2006年02月07日
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楽しみにしていた 角田さん最新刊~

冒頭。
「あたしですか、あたしはこれから人を殺しにいくんです。」


1編、2編と読み進めていくうちに
「憎しみ」がテーマね!と気付く。
てっきりほんわか短編集と思い込んで読んでいた。

誰もが心の中に持っている他人に対する憎しみ、悪意、それがテーマです。
さすがです。角田さん。


小学生の頃、女教師からの理不尽な苛め。
無視され差別されるたびに、なぜこんな目に合うのかわからないと戸惑い、
しだいに憎しみの感情が現れる。そして今もなお憎んでいる老いた女教師を訪ねる女。

夫から欠点を指摘される妻の憎しみ、その夫婦の、実際どの夫婦間にでもあるような気さえしてくる不思議なこころの隙間の感覚。

別れを持ち出したら嫌がらせを始めた元カレを“ぜってえぶっころしてやる”と思う女子高校生、家にこもって外部と接触できないその弟。
両親の仲もうまくいっておらず母親も情緒不安定。

母親である自分を避けて部屋にこもるようになってしまった娘をもつ女性の
娘に対する思い。

妻に浮気がばれて、主夫をすることを求める妻に、立場逆転で尻にしかれている夫の心理。

自分の子どもを中絶して幸せに暮らす別れた彼女の飼い犬を誘拐して殺そうとする男の憎しみ。

子供の頃の友人が、他人を憎み、部屋から出られなくなり、学校という社会からドロップ・アウトしてしまった。(死ねって感じ〉を口癖に。
成人してから彼女を訪ねる女。


こう列挙していると、主人公たちの心のなかにある人を憎むという
話ばかりでなんだか恐ろしいけれど、
日常の中で、ふと心に巣くう他人へのどうしようもない憎しみを角田さんは描いていく。相変わらず、すごい、と思った。

テーマがテーマだけにあまり魅力のない暗い話のように見えるかもしれませんが
う~ん 微妙な心理描写にやっぱりうならされます
正しいとか正しくないとかでは割り切れない、どうしようもない、
きっと日常、誰の心にもすみついてしまういうる現象のようなもの。
それが描かれています。


その主人公たちの視線が転回して、
悪意や憎しみが支えている強さの意味が、少しずつ違ったものになっていくのが見もの。



(mmm・・・
憎しみの感情っていったいどこから生まれるのかな。
自分と他人とのあいだにけっして埋められない隙間があるとしたら、それが憎しみの感情を育むのか、はたまた悪意があるから隙間ができるのか・・・。mmm)






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最終更新日  2006年02月07日 17時57分31秒
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