よく組織は船にたとえられます。船はたくさんの人が乗っています。んで行き着く先もみんな一緒ならば沈むときはみんな一緒です。なのでみんなが乗っている船をどう扱うのがいいの?ということが至上命題だったりします。
ただ、民主主義にしたがって「乗客全員で行き先と船長を決めましょう」なんてことになったら大騒ぎです。船長はプロの技能と経験ですべての乗客を安全に目的地に届ける。そのための一切の権限は船長に委ねられる。そして乗客はその船長を信頼して乗船する。これが船ですよね。そして円滑な船の運航を妨げる乗客がいたら追い出される、縛られる、ぐらいの強権もふるわれます。ただし、沈んだり、不具合が発生した場合は最終的に船長の責任が問われます。
大きい船ならばほっておいてもまぁ進みますし、沈む危険も少ないですが、ちっちゃいボートのような船なら横波かぶっただけで沈みます。それはもうあっさり沈みます。気を抜いたら大海原にすぐに投げ出されます。そしてその割にはやることはいっぱいあります。マストをいじったり、舵をきったり、星と磁石で方位をしったり、食料の心配したり。んで船の出航直後でてんやわんやになっている時に後ろから船の座席の座り心地がどうとか、夕食のメニューは和食がいいとか言われると「今、それどころじゃないんだって。この船が浮いてることを維持するだけでも大変なんだって、いや、そっちは岩礁があるから...、違うって、直線ではそっちが近いけど海流の・・・!ってああ!もう!ちょっと黙ってて! この船にはシロウトしかおらんのか! 誰か操船の経験がある奴ー 助けてくれー 誰か舵かわってくれー 俺だって後ろで好き勝手なことがいいたいぞー」となるわけです。
んでまぁ船の様子も落ち着いてきたし、他の人がブーブー言うから舵まかせてみるか、もしかしたら私が勝手に「俺がいないと船が沈む」と思い込んでいたただけかもしれないし、他の人も意外とやるかもしれない。と他の人に舵まかせて一応船室に残ってしばらくみてて、そして確信。
「うん、これは沈む。たぶん次のシケには耐えられない。」
「というか現段階で3箇所は水漏れ見つけた。応急処置しないと沈む。というかこの安静な海の状態でよくここまで危険な運行できるな」
となるわけです。それでおそるおそる・・・
「みなさーん 水漏れしてますよー 早く埋めないと大変なことになりますよー」
「え、そうですか? じゃぁ 今日の夕食を決めてから対策について話しあいましょう」
「ええええ、えっと、、、マジですか、、、」
「あ、ついでにその後には食後のデザートについて決めなきゃいけませんね。」
うわーん バカばっかりだー 助けてくれー
「スイマセン、もう一度、舵とっていいですか・・・」
「なんでですか?」
「いや... おそろしくて乗ってられないのですよ (みなさんヘタクソなのにのんきで)」
「ヒドい! 私たちは一生懸命やっているのに! みんなアナタほど船の扱いがうまいわけじゃないです!」
うううぅぅ、私だってみなさんが船の扱いがうまければどんだけ嬉しかったか・・・。
もういい・・・勝手に沈んでくれ・・・。皆さんも舵もって沈めるなら本望だろうし・・・
まぁそんな中、本を読んだり人と話しているうちに「現状に不満をかこつのではなく、その解決のために何か努力をしたのか?」ということに気付いて、「やっぱり気がかわった。やっぱりほっとくのはよくない。なんとか船室の主導権をとらんとマジで沈む、嫌われようがなんだろうが関係ない。」
と考えている時に
「私、船長やめます。ヘタクソだと言われたので。あとは若い人にまかせます。」
なにぃぃぃぃぃ。この状態で船長交代ぃぃぃぃ。マジで!!!!。
終わった。マジで終わった。私が白くなっていると、いつも船室でただ一人、私の話を聞いてくれていた女の子が「私じゃダメですか?」と言ってきた。
「いや、無理じゃないよ。俺の話を一番よく聞いてたからたぶんこの船の操船もわかってるし君の言うことならみんなきくだろう。だからしばらくはもつかもしれない。けど長期的にはダメだと思う。」
「人に舵まかせてはじめて気づいたのだけど、みんなこの船の特性とか装置の役割とかぜんぜんわかってないのだよ。まぁ俺が俺用に設計したのだから当たり前だけど。」
「この船はね、客室と船室がくっきりわけてあるのだ。俺は"船は速くすすめばいいんだ!"って考えだから客室のことは気が回らなくてみんな酔っちゃう。誰も乗ってられない。だから客室は今の船長さんにまかせてある。あの人は乗客と乗員のことを考えることにかけては天才的。だから俺は客室のことには一切口を挟まなかった。そういう風に、あの人が乗り心地のよい旅を演出して、そして俺が目的地まで安全で最短のルートを航行する。という役割分担をしていたつもりなのだ。」
「なのであの人が船を降りるなら俺が舵を握っている意味はないし、俺以外の誰が握っても君が握ったとしてもこの船は扱えないと思うよ。速度重視の変則的な船だから。そして折しもこの、船の運航自体が危ぶまれている今まったくのシロウトが舵を握ったら一瞬ともたないのは目に見えてる。そして船長が戻ればいいかというとそうでもない。お互いが信頼できないと共同運航はできないからね。なので俺は降りるよ。」
「まぁできれば船室のことは私にまかせてもらいたかったし、スピードが出て安定してきたらもっと大きな操船しやすい船に作り変えて君たちにお渡ししたかったのだが、残念だ。この船はもうすぐこの形では運行できなくなる。君たちは自分が使いやすいように新しく船を作り直せばいい。スピードがゼロになっての出発は俺たちがここまでやってきたことは意味がなかったというのと同義だけど、仕方ない。まぁ、がんばれ。」
私は客室のことはバカなので何もしゃべりませんでしたよ。というお話でした。
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