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2024.04.06
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カテゴリ: 探訪


3/27に車折神社を探訪 したときに 境内のこの桜が満開 でした。
桜の木の傍に駒札が建てられていて、 「渓仙桜」 と記されています。
献木された人(冨田渓仙・宮下武一郎・長岡喜十郎)の名前に由来する名称のようです。
冨田渓仙は日本画家 。富岡鉄斎の日本美術院の同人で、 ​鉄斎に私淑したそうです​
鉄斎については既に触れていますが、明治21~26年に車折神社の宮司を勤めています。近代日本画の巨匠の一人です。 (資料1)

この渓仙桜は、 社務所の南、大鳥居の西の位置に 咲き誇っていました。
今も咲き続けているでしょうか・・・・。




渓仙桜の南側にこの建物があります

建物の正面に行ってみて、何が展示されているかわかりました。
左側に 「三船祭」の案内説明 が掲示されています。Ah!ソウカ・・・です。

嵐山・大堰川での「三船祭」を若い頃に一度だけ見物したことがあります。
フィルム・カメラで撮った頃だったのか、デジカメの記録写真ファイルには見つけることができませんでした。当時はこの三船祭をどこが主催しているのか全く意識していなかったことを再認識しました。

「昭和御大典を記念して、昭和3年より始められた。
 毎年5月第3日曜日に、嵐山の大堰川において、御座船・龍頭船・鷁首船が
 平安時代の船遊びを再現する」 (説明文転記)

昭和御大典とは昭和天皇の即位の大礼のことです。この時の中心儀式である即位礼は昭和3年(1928)11月10日、京都御所で行われました。 (資料2)

龍頭
龍頭船の船首に 設置されます。
鷁首
鷁首船の船首に 設置されます。

余談です。


これは、2023.5.24に 「風俗博物館」(京都市下京区)の企画展 を鑑賞した時に、具現化されていた 龍頭船・鷁首船 を撮りました。これは船が舞台の形式になっています。



2023.7.17の 祇園祭・前祭の山鉾巡行 の時に撮った 船鉾。鷁が船首を飾っています

三船祭は一に船遊祭とも称されます。宇多上皇が大堰川に舟を浮かべ、詩歌管弦の遊びをされたという故事に因んで創始されたとか。
「当日は午後二時から、嵐山渡月橋上の大堰川に御座船以下約30隻が参列し、詩歌・管弦・舞楽の奉納と流扇の神事が約2時間にわたって行われる」 (資料3) 祭りです。



渓仙桜から社務所前を通り過ぎ、 境内北側の裏参道に沿った境内社を巡ります

裏参道の右側に2つの境内社に 分岐する参道 があります。

「神明神社」
参道に近くて側面が見えるのがこの神明神社。 祭神は天照大御神
切妻造・平入りで、 神明造の形式の小社 です。

参道の奥に正面が見える境内社は、


       「天満天神社(ソラミツアマツカミノヤシロ)」
祭神は天満大神 。雷除け、農業、園芸の守護神だそうです。

拝所

少し先、参道右側の ​拝所​ の傍に 「滄海(ソウカイ)神社(弁天神社)」の駒札 が立っています。


拝所から先に参道が延び、築地塀で仕切られた先に 朱塗りの鳥居と小社 が見えます。
本殿は春日造の形式 です。
祭神は、市杵島姫命(イチキシマヒメノミコト) 。文明5年(473)、室町時代の創祠だそうです。

「車折神社近隣の寺院(天龍寺の末寺で、室町時代創建)の鎮守神が、廃寺の際、当社に移管された神社である。本来の祭神である、弁才天はインド神話の神で、仏教に取り入れられ『諸天』の一神とされ、智恵・長寿・財宝の神として信仰された。
 日本に伝わると七福神の一神とされ、専ら福徳財宝の神として信仰されてきた。
 明治時代の宗教政策に副い、日本神話の一神、市杵島姫が祭神とされ、今日に至っている。
 因みに、『滄海』とは大海原の意で、渡来した『水の女神・弁才天』を象徴したものである」 (案内文転記)

駒札によると、社殿は改築され平成19年(2007)12月24日に竣工。大阪市の青井勇氏寄進と記されています。

おもしろいのは、右となりに大きな案内板があり、そこには「弁天神社(滄海神社)」と題し、「弁天様(市杵島姫命)を祀る神社。・・・・・」と説明されていることです。弁才天(弁財天)の方が一般的によく知られているからでしょうか。





北門に一番近い所に 「地主(ジヌシ)神社」 があります。 祭神は第52代嵯峨天皇
かつてこの付近に柳鶯寺があり、嵯峨天皇は行幸の折にこの寺で休まれたとか。その縁でこの寺に天皇が祀られたのですが、寺が廃寺となったときに車折神社境内に移されて、地主神社として祀られたと言います。なお、現在の神社は1961年に復興されたとか。 (資料4,5)
ここの石鳥居は明神鳥居の形式 です。

拝殿・本殿を拝見し、境内の境内社を一巡しつつ、案内の説明文を読み歩いて、「祈願」のテーマパークという印象を抱きました。
「学業成就・試験合格」「約束を違えないこと」「人脈拡大」「金運・財運」「金脈拡大」「芸能・芸術の才」「昇運、運気」「良縁」「才色兼備」「金満美麗」等と、人々が祈願したいテーマに応じてくださる神々が、この神社に一堂に会されている。そんな雰囲気・・・・・です。


北門になる石鳥居から出て、JR嵯峨嵐山駅に戻りました。
ここに立つ社号標の文字は富岡鉄斎の筆によるものと言います。 (資料1)

これで車折神社のご紹介を終わります。
ご覧いただきありがとうございます。

参照資料
1. ​ 境内案内 ​   :「車折神社」
2.​ 昭和天皇の即位御大典 ​  :「名古屋市博物館」
3.『昭和京都名所圖會 4 洛西』 竹村俊則著  駸々堂
4. ​ 車折神社(京都市右京区) ​  :「京都風光」
5. ​ 車折神社(くるまざきじんじゃ)(Kurumazaki Jinjya) ​ :「京都通百科事典」


補遺
車折神社 ​  ホームページ
昭和3(1928)年の御大典の際、京都観光が流行ったと思われるが、その頃の状況や、観光ガイドを見たい。 ​  :「レファレンス協同データベース」
冨田溪仙 ​  :ウィキペディア
三船祭 ​  船頭だより :「京都・亀岡 保津川下り」
[三船祭]水上雅楽に胡蝶の舞、平安貴族の優雅な御船遊び ​  :「まいまい京都」
5月の嵯峨嵐山の風物詩~嵯峨祭・三船祭~ ​   :「HOTEL BINARIO」

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スポット探訪 京都・嵯峨  車折神社 -1 まずは神社の社殿へ
スポット探訪 京都・嵯峨  車折神社 -2 境内南側の境内社巡り へ





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Last updated  2024.04.06 16:33:26
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