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2016.08.25
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カテゴリ: 山歩き


7月16日(土)に、ウォーキング同好会の企画に参加し、 滋賀県の湖西・比良山系の武奈ケ岳に 登りました。その時に撮った行程写真の整理を兼ねてのご紹介です。

京阪電車の出町柳駅前に集合 し、京都バスでまずは 「坊村」まで移動 。所要時間は1時間ほど。国道367号線沿いのバス停で下車して、東の方向にまずは地主神社前まで少し歩き、左折して進むと、明王谷を流れる川の傍に葛川坊村の標識があり、「御殿山経由武奈ケ岳」「牛コバ」の方向を示す矢印標識があります。川沿いに遡れば牛コバです。我々は川を渡ります。冒頭写真はその 道標 (9:05)です。括弧内はデジカメの撮影時刻の記録です。


川の傍に、立つ石標。牛コバへは明王谷林道をまずは歩くのです。
我々は、左の道「明王院」に向かいます。



川には、朱塗りの欄干のある 「三宝橋」 が架けられています。



橋を渡ると、右側が 「明王院」 への入口です。お堂の傍に、石段が見えます。
安曇山葛川息障明王院 (あどさんかつらかわそくしょうみょうおういん) が正式な名称です。貞観元年(859)、相応和尚 (そうおうかしょう) により開山された天台宗のお寺です。「明王」という名称が示していますが、本尊は不動明王像です。寄木内刳彩色の立像だそうですが、秘仏であり8月28日には御開帳されるとか。本堂には、毘沙門天像や千手観音像も祀られているそうです。 (資料1)

   白露の玉まくくずのかつら川くる秋にしも我はかへらん  詠歌

びわ湖百八霊場の一つ であるとともに、 「近畿三十六不動尊霊場会」の第27番札所 です。
白洲正子著『かくれ里』には、「葛川 明王院」というエッセイが載っています。その中で、寺伝によるものとして、比叡山無動寺の相応和尚が修験の行場として当初は創立し、寺が後に建ったと記しています。「相応は、近江浅井郡の出身で、櫟井氏といい、孝徳天皇の遠孫と伝えられる」とか。「三条良相から、自分の供養のために、若い僧を一人斡旋してくれと頼まれた時、彼(=慈覚大師円任)はすすんで相応を推薦し、『汝良縁の相応するところなり』といったことから、『相応』の名で呼ばれるようになった」といいます。その後に、著者はいくつかの話を紹介しています。
1) 相応の念願は生身の不動明王を拝むことだった。彼は「籠山十二年」の修行を行った。別名「建立大師」「無動大師」と称されること。神仏混淆の一端を担ったという話。
2) 回峰行の期間中に、円仁座主の要請もだしがたく、天安2年(858)に文德天皇女後多賀幾子の病気平癒の祈祷のために下山し、弊衣土足で参内したこと。病気がたちまち平癒したことから、回峰行者の「土足参内」のはじまりとなったという話。
3) 相応29歳の頃、シコブチ明神が老翁の姿で現れ、安曇川の源深くに、「三の滝」がありそこで不動明王に必ずまみえることができると告げられたこと。常鬼・堂満の二童子の案内で、三の滝に導かれ、17日間の断食満願の日に、不動明王とまみえる体験をしたという話。
そして、「長年夢みた不動明王が、水しぶきをあびて立っているではないか。思わず彼(=相応)は水中に飛びこみ、しっかと抱きついたが、気がついてみるとそれは桂の古木であった。で、今見たばかりの生々しい像を、その木の上に刻んだが、これが現在伝わる明王院の本尊で、同じ材をもって造った他の二体を、一つは比叡山へ、一つは近江の伊崎寺へおさめたという」としめくくっています。 (資料2)

シコブチ明神の本社がこの葛川明王院にあるそうです。そして現在も、常鬼・堂満の子孫の方が明王院のかたわらに住み、祭りその他の行事を司っているということにも白洲氏は触れています。

脇道にそれました。登山道に戻りましょう。明王院の前の道を進むと、その先に


「御殿山コース」の標識 が見えてきます。登山口です。
このコースは、登山地図での標準時間が2時間。「御殿山まで急坂の連続」と付記されています。


こんな景色(11:06)を眺めた少し先が御殿山山頂です。


1本の木に、 レスキューポイント「御殿山5」の掲示板 が取り付けてあります。そこに、あるグループの御殿山到達記念タグが掛けてありました。 御殿山山頂は1097m です。


ここから目指すのはこの山の方向です。



一旦、 「ワサビ峠」の道標 のところまで、御殿山を下ります。(11:36)
この峠から、「西南陵」の山道を「武奈ケ岳」山頂まで登ることになります。地図に記載の標準所要時間は40分です。





山並みを眺めつつ、尾根筋を辿ります。(11:47)



見晴らしの良い場所に、少し見づらくなった 道標「←ワサビ峠 武奈ケ岳→」 が立っています。(11:59)











そしてこんな 道標 (12:10)の傍を通過。




武奈ケ岳の山頂(12:13)に着いて、まずは昼食タイムです。



しばらくしてからこの武奈ケ岳山頂の標識を撮りました(12:36)。傍に三角点の石標があります。
1214.4m。
かなりの登山者が先着していて、順番にここで記念撮影していたからです。
トレイルランニングの軽装なウェアのグループも見かけました。



標識の傍には、 ずらりと地蔵尊の石仏 が並んでいます。


武奈ケ岳からの遠望風景です。




山頂から南東方向 の眼下には、午後に降りる 八雲ケ原 が見えます。



   山頂から下ってきた 八雲ケ原の入口付近



八雲ケ原展望




















この後、シャクナゲ尾根を通って金糞峠経由で大山口、正面谷橋、出合小屋へと下ります。下山はもっぱら転ばないように足元に注意しつつ安全第一です。イン谷口からバスにてJR湖西線・比良駅まで。
武奈ケ岳山行は無事終了です。

ご覧いただきありがとうございます。

参照資料
1) 第27番 葛川息障明王院   :「近畿三十六不動尊霊場会」
2) 『かくれ里』 白洲正子著 講談社文芸文庫 p270-284

補遺
比良山地   :ウィキペディア
関西アルブス 比良山系登山ガイド  :「100% 山登り入門」
比良山を歩く   :「KEIHAN 江若交通」
失われたエオープウェイ 比良ロープウェイ  :「失われたロープウェイ」
トレイルランイング   :ウィキペディア
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Last updated  2016.08.25 17:13:30
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