思えば裏切りの連続であった。
海上保安大学校を卒業しておいて海上保安庁に努めていないのも裏切りだし。
遠洋航海での唯一仕上げの防火訓練で総合指揮官までやって期待されていたし。
シアトルではホスト役を買って出てくれたセレブ、 Mrs,Dann (広大な庭を借りて学生と現地の方々を招待してくれた)が、僕一人ディナーに誘ってくださったのに反故にし、ギャレット and ディーに誘われて当時大人気のスマグラーというクラブの大舞台で200人を超える聴衆の前、 S&G の「 Bridge over troubled water 」をいい気で歌ったこと。
その時の自分の快楽を満たすため大切な約束を破った。
(もちろんこの時点では海保に勤めるきもちはなかったものの)
立つ鳥跡を濁さずの格言の通り凛とした自律心に欠けていた。
後になって思えばああしておけばよかったという反省ばかりだ。
こんなあやふやな生き方が後の自分の人生の根幹を支配している。
こんな事を告白するのもこれが初めてだ。
人はこんな愚行を犯してものうのうと生きていいのか?
人には光と影があるが影を否定すると息苦しくなって最後には死を選ぶのではないか?
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