臼井不動産．横須賀不動産コンサルティング

2012年10月31日

★知られざる競売物件の怖さ。　尼崎のマンションでの例★

カテゴリ：競売の達人

競売物件とは、借金を返済できない人の財産を有無を言わせず差し押さえ、強制的に裁判所から売りに出される不動産の事だ。居住している人達の生活実体までは分からない。

執行官が不動産鑑定士を伴って事務的に室内に入り、固定資産の算出をして、入札参加者が内部を見られないために写真を撮って終わるだけだ。

兵庫県尼崎市にあるマンションの一室で、陰湿な殺人事件が発覚した。
それは競売物件として執行官が内部調査した後に発覚したものと考えられる。
裁判所の調査よりもっと早く、警察が事件を察知していれば競売物件として公開されることもなかったろう。

競売物件には一般人に知られぬ異様な事件性物件が沢山ある。
落札してから知ることになる恐ろしい物件で、一般人は震え上がることも多い。

弊社が経験したたくさんの事例の中から簡単に数点紹介しよう。

残代金の納付が終わり当該物件を見に行ったところ、「渡辺総業」と名乗る張り紙がドアにべったり張ってあって、暴力団を伺わせるやり方で競売妨害により金銭をせしめようという意図がある輩が暗躍していた。

別物件では鍵を開けた途端、新興宗教の団体が入り込んでいて祭壇を飾り、信者がたくさんお祈りをしていてビックリしました。　教祖と交渉し、追い出すのに半年もかかりました。

あるマンションでは、落札後に入居者に挨拶に行くと、部屋の中は鎧兜や刀が飾ってあり、ヤクザの紋章が入った提灯が部屋一面にずらりとぶら下がっていた。
若い衆が数人いて、それと分かる暴力団組事務所だったのだ。裁判所の資料には書いてない。

我々は経験豊富なプロの不動産会社だから、どんな事案でも自分で事務的に処理できる。
これが一般人であったら恐怖感で神経性胃炎になって入院でもしてしまうだろう。
民事なので警察も介入してくれない。　自分で対応できないときは弁護士にすがるより他はない。　結局高い買い物になる。

自殺や他殺があった事件性の物件もあり、シロアリの巣窟のような１戸建てもあり、競落者にとって高い買い物になる危険性も隠れている競売物件。

「競売物件は市場より安い」という理由は、物件にどんな瑕疵があろうとも裁判所は責任を取らない決まりがあるからなのだ。

「入札する人が自己責任で、良く物件を調査してから入札して下さい。」というのが裁判所の前提条件なのだ。

知らずに恐ろしい物件を競落してしまう危険性があるのに、それでも貴方は競売物件を買いますか？　そんな勇気がありますか？