えっちゃんへ

花火大会ぶりですねw
油断してるとすぐ次のキャンペーンくるので
気を引き締めてがんばりますねw
(2011/11/03 09:11:02 PM)

逆襲のtransit

逆襲のtransit

2011/11/02
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カテゴリ: カテゴリ未分類
三週間のぺーぺー研修を経て分かった。
今度の仕事であるスーパーバイザー・・・佐賀地区量販店管理責任者の仕事とは、どうやら自分自身が売る事では無く、販売店様や販売員の皆様に如何にご協力頂いて、効率よい拡販を目指すかに要諦があるらしい。
そしてやってきた怒涛の8連勤中日である4週間目の週末は、遂に自身がキャンペーン隊を率いて指揮官としての初陣だ。
俺は今家電量販店を戦場として、とある通信インフラの販売に携わっている。
業界三位・・・決して第一の選択にはなり得ない、花束に例えるならばバラの真紅を引き立てる、カスミ草のようなキャリアだ。
今までの慣例で言えば間違っても店舗内一位を取れるポジションにない。
しかもキャンペーン直前に業界最大手のインフラ会社が、当方の倍の人員である8名という大キャンペーン部隊を、突如として投入してきた。
この事態に本部は大いに浮き足立つ。

「なんでキャンペーン同士が鉢合わせるのか?お前にはそれを阻止する調整力もないのか?」

とはキャンペーン直前のミーティングで頂いた本部長の有難いお言葉だが、それはあくまでも店舗様を頂点とした彼我のヒエラルキーが生んだ現象なので、その調整は間違っても着任一ヶ月にも満たない派遣社員に期待する事では無い。
キャンペーンにキャンペーンをぶつける。しかも相手方より大きな予算規模で・・・そもそもこれは都内の家電量販店等ではよくやる手法だ。
多少の出血は厭わない、敵方初となるキャンペーンを全力で潰し、費用対効果に著しい打撃を与え、以後の継続的キャンペーン投入を断念させようという立派な戦略だ。
戦術ならともかく前線指揮官である俺に戦略を云々できる権限はない。

「負けはしょうがなくても最低6契約は取らないと、君の契約そのものを見直す事になるかもだぞ」

そんな露骨な恫喝と惨敗確定ムードの中、俺には静かな勝算はあった。

・・・あくまでも戦術レベル、しかもこの時点では先方の指揮官次第ではあったのだが。




キャンペーン当日の朝がやってきた。
当方は一階の玄関フロアキャンペーンブースへ集中、業界最大手は2階の売り場全域に散らばるというフォーメーションだ。
後出しジャンケンの業界最大手にメインの売り場を抑えられた事も本部長の機嫌を悪くしたが、玄関フロアと言う事は先制攻撃権が悉く全てコチラにあるわけで、作戦次第では決して悪い地の利では無い。
作戦はまず無料の抽選会でご来店のお客様を足止めし、それでも止まって頂けないお客様には『抽選券』と大書されたポケットティッシュを

「ゆっくりとお買い物をお楽しみの後、また遊びに来てください」

とお配りする。
こうする事によって来店のお客様だけではなく、退店するお客様の導線をキャンペーンブースに向ける事ができる。
そして抽選会ではなるべく1等を多く出す。そして1等が出る度に俺が大声で

「おめでとうございまーす!」

と、2階にも響く様な大声で叫ぶのである。するとそれが呼び水となってキャンペーンブースが盛り上がる。つまりお客様へアピールする相対的時間が増えるのである。
これは後に店内の活気付けにもなると言う副産物を産んだ。

上長より直前に落とし込まれたキャンペーンの目標は9件。
通常の土日を1~2件で勝負している店舗だ。
しかも業界最大手のキャンペーン隊が投入されている事は前述の通り本部も戦慄を持って知っている。
ハッキリ言ってこの9件という目標は、間違っても達成できる数字ではない。


「6件の間違いでは無いのか?」

という俺の問いには

「6件です。しかし最初から6件と言うと6件すら行かないので、9件を目指す過程で必達の6件を達成してください」

との回答だった。
なるほど上が考えそうな事だと笑って電話を切る。
生憎の雨空に潤んだ駐車場へ、やがて4人のキャンペーン隊がやってきた。
初対面の緊張に表情が硬い彼らを前に、俺は

「今回のキャンペーン目標は二日間で5件です!楽勝でしょ?」

と、のっけから本部指示を無視した目標を提示して大声で笑った。
目標は適正であってはじめて機能する目標になりえる。
達成の困難な高すぎる目標は、むしろ士気の著しい低下を招くだけだ。ならばまず目標を達成させ、なるべく早い段階で目標達成の喜びを存分に味合わせてやるのである。
すると勢いが生まれる。
この勢いを活かすのが次の一手だ。

「・・・実を言うとこの5件っていう目標は本部が立てた計画なんだけど、俺自身はみんなの実力はこれくらいじゃないと思うんだよね。ハッキリ言ってみんなのスキルを過小評価してる・・・そこでだ!もしこのキャンペーンを通して君たちが5件を越えて6件以上獲得したら、その6件目から1000円を、俺のポケットマネーから即金で支払おう」

そう言って俺は前日から準備していた金一封の封筒を胸ポケットからチラつかせた。

「これは僕と君たちのゲームだ。こちらとしては5件でもうお腹いっぱい十分だし、6件目からなんかは逆に俺は自分の財布が寒くなる。でも君たちは6件目からがボーナスステージだ。普通にお給料が出る上に即金でお小遣いまで貰えるんだからさ」

彼ら学生はお金が欲しいから貴重な時間を削ってバイトをしているのである。時間から時間までいればとりあえずのお金は貰える。しかし頑張れば即金払いというのは、お金の欲しい彼らにとって嬉しいか悲しいかの二択であるなら100%嬉しい話だろう。
彼らの瞳が明らかに輝きはじめた。
そしてこちらとしても5件プラス報奨金の出る1件で本当の最低目標である6件は達成だ。確定すれば本部としてはここまでで十分な数字である。
しかし実はここからが今回のギミック・・・トドメの一手だ。

「ケドまぁそうするとさ、報奨金の出る6件目から頑張ろう!って思う人もいるじゃない?それはとてもフェアじゃないね。だから報奨金の出ない1件から5件目までの件数×100円を6件目以降の報奨金毎に加算しようと思う。つまり5件目までにA君が3件、B君が2件、C君が0だったとすると6件目以降A君は1300円、B君は1200円、C君は1000だ。5件目までの頑張りは、6件目以降にもしっかり生きるってワケさ」

どうよ?面白いだろ?

と、大きく手拍子を「パーン!」と打って魔法完了、キャンペーン開始!
一日目は彼ら4人に与えた目標である2件を1件越える3件獲得。
ちなみに業界最大手は8人で初日0件だった。
彼我の相対的戦果も含め、もう以上は無いというくらい盛大に褒め称え、テンションを上げて上げて最終日に備える。
論功行賞に「褒めすぎ」と言う事は無い。
減るもんじゃあるまいし、よい成果を残した人は、精一杯褒めればよいのだ。
こういう事を言うと

「褒めすぎると調子にのる」

なんて方もいらっしゃるが、調子にのせることによって売れる・・・つまり目標達成に好ましい力を発揮してくれるのなら、それこそ猟矢連弓の如く徹底して褒めちぎればよい。



二日目である。

午前中、彼らはあっという間に5件を達成・・・というより三人がほぼ同時に6件を
達成したので、俺は特別ルールとして4件と5件目の彼らにも金一封の即金をその場で手渡しした。
この時点で彼らの士気は、もうこれ以上無いという程高まっていた。こうなるとこちらが

「売れ!」

と言わなくても、自分たちで知恵を出し合って、創意工夫で勝手に売ってくれるようになる。
そんな嬉々的状況の中、実に申し訳なさそうな表情で逐一、接客の末売れなかったお客さんの報告をしてくる彼がいた。
聞いてもいないのに不思議に思って、一体なんでそんな報告をしにくるの?と尋ねると、彼はキツネに頬をつままれたような表情で

「いつもさっきのお客さんなんで逃がしたの?って聞かれるから、聞かれる前に言うようにしてるんです」

と答えた。
俺はひとしきり笑った後真顔になって

「いいかい?俺にはそんなツマラナイ報告、今後一切しなくていい。貴方に売れなかったって言うことは他の誰にも売れなかったって事だ。だってそうだろ?あの打席に立ったバッターは君だ。その打席の球を打てるのは君しかいないじゃ無いか?そんな報告する暇で、次のお客さん当たってよ」

と優しく肩を叩いた。
彼はパッと明るい顔になって、また元気に接客をはじめた。
件数はあれよあれよと積み上がり7件、そして8件へ。
キャンペーンの残り時間は3時間というところだった。

「中林さん!こうなったらもう10件目指しましょうよ!」

金一封を受け取りながら販売員の一人がそう言った

「え?マジ?まだ売るの?俺もうみんなの販売能力の高さにお財布スッカスカだよ!」

キャンペーン隊一同ゲラゲラ笑いつつも集中力、士気共に軒高。
そうこうしているうちに無理難題と思われていた本部の目標を越えて、契約は本当に10件に到達。
俺は一旦全ての・・・といってもたった4人のキャンペーン隊を集めてみんなの顔を見渡しながらこう言った。

「この店舗でウチの契約件数が、一日に二桁に乗った事は、開店以来一度も無いそうです。いいですか?みなさんは今まさに伝説のど真ん中にいます。ここから先はトビキリの笑顔でお客様をお迎え、お見送りするだけで結構、ウチとしてはもう1件だって売らなくていいです。」

と宣言した。するとキャンペーン隊のみんなが口々に

「せっかくだから行くところまで行きましょうよ!」

「俺、もっと売りたいです!」

「やっぱ中林さんをスッポンポンにしないとね!」

という反応が返ってきた。
販売員としての彼らが

「これ以上売らないでいい」

なんて言われたのもはじめてだろうが、俺としては全てが胸のすく程完璧に計算通りだった。

『やらされ仕事』で人は決して動かない。

大切なのは

『やる気仕事』だ。

究極まで高めた士気は自分から高い目標を設定し、それを精神論ではなく、誠に理にかなった具体的手法で次々と実現してゆく。

これは実は俺の夢の叶え方と、全く同じ方法論だ。

最終的に彼らは2日で12件と言う快挙を成し遂げ、本部目標をダブルスコアで達成。
俺は足りなくなった報奨金の小銭を作るため寄った近所のコンビニで、不可能を可能にした素晴らしいスタッフに一人缶コーヒーの祝杯を挙げた。

業界最大手は二日で9件と追い上げを見せたが、費用対効果、シェア率では惨敗と言わざるを得ない。まず業界三位である当方に件数で負けるという発想は、キャンペーン以前の彼らの脳裏に閃きすらしなかったはずである。
組織戦の勝因を分かつのは頭数ではない、戦術の徹底しない8人より、武器は脆弱でも目標を共有し戦意の高い4人が十分に勝るのだ。
一部からは

「初っ端からハードル上げたね?」

とも言われる今回のイベントだが、果たしてそうだろうか?
俺から言わせれば勝手が分かればもっとうまく立ち回れたし、はじめてという事もあって準備もまだまだ足りなかった。
ここまでの経緯を知らず、結果だけ聞けばそんな取り越し苦労もやむなしなのかも知れない。
これが味方ならまだしも、敵方が今回戦果をビギナーズラックのラッキーパンチだと侮り、再度のキャンペーン投入を考えているなら、彼らは次回強烈なアッパーカットを覚悟せねばなるまい。



それにしてもやはり仕事ってヤツは面白い

面白い上に夢へ近づけるのだから、こんなイイ事はナカナカ無いじゃないか


そして俺は今、早速計画中の次のキャンペーンへ向けて既に三手ほど



新しい仕掛けを作っている最中だったりするのである










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Last updated  2011/11/02 05:56:00 PM
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ごぶさたです  
えっちゃん さん
お疲れ様です。
最近もやもや続きの私にも目が覚めるようなお話でした。
ありがとうm(__)m
またこれからも楽しみにしています(^-^)/ (2011/11/02 05:31:13 PM)

哀・戦士  
なけてくるね。 さん
いやぁ読んでて痛快ですね!
楽しすぎます。
自分がキャンペーンをやっていた時にそこまでの情熱が無かった事を悔やむばかりです…。
仕事がんばんべぇって気になりましたありがとうございましたm(__)m (2011/11/02 06:47:32 PM)

ジェットストリームアタック!  
虎子 さん
なんか、仕事への情熱だとかそういうの、見失ってたけど、やるべき事を見つける気持ちになりました。
ありがとう!
きっと、キャンペーンのスタッフの子たちも、あきおさんに出会えて、あきおさんみたいな仕事のできる大人になってくれると信じたいです。

やっぱり、あきおさんはカッコイイし、私のスーパーヒーローだよ!
いやはや、かっちょいい!!
(2011/11/03 01:47:13 AM)

Re:ごぶさたです(11/02)  
akioteam0621  さん

Re:哀・戦士(11/02)  
akioteam0621  さん
なけてくるね。さん

結構アンタの営業スタイル取り入れてるつもりだけどねw
険しい顔してて売れるんだったらそうするけど
そんなやり方で売れた人見たこと無いやw (2011/11/03 09:13:47 PM)

Re:ジェットストリームアタック!(11/02)  
akioteam0621  さん
虎子さんへ

実は理想の上司を演じただけなのですが
俺の中の理想の上司は
ナカナカのキレモノだったようですw (2011/11/03 09:15:43 PM)

Re:家電量販キャンペーン血風録(11/02)  
まりこ。 さん
いつでも、全力投入な姿勢に改めて感動しましたー。
会社で部署が変わって、手探りでへこみつつある私に、とってもいい話でした。ありがと。 (2011/11/05 09:02:04 PM)

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