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2004年08月24日
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カテゴリ: カテゴリ未分類
あなたは2000人以上もの集団から、一斉に罵声を浴びたことがあるか。

時は15年程前に遡る。当時、私は映像・イベント製作会社に身をおいていていた。いわゆる業界人である。とはいえ、テレビ・マスコミ関係の仕事はほとんどなく、主に企業等の組織より直接依頼を受けて、教育・イメージビデオやイベントの企画運営などをやっていた。華やかな業界の中でも、かなり地味な領域で活動していたのである。

それは、某政治団体の集会イベントの時に起きた。とある地方の議会選挙で、某党推薦候補者を応援する、と言うイベントがあり、我々はその撮影とイベント中の上映、音楽演奏の仕切りを行うことになった。

イベント企画者は、そのイベント中に候補者を応援する歌を作り、会場に来た支援者全員と一緒に歌って、その集会を盛り上げよう! ということを考えた。私は、元合唱団員だったため、当日会場で歌う合唱団員手配と、彼らに対しての音楽指導を行う仕事を任された。社会人になってからは合唱から縁遠い生活を送ってはいたが、そこは昔とった杵柄、さくっと当時の友人たちに連絡をとり、必要人数を集めるとともに、2日ほど練習の時間を取って、歌の指導を行った。仕上がりは、もちろんばっちりだ。

さて、イベント当日、さわやかな天気の中、こちらの担当部分については準備万端、きっちり仕切ったる! と意気揚々と会場に向かった。しかし、イベントが始まったとたん、随分きな臭い雰囲気が漂ってきたのだ。

というのも、その時に政界全体を揺るがす大汚職事件、ここではそれがなんと呼ばれていたかを、はっきりと書かない方がよいと思うので、やめておく。「海ルートでもなく、空ルートでもない」疑獄と書くだけにとどめておこう。そして、この時期、国民の政治不信は頂点にまで上り詰めており、当然某党の支援者の人々も、文句を言いたい! といった思いは人一倍強くなっていた状態であったのだ。

重苦しく、険悪なムードのままイベントが始まった。まさに一触即発といった空気が会場を包み、司会進行のお姉さんの明るくさわやかな声が、よりいっそう険悪さに拍車をかけている。こんな重苦しいイベント、今まで見たことがなかった。

口火を切ったのは、某党の党首が挨拶のために壇上に上がった時。その時、客席の支援者から、堰を切ったように一斉のブーイングが巻き起こった。おぉぉ!ものすごい負のエネルギーだ! 舞台袖から客席とステージを見ながら、恐ろしいほどの怒りのエネルギーを肌で感じ、ぞっとしながらイベントの進行を見守っていた。

その時、急に上司が私を呼び出した。
「おい、煙んパス。イベント最後にやる、会場の支援者と一緒に応援歌を歌う時の話だけどな、歌の指導をする先生が急遽こられなくなったから、お前がステージに出て仕切れ」
えぇぇぇぇぇぇぇぇ~~~~~~!!!!!

確かに私は合唱団にいた時に、大きな舞台に立ったことは何度もある。千人だろうが二千人だろが、やろうと思えばステージに立つことは出来る。しかし、今回は全く状況が違う。過去に私が経験しているのは、客席とステージ上との間に敵対関係のない状態のものである。こんな緊迫した雰囲気の中でステージにたったことなど、過去に一度もない!

上司の、あまりに無茶なオーダーに頭が真っ白になり、絶対に無理だ、断ろう、と思ったら、その上司は、私の一瞬の隙を突き、逃げるようにどこかに消えてしまった。慌てて探し回ってみたものの、どこを探しても出てこない。その人、都合が悪くなるといっつも雲隠れして、事が通り過ぎるまで絶対に出てこない人なのだ。

段取りはいまさら変更できない・・・
代替案は思いつかない・・・
時間は差し迫ってくる・・・
会場の空気は、時間がたつほどにどんどん悪化していっている・・・

一体私は、どーなってしまうのか?!

続きはまたのちほど・・・

---------------------------------------
というわけで続きである。

・・・そして、ついにタイムリミット。いまさらどうしようもない。私は腹をくくった。

もういくしかない。

ステージ上では、イベントのフィナーレに向かい、党首や支援議員、立候補者が勢ぞろいしている。客席からは、相変わらず恐ろしいくらいのオーラがそれこそ激しい勢いで発せられている。そんな雰囲気を舞台の袖で見ている私は、いっそこのまま時が止まれば、時が止まらなければ、自分の心臓が止まれば、どんなにうれしいことか、本気でそう思っていた。

そして・・・ついに出番となった。司会進行のお姉さんは、プロ根性を発揮してさわやかで明るい声でフィナーレの進行アナウンスをしゃべり始めた。

「それでは最後に、住みよい街、明るい街、そして新しい都市づくりを目指して活躍される候補者の方へ、エールをおくリたいと思います。私たち○○党と、支援者の皆さんと一緒に、心を合わせてテーマソングをうたいましょう!」

BOOOOOOOOO!!!!

・・・当たり前だ。心を合わせてったって、今の段階で、完全にズレているんだから。白々しい言葉にもほどがあるってもんだ。当たり前すぎるくらいのブーイングだよ。


「・・・それでは、みんなで一緒にテーマソングを歌う前に、まずは練習しましょう! 皆さんと一緒に練習してくれる、歌のお兄さんは煙んパスさんでーす! 煙んパスさん、どーぞ!!!」

BOOOOOOOOOOO!!!!

う、歌のお兄さん?! 何だそのピンポンパン的な紹介は! お前、相手は50歳60歳の言い大人だぞ! そんな言い方したら、怒りのエネルギーがこのオレに来るだろ!!

しかし、もう後の祭り、お姉さんは紹介をするだけしてさっさと引き上げてしまった。今まで自分が受けたブーイングの矛先を、すべて私に向けさせようとしたとしか思えない。それほど能天気な紹介とその直後の消えっぷりの鮮やかさだった。

すでに私は紹介されてしまっている。もうステージに出なければならない。舞台袖のスタッフも私に出ていけと促している。

南無三! 私は腹をくくって足を踏み出した。

舞台袖から私が姿をあらわした瞬間。4000個以上もの目玉が怒りのエネルギーを込めた視線を私に送り始めた。

ものすごいエネルギーである。体が押されるようだ。センターマイクに向かって、まっすぐ歩いているつもりが、視線に押されて舞台奥の方へよろけてしまう。

それでも必死にセンターマイクに向かい、ようやくたどり着いた。マイクスタンドを握り締めたら、汗でヌルッと手が滑った。うまく握れない。もう一度しっかり握りなおす。
引きつった顔を無理やり笑顔にするため、さらに引きつらせながら、

「みナさぁーん、コんにチわアあアあー!」

緊張でところどころ声がひっくりながらも、第一声を発したとたん、

BOOOOOOOOOO!!!!

今までで、おそらくは一番でかいブーイングが飛んだ。2000人以上のブーイングのエネルギーは視線以上の圧力であった。その圧力で後ろに吹き飛ばされそうになる。ヌルヌル滑る手を必死にマイクスタンドに絡めつかせながら、その場に踏みとどまった。

会場ではまだブーイングが続いている。

「引っ込めー!」
「歌うたってる場合じゃねーだろ!バカ!」
「ふざけるな!」
「消えろ!」
「死んじまえ!」

轟音の中から、こんな言葉が聞こえてくる。50,60の年長者相手に、24、5歳の若造が、場違いな所に出てきやがったうえに歌の指導だと! あんな汚職事件を起こしながら、のんきにみんなで歌うたいましょうだと! 貴様自分が何やってんのかわかってるのか!

声に聞こえる、そして声に聞こえない罵声の数々を浴びながら、だんだん意識が薄れていきそうになった。その時、視線の端に私が連れてきた合唱団員の姿が見えた。彼らは舞台の下手で客席の剣幕に気おされている。そして私に、恐れと困惑の視線を送っている。あぁ、彼らはただ歌を歌いに来ただけなのに。オレが手伝ってくれと声をかけなければ、こんなとんでもない思いをせずに済んだのに。こんなにいたたまれない気持ちにならずに済んだのに・・・

ここで、プチッという音が、どこかから聞こえた。そして。

みんなで歌う。

この瞬間に、これだけしか考えられなくなった。どうしてそうなったのか、理由はわからない。ともかく、そういう思い以外なくなってしまったのだ。

とたんに体中に変化が現れた。

ブーイングが気にならなくなった。
手のひらから汗が引く。
足の震えが止まる。
負のエネルギーの圧力を感じなくなる
顔の引きつりがなくなり、自然と笑顔になった

マイクスタンドから手を放し、両足でしっかりたつと、右手を上げて叫んだ。

「さあ、それではさっそく歌ってみましょう! 音楽スタート! さんはい!」

私はマイク越しに歌った。合唱団員も歌った。客席からは歌声がどこからも聞こえてこなかった。でも、そんなことは関係なかった。私は続けた。

「オッケー! 皆さんその調子で、もっと元気に歌ってみましょう!」

歌わせなければ、という必死な気持ちは全くなかった。みんなで歌う、これだけの気持ちを全身にみなぎらせ、リズムに合わせて、手を振りながら歌った。何度も繰り返してうたった。

3回目の時、私の目の前の客席から、小さな歌声が聞こえた。嬉しかった。

「だんだん調子出てきましたね。もう一度行きますよ!」

4回目から、水の波紋のように、私の目の前から歌声が広がり始めた。
ブーイングも急速に消えていく。怒りのエネルギーが消えていく。

みんなで歌う、みんなで歌う、みんなで歌う・・・

そして、持ち時間の10分が過ぎた時、ブーイングがなくなり、全員とまでは行かなかったものの、客席とステージ上が一緒に歌を歌っていた。

「皆さん、素敵な演奏でしたね。私も楽しかったです。ありがとうございました!」

そういってお辞儀をしてゆっくりとした足取りで舞台袖に戻った。

「やりましたね!」

舞台袖のスタッフがガッツポーズをしてくれた。軽く会釈してトイレに向かった。個室に入り、扉を閉めた。全身の力が抜けた。便器に座り込んでしまった。ホッとして、少しだけ涙が出た。

そして、オレは意外と瞬間的なストレスやプレッシャーに強いんじゃないか、と実感できた。そして、「人間、追い詰められても、あきらめなければ、結構なことが出来るんじゃないか」とも思った。とにかく、極限まで追い詰められれば、絶対に抜け道を見つけ出せる、そんな自信が自分に持てたような気がした。気持ちの余裕が出来て、大役を押し付けてきた上司に少しだけ感謝した。


・・・そして、イベントが終わって1週間後・・・

例の上司に頼まれて例のイベントの企画会社に請求書を届けにいった。応接室で待っていると、企画担当者が現れて、ビックリしたように

「あれぇ、歌のお兄さんじゃないの。なにしに来たの?」

と言われた。参ったなぁ、勘違いされているよ、と思い、私は製作会社の社員であり、こちらを担当した人間の部下であること、この間は急に合唱指導の先生がこられなくなったので、急遽代役を勤めたことを説明した。すると、不思議そうに、

「でも、何日か前から、君の名前が歌のお兄さんとして名前が載ってたよ。君の上司がそういってたんだけどねぇ」

・・・この瞬間、人一人殺すぐらい、なんとも思わなくなるくらい、私の気持ちは極限まで追い詰められたのであった・・・




煙んパスこと水野浩志のセルフコミュニケーション日記  (煙んパス さん)
2003年08月23日 の日記より





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最終更新日  2004年08月25日 00時09分53秒
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