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2008.05.09
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テーマ: 巨人ファン(9287)
カテゴリ: ジャイアンツ
◆巨人4―8阪神(6日・東京ドーム) 
記者席から見えたものは「マウンドの孤独」だった。
巨人、パイレーツと23年間の現役選手生活から引退し、
スポーツ報知の専属評論家として第2の人生をスタートさせた桑田真澄氏(40)が、
6日の巨人・阪神戦(東京D)で、コラム「心の野球」を初めて寄稿。
今季最多4万5663人の大観衆の中、金本がもたらす阪神の一体感と対照的に、
開幕投手を務めながら、4回途中で降板した高橋尚らの投球に、“孤独”を感じた。


マウンドから客席に目をやっても、あまり見えなかったけど、
大げさではなく、選手の息づかいまで見えた気がする。

 僕は178回もこの東京ドームのマウンドに、立たせていただいた。
だからこそ、わかることがある。マウンドは「孤独な場所」だと言われるが、
決してそうではないと思う。マウンドには目に見えない不思議なパワーがたくさん集まり、
それが孤独をかき消し、勇気を与えてくれる。
内野手からの声だけではなく、大歓声で直接、聞こえはしないが、外野手から心の声も届く。
ベンチからの信頼、ファンからの祈りなど、すべてが見えない糸でつながり、
一体感が生まれる。そうするとマウンドにいても、自然と孤独は感じないものなのだ。

 しかし、高橋(尚成)君をはじめ、この日登板した投手陣は、孤独を感じながら投げていたように思う。
ピンチに立たされたとき、内野手は2、3歩マウンドに近づき、ひと声かけることができなかったか。
そういう姿勢が欲しかった。

 野球は一人でするスポーツじゃない。また、失敗をするスポーツであるからこそ、みんなで助け合って戦うものだ。
できることは何でも、する。それで負けたら、しようがない。
結果へ至るプロセス、最善を尽くす姿勢を見せよう。
記者席でまっさらのスコアブックにペンを走らせながら、つぶやいてしまった。

 7回、阪神の攻撃。走塁の技術も素晴らしい金本君が、めずらしく記録には残らないミスをした。
1死二塁から、次打者・今岡君の右飛で、三塁へタッチアップができなかった。
続く鳥谷君が見事にそのミスをカバーするタイムリーを打って、ダメ押し点を奪った。

 おそらく阪神のベンチでは、金本君に対して、誰もこの走塁について指摘はしなかっただろう。
しかし彼自身が、その走塁を猛省し、4点リードの9回2死走者なしで迎えた最後の打席で姿勢を見せた。
右中間の当たりを、必死に走って二塁打にした。その場面を見て、今の阪神の強さがあると思った。
たとえ、金本君が二塁でアウトになったとしても、その姿勢は、チームメートの心に響いたはずだ。

 本来、チーム一丸となって戦う精神こそ、ジャイアンツの伝統であり、
僕が21年間、このチームで大切にしてきたことでもある。
ジャイアンツの選手、一人ひとりの能力はとても高いと思う。
厳しい戦いが続く今だからこそ、もう一度、プロセスや姿勢を大切にして戦ってほしい。
自分を信じ、チームメートを信頼し、最善を尽くす。
みんなの心が一つになれば、ジャイアンツは強いと思う。


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最終更新日  2008.05.09 13:01:43
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