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August 23, 2008
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夢で親族が集まる場面を鮮明に見ました。
そして数ヵ月後その夢と同じ部屋で、
同じ人たちが顔を合わせました。
お葬式でした。

この夢を見たとき、
お葬式の夢ではなかったけれど、
なにか嫌な予感はしていました。
こういうことは初めてではなかったので・・・
だから親族が集まっているのがお祝い事とは思えなかった。

夢を見て、少しして、
親族の一人が病気になりました。
まだ30代でした。
すぐお見舞いに行ったけど、もうすぐ退院だと言われてほっとして、
でも、なぜか治ったようには感じなかった。

それから彼は仕事に復帰して、
私の心配は思い過ごしだったんだと、
私に言い聞かせました。

それが、
1ヶ月程経って再入院と聞いたときには・・・
病状はかなり悪く、
集中治療室に入り、人工呼吸器をつけているとの事でした。
緊急手術をしたり、体力温存のために眠らされたり、
治療は尽くされましたが、望みはないとのことで、
人工呼吸器をはずされて。
その代わり意識が戻ったので、
最後の面会ということで親族は遠方からも集まり、
彼と最後のお別れをしたんです。

彼は身体はもう手の施しようもない状態だったのに、
意識だけはっきりしていて、会話もできると聞き、
かえってその状態であることの方がかわいそうで。
遠方から親族がお見舞いにくれば、
自分のおかれている状態がわかるもの。

私は?と言えば、
こんな状態の彼に会うことが怖かった。
彼とはかなり近い親族で、
やつれてしまったであろう彼の姿を最後に見たくはなかった。
きっと掛ける言葉が見つからないだろうから。
初めに入院していたときに会った彼でも、
十分にやつれていて見るのが辛かったのに、
きっとあの時以上に・・・

でも、私は会いたくない、のではなく、
会えなかったの。
家族が入院してしまったから。
こちらは本当に突発的に、
キャンピロバクター菌に感染して。
いわゆる食中毒。
感染症だと言われて、
空気感染はしないと思ったけど、
弱っている彼にもし同じ症状がでたら困るからと、
多分言い訳にしていたんだろうけど、
それを理由に会いに行かなかった。

でも入院しているのは同じ病院。
それも建物は違っても、彼の病室はこちらの部屋の向かいに建っていて、
そして、本当に偶然にもほとんど目の前に位置する部屋。
中庭を挟んでいるので、それほど距離は近くないけど、
部屋に誰が来ているかは見えました。
ベッドは見えなかったので、彼の姿は見えなかったけど。

毎日家族に付き添っていて、
向かい側の彼の部屋に来ている人を見て、
今日もまだ彼は無事なんだと思いながら、
本当に彼に最後に会わなくていいのかと自問しました。
そして自分はもう最後が近いと言うのに、
私の家族の病気のことを心配していたというのを聞いて、
とても辛かった。

私の家族はキャンピロバクターで下血していて、
死の近い彼もまた同じ症状で、
病気は違うけど、
なぜ今同じときに同じ症状なんだと。
それも、とってつけたような病気で。
家族にはかわいそうだけど、
同じ症状なら、今死に直面している彼の具合が少しでも分けられて和らげばと、
現実離れしたことを考えてしまう私なのです。

そして、もし私が彼のお見舞いに行って、
彼の手を握れば、
彼の病気は治るのではないかと、
いつものようにありもしない私の力を創造し、
そして我に返り、現実を思い知るんです。

彼がまだ生きているうちに、こちらは退院したけど、
それでも私は会いに行かなかった。

数日後、彼がなくなったと言う知らせ。
最後の最後まで意識があったと聞き、
本当に辛い思いをしました。

彼の病名は膵炎。
そこから多臓器不全。
家族が献体を拒否したので、
本当のところはわかりません。
病院側は、あまりの病状悪化の早さに疑問を持ち、
献体を申し出たのですが、
家族としては、病院にこそ疑問を持っていたので拒否しました。
彼の母が、
こんなに早くに亡くなってしまうのなら、
禁止されていたお水を飲みたいといつも言っていたので、
飲ませてあげるんだったと言っているのを聞いて、
言葉がありませんでした。

語りかけても返事をしてくれない彼を見て、
本当に辛い状態だったというのがよくわかるくらいの、
とても凝視できない状態でした。
本当にお水が飲みたかったんだろうなというような状態です。
いつもの彼のお顔ではありませんでした。

そして、お葬式の日。
大きな葬儀会館で、大勢の方に見送られ、
彼の人生は終わりました。


この時、
彼と最後のお別れをする時、
隣にいた私の家族と目が合いました。
もちろんこの彼も私と同じ立場なので、
とても悲しい顔をしていました。
でも、なぜかその表情がすごく気になったんです。
悲しいという表情の前に、
どこか遠くを見ているような、
なにか他の感情を秘めているような、
冷静なというより、
とにかく表現のできないような感じです。

それはその時一瞬感じたことで、
後から彼に聞いてもみなかったし、
また、聞くようなことでもないし、
後になって、
そういえばあの時・・・
と私が思っただけかもしれない。

その時の表情は今になってもずっと忘れることができません。
あの時何を考えていたの?
と聞いても、
   ・
   ・
   ・
   ・
もう答えはわかりません。


彼はほんの数年して・・・
亡くなりました。





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Last updated  May 29, 2011 01:50:43 PM
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