私はなぎなたの授業が嫌いだった
長い刀状のものを振り回すのが
とても残酷のように思えた
女だてらにという思いもあった
戦時中 疎開する前なぎなたを
体育の授業に取り入れるようになった
その時はいやいややっていた
疎開先ではなぎなたがずっと進んでいた
とてもついていけない
見学を申し出ると許してくれた
よく許してくれたと思う
見学に飽きると
空や雲を見た
シュークリームのような雲は
とてもおいしそうだった
風はとても気持ちよかった
少しも叱られなかったのが不思議
少しも罪悪感がなかったのが不思議
ひとり孤独な不思議の世界にいた PR
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