臼井不動産．横須賀不動産コンサルティング

2011年05月12日

★建築を捨て、売り地だけで販売する例がが多くなった建て売り業者の心理★

カテゴリ：新築１戸建て住宅

東北大震災以後、建売業者の販売戦略がガラリと変わって来た。
資金化を急ぐため建築をせずに土地だけで処分売りする事案が増えているのだ。　
いつも不景気になるとこの現象は起こる。　
不動産会社は分譲の先行きに危機感を持っている証拠なのだ。

通常なら、建て売りを主業務とする会社は、苦労して仕入れが出来た土地を、そのまま転売することはまれである。
必ず建物を建てて分譲する。　
つまり、仕入れた土地に建物という付加価値を付けて販売することで収益をあげる事が出来るからだ。

しかし、建て売り住宅は資金回収に時間がかかるリスクがある。
まず、土地を仕入れて土地代を全額支払わなければならない。
それから土地を細分化して、建物の建設に３ヶ月かかる。
　通常、土地を仕入れてから建物を完成させ、お客様にご購入いただいたとしても、土地代、建物代の資金回収は５ヶ月から６ヶ月を要するのです。

それまでに市況が激変することもあり得ます。　また、なかなか売れないとなればさらに資金回収に時間がかかるし、物件価格も値下げしなければならない。

そこで分譲業者は、これから先の景気が悪くなると見れば土地だけで販売してリスクから逃れようとします。　
建築条件を付けない土地だけの分譲だと売れ行きは早い。

不動産の販売市場で、建築条件が付かない売り地が増えると言うことは、不動産会社が換金処分に時間がかかると判断していることを示唆しているのです。
つまり不動産市況先の先行きが悪くなると言うシグナルでもあるわけです。

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