漫画家・写真家玉地俊雄 紫煙のゆらぎ

漫画家・写真家玉地俊雄 紫煙のゆらぎ

2014.07.30
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カテゴリ: こんな夢をみた


マタイ受難曲









               こんな夢をみた






マタイ受難曲が聴こえている。
廊下は白くて扉も無ければやけに明るいだけで直線のようだがいつこうに判然としない。
僕は歩いているのか立ち止まっているのかもまた判然としない。
天井からあしもとまでまばゆいほどの白である。

マタイ受難曲が聴こえているがマタイ受難曲である事がわかっていてもどの曲かわからない。

右は何も無い。
左にも何も無い。
足下が廊下についているのかいないのかもまた半前途しない。

生きているのかどうかもよく判らない。
死んでいるのだろうか。



色彩



立ち止まっているのだろうか前に向かって歩こうとしているのかそれすら判らない。

左の白い壁が音も無く開く。
なんとはなしに中へ入ってゆくと開いた扉の内側は深緑の暗い色をした水がある。
暗い深緑色の水は黄色い縁の少しせりあがったプールの中に入っている。
開いた扉は暗い黄色をしている。
開いた扉は内開きなのでプールの端ギリギリでプールとの隙間は5cmほどしかない。
室内の壁は暗い群青色なのに部屋全体が明るい。
色彩は最悪で圧迫感が強い。

暗い深緑色の水は色から感じるねっとり感は無く意外とサラサラしているようだ。
プールの大きさは幅が2mで長さが5mはあるのだろうか。
人も泳いでいないし何も動いていない。



来たれ娘たちよ



水面はおだやかで聴こえる音はマタイ受難曲だけである。
僕は水面と室内とプールのやや上空からこの猛烈な色彩を眺めている。
生きているのか死後の魂しいが上空に浮遊してこの景色を眺めているのかも判然としない。

臨死体験は体と家族が遺体に付き添っているのを見ている僕があるというらしい。

マタイ受難曲はアルト独唱の哀れみたまえ吾が主よでは無い。
合唱曲第1番来たれ娘たちよわれと共に嘆けなのか、
終曲のわれら涙流しつつひざまづきなのかどちらなのか判然としないがマタイ受難曲である。

暗い深緑色の水を湛えた暗い黄色のプールと暗い群青色の壁で黄色い扉は閉まっている。
密閉空間のどぎつい色彩は濃ゆくて妙に明るい。
幽体離脱したように僕は部屋の奥向かって右上空からこの景色をあいかわらす眺めている。

マタイ受難曲の合唱がたえまなく聴こえている。
こんな夢をみた。













                                  玉地俊雄





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最終更新日  2014.07.30 10:23:44
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