む危険性があったからかもしれないけど。まあ、そういう意味でツッコミを入れようとすると、そもそも主人公が犯人に出逢うところが少しばかり都合が良過ぎるとも言えるけどこれも、そこを描くものではないと言えるからな。とにかく、二時間強もある長い映画なのに緊張感がずっと持続するところは凄いと思う。で、主人公と共に、助かってほしいと切なる思いで観ていた女性が何と…という結末にして観客を拍子抜けさせるところも憎いなあと思う。聞くところによると、あのシーンはオリジナルではカラーのままだったとか。日本公開の際に白黒に変えたのだとか。白黒でも十分怖かったし衝撃的だったけどね。いずれにせよ、これは傑作だと思う。後味は良いとは決して言えないけど、でも、物凄く悪くもないんだよ。主人公の仕草がね。★ ★ ★ ★ ★ ★ ★2008年/韓国監督:ナ・ホンジン脚本:ナ・ホンジン、イ・シノ、ホン・ウォンチャン出演:キム・ユンソク(ジュンホ)、ハ・ジョンウ(ヨンミン) ソ・ヨンヒ(ミジン)、キム・ユジョン(ウンジ)、ク・ボヌン(オジョッ) チョン・インギ(ギル)、パク・ヒョンジュ(ウンシル)クリックしてね♪(3つも多過ぎ?) ドラマ&映画感想は「REVIEWの部屋」に色々置いてありますチェイサー ディレクターズ・エディション / キム・ユンソク殺人の追憶復活 BOX 1[6枚組]
2010.01.19
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【手術中覚醒】 手術中に意識が戻り、痛みを感じるも身体は動かせず声も出せない― という考えるだけで恐ろしい状態のこと。 随分前に何かで実例を読んだことがある。自分が手術を受けなければならなかった時、チラリと脳裏をかすめ一生懸命その考えを振り払ったっけなあ…ただでさえ「切られる!」という原始的な恐怖に震えている時なのに痛みをも感じる羽目になったらと思うと、とても手術には臨めないもの。この状態を経験した人は、その後PTSDを発症する例がほとんどらしい。そりゃあそうでしょう…って感じだよ。この映画は、心臓手術でそうした状態に陥ってしまった少年が登場する―術後にそのことを訴えるものの、子供なのでなかなか信用してもらえない。やがて彼の性格は豹変し、異常行動が始まる。不気味な絵を描いたり、ひよこを次々と木に投げつけて殺したり…なんてのは序の口で、遂には小さな女の子を汲み取り式のトイレに突き落として殺害してしまう。そして20数年後、ある外科医の周辺に不穏な出来事が起き始め…という物語。自分で自分を撃つという悪夢を見てうなされるところから始まるので一瞬、彼が例の少年の成長した姿かと思わせて、実は彼は脅迫されているという事情が明らかにされ、何者かに狙われているらしい彼の妻の様子に繋がっていく。彼の夢は、その後実現するわけだけれどそこには、特に意味は持たせてないようだったな。でもって、いかにもアヤシイ“親友”が現れるし、何だかアブナイ精神科医も登場するし、一見陽気な親友の麻酔科医は何かを隠している雰囲気だし、脅迫者も含めて、誰が例の少年なのか…という謎を引っ張り物語はスリリングに進んで行く。主要人物が揃いきるまで、ちょっと気持ちが落ち着かなかったけど後はグイグイ引き込まれていった。面白かった。ラスト近く、ちょっとした格闘シーンとなり心理ミステリーみたいだったのが最後はやっぱアクションか…と思わせて、ちゃんと、どんでん返しを用意してくれている。でもさ、犯人の体験は本当に悲惨で気の毒なので、復讐を果たさせてあげたい気がしてしまったよ。↑アブナイ?とはいえ、実際に手術に立ち会った人達は既に殺されており、物語の中心となる人達は、その子供達なわけだから復讐のターゲットとさえてしまっては、これまた気の毒だよね。何といっても、外科医の妻が気の毒。彼女は純然たる被害者だよ。でもって、犯人と同じ立場に立たされたわけじゃんよ。まあ、精神的に一番辛い思いをしたのは彼女の夫だけれどね。今度は彼がPTSDに悩まされることになりそう。★ ★ ★ ★ ★ ★ ★『Return』 2007年/韓国監督:イ・ギュマン脚本:イ・ギュマン、イ・ヒョンジン撮影:キム・ドンウン照明:カン・ドンホ音楽:チェ・スンヒョン、ホン・ジュヒ、イ・ジス出演:キム・ミョンミン(ジェウ)、ユ・ジュンサン(ウックァン)、キム・テウ(チフン) チョン・ユソク(ソクホ)、キム・ユミ(ヒジン)、キム・ルェハ(ミョンソク) ペク・スンファン(サンウ)、ソ・ヨンファ(サンウの母)受賞歴:2008年 第45回大鐘賞映画祭・助演男優賞(ユ・ジュンサン)クリックしてね♪(3つも多過ぎ?) ドラマ&映画感想は「REVIEWの部屋」に色々置いてありますリターン(DVD) ◆20%OFF!【国内便】[バーゲン]【送料無料】【50%OFF】映画/リターン(RETURN) OSTV.A(4CD)/キム・ミョンミンのクラシックマエストロ【送料無料】 EKC4D0961
2010.01.03
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『優雅な世界/The Show Must Go On』 2007年/韓国★ ★ ★ ★ ★ ★ ★やっぱ、ソン・ガンホは大した役者だよね。初めて入手したDVDソフトが彼主演作だったのが、ちょっと自慢>ぇおもしろうてやがて悲しきガンホ哉って感じ>どんな感じよ?それがガンちゃんの持ち味で、この映画もまた、そういう味わいのものだった。簡単に言ってしまうと、家族との幸福な生活を夢見るヤクザの物語―でも、ヤクザというのは極端な例えというか象徴であってこれは家族に疎まれながらも頑張る悲しき中年サラリーマンの物語と言える。40歳になる主人公イングは、ある暴力団の中堅幹部(というのかな)。もう下っ端ではないし、ボスに気に入られてもいるけれどボスの弟がNO.2の座についている、いわば同族組織だから今以上に上にも行けずそこそこ…って位置付け。娘の担任教師をトイレに呼び出して賄賂として金銭やピンクサロンの割引券を渡すなど、ヤクザとしての常識しか知らない40歳の彼は家族に嫌われながらも、先のことを考えると転職するのも躊躇してしまう…これってまさに、もはや若者ではなくなってしまった者に悲哀だよね。加えて、独り留守番しながら家族アルバムを眺めてニコニコしたり娘の部屋に入り込んで日記を盗み読んだりそれがバレて余計に父娘関係が悪くなったり…何かもう、哀れを通り越して可愛く見えてくる、家族から浮きまくってる悲しきお父さんなのだよ。まあ、可愛い…と感じるのはガンちゃんが演じているからこそでそうした彼の魅力がなかったら、とても居心地の悪い映画になってたかも?でもって、ヤクザとうう設定にしたからには、やはりヤクザ映画としての面白さもあり。…って、ヤクザ映画ってよくは知らないんだけど(笑)とにかく流血シーンは出てくる。アクションも、それなりに面白いと思う。恩人でもあるボスを殺してしまう結果になるのは、これまた悲哀なんだろうけどヤクザとしては一段上がることになるんだよね?他の組織に移る際、箔は付くわけでしょ?家族のために足を洗おうと努力した結果がそれ…という皮肉。でも、そのために家族の心が戻り、ハッピーエンドかと思いきや…という結末も皮肉。何と言ってもラストシーンが良い。笑顔→涙→怒りそして食べかけのインスタントラーメンを投げつけた後、それを自分で片付けるとう惨めな姿が、たまらなくガンちゃんなのだった。★ ★ ★ ★ ★ ★ ★監督:ハン・ジェリム脚本:ハン・ジェリム、イ・ウォンジュ、イ・ジウォン撮影:パク・ヨンス照明:ソン・テクチュン音楽:管野よう子武術:イ・ホンピョ出演:ソン・ガンホ(イング)、オ・ダルス(ヒョンス)、チェ・イルファ(ノ会長) ユン・ジェムン(ノ常務)、パク・チヨン(イング妻)、キム・ソウン(イング娘)受賞歴:2007年第27回韓国映画評論家協会賞:最優秀作品賞、男優演技賞(ソン・ガンホ)2007年第28回青龍映画賞:最優秀作品賞、男優主演賞(ソン・ガンホ)2007年第8回釜山映画評論家協会賞:男優主演賞(ソン・ガンホ)クリックしてね♪(3つも多過ぎ?) ドラマ&映画感想は「REVIEWの部屋」に色々置いてあります[DVDソフト] 優雅な世界【送料無料選択可!】グエムル-漢江の怪物- コレクターズ・エディション / 洋画(日本版)グッド・バッド・ウィアード コレクターズ・ボックス DVD (3Disc/予約)
2010.01.02
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『Beautiful Sunday』2007年/韓国★ ★ ★ ★ ★ ★ ★【ちょいネタバレあり】他のDVDに収録されていた予告編に興味を惹かれ観てみました。でも、その予告って、ちょいと反則(^^;)映画が始まった時、「あれ、タイトルは同じだけど違う作品?」と思ってしまいました(笑)長期入院中の妻のために不正に手を染める中年刑事と片思いの女性をレイプし、その後それを隠して彼女と結婚する青年の2人の男性の姿が交互に描かれていきます。予告編は、後者の部分だけで構成されており、いわゆる韓流イケメンを主役にした、いわゆる韓流ラブストーリーの形を取ってレイプという最悪の過去をどう受け止めるか…という苦い問題を提起したもの、という印象でした。これだけで、かなり考えさせるものがありました。ショッキングな事件の被害者となった上、それをきっかけに婚約者とも破談になり何もかもなくした状態から、やっと立ち直ったヒロインが普通に出逢い、普通に恋愛し、普通に結婚をし、普通の幸福を手にしたと思ったらその夫こそが、その事件の犯人だったと知る…物凄い精神的葛藤があるだろうことは、同じ女性として容易に想像できるのでどんなオチになるのか気になって仕方ありませんでした。でまあ、実際の映画も、この一件が大きく影響した物語なのは事実なんですけど2人がハッキリと向き合う前に、犯罪がさらにエスカレートしていき、予想していた物語とは、どんどん違う方向に進んでいきました。それに、中年刑事のエピソードの方に比重が置かれていましたから、違う分野の作品だと言えます。それを否定するわけではなく、それはそれで面白いんですけど予告による先入観がなかったら、もっと楽しめただろうなあ…とちょっとばかり残念に思ってしまいましたもんで(^^;)まあ、それを除いても青年が逃げの姿勢っていうか、責任転嫁っぽい性格なので愛が強いあまり…というよりも自己中心的なだけに見えてしまうし中年刑事が自滅していくのも妻への思いや罪悪感よりも中途半端に悪い事を始めて、要領悪かっただけのように見えてしまうのが難だなあ…という気もするのですが>スミマセンスミマセンラスト近くの、中年刑事と青年とが対峙する長めのシーンは緊迫感もあり謎めいてもいて、見応えがあります。中年刑事の心理こそが見どころであり、演じるパク・ヨンウの演技を息を殺して見守ることが一番ふさわしい見方かも。ただ…この2人が実は同一人物だということは、最初から気付いてしまったのでかなり興がそがれたのも事実(^^;)それがなかったら多分、最後までハラハラドキドキ、最後の最後でどんでん返しという、かなり私好みの作品であったはずです。ナムグン・ミンの挑発的な表情が色っぽく、彼と中年刑事とが銃を持って向き合うショットはかなりカッコイイです。監督/脚本:チン・グァンギョ撮影:イ・ギウォン照明:キム・ユシン音楽:イ・チャンヒ、イ・ジョンギョ出演:パク・ヨンウ(カン)、ナムグン・ミン(ミヌ)、ミン・ジヘ(スヨン) イ・ギヨン(ギチョル)、キム・ドンハ(サンテ)、パク・ビョンウン(ミン)クリックしてね♪(3つも多過ぎ?) ドラマ&映画感想は「REVIEWの部屋」に色々置いてありますビューティフルサンデー / ナムグン・ミンkoreaboom韓流ブーム*ナムグンミン*namgungminOST/ビューティフル・サンデー【送料無料】
2009.12.30
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2000年 / 韓国監督/脚本/武術監督:リュ・スンワン撮影:チョ・ヨンギュ音楽:キム・ドンギュ出演:リュ・スンワン(ソックァン)、パク・ソンビン(ソンビン)キム・スヒョン(ヒョンス)、ぺ・ジュンシク(テフン)リュ・スンボム(サンファン)、イ・ジャンホ(ソックァン父)受賞歴:第5回(2000)釜山国際映画祭PSB映画賞第1回(2000)釜山映画評論家協会賞審査委員特別賞第8回(2000)春史映画芸術賞審査委員特別賞第21回(2000)青龍賞新人監督賞第38回(2001)大鐘賞新人男優賞(リュ・スンボム)第21回(2001)映画評論家協会編集賞(アン・ビョングン)★ ★ ★ ★ ★ ★ ★う~…どう解釈して良いか分からない。レンタルしたものの、バッグから取り出す気にもなかなかならなくて>ぇ返却日ギリギリにやっと観た。だから凄く忙しなかったし、途中で集中力も削がれたりしたし、観終わって、どーしようもなく鬱な気分になったりもしてどうも正当&正常な解釈ができない(^^;)話は4つに分かれていて第1部『喧嘩』は、アクション第2部『悪夢』は、ホラー第3部『現代人』は、セミ・ドキュメンタリー第4部『ダイ・バッド』は、ギャング・ノワールという風に、異なるタッチで描かれている。前のエピでの脇役が次のエピでの主役となり、そこでの脇役がさらに次で主役に…というリレー・ムービー。韓国映画では、これが最初の試みだとか。第1部は―高校生同士の喧嘩が殺人に発展してしまう話。H.O.T.4集時代のカンタをゴツくしたような青年が登場し>例えがマニアック?彼が主人公だとばかり思っていたら、アッサリと死んでしまってビックリ。合い間合い間にブルース・リーの映像が挟まれたりして、激しい喧嘩シーンにも、そこはかとないユーモアが漂うと共に暴力もゲーム感覚もしくはヒーロー気取りな若者達の心情が窺える作り。第2部は―7年の刑期を終えて帰って来たソンビンが殺してしまったヒョンスの幻影に悩まされる話。刑務所では模範囚だったらしいけど、世間ではただの「前科者」ということで家族にも冷たくされ、就職もままならず、保護観察刑事からは見下される。対立する暴力団の連中からテフンを助けるソンビンだけど、実際には相手の顔がヒョンスに見えたせいと、色んな鬱屈が溜まっていたのとで暴力的衝動となって噴出してしまったのだろう。第3部は―テフンと刑事になったソクファンが対決する話。2人が激しく戦う姿と、各人がインタビューに答える姿とが交互に映される。第1部の喧嘩に加わっていたソンビンの友人ソクファンが、ソンビンとは逆に刑事になる。でも、正義感で溢れてるてわけじゃないし大望なんてない。夢なんてないのだ。インタビューもアクションも、刑事とヤクザの差なんてない。立っている場所、目に見える位置は全く正反対だけれど、中身はどちらも同じ出口のない人生の中で苦悶する一若者に過ぎない。第4部は―ソクファンの弟サンファンがソンビンの手下となる話、サンファンは鉄砲玉として使われ、あっさり殺されてしまうしソクファンはソンビンに両目を潰され、ソンビンを殺してしまうことになるしソンビンはヒョンスの幻影を見つめながら死んでいく…何処にも救いがない。誰も救われない。誰も夢を見られない。暴力、暴力、暴力に彩られた物語。所々に漂うユーモアが幾らか気持ちを楽にしてくれるけど、何とも言えない後味が残った。でも、ちょっと斜めだったり、モノクロだったり、場面によって工夫した撮影が面白いし若いエネルギーとか意欲とかがギッシリ詰まっている…という印象を受けた。クリックしてね♪(3つも多過ぎ?) ドラマ&映画感想は「REVIEWの部屋」に色々置いてありますダイ・バッド 死ぬか、もしくは悪(ワル)になるか(DVD) ◆20%OFF!シティ・オブ・バイオレンス-相棒- / リュ・スンワン(書籍)リュ・スンワンの本色(リュ・スンワン著)【送料無料】 9788960900448
2009.12.08
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『壽(ス)』2007年 / 韓国監督:崔洋一脚本:崔洋一、イ・ジュニル、イ・スンファン、チ・ジャク音楽:イ・ビョンウ撮影:キム・ソンボク出演:チ・ジニ(テス/テジン)、カン・ソンヨン(ミナ)、ムン・ソングン(ヤンウォン)イ・ギヨン(ダルグ)、チョ・ギョンファン、(ソンイン)★ ★ ★ ★ ★ ★ ★う~ん…血を流せば良いってもんじゃないぞ!って感じかな…>どんな感じよチ・ジニといったら、やはりチョンホ様@『チャングム』のイメージがあまりにも強いのでそれとは全く異なる役柄に挑戦しているのは素晴らしいと思う。なかなかカッコイイし、アクションシーン等は演じ甲斐があっただろうなあと思う。でも、映画としてはイマイチだった>スミマセンスミマセン冒頭のシーンは、なかなか良かった。掴みはOKってヤツっすよ。でも、その後、何かダラダラしていたような気が…聞くところによると、原題の『壽』は「解決師」の意味で、最高の殺し屋である主人公を指しているのだそう。崔監督は『ダブルキャスティング』という題名を考えていたが、主人公の名前テスの「ス」と復讐(ポクス)の「ス」で『ス』はどうか、という助監督のアイディアが気に入って採用したのだそうだ。そう、これは復讐物語。双生児の兄が殺された弟になりすまし、仇を探し出す。…って、ドラマ『復活』にそっくりなんですけど?あちらは兄の方が刑事で、こちらは弟の方。あちらは弟のふりをする…というのに必然性があったし、そこが面白かったけどこちらは、あんまり意味がないような気がするんだけど…>私だけ?あちらは用意周到に敵を追い詰めていったけど、こちらは正面から向かっていくので、ラストがああなるのは必然。破滅の美学ってやつ?そういうところは、『男たちの挽歌』等の香港映画を彷彿とさせるものがあるな。あっちの方がスタイリッシュな印象ではあったけど>こらこら観たことないけど日本のヤクザ映画もこんな感じじゃないかな、という気がする。そもそも兄である主人公の身代わりに弟は苦労したわけで、相手を殺して仇を討つというだけでなく、自分自身を罰するという目的もあるのだろう。贖罪ってやつ?弟の恋人との心の触れ合いは、もうちょい細かく描いても良かったかも?あのままでは彼女は弟の面影を主人公に求めているだけに見えるし、主人公の彼女に対する気持ちはどうなのか、よく分からない>私だけ?それにしても、設定からいうと過酷の一言である弟の方が束の間ではあるけれど、好きな女性との幸せな瞬間を過ごすことが出来たのに主人公の方は殺伐とした人生だったみたいで、そこが切ないね。それにしてもラストの長い長いアクション・シーンは哀切な雰囲気を漂わせているところは良いと思うし、ここをこそ描きたかったのだろとも思えるのだけれど…一般人ではあそこまで持たないから殺し屋という設定にしたのだろうけど、「最高の殺し屋」と呼ばれるほどの存在だと考えると、ちょっと…かも?まあ、最後の最後は悪くなかった。いつも胎児のように身体を丸めて眠っていた主人公が、バスタブで氷で冷やされていた弟の死体と同じように濡れ同じような形で座り込み、そのバスタブを連想させるような水の溜まった桶を見つめる―水には彼の顔が映り、彼とそっくりな弟の顔が覗いているかのよう―そして、子供時代に弟に最後にかけた言葉を呟く―ここでサッと終わったのが良かった。それと、敵のボスがカラオケではしゃぐシーンが強烈。あの演歌(トロット)が、しばらく耳から離れなくて困ったよ(笑)クリックしてね♪(3つも多過ぎ?) ドラマ&映画感想は「REVIEWの部屋」に色々置いてあります【ポイント8倍】税込\2000以上のご購入で全国送料無料!!※代引き手数料を除くス■チ・ジニ【20%OFF!】チ・ジニ短編ドラマBOX(DVD) カムイ外伝 ドキュメント 【DVD】
2009.11.30
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『オアシス』2002年/韓国監督・脚本:イ・チャンドン出演:ソル・ギョング(ジョンドゥ)ムン・ソリ(コンジュ)★ ★ ★ ★ ★ ★ ★一言で纏めるならば、脳性麻痺の女性と刑務所を出所したばかりの男性のラブストーリー。でも、綺麗事ではない。かといって、必要以上に過酷な話でもない。でも、自分の中にある偏見や狡さやしょーもない悪意に気付かされる。ジョンドゥは前科3犯。冬なのに夏服で出所。韓国では出所したら食べる豆腐も自分で用意。お金がなくて早速に無銭飲食。家族にも、ほとんど見放されている証拠。コンジュは思うように動けず話せず部屋でひとり、鏡に光を反射させて、それを鳥や蝶だと空想して止まった時の中に生きている。恐らく家族も隣人も、彼女の内面に何もないのだと誤解している。『マイレフトフット』で、やはり脳性麻痺の主人公が足で地面に字を書いてみせるまで誰もが知的障害もあるのだと決め付けていたのと同じように。現実世界で彼らに出逢ったら、彼らの内面を推し量ったりするよりもまず彼らの周囲の人々の側に、自分も付いてしまうだろうと思う。彼らの周囲の人々―ジョンドゥの家族は実はジョンドゥに負い目を持っていることが分かる。でも、当人である兄は感謝するわけでも引け目を感じるわけでもなく、ひたすら自分のことしか考えていないし訳知り顔の弟は、長兄を庇い、ジョンドゥを諌めようとする。母親もコンジュのことで息子を責める。家族の誰にとってもジョンドゥは、いない方が良い人間。コンジュの兄夫妻は、彼女の名前で身障者用の綺麗なアパートに引っ越し肝心のコンジュは置き去りにする。調査員が訪れる時だけ彼女を連れて行き、いつも一緒に暮らしている風を装う。ジョンドゥを訴えた時も、コンジュを哀れんだからではなく金目当て。コンジュの世話を頼まれた隣人夫婦も金目当てだし、奥の部屋に彼女がいるのを承知で別荘感覚で昼日中に行為にふけったりしている。レストランは、コンジュの様子を見て客として受け入れてくれない。物凄く醜い人々だと思うんだけど、決して特殊ではないと思う。形は多少違っても、根本に流れる精神は同じ…という例は近所だけでも色々ある。自分の中にも似た精神がないとは決して言えない。でも、ジョンドゥとコンジュの出逢いも純愛物語にふさわしいような綺麗なものではない。ジョンドゥは動けない彼女をレイプしようとするんだもの。そんな彼に連絡を取るコンジュは、この出来事や隣人の壁越しの行為に刺激されて欲望に目覚めたのかとも見えるし。それでも、必死に口紅を塗ろうとして、どうしても手が届かない様子は何ともいじらしかったけどね。ジョンドゥは自分と同じように周囲からマトモに見てもらえないコンジュに、コンジュは形は最悪だけど、ある意味初めて自分を「人間」と見てくれたジョンドゥに、本当の意味で心を動かされたのだ…とも解釈できる。親しくなってからのジョンドゥはコンジュを外に連れ出し青空を見せたり電車に乗せたりレストランに連れていったり…コンジュの世界を広げてくれる。コンジュはごく普通のカップルのようにジョンドゥと過ごす自由な自分を妄想する。それはとても可愛く、いじらしく、愛しい。そんな2人の恋は成就したと思えた瞬間に全てが崩壊する。思うように言葉を出せないコンジュが身体中で意志を示しても誰も気付かないしジョンドゥは一切言い訳をしない。けれども彼は警察を逃げ出してでもコンジュが怖がっていた窓の外の木の枝を切る。コンジュはラジオの音を最大にして彼に答える。ここはファンタジー。有り得ないくらい美しいファンタジー。ラストでのジョンドゥの手紙は優しさに満ちているし、コンジュは不自由な手で部屋を掃除している。これは、空想の世界に逃げ込んでいた彼女が現実に前向きになったってことだよね?2人の人生が明るい方向へ向いている証拠だよね?そう思いたい。それこそ希望の光だと思うから。―こんな浅い感想しか言えない私だけど、とても良い映画だった。ソル・ギョングとムン・ソリの演技も素晴らしかった。これでイ・チャンドン監督の作品を全制覇しましたぜ。…4作だけだけど。クリックしてね♪(3つも多過ぎ?) ドラマ&映画感想は「REVIEWの部屋」に色々置いてありますオアシスシークレット・サンシャイン(DVD) ◆20%OFF!グリーンフィッシュ(DVD) ◆20%OFF! 【中古】洋画DVD ペパーミント・キャンディー(’99日、韓) (有アップリンク)
2009.11.15
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『ピンジプ(空き家)/3-iron』 2004年/韓国・日本監督・脚本・編集・制作:キム・ギドク製作総指揮:鈴木径男、チョ・ヨンベ共同制作:カン・ヨング、ス・ヨンジョ撮影監督:チャン・ソンベク美術監督:チュ・ジンモ助監督:オク・ジンゴン衣装デザイン:ク・ヘホン音楽:スルヴィアン出演:イ・スンヨン、ジェヒ、クォン・ヒョゴ、チュ・ジンモ、チェ・ジョンホ受賞歴:2004年 第25回青龍賞・新人男優賞(ジェヒ) 2004年 第61回ヴェネツィア国際映画祭・銀獅子賞(監督賞) 2004年バリャドッド国際映画祭・金のスパイク賞 2004年 第24回映画評論家協会賞・脚本賞 2005年FIPRESCI年間最優秀賞★ ★ ★ ★ ★ ★ ★やっとこ見つけた、キム・ギドク監督作品!ちゅーことで、いつもより高いレンタル店で借りてきてしまった(笑)何だか上手く言葉に出せない映画だった。映像の雰囲気というのか感覚というのか色合いというのか…ああ、キム・ギドクだ!って感じ。もう、それだけで浸れてしまう私って…(笑)あまり言葉で語ろうとしないところが特徴の一つかと思うけど、この作品はそれが取り分け顕著。主役のジェヒは一言も話さないし、イ・スンヨンも最後になって短い台詞が数回あるだけ。ジェヒ演じる青年テソクは>役名があっても、あまり意味ないビラ配りの真似事をして留守宅を探し、こっそり忍び込んで夜を過ごす。宿代のつもりなのか、暇つぶしなのか汚れ物を探し出して洗濯をしたり>洗濯機を使わず浴室で手洗い壊れているものを修理したり>時計とか体重計とか玩具のピストルとか庭の植物に水をやったりする。それから食事を作り、入浴し、ベッドで眠り住人が帰ってくる前に綺麗に姿を消す。本来なら不気味な行為なんだけど、何だか楽しそうに見えてくる>ぇ逆に言うと、自分の存在というものを殺した生き方だと思う。自分が生きてきた痕跡を消し去りながら日々を過ごしているかのよう。そんな彼がソナの家のガレージの前にうっかりバイクを止めてソナの夫に睨まれるという冒頭のシーンは、その後の展開を示唆している。姿がないかの様な彼がソナの家に忍び込むと、そこにはソナがいる。彼は気付かず、いつものように過ごす。そんな彼をソナはじっと見ている。今迄とは全く逆の光景。夫のDVに怯えながら生きているソナは、ある意味テソクと同じ。やはり言葉を発せず、自分の存在を消そうとしている。無言の2人と言葉の多い夫。この3人のシーンは面白いと思った。無言のまま逃げていく2人。テソクの生き方に合わせていくソナ。何だかファンタジックで美しいとさえ言える日々。でも、それがだんだん崩れていく。ソナの顔の痣は次第に薄れ、表情も柔らかくなっていくのとは逆にテソクの顔は殴られて傷や痣ができ、間違いで人に重症を負わせ自分の心も傷付き最終的には刑務所に入ることになる。これもまた、今までとは逆の光景。テソクにとってソナとの出逢いは間違いなんじゃ…とさえ思えてくる(笑)孤独死した老人を丁寧に葬ってやるところは良かった。その後、その家に住むことになるのも、その老人も含め“家族”になったかのようでそれ以前とは違う温かさが加わった暮らしになったように見えた。ただ、犬が何処に行ったのかは激しく気になったけど(^^;)その暮らしも終わりに至るわけだけど…それで悲劇として映画が終わりになってしまうのではなく、テソクの奇妙な行動から始まって、一気にファンタジーになっていくところが良い。テソクは自分の存在を消すことに成功する。ソナにだけは彼が見える。彼女の前で存在をなくすのは夫の方。夫の前のソナは姿はそのままでも心は存在しない。これもまた逆転。2人が乗った体重計の針が刺すのは“0”。2人が揃って、やっと0になれたってことだよね。暴力シーンを始め、描写はリアルだったりするのに中身はファンタジーなのがキム・ギドクの特徴かも。私が彼の作品に惹かれるのは、そのファンタジー性。それと、イ・スンヨンの憂いある美貌も素敵だったけど何よりジェヒの目力が凄く効果的!惚れますぜ(^^)クリックしてね♪(3つも多過ぎ?) ドラマ&映画感想は「REVIEWの部屋」に色々置いてあります【20%OFF!】うつせみ(DVD)
2009.10.04
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『ミリャン(密陽)』 2007年/韓国監督/脚本:イ・チャンドン撮影:チョ・ヨンギュ音楽:クリスチャン・バッソ原作:イ・チョンジュン受賞歴:第60回カンヌ国際映画祭 主演女優賞 第2回アジア・フィルム・アワード作品賞・監督賞・主演女優賞出演:チョン・ドヨン(シネ)ソン・ガンホ(ジョンチャン)チョ・ヨンジン(ドソプ)キム・ヨンジェ(ミンギ)ソン・ヨンジョプ(ジュン)ソン・ミリム(チョンア)キム・ミヒャン(キム執事)★ ★ ★ ★ ★ ★ ★最初の画面が映った時、何か懐かしさのようなものを感じた。画面そのものは初めて観るのだけれど、空気の色というのかトーンというのか…。そしたら、『グリーンフィッシュ』『ペパーミント・キャンディ』の監督なのだと知った。もう随分前に観たのだけど、2本とも心に深く残った映画。特に『ペパーミント…』は凄い映画だと思っている。そして、この『シークレット・サンシャイン』も、心からなかなか消えてくれない映画。二時間半近くの長さなので、シンドイかなあと思いながら観始めたけれど、始まってしまえば、あっという間だった。暗くて重くて途中で耐えられないのではと心配もしたけれど、不思議と観易かった。それと何と言っても、チョン・ドヨンとソン・ガンホが素晴らし過ぎ。【以下、ネタバレあり】夫を亡くし、幼い息子と共に夫の生まれ故郷ミリャンに引越してきた女性@シネ浮気男だったらしい亡き夫を今でも信じていると主張したり、土地を買うだの投資するだの「金持ってるぞ!」的発言を繰り返したり、何か肩肘張ってるって感じで、あまり良い印象は受けなかったんだけど、女が生きていくには強がりも必要なんだろうな。そうやって見栄を張ったことが息子の誘拐に繋がってしまうのだから悲し過ぎる。冒頭で、息子を車から降ろすシーンがある。それは母子の微笑ましい風景。それに呼応するように、今度はシネが車から降りるよう促されるシーンがある。その先にあるのは、息子の死体。まだ事件が起きる前、シネは行き交う車を注意深く避けながら道を渡る。事件が起きた後、シネは車に目もくれずフラフラと道を歩く。一人息子を殺された母親が、その心を狂わせていくのは、当然のことだ。何かに、あるいは誰かに必死で救いを求めるのも当然だと思う。その何かが、宗教だったというのも、珍しい話ではないだろう。でも、行った先の教会は、学生バンドみたいな人達の演奏でポップスみたいな賛美歌を各人が身体を揺らしたり、両手を頭上に掲げたりしながら、陶酔して歌っていたりして何だか胡散臭い雰囲気の漂う所。それでも彼女が、それで心の平安を得られたのなら打ち解けて話し合える仲間も得られたのならそれはそれで良いのかな…と思いかけた瞬間、彼女は獄中にいる犯人に面会に行くと言い出す。良く言えば、そうして彼女は信仰の一段階上を目指したのだけれど悪く言えば、犯人に対する上目線があったと思う。ある意味での復讐とさえ言えるかも?相手を傷つけたり殺したりする代わりに、自分の心はこうして救われた!あなたより上にいる私が、あなたに慈悲を施してあげる!…みたいな>穿ち過ぎ?彼女がそうしようと思い立ったのは、犯人の娘が若者達ともめている現場を目撃した直後。娘の姿に、犯人の惨めさを連想したのかも?憎い相手が不幸な状態なら、哀れむことは比較的容易だから。けれど、犯人は既に入信していて、顔色も良く態度も穏やかで、喜びと満足感に満ちた表情でシネに微笑みかける。シネが許す前に、神は彼を許していた…?そうしてシネは狂いだす。「見える?」挑戦的な目付きで天を見上げながら、シネは聖書が禁じる悪を行ってみせる。万引きをしたり、盗んだ演歌のCDを集会での祈りの最中に流したり、教会の長老で、自分に入信を勧めてくれた人の夫でもある人を誘惑したり、自殺を計ったり…手首を切る時、りんごを食べていたのも示唆的。アダムとエバが食べた「善悪を知る木」は絵画等でりんごに描かれることが多いから。ブツブツと呟きながら道を歩く姿も怖かった。呟きの内容は実父への恨み。いつしか(それとも最初から?)実の父親と天の父とが混同されている…?これらって…「宗教」というものを考える上で物凄く深く複雑な問題を孕んでいる。「宗教」が抱える大いなる矛盾であり、残酷さであり、「罪」であると思う。でも、これって人間製の宗教だからだよ。聖書=神の言葉を用いていても、その本当の姿を伝えていない。長老はシネとの姦淫に失敗したけど、それは天の父が見ていたからじゃない。そんなの、役に立たない自分への言い訳。女を見続けて情欲を抱く事=心の中で姦淫を犯したこと、と聖書は述べている。地面に自分でシートを敷いてシネを抱き締めておいて、それで罪を犯さなかったなんて言えない。集会で皆の前で祈りが出来ない程度の良心の呵責はあるみたいだけど、そのくらいで罪が許されるわけないじゃん。妻にも告白してないし。お前、長老なんて辞めろよ!それから犯人も、どこまで偽善的なんだか…そうやって事件を起す前も、お前は良い人ぶってたよな。神が許しを与えるのは、心から悔い改めた人。本当に自分の罪を反省しているのなら、あんなしゃあしゃあとはしていられないはず。何とか償いたいと必死になるはず>償いようもないことだけどね結局のところ、彼の歪みを彼の娘が背負ってしまっているのだと思う。娘の気持ちを顧みず自己満足に陥っている犯人に、神による心の安らぎなど得られっこない。退院したシネの髪を切りながら涙目になる娘は、マグダラのマリアかもしれない。髪を切っている途中で席を立ってしまうシネは、まだ犯人が許せないから。でも、それって当たり前だよね。いつかは…いつかは、そういう日が来る…のかもしれないけど。でも、直後に出逢った洋品店の奥さんの失言は笑って流せるようになった。そして、中途半端な髪を自分で切ろうと庭に出るシネ。切り取られていく髪の毛の束は、彼女の心に溜まった滓かもしれない。光と、それが織り成す影の間に、髪の毛が落ちていく。タイミング良く現れて鏡を持ってくれたのはジョンチャン。KYで下品で愚かな俗物。シネに惚れているのに、シネのことをちっとも理解していない男。それでもずっと、シネの傍にいて、彼女を支えようと努力していた人。でも、偽善で固められた宗教組織とその成員達よりもこういう人を通してこそ、神は光を照らすのかもしれない。少なくとも、シネにとって。クリックしてね♪(3つも多過ぎ?) ドラマ&映画感想は「REVIEWの部屋」に色々置いてあります[DVDソフト] シークレット・サンシャイン 特別版【お買い物駅伝0908】【秋の決算セール】 グリーンフィッシュ(DVD) ◆25%OFF! 中古》【DVD】ペパーミント・キャンディー洋画
2009.09.22
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