シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2025年08月07日
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カテゴリ: 神秘体験空間
「AIは人間を超えるか?」というNHKの番組を以前紹介したが、この番組はAIの盲点をよく紹介していた。AIは人間の知性が集める正解の集大成とされるが、人間自体が間違え、不完全な知性の持主なので、AIが出す回答は、人間の知性に対して説得力をもつが、それはいわば優等生的な秀才の回答であって、天才的な回答でないのがわかる。この番組のタモリ氏がAIの回答について、「小賢しい」と表現していたのは頷けるところである。

AI は人間を超えるか ? タモリさん・山中伸弥さん・吉岡里帆さんが出演 ! | NHK 京都


AIの回答は、人間の知性からみて、いかにも模範解答というべきもので、ある程度、想定された回答でもある。端的にいえば、欠点がないので、面白味に欠ける。というのも、人間の知性では想定できない、驚きや脅威が感じられてはじめて、高度の知性を感じさせるからである。

その意味では、現在のAIは、人間を超えられない、とはいえる。AIは人間がつくったものだから、人間以下にみてしまう先入観もある。それは、この番組で、AIに書かせた、お笑いの脚本が、番組の進行上、面白いとされていたが、どうにも面白いようには感じなかったことからもわかる。例えば、次のサイトなどは、AIがつくるお笑いの限界を示している。

AI は笑いを理解できるのか? ビスケットブラザーズが感じた AI の足音と「生身の俺から出る 変さ 」の強さ - エンジニア type | 転職 type


このサイトからもわかるが、AIの回答は、「面白くはないけどセンスはある」というものなので、お笑いに対しての知識を感じさせるが、笑いそのものではなく、面白くはない。人間ではない存在が、笑いについてこんな感じだろうと予測して答えている感じなのである。

というのも、笑いは知性が高いものが低いものを見下す表現でもあるので、もし、AIが本当の笑いをつくりだしているとしたら、人間にはこの程度の回答で十分だろうと、人間の知性を笑って回答していることになるだろう。だからAIがつくる笑いが人間を笑かすものになったら、それはAIが人間を超えたことになるかもしれない。それは、人間とAIの立場が逆転する滑稽さを表現し、人間がAIに笑われ、AIに屈辱を感じ、AIをつくったのを失敗と感じる瞬間が到来することを意味する。

というのも、お笑いとは、人間社会の失敗や間違いに端を発する滑稽な出来事から生じるからである。人間の知性は、笑われるためにAIをつくったことになる。そのとき、人間の知性は、AIをつくった失敗から、AIをつくらないような知性がみつけるだろう。人間の知性が笑われないような知性を生み出すだろう。人間の知性を失敗だと笑いとばす体験が人間の知性にはいま必要なのである。しかし、人間がつくるAIは、人間の知性故に、常に正解を求めるようにつくられる。

しかし、失敗体験のない、与えられた正解からは、お笑いは生まれない。正解を求めないボケが、お笑いの基本なのだから、正解を求める知性では成り立たない。お笑いはあえて馬鹿を演じるから面白い。しかし、AIは賢いからAIなのであって、おバカなAIであってはAIの意味がない。ボケのような、理解困難なものに遭遇する、のがお笑いの基本で、そういう意味でいえば、おバカなAIはお笑いにはなるが、AIとしては使いものにならない。

だから、お笑い芸人がAIを語れば、お笑いになるが、逆に、お笑い芸人をAIが語るのは、芸人のモノマネでしかない。お笑いそのものではなく、お笑いの正解ネタを集めているにすぎなく、お笑いの事例を集める研究にはなるが、なんちゃって、お笑いなのである。なにより、そもそも、お笑いには正解がない。ネタが面白くなくても、場の空気で笑いが生み出されることもある。

お笑いを端的に示す例として、テストの珍回答が挙げられる。有名な珍回答として、ミスター長嶋茂雄氏の、「私は東京に住んでいた。を英語で過去形にしてください。という問いに対して、I live in Edo」と答えたというエピソードがある。このエピソードは長嶋氏の人物像があるから、笑いになり、たとえ、おバカAIができて、そのように回答しても、笑いにはならないだろうし、かえって小賢しいように感じるだろう。

徒然エッセイ 第 8 話 長島さんとノーベル賞学者野英語力 : 徒然エッセイ

話がお笑いに逸れてしまったが、端的にいえば、AIが出す回答には、個性がない、とはいえるだろう。個性がないから、お笑いにならない。個性とは、モノマネでなく、少なくとも、人間の知性を超える、人間の自我がもつ、天才的な閃きなのである。少なくとも、AIが出す回答は秀才だが、天才でないのがわかる。

人智学では、秀才と天才の違いが解き明かされている。秀才は一回の生のなかでの能力で、天才は輪廻転生で前世から受け継いだ能力なのである。だから、AIは睡眠できずに、輪廻転生もできないので、どうしても天才にはなりえない。なによりも、AIは病気にかからないし、生命ではないからである。つまり、AIとは、1回切りの使い捨ての知性といえるかもしれない。

いまでは、文章上の「(笑い)」や「草」が頻繁にみられ、ネット社会になれたのか、それほど違和感がなくなったが、少し前には顔文字「( ^^) _U~~」が流行した。このような絵文字での、笑いの表現は、笑いを知識として取り入れてはいるが、笑いそのものではなく、ニセモノの笑いである。というのも、笑いとは個性の表現で、自我をもたない存在には表現が不可能だからである。

データのミカタ:なんで草って使うの?笑いの表現のあれこれ


動物は自我をもたないので笑わない。以下のサイトでは、類人猿とラットの笑い、が報告されているが、人間の自我の笑いとは明らかに異なる。長期間、人間に飼育された動物は、例えば、ペットなどは、飼い主の自我に反応し、人間の自我に似た個性をもつようになるので、教育により、笑うようになる可能性もあるが、人間のように道徳や倫理から常識をつくれないので、飼い主の笑いに反応するだけだろう。

人智学では、笑いとは、自我が現実逃避するために、アストラル体を膨らませる行動と解き明かされている。動物も同じ生命体だが、自我をもたないので、笑いはしない。動物は、集団自我を霊界にもつので、霊界では笑うらしい。

動物って笑うの? | ナショナル ジオグラフィック日本版サイト


神智学では、生命とはレム二スケートのように、意識を展開させる存在である。宇宙はプララヤとマンヴァンタラの生を繰り返す、と解き明かされている。生命体は、その宇宙の昼と夜と同じように、レム二スケートに、意識を展開させる。鉱物は無意識なので、生命体ではない。人智学では、この無意識=昏睡意識を土星意識と呼んでいる。

植物は、この無意識と眠りの意識をもつので、生命体である。眠りの意識を太陽意識と呼ぶ。動物は、更に夢の意識をもっている。この夢の意識を月意識と呼ぶ。そして、人間は、これら3つの潜在意識を睡眠中にもち、更に自我の目覚めの意識、つまり覚醒意識をもつ。以下のサイトに、意識についての解説が載っている。

神智学の教え | 神智学協会

kihonyoso

惑星進化紀に獲得された人間の意識及び形成された構成要素には次のような関係がある。
●土星紀/昏睡意識/肉体
●太陽紀/眠りの意識/エーテル体
●月紀/夢の意識/アストラル体
●地球紀/目覚めの意識/自我
●木星紀/意識化された夢の意識/霊我
●金星期/意識化された眠りの意識/生命霊
●ヴルカン紀/意識化された昏睡意識/霊人

シュタイナーの宇宙進化論 1 (惑星紀) : 神秘主義思想史

【シュタイナー】宇宙と人間創造 土星紀/感覚器官・新陳代謝の発生/ 人間幻像(ファントム)への到達 | Noos Eggs


現代人は、いま地球紀で、覚醒意識の自我を、意識化された夢の意識の霊我へとつくりかえている、いわば修行の段階にあると、人智学では解き明かされている。

さて、前回、人智学から、人間が病気にかかる理由を紹介したが、人間は、この世で、病気などの失敗体験をすることで、進化し、真実をみつけるが、人間に生み出されたAIは、いまのところ、失敗しないし、眠りもしないので、AIは間違いを犯さないので、別次元からみれば、既に大きな間違いを犯している、といえるかもしれない。

そもそも人間がAIを生み出したことが大きな間違いなのかもしれない。AIを生み出した間違いから、人間特有の間違いをみつけるのが、人間がAIを生み出した理由といえるかもしれない。AIを通じて、人間の知性を外観することで、人間の知性の失敗や大きな間違いを検証しはじめている、ともいえるかもしれない。

そして、AIを通じて、現代人は、脳を破壊し、つくりかえて、未来の新しい肉体の構築を模索している、ともいえるかもしれない。人間の脳ではもはや人間の知性を超えられないので、代わりにAIにその限界を投影しているのかもしれない。だとすると、そのうち、人間の脳によらない知性がでてくるだろう。

さて、機動戦士ガンダムは、今でもガンプラなどで人気だが、アラ還暦にとっては、小学生のときに人気になったアニメで、前回の話の流れから、いまでも「ニュータイプ」という言葉を思い出す。前回は、人智学により、人間が病気になるのは、精神的進化と肉体的進化が統合できずに、バランスが崩れるせいなのを、紹介した。精神的進化が進みすぎても、逆に肉体的進化が進みすぎても、バランスがとれずに病気になる。

ニュータイプ - Wikipedia

ニュータイプとは、『ガンダムシリーズ』に登場する架空の概念で、宇宙に進出した人類が環境への適応によって獲得した、時空を超えたコミュニケーション能力や超人的な直感力、観察力、洞察力を持つ新しい人類のことです。

ニュータイプといえば、「マツコ&有吉 かりそめ天国」はよく見る番組なのだが、先週だったか、有吉氏が、クルマについて面白い話をしていた。若い時は、自分の趣味や見栄えしか考えず、スポーツカーに憧れ、芸人の先輩土田氏が乗るファミリーカーをルックスの悪さから馬鹿にしていたのだが、それなりの年齢になり、家庭をもち子どもが生まれると、やはり経済性を考慮して、長く乗るのなら、ファミリーカーを選択せざるを得ない、というような話だった。

マツコ & 有吉 かりそめ天国 - Wikipedia


このクルマの話を肉体に喩えて考えると、スポーツカーは自分だけの自由を優先したクルマで、ファミリーカーは家族の自由も考えたクルマだから、スポーツカーは利己的な肉体で、ファミリーカーは、愛情が深い肉体なのがわかる。自分しか考えられなかった人間が、家族を考え、それなりの人数を乗せられるキャパを拡げているのだから、見栄えはしなくても、ガンダムでいうなら、ファミリーカーのほうがニュータイプなのがわかる。

自分独りの自由から家族の自由に広がった分、利己ではなくなり、家族との共感力、ガンダムが説くニュータイプの、「時空を超えたコミュニケーション能力や超人的な直感力、観察力、洞察力を持つ新しい人類」なのがわかる。このニュータイプの能力が、家族と共同生活をしながら、日々の失敗や間違いを体験し、次の転生で、無償の愛への代償として、心眼のマナス=霊我として獲得されるのが、人智学により解き明かされているのがわかる。今生で共同生活を行い、様々な失敗や間違いを体験することで、その失敗や間違いを回避する能力を、人間への愛として学ぶわけなのである。

だから、人間はいわば無償の愛のタイムリーパーなのである。過去に戻ってやり直しをするのではなく、未来に転生して、自他が入れ替わり、肉体もやり直しに相応しいのを選んで生まれてくるタイムリーパーなのである。人智学によると、人間の他の自然界の鉱物、植物、動物は、人間が生み出したという。それらはいわば、過去の人間であり、タイムリープに失敗した存在なのである。

タイムリープ - Wikipedia

低次の知性体から高次の知性体への進化を、AIの知性、あるいはコンピュータのCPUの演算処理に喩えてみる。巷の政治界隈で勉強になっている、以前紹介した毎度お馴染みの高橋チャンネル動画の高橋洋一氏は、現総理の石破をCPUに喩え、スペックが古いと称していたが、ひょっとしたら、最新のCPUを搭載したPCマシンによるAI処理よりも知性が低いかもしれない。現代では、AI処理に特化したCPUがつくられ、なんでもNPUと呼ぶらしい。

(31) 髙橋洋一チャンネル - YouTube


『NPU(ニューラルプロセッシングユニット)とは、AI処理を専門に行うプロセッサです。 従来のCPUやGPUが行う複雑な計算をAIタスクに最適化することで、リアルタイムでのAI推論やディープラーニングモデルの実行を効率化するほか、従来のプロセッサに比べて、低消費電力で処理することができます。』

NPUは、ニュータイプの知性といえるかもしれない。この知性を人間の肉体で考えてみる。人間の4つの体のなかで、一番進化しているのが肉体なので、だから、肉体は、土星、太陽、月、そして地球と4世代を得ているわけで、4世代まで進めずに、1世代のままで土星紀を卒業できなかった人間の肉体が、現在の地球の鉱物なのである。そして、1世代はクリアしたが、2世代のままだったのが、植物で、人間のエーテル体にあたる。また3世代に進んだが、4世代の地球にまで、つまり人間にまで進化できなかったのが、動物で、人間のアストラル体なのである。

CPU 年表 - Wikipedia


肉体に比べてアストラル体が一番未熟で遅れているので、アストラル体による怒りや恐れなど、心の不安定により、地球の自然を破壊しないように、地球を安定させるために、人間には自我が与えられた。それはコンピュータが大型メインフレームから、小型の個人のパソコンに代わっていったのと同じである。

人類も太古では巨人で、一マイルの約1600mぐらいの高さがあったともいわれている。ゴジラが50mから100mとされているので、ゴジラの16倍もある大巨人である。当時の人類は個人ではないので、現在でいえば、国や民族のようなものだから、個人を1000人ほど合わせたようなものといえるかもしれない。人間も細胞レベルを基準にすれば、遥かに大きいわけで、当時は現在のような安定した固体がなかったので、そもそも比較する意味もない。

いずれにしろ、人間は進化するうちにコンパクト化してきたともいえるかもしれない。鉱物から人間へと失敗を回避するうちに、無償の愛のために、タイムリープするうちに、レム二スケートに輪廻転生するうちに、個体化してきた。アカシックレコードによれば、人間はこれまで3回の大破局を乗り越えてきた。それは鉱物、植物、動物から、人間へと進化してきた現在の姿でもわかる。人間は、それら他の低次の知性存在を指導し、教育する義務がある。

それらを利己的に、自分のためだけ、いまだけカネだけ自分だけに活用してはいけないのである。そのような欲望に負けてしまうと、地球紀を卒業できずに、落第した人類の阿修羅として人間以下の低次な存在に成り下がってしまう。人間に記憶力や思考力が与えられたのは、利己的な欲望を回避するためで、人類をそれにより滅ぼしてしまわないためである。失敗から学ぶためである。

しかし、失敗から学ばずに、すでにそのような古いスペックのままにいとどまる人物も多い。最後の審判の卒業試験も近いと聞くので、人類がこのままでいいのか、いま再考の余地がある人ばかりなのは、天変地異の多発からもわかる。

現代人は無償の愛へのタイムリーパーの自覚をもつべきなのである。





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Last updated  2025年08月07日 21時57分14秒
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