よぴさんのつぶやき

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うれしはずかし水中出産・1


そう、私が選んだ出産方法は、助産院のお風呂での水中出産だったのです。

実はもともと水中出産だとわかっていたわけではなくて(うそみたいだけど、本当。のんきなんですね、私)、8ヶ月の時に行った母親学級で、初めて自分が水中で産むかもしれないと悟ったわけで。

別に水中が嫌な人はどんなかたちでもいいのだけれど(アクティブバース、自分の好きなスタイルで産みましょうみたいな)、お風呂に入ると誰もがあまりにも楽な気分になれるので、出たくなくなると聞いていました。
まさにそのとおり。痛みが続いている中でお風呂に入った瞬間のあの開放感、今でもそれは思い出せる感じ。超おすすめ、みたいな。

でも「水中出産」というと、あまり歴史がないのと、「24時間風呂で自宅出産して子供がレジオネラ菌に感染して死亡」とか、いいイメージがないらしく、やっぱりまわりの人は反対じゃないけど、賛成はしてませんでした。
私は初めからその助産院を信頼していたから心配はなかったけど、(私のまわりにその助産院で産んだ人がたくさんいたしね)やはり仕方のない事なのかな。

私の中では、もし万が一の事があってもそれは私の運命だぐらい思って、受け入れる自信があったから(そのときは変な自信があった)。きちんと産む自信もあったし(まったく根拠はないんだけど)、自分の子を信じていた。信じるしかなかったんですね、きっと。

今までこれだけ自分の納得いく様にやってきて、これで万が一があっても受け入れるぐらいの気持ちがもてた事は、本当によかったかもしれない。だって病院で産んだって、万が一の事はないとは言えないでしょ?だったら自分で選んだ方法(もちろん旦那も)が一番いい。赤ちゃんのためにも。

そのお風呂(普通の、自宅にあるようなお風呂)に入って、四つんばいになって、さあふんばって!(いきんで?)という時に、エネルギー切れ。いきめない。いきんでも、力が入らない、こんなはずじゃなかったのに…。そう、あの時夜ご飯を食べておかなかったから・・・。
しかし何度かむりやり(私の中では限界・・・)いきんだ結果、子どもの頭の先っぽが先生から見えたらしいのだが、なのにそこから先が出てこない。

そう、この子は私のカルシウムの取りすぎだかなんだか知らないけど、頭が固かった。合わさるはずの4枚の頭の骨が合わさらない。
「あなた牛乳飲みすぎたんじゃないの?」(あんまり飲んでないかも)そして「この頭だけ見たら男の子みたいよ、ごつくて」(たしか女の子って言われてたはず…)と、うちのねねは言われた。とにかく骨が固くてお股で詰まってしまったのだ(なんて事!)。

そして助産婦さんはお手伝いの他の助産婦さんに「この人はお昼からなにも食べてないんでしょ?ちょっとおかゆ持ってきてちょうだい。」そう言いました。
は?おかゆ?裸で?・・・助産婦さんが持ってきたおかゆは大きなどんぶり一杯。
「あなたのためじゃないのよ、赤ちゃんのために食べるのよ。」と言われて私の口にはおかゆが流し込まれた。お風呂につかりながら裸(スポーツブラみたいのはつけていたけど・・・)で四つんばいになり、他人におかゆを食べさせてもらう経験は、かなり朦朧とした意識の中でも「こんな事は、したくてもできないなぁ。」と漠然と思えてしまった(想像して笑ってください)。

後々考えたら、お股で赤ちゃんが詰まったら、お母さんにおかゆを食べさせるとかって考えるのって、助産院らしいなーって。普通病院だったら、間髪いれずにお股をちょっきんと切っていたでしょう、確実に。
だって、切っていたらものの2、3分で産まれていたもの、絶対。でもそれをしなかったのは、ねねの心音がかなり元気に聞こえていたからだと思います。

「心音はまるで歌っているみたいよ」(なんて素敵な言い方でしょう!)と、ねねと助産婦さんがいつも私を励ましてくれたもの。心音が弱っていたら、助産院だってお股切ってたと思うし。母子ともに一応元気だったから、おかゆになったんだね、きっと…。

おかゆのパワーが効いたかどうかははっきりとわからないけど、いきみも上手になってきた。でも、やっぱり骨は固かった。
四つんばいの格好じゃ、もう出てこないと判断した助産婦さんは、私を1回風呂の外に出し、変な便座みたいな補助椅子(見た目は便座だけど、外国製で相当高いらしい。)に座らせた(もちろんスポーツブラいっちょで)。
今度は、赤ちゃんの下りてくる重力(やっぱり地球の引力ってすごい)を利用して、お産を助ける事にしたらしい。
考えてみたら、3キロ程度のものにかかる重力って結構あるよね。旦那に後ろから上半身を支えてもらって何回かいきんだ後、おかげ様で(ねね様で)頭が出た!
やっぱり重力加速度ってあったんだ、とかわけわからない事を思いつつ(意識が朦朧だから、考えることも相当おかしい)、助産婦さんの指示で、お股に頭が挟まったような感覚のまま、またお風呂へ(想像を絶する格好っ?)。

2に続きま~す。


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