シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2016年06月18日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 JSMワード著の「死後の世界」によると、地獄は7つの境(領域)にわかれているという。その内訳は以下である。

最下境―1境=他を魔道に引き入れる最大悪漢(悪魔)

 2境=悪魔を崇拝する者

 3境=憎悪、残忍、高慢の罪を犯す者

 4境=邪淫、肉欲に耽る者

 5境=徹底的物質主義者

 6境=真の(神への)信仰がなく唯形式を守る者

 7境=正しい信仰を注入する学校(更生者)


 このうち、5境が、現代のこの国にそっくりなので、地獄の5境についてはじめに抜粋し紹介する。

 その前に、地獄に堕ちる者の特徴を一言でいうと、無神論者である。つまり、霊界は、神への信仰のあるなしで大体4つにわけられるという。

 というのも、神への信仰が、光(=霊光)となるからで、信仰がない無神論者は、光(目標)を失い闇へと自然に埋没していくからである。だから闇(=嘘、虚言、妄想など)を好むものは、自ずと地獄へ堕ちていく。

 このことから、大金持ちや大権力者なども無神論者で闇を好むから地獄堕ちであることがわかる。

 さて、その4つだが、神=天国に近い段階から紹介すると、

1.信仰を実践する者

 2.信仰だけにとどまる者

 3.信仰が中途にとどまる者

 4.無信仰=無神論者


 となるという。

 地獄は無信仰で、闇なので、自分が地獄にいることを自覚できないばかりか、死後の世界にいることも認識できない。というのも、死後の世界はないと思い込んでいるので、肉体を失った後も意識が続くことを理解できないでいる。

 ただ生前なら死んだはずなのに、死なないという不死の感覚しかない。だから生前なら肉体があった故に意味をもった行為が、肉体を失ったために無意味となったのに、その無意味な行為を永遠と続けるしかなくなるという。

 例えば、好きな食べ物を食べても、肉体がないので、それを味わえないから、かえって虚しくなり、食欲を満たそうと悪戦苦闘する。だから、死後間もない霊魂は、地上の肉体をもつ霊魂に憑依して間接的に欲望を遂げようとするが、それをすると、魂は益々堕落し、地獄の最下境へと落ちていくというのである。

 だから仏教などでは、死後に成仏するために、執着をなくすことを説くわけである。

 さて、地獄の5境が、現代の地上のこの国=日本に良く似ているので紹介する。

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第5境 唯物主義者の国

【I】「働く人々の都市」

 翌日、守護神に導かれて、インキの(黒い)川にかかっている橋を渡った。濃霧の闇の中をしばらく進んで行ったら、一大都市に出た。ここはまた何と陰うつな街だろう。あるのは煙突と、工場と、見渡すかぎりの倉庫ばかり。工場の内外に職工がゾロゾロいるので、その一人に尋ねてみた。

 「君達はここで何をしているのですか」

 「工業さ」

 「造った品物はどうするのですか」

 「もちろん売るのさ。だがおかしなことに、売った品物は全部工場へ戻って来る。倉庫ばかり並んでいるのはそのせいさ。いくら倉庫を建て増しても追っつきゃしない。邪魔になるから一生懸命売りとばすのだが、いつの間にか、一つ残らず戻って来る」

 「そんなら、焼却すればいいだろう」

 「むろん焼却しているさ。大きな倉庫をいっぺんに十棟も焼いたが、やはり駄目だね。すぐにニョキニョキ元に戻ってるんだ」

 「では、なぜ製造を中止しないのかね」

 「そりゃできない。不思議な力が働いて、どうしたって働き抜かなきゃならんように出来ている。休日なんてまるでない。バカバカしい話だが、性分だから仕方がない。 生きてる時分にも、働きづめに働いて、苦労したあげくの報酬がこのとおりだ。五年も、十年も、百年も、いつまでたっても休みっこなした

 「 君達はきっと、生きている時分に物質のことしか頭になかったんだ。それで、こうして地獄におちて、同じ事を繰り返すんだ

 「何だって? 地獄とか天国とかあってたまるかい」

 「そんなら、ここをどこだと思う」

 「知るもんかそんなこと。また知りたくもねえや。ここにゃ寺院もありゃ僧侶もいる。お前みたいなアホと話をしている暇はねえ。どりゃ仕事にとりかかろう」

 街の広場まで来たら、なるほど寺院が三つもある。俺はその一つに入ってみた。説教というのは、面白くも何ともない。 ただ他宗の排斥〔はいせき〕と、寄付金募集の話ばかりしている それをもっともらしく、社会改良とか貧民にこじつけて、長々と話すだけだ。俺はウンザリして早々にとび出した

 売店ばかり並んでいる一区画があるので、のぞいて見たら、ここも工場と少しも変わりがない。人々は買物に来たがるのだが、支払ったお金はすぐに買主に戻り、売った品物は売主に戻って来る。バカバカしいので、俺はとある商店の主人に尋ねてみた。

 「もしもし、貴方の売る商品はどこから来るのです? 工場から仕入れるのですか」

 「いや、私と一緒にここへ来たのです。私が死ぬ時に店に置いてあった品物ばかりです。どういうわけか、ここから離れたがりません。もう見るのもウンザリしています」

 「 それなら、商売を止めればいいでしょう

 「冗談いっちゃいけません。 商売を止めれば仕事がなくなります。私は子供の時分から、商売ひとすじに生きてきた人間ですからね

 そう言ってプイと横を向いた。そこへ一人の婦人が来て、帽子を買って行った。すると、三分もたたないうちに、その帽子は店に戻っていた。俺はそこから郊外に出てみた。殺風景きわまる荒地で、廃物が山のように積まれ、草などは一本も生えていなかった。

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 この話から、地上の、この国が地獄化していることがわかる。地獄の5境化というべきか。

 次に生前の唯物主義者が死後どうなるかの話を紹介する。唯物主義者は無神論者で、死後の世界などないものと信じ込んでいるので、つまり闇を信じ込んでいるので、次のような半永久の霊魂(意識)の睡眠者になるという。

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【II】「眠り続ける人々」

 守護神から導かれるままに、俺(地獄の体験者)は一つの洞穴のところに来た。不思議なことに、洞穴の中には、沢山の眠る人達がいる。呼んでみたが、誰ひとり起きる者がいない。これには少なからず俺は驚いた。地獄に来て、眠る者など一人も見たことがない。肉体がもうないから、睡眠の必要はないのだ。

 守護神がこう説明して下さった。もうこの頃には、私と守護神の距離はわりと近くなっていた。

 「 この者達は、生前、頑固な唯物主義者で、絶対に死後の生命を認めようとしなかった。従って、死後は自己催眠にかかって、生きているのに死んだように眠り続けるのである 」と。

 「いつになった、目覚めるのでしょうか」と尋ねると、

 「 地獄のどん底(1層)におちた者よりも、目覚めは遅いだろう。本当は器量は彼らより上なのに、居眠りによって悔い改めることがないので、幾代も幾十代もああしたままだろう。長い長い呪いの力が自然に弱まって、天使達の働きかけが効を奏するまで、目覚める時は来ない

 そこを出て、爪先上がりに道を行き、とうとう断崖絶壁ばかり打ち続く地方に来た。崖に沿うて歩いていたら、突然、一人の男が空中から墜落してきて、目の前でとび起きると、どこともなく闇の中へ消えて行った。守護神が、

 「あれは、 この上の第六境から、規律違反のかどで追放された者じゃ。第六境の住人達は、世間体や風儀を重んじ、自分自身は紳士ぶっているが、そのくせ、他人の中傷や悪口にばかり明け暮れている 。もう、その先に休憩所の灯りが見えてきた」

 ツルツルした道から、断崖の上へ、長い長い階段をやっとの思いで登り切ると、強い休憩所の光りが俺を打ち、出迎えてくれた一人の天使の腕の中に、俺は倒れこんた。

 ★         ★         ★

 5境は現代の日本に近いが、6境は、明治、大正、昭和の近代の日本に良く似ているので、続けて紹介する

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十章「第6境 俗物の国」

 【I】「偽善の都市」

 休憩所を出ると、相変わらずの霧の闇だった。道を右へ右へととると、守護神がそう進まれるので、一大絶壁が見え、その上に城壁があり、その上に更に幾つもの高い塔があった。昨日、追放者が墜落させられたのは、あの塔からか、など思っている間に、われわれは灰色の一大都市の中へ入って行った。

市街はわりと立派で掃除がしてある。 地獄で清潔らしくなるのはここからだ。建物はいちおう近代建築で、ロンドンの郊外のようである。ただ、上品ぶっているのに、何の趣(おもむき)もない。味わいというものがまるでないのだ。劇場があるので、入ってみることにした。

 さいわい入口にいた紳士に声をかけたら、鼻の先でジロジロ見ながら、

 紳士「まだ、どなたからも紹介されていませんが」

 とぬかしやがった。

 「べら棒め、こんな所で紹介もへったくれもあるもんか」と言うと、

 紳士「乱暴な口を聞くお方だ、それでは紳士の対面を傷つけます」

 そう言って取りすましている。仕方がないのでおとなしく謝って、どんな芝居がここではかかるのかと尋ねた。

 紳士「不道徳なもの、下品なものでない限り、どんな劇でも音楽でも復興されます。当市では市民の風儀が第一ですからな」

 「ヘェー」と俺は呆れて、「地獄でも風儀などもち出すのはここばかりだ」

 紳士は苦笑いして

 紳士「どうも困ったお方だ。この世に地獄などはありません。あってもここではありません」

 「下賤なことを言われるな。このあたりは地獄ばかりさ。立派に地獄に住んでいるくせに、見え透いた体裁のいいこと言ったって通用しない。こう見えても俺は地獄の玄人(くろうと)さ」

 紳士はけげんな顔をして、

 「貴方はどこからいらした?」

 そこで、俺は地獄のどん底から浮かび上がって来た、一部終始の話をした。紳士は後ずさりして、

 紳士「貴方は大ボラ吹きか、さもなくば悪漢です。ここは地獄ではありません。たぶん私達は地上の何処かに居るのでしょう。私にならともかく、他の人達にそんなたわごとは話さぬことです。さもないと城壁の塔から下界へ投げ込まれますぞ!」

 紳士はプイとして立ち去った。

 劇場の中ではミュージカルをやっていた。いや、その下らなさといったらない。音楽は俗曲中の最劣等。すじ書きは中味はからっぽで、もったいぶった素振りとせりふだけの代物(しろもの)、見物人も弱り切って尻をすえている。俺は一幕見てウンザリして外へ出た。

 画の展覧会をやっているのでこれも見たが、これなども全くの同様だ。子供の落書きに毛の生えた作品を、気取った建物に、仰々しく陳列してあるだけだ。街の中央部には、これ見よがしの、ゴシックまがいの寺院があった。今しも、でっぷり太った牧師の祈禱の最中だ。いかにも偽善者ぶった声で紋切型の祈りの文句を、機械的に繰り返すだけだ。

 その教説もふるっている。参拝に来ない婦人があったら、これは必ず不倫の疑いがある。当市の紳士淑女〔しゅくじょ〕の名誉のために必ずあばくべきだ。同情する振りをして自白させ、その夫にはこっそりと警告し、牧師の私には直ちに密告せよ。これが当市の悪徳を減らし、公共の美徳を高める神に仕える道であると。

 その後で、明日は大宴会を催すこと、その際、寺院改良の資金調達をすること、信徒の皆様は公共のためにぜひ出席願いたいと、しめくくった。とんだ説教もあるもんだ。俺が寺院を出かかると、聴衆が密かにこんなやりとりをしている。

 「牧師さんは、いつも寺院改良のために資金募集をするが、あのお金はいったいどうなるんでしょう」

 「ありゃ、むろん、ポケットの中へねじ込むんでしょうよ」

 「そういえば、あの牧師さんには、奥さんのほかに囲い者がいますものね」

 「二重生活だもん、うんとお金がかかるんですよ」

 あきれはてて物も言えない。が、明日はその大宴会とやらに出席してみようと決心した。

 予定より早く出かけたのに、大宴会はもうぎっしり埋まっている。取り巻きの婦人連が牧師のそばにいて、牧師が一言いうたびに、先を争って調子を合わせ、その合間には誰彼の悪口を言っている。中には聞くに耐えないひどいことも言う。

 俺はようやくのことで、チャンスをみて、牧師に話しかけた。

 「あなたはキリストを信じますか、それとも、キリスト物語は単なるたとえ話しと思われますか」

 牧師はもったいぶって言を左右にそらしていたが、「要するに、市民達のより高い徳義こそ、神の愛の現れです。当教会はその神の愛の源泉です」と、もっともらしく言う。

 「それでは市民達が道徳を守っていれば、神はなくてもいいのですか」

 牧師「そうは申しません。しかし、たしかに一部の市民達には、道徳を守らせる上で、神が必要です。ただ私ほどになると、それはなくてもよいがな」と、つい本音をもらした。

 「それから」牧師はそこで胸をそらして、「当市では、不道徳者はきびしく処罰されますから――もっとも、それは私がそうさせるのだが――わざわざ神の御手をわずらわずとも良いのです」

 「それでも、神があるから天国と地獄があり、それで罪のつぐないがあるのではありませんか」

 牧師「いいえ、あなたは他言をはばかりますが、死後の生活などは存在しません」

 「しかし、 現実に貴方は地獄にいるじゃありませんか

 牧師「 とんでもない。私は夢を見たのです。重病で悪い夢にうなされて、次に気がついたら、ここに来ていたのです。もっとも妻が一緒にいないのは、変には思いましたが。それに、ここでは誰も死なないのも妙です。儀式の必要が一切ない。ただ、ここの教区の前任者はプイといなくなりましたがね

 「それは、きっともう一段上の地獄へ行ったのですよ」

 そう言って私はここが地獄の一部であることを、私の苦い経験から語りはじめた。牧師あわてて手を振って、

 「私の立場上、貴方にハッキリ申し渡しておく。私は貴方の話を一切信用しない。貴方は大うそつきか、さもなくば悪魔の手先だ。早々に当市を立ち去りなさい」

 そう言うと牧師はプイと横を向き、そこへ近づいた二人の主婦に、私のことをペラペラと説明しはじめた。

【II】「俗物の学術協会」

 地獄の第六境の街をぶらついていたら、学術協会らしい建物があった。中をのぞいたら、何やらしきりに討論が行われていた。討論のテーマは「死後の生活の有無」というものだった。一人の学者ぶった人物が、こう論じていた。

 「皆さん、人間が死後も生きているということについては、何の証拠もありません。ある人はこう申します。われわれは一度死んだ、しかし今生きているから、人間は死後も生存するのであると。これは全くの間違いです。

 われわれは今生きているから、初めから死んでいないのです。つまり、私達は重病にかかった。病気が治ったら、あたりはどんより曇った世界に一変していた。ただそれだけのことです」

 「それだから」と別の一人の学者が口をはさんだ、「われわれは地獄にいるに違いない」

 「いや、その議論は全くの見当違いです。その証拠に、私たちは病気の前とさほど変わらず、ここで気持ちよく暮らしているではありませんか。地獄などはありません。あってもここではありません。

 牧師達はこう説くではありませんか。地獄とは永久の呵責(かしゃく)の場所で、虫さえも死なず、火も消えることがないと。そんな気配はここに一切ありませんな。

 もちろん、 ここの生活は退屈ではあります 。つまり天国のようではありません。また逆に地獄のようでもありません。地獄も天国もないということは、死後の世界ではないということです」

 すると、二、三人が口をそろえて、われわれは一度死んだ、それじゃ今煉獄〔れんごく〕にいるんだろうと言った。これに清教徒達が大反対で煉獄などとはカトリック教のたわごとだ、そんな筈はないと、議場は大混乱におちいった。

 やがて、一人の科学者らしい人物が立ち上がって、名論? をはいた。

 「私は、自分が死んだことを確かに知っております。但し、現在ここにこうしていることは、一場の夢であります。

 つまり、人間は死んでも、ほんの暫時(ざんじ)ですが、頭脳の活動は残ります。その間に夢を見るのであります。夢は、ご承知のように、その中で数日、数週間を過ごしたと思っても、覚めてみればほんの五分間のうたた寝であります。

 夢ですからやがて消えます。一切が終わります。ですから、死後生存などとは、死につつある頭脳のつくる一場の夢にすぎません。

 ああ、私はこんなこと言ってみても、自分の夢に向かって説法しているようなものです。つまらないことおびただしい」

 (まるで、現代の無神論の脳科学者の発言そっくり)

 そう言って、陰気〔いんき〕な顔をして席についた。一同はこれにどっと笑いころげた。

 そこで、俺がとび出して叫んだ。

「皆さん、私はこの地を通過する旅人にすぎません。だが、皆さんが私を信じて下さるなら、死後の生命が存在し、ここが地獄の一部であることを証明してみせます。ここより下に行けば、実際に地獄の呵責を受けている人々がいます。いかがです皆さん、私が死んでからここに至るまでの地獄の話を聞いてもらえませんか」

 みんなまで言わせず満場総立ちとなり、怒鳴りだし、俺を城壁の塔から突き落とすとおどかした。仕方がないので、あきらめて外へ出た。

 すると、一人の男が俺を追って来た。

 「いま、あなたが言われたことは筋が通っています。きっと貴方はあちこち地獄を通って脱出する方に違いありません。私をどうか同行させては貰えませんか?」

 その時、私の答えるより早く、その人の守護霊が姿を現した」

 「わが子よ、私が汝を導いて行こう。今までなんじの胸に救いを求める心が宿るまでじっとそばで待っていた。今こそ汝を光明の世界へと導こう」

 その人と守護霊はつれだって、どこともなく立ち去った。

 ★         ★         ★

 神を信じる者は神により救われる。 





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Last updated  2016年06月18日 14時49分09秒
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