261111
上林礼和 (かんばやし・ゆきかず)
個展 ワタシノナカノ“和”ノココロ (11/11~16) @ The Artcomplex Center of Tokyo, ACT3 (大京町)
(浅草寺の空間を抽象化したり、阿吽像を油絵具+石膏+砂で表現したり。神社佛閣の凛とした静謐に心ひかれるという。昭和46年生まれ、鎌倉在住。)
261111
粉川 (こかわ)
江里子展 境界線 (11/4~16) @ The Artcomplex Center of Tokyo, ACT5 (大京町)
(女性の表情の切り取り方がすてきだ。顎に指の甲を当て、唇に微笑みを蓄えてうつむく「乳白色の夢」がいい。)
261111
田中美代子展 「30枚のサムホール」 (11/11~16) @ The Artcomplex Center of Tokyo, ACT4 (大京町)
(車洋二さんキュレーション。車さんの奥さまに初めてお会いした。部屋に入った直後、やばい! これは買ってしまいそうだ。予感は的中、まず「時点-16 風神雷神」。ヒトの乳房を抱えた女狼が演じる風神雷神だ。目を半ば覆いながらそれを見る観客 (とぼくが勝手に見立てた)
「時点-18」、演じた後の楽屋の女性ふたり (とぼくが勝手に見立てた)
「時点-27」。 3 x dek du mil + i
)
261111
はかまだ みさこ 展 ~imagine~ (11/11~16) @ The Artcomplex Center of Tokyo, ACT2 (大京町)
(蝶の極楽色の翅模様の耳をもつ「癒しの象」が干からびた大地を行くと、緑あふれる恵みの地に変わる。アクリル、水彩、パステルにウッドバーニングも加えた、絵本作家の丹念な絵画。)
261111
Girly展 (11/7~16) @ The Artcomplex Center of Tokyo, B1F (大京町)
(32人展。立澤香織さんも旧作を出展していたが、奥のステージの坂元友由「ハッピーエンド」が突出してよかった。女の子が机上のデコレーションケーキの前に、潤いのある唇をゆがめて坐っている。ケーキに蝋燭の代わりに立っているのは、点された5本のお線香。彼女が抱える菊の花束。目は潤みきっているが、あえて頬に涙の粒を描かなかった抑制もみごと。シェル美術賞の大賞をぜひ差し上げたい。)
261106
富永周平展 (11/6~11) @ Shonandai MY Gallery (六本木七丁目)
(油画を描く前にキャンバスに下塗りをするごとく、富永さんは写真雑誌等からコラージュして地をつくり、そこにローマ周辺の小さな町々の風景をペンで描く。コラージュの材料となる印刷写真は、消しゴムで色が薄くなるまで消すと不思議な奥行き感が出たりする。ローマで生まれ育ったという。)
261105
ウィレム・デ・クーニング展+コレクション展「印象派から抽象絵画まで」 (10/8~27/1/12) @ ブリヂストン美術館 (京橋一丁目)
(予想を上回る収穫だった。Willem de Kooning作品のほとんどは John & Kimiko Powers Collection だ(いまは The Ryobi Foundation が管理)。太描き・細描きの線が自在で、これだけ乱のなかで描いているのに何も足せない何も引けない安定美。響き合うように、菅井汲の「赤い鬼」(昭29)など3点や、追悼特集として趙無極(Zao Wou-Ki)の6点、堂本尚郎 (ひさお)
の5点も見ごたえあり。客が少ないのも、見る側としては歓迎。)
261104
ジョルジョ・デ・キリコ 変遷と回帰 (10/25~12/26) @ パナソニック汐留ミュージアム (卵型ののっぺらぼうを Metafisica な絵に取り込んだ30代前半のキリコだったが、そこから一旦は古典主義に“回帰”し、70代・80代になってふたたび Metafisica に“回帰”する。最晩年の作品はアイズピリの色彩を連想させるものも。15歳年下の妻イザベッラ・ファーを描いた、ネオバロック時代の「赤と黄色の布をつけた坐る裸婦 Nu assis avec draperie rose et jaune」が ぼく好み。)
261103
The Art Fair +Plus-Ultra 2014 ―2nd Term― (10/31~11/3) @ スパイラルガーデン (南青山五丁目)
(東京ユマニテの佃舞永さんが出品した友成哲郎さんの人面ヘリコプター Delicopter は 6×8×9 cm のミニサイズだがラジコンで飛ぶ (ビデオもあり)
。売れてなければ買っていた。保田智美さんが出品したベルリン在住・加藤 竜 (りょう)
さんの作品はかくかくっとした描線が特徴的で、見始めは抵抗があったが、目が慣れると具象・抽象の適度な混在がこころよい。ただ、反原発を文字で書き加えたドローイングには「これってポスターになっちゃってて残念」とコメントしておいた。)
261028
依田洋一朗 “The Great Gatsby in blue”kia (9/29~10/31) @ 南天子画廊 (京橋三丁目)
(臙脂+黒がイメージカラーの依田さんだったが、本展は俄然、空色~紺色に染められた。映画 The Great Gatsby のシーンを切り取った、自動車が意味深な無人風景の2枚の絵が好きだ。)
261026 【店舗】
Heinrich Wang 八方新気 (南青山五丁目8-8)
(じつに斬新なデザインの白磁の陶作品。茶器、花器から佛像まで。自らはデザイナーに徹し、製造は金沢の工房に委託するというビジネスモデルが奏功した。版画家が刷り師に刷りを任せるのと同じ発想だ。存命にして既に故宮博物院に作品が収まっているという。価格もお手頃だった。)
261026
The Art Fair +Plus-Ultra 2014 ―1st Term― (10/25~28) @ スパイラルガーデン (南青山五丁目)
(かんの自然、車洋二、光井聡、伊藤愛の皆さんにご挨拶。Artrates & The Hive Gallery and Studios のブースで、作家競作22枚のタロットカード Hive Tarot #4 と #5 を購入。李恵源さん出品の、宇田川誉仁さんの動物オブジェがおもしろい。紙粘土と金属部品、電子パーツなどを組み合わせて、メカニックだが愛嬌のある作品。)
261023
The Mirror: Hold the Mirror Up to Nature いまアートの鏡が真実を映す。Art+Design+Library+Lecture
(10/16~11/9) @ 名古屋商工会館 2~6階 (会期中は銀座四丁目 The Mirror 館と称す)
(建物は昭和5年竣工の6階建て (通りから見ると4階建てに見える)
。2階から6階まで ぽこぽこと現代アートを展示するも、チベット佛画がいちばんいい。松岡正剛「屋根裏ブックフェア」も楽しめた。入場料1,000円は高いけど、何があるんだろうというワクワク感は裏切られなかった。レトロなビルをこんな形で再生できるわけだ。)
261022
李明維 (り・めいい)
とその関係展 Lee Mingwei and His Relations 参加するアート ―― 見る、話す、贈る、書く、食べる、そして世界とつながる The Art of Participation -- Seeing, Conversing, Gift-Giving, Writing Dining and Getting Connected to the World
(9/20~27/1/4) @ 森美術館 (六本木六丁目)
(「リー・ミンウェイと…」展は、森美術館主催・台湾文化部共催。平成24年の Stone Journey(石の旅)が直截: NZ の氷河期の石とブロンズの複製が並び、無期限ながら何れかを捨てる決断をせねばならぬというお約束の作品。そのお約束があるから、なんの変哲もない石とその茶色のコピーを真剣に眺め考える。李明維氏のアートはブロンズ製複製だが、よくよく見ると造化の作物たるただの石ころにはるかに味わいがある。思考と発見を強いる契機こそ、アートの本質だ。自宅に帰るまでに街ゆく見知らぬひとに贈ることというお約束の、葉っぱのない花々。帰りのエレベーターで同乗した女性2人が花を持っていて、どうしようかと思惑中。「永遠に迷い続けるのもアートでしょうね」と声をかけた。)
261021
門倉直子 “The works of charcoal” (10/10~31) @ アート★アイガ (八丁堀二丁目)
(門倉少女たちを木炭でドローイングに。女の子と目と目が遭うと、ぞくっとする。やはり、欲しい!と思うものは大抵売れている。大サイズの木炭画となると、額装は必須だろう。今回は断念。ところで、ぼくの次女が門倉少女にちょっと似ている。)
261021
下町アート動物園 Part II (10/17~30) @ Fuma Contemporary Tokyo (入船一丁目)
(高レベルの6人展。田中 望さん新作は、出征兵士への追悼を兎たちの終わることのない踊りに託したか。作品に人物が登場するとは新展開だ。中里勇太さんの写実木彫は気迫みなぎる角獣の隣りに、黒兎がやわやわとした毛の質感まで帯びて坐る。高橋賢悟さんは蘭の花の群生をアルミニウムの鋳金で創り出す高度な技。株田昌彦さんの現代建設ふうにあしらったバベルの塔の絵、手が届く値段なので欲しくなった。花田千絵さんは、無造作に切り出した木片を寄せて猫をつくって、いい味。中井章裕さんの、背にファスナーのついた白兎たちは、これを着て兎を演じた人間が抜け出たあとの抜け殻という設定もおもしろい。)
261020
所幸則 (ところ・ゆきのり)
作品展 One Second ~瞬間と永遠~ (10/10~30) @ Sony Imaging Gallery (銀座五丁目)
(渋谷やマンハッタンで1秒間の露光で写真を撮る。動きが幽体となって、おもしろい画像。渋谷の写真集があって、高松出身の黒縁眼鏡の所さんが「サインしますよ」と言ってくれたけど買わなかったのは、単純にぼくが渋谷を見慣れていて新鮮味が臨界点に達しなかったからかな。)
261020
Halloween展 ―ちいさな夜― by クリエイティ部 (10/20~25) @ Gallery銀座フォレスト (銀座一丁目)
(石川真衣さんがキャッツっぽく顔を塗って「おひさしぶりです」。狼女だったらしい。新作はACTで見たものでしたね。高校の同級生5人、違う美大にわかれたけど時々集まってワイワイしてたけど、今回はじめてグループ展、ということで文化祭のノリですね。真衣さんが奥のメインの場所を取ってたな。)
261009
森村智子 (ちし)
トリトメ展 (10/7~12) @ The Artcomplex Center of Tokyo, Act 3 (大京町)
(ゆがんだ形の切り株スライスに、ミステリアスな女の子が展開する。Gallery 銀座フォレストミニで何度か個展を見てきたが、一段と腕を上げた。)
261009
菊池まゆ個展 「わたしの都合」 (10/7~12) @ The Artcomplex Center of Tokyo, Act 4 (大京町)
(イラストレーターとしての修行の甲斐あって、寓意に満ちた顔が描けるひとだ。これまで東南アジアのアーティストを思わせる作品を作ってきたのを、今回方向転換した由で、応援したくて「とろける太陽」を購入 (tri dek mil)
。キュレーターの かんの自然 (じねん)
さんの人柄の良さも応援したくて。自然さんはもうすぐ小伝馬町あたりに自分の画廊をオープンする由。)
261009
INTRO 2 ―コレクター山本冬彦が選ぶ若手作家展― (10/7~19) @ The Artcomplex Center of Tokyo, Act 5 (大京町)
(12人展。山本冬彦軍団も、新しいひとがたくさん。石川真衣さんから案内をもらったが、新作1点以外は Gallery Speak For で見た旧作だった。中国・大連出身の邵立さんが、てらてらとした華やぎのある踊り子を描いていて、欲しくなった。神話のようなテーマの処理も巧みだ。東京藝大油画 院修了で、いまは中国・長春の中国国立東北師範大美術学院の講師をし、半年は日本に来て過ごす。藝術ビザというのがあるのだそうだ。ほか、福島万里子さんの油画に凄み。これまで壁画大作が多かった石原七生さんが、買いやすいサイズの装飾的小品を出展。)
261006
第6回「国際フォトグラフィー・ショー」 Tokyo Photo 2014 フォト・フェア(作品展示・販売)×特別企画展のフォトグラフィー・ショー
(10/3~6) @ 東京ビル TOKIA 西側ガレリア (丸の内二丁目)
(1,300円の入場料を取るにしては規模が小さい。TOKIA のロビーと別棟なのにロビーに全く表示がなく、昼休みに一度来たけど場所が分らず憤然とした。三菱地所がロビーに場所案内表示を出すことを許さないのだという。バカじゃなかろか! ドイツの Camera Work が出展していた Paolo Roversi の “Natalia, Paris, 2009” に魅せられた。写真集 PHOTO:BOX を購入。Jimmy Nelson の大型写真集 “Before They Pass Away” が欲しくなったが、図書館で楽しむべきかな。)
261001 リニューアルオープン展 第1回
Photographs by Five 北井一夫|鷹野隆大|楢橋朝子|浦上有紀|オノデラユキ (9/26~11/8) @ Zeit-Foto Salon (京橋三丁目)
(羅針盤の下の階が長らく空いていたが、写真ギャラリーが入った。販売用の写真集のストックもあるようなので、改めて行ってみよう。最近とみに写真集にも心ひかれる。)
261001
ディスカバー、ディスカバー・ジャパン「遠く」へ行きたい (9/13~11/9) @ 東京ステーションギャラリー (丸の内一丁目)
(大阪万博前後の日本の振り返り。「ディスカバー・ジャパン」じたいは限りなく JR 自社ネタだが、同時代のさまざまなアンチテーゼを陳列した後半と併せて見ると、ひとつの時代が浮かび上がってくる。)
261001
清水智裕展 ―それを楽園とせよ― (10/1~7) @ 銀座三越8階ギャラリー (銀座四丁目)
(待ちに待った清水展。朝一番に行って、油画3点、ドローイング1点を購入。DM葉書の「ガーデンテラス」 (sesdek kvin mil + i)
は、多くの人が狙っていたはず。先に買って申し訳ありません。ほかに「サンクチュアリ」 (kvindek mil + i)
、「神官より」 (kvardek mil +i)
、ドローイング (dek kvin mil + i)
。いずれも静謐な場のミステリアスな少女。近作は、武闘派少女がモチーフの中心になっていて、ちょっとぼくの期待から外れてきてる部分もあります。南洋の大蛸と水着の少女の闘いは、だいぶ立体的に描き込まれて成長し、これ以上描くとヤバイ状態。誰か早く買って!)