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今日は久々に映画のおしゃべりを。
数年前DVD化されたような話も聞きましたが
アマゾンプライムで発見したのでタダ同然で鑑賞
ジョン・ローン目当てでしたが見逃していた作品です。
「Mバタフライ」(1993)
クローネンバーグ監督作品
同名の舞台作品を映画化したものですが
実話がベースになっています。
日本語予告編はすでにありませんが参考まで
以下、完全ネタバレですのでご注意を。
<STORY>
北京、1964年。フランス大使館の新任外交官ガリマールは
ある夜、オペラ「蝶々夫人」を観劇し歌姫ソン・リリンに魅了される。
ソンが本来は京劇の役者だと知ると
妻に内緒で彼女の楽屋を訪ね、後に家へも招待されるように。
ガリマールの彼女への想いは募るばかり
しかし、彼女は頑なに貞操を守り
中国人の古い気質や文化風潮などを理由に
肌を見せない中国女性の慎み深さを
彼にすりこんでいく。
逢瀬を重ねながら
二人の関係もやがて恋人同士に。
ガリマールは副館長へと昇進し
公私共に充実していた時
ソンから「子供ができたの」と告白され
彼はソンと結婚することを決意。
ソンは慣習により故郷で出産すると言って去り
後に子供と共にガリマールの元に戻ってくるのだが
パリで生活することはできないと言う。
時代は文化大革命
彼女は京劇俳優として堕落の罪に問われ
憲兵に連行されてしまうのだった。
数年後
離婚したガリマールはパリで独り暮らしをしていた。
ここでも5月革命の真っただ中。
そんな時に
突如、ソンが訪ねてきて二人は再会。
一緒に暮らし始めるのだがーー・・・
ここまで綴ると退屈そうなお話しですよね。
ご存知ない方にはネタバレですが
ソン・リリンを演じているのはジョン・ローン。
「男」なんですね。
京劇役者だった故に革命派のスパイにさせられ
女装し西側の情報収集をしていました。
言葉巧みにガリマールの心を操り
儚げで犠牲的な東洋の女性を演じて誘惑。
東洋の全てに未知で、神秘的かつ魅力的に感じる男を巻き込むのは難しくありませんでした。
彼のソンへの純愛を利用したあげく
パリではついに
彼を残酷な破滅へと導いてしまうことに。
◇
後半のパリの法廷で
拘束されていたソンは「男」として
容疑者ガリマールの前へ現れます。
その後 同じ護送車に乗せられた二人。
そこで開き直ったソンは
ふてぶてしくガリマールを挑発
スーツを脱ぎ「男」であることを見せつけますが
それは同時に
ガリマールへの「告白」でもありました。
「心は同じよ」と訴えるけれど
私が愛したのは「ソン・リリンだ」そう言ってガリマールは
目を背けソンの存在を完全否定するのでした。
ガリマールは幻を愛して人生を捧げ
ソンは偽りの人格の中でいつしかガリマールを愛するようになり
本当の自分を丸ごと受け入れてほしくもかなわず。
◇
歌劇「蝶々夫人」では
白人男を待ち続けた日本女性があっけなく捨てられますよね。
おバカみたいです。
本編では東洋女性(実際は男)がエリート白人男を破滅させるというお話し。
蝶々夫人はおバカなガリマールの方だった~ということですが
これが実話だと言うことに頭の中の不思議ちゃんマークが増殖して消えないのです。
いくら肌を見せなかったとはいえ夫婦関係はあった。。
しかもソンは性転換しているわけではない。
えっ、どういうこと?
ご本人は最後まで男だと気づかなかったらしい。
そして
その後もソン・リリンの幻を愛したとか??
ラストシーンは実話と異なるそうですがガリマールの絶望が衝撃的でした。
東洋の女から見ると
綺麗でも「男」だよね~とわかりますが
それでも
演技力のある俳優さんのお仕事ぶりを
とても楽しめる映画だと思います
当時のジョン・ローン
あの華々しいキャリアの後にコレって。。
チャレンジャーだわ。
◇
さて
ここでは文革や五月革命などの説明は省きました。
動乱期で複雑ですし
映画でも単に環境説明程度でしたので。
気になる方はお調べ下さい^^;
京劇では
「なぜ、男が女を演じるのか」
ソンは答えます。
「男は女がどう演じるべきかを知っているからよ」と。
男が理想とする完璧な女を作り出したソン・リリン
その幻に見事絡めとられたガリマール
生涯その「幻」から覚めずに、或いは
その「幻」を愛していたのは
ガリマール自身の人生を肯定するためだったのかも。。
そもそも、ジョン・ローンに興味を持ったのは
上記より以前の映画で
これだったり
これだったりしたわけですが
世界的に大ブレイクしたのは
もちろん 「ラスト・エンペラー」
ですよね。
確か、坂本龍一さんも音楽担当の他に出演もしていたかと。。
と言いましても
私も小娘だったのでミーハー気分で観ただけで
内容は殆ど覚えていません。
数年前、ブルーレイで美しく蘇ったそうなので改めて観てみようかな。
「ラスト・エンペラー」当時のジョン・ローンは
美しかった
こちらは1993年頃のようですが
覚えているようないないような。。
ちょうど映画「Mバタフライ」の頃。。
40歳を超えたくらい?
そのお歳で、あの女装演技だなんて~
お見事ですわ。
◇
では、また。
お付き合いいただき恐縮です。
おやすみなさい
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