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Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
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Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2013.07.06
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カテゴリ: 文芸

 「クリエイティブ・ライティング」という科目で14回に渡り展開されたお話は、
 さすがに大学の講義だけあって、かなり専門的。
 それを、いつもの語り口で惹き付け、理解に至らせてしまうのはスゴイ。

 だからこそ、教室に入りきれないほど多くの学生が講義につめかけ、
 皆が食い入るように先生の話に耳を傾け、ノートをとり続けたのだろう。
 単位欲しさだけで集まった学生たちを聴衆とする講義とは一味違う、
 大学本来の授業というものが、そこには強く感じられた。

   ***

まず、衝撃を受けたのは、電子書籍に関する次の一言。
私自身も、電子書籍を購入し、何冊か読んでみたものの、
未だに、何かシックリ来ないものがある。
その原因を、内田先生は見事に説明してくれたのだった。

  僕は紙の本はなくならないと思います。
  というのは、iPad で読んでも、面白さが「何か」足りない気がするからです。
  いろいろ考えました。
  そのあと、友人の平川克美君と会ったときにも、彼からも同じことを訊かれました。
  「iPad で本読んでる?あれ、読めないだろう?」
  その理由として彼が挙げたのは、僕が考えていたこととほとんど同じことでした。
  それは本の厚みがないということです。
  だから、残りページがわからない。
  残りページがわからないと、本ってすごく読みにくいんです。
  第一の理由は、自分が本のどの部分を読んでいるかによって、
  言葉の解釈が変わってくることです。(p.55)

この後に展開する、ミステリーを例にした説明には、ものすごく納得。
手に持った本の頁をめくりながら、手触りや重みなど、意識されないシグナルに反応しながら、
無意識的に自分の読み方を微調整しているというのは、本当によく分かる。
デジタルで「残り何頁です」と表示されても、これと同じ反応は示せないのだ。

次は、フランス人が「知りません」という言葉を口にしないのは、
それを口にすると、人に侮られ、いらぬ借りを作ってしまうと信じているためで、
その背景に、フランス人の階層社会があることを述べている際に出てきたもの。
これは、どこの国とかにかかわらず、教育の根幹に関わる言葉だと感じた。

  でも、僕たちが社会的な上昇を果たしたいと思えば、
  現実的には方法は「それ」しかないんです。
  自分が何を知らないか、何ができないのかを正確に言語化し、
  自分に欠けている知識や技術を有している人を探し出して、
  その人から教えを受ける。
  「知りません。教えてください。お願いします」。
  学びという営みを構成しているのは、ぎりぎりまで削ぎ落として言えば、
  この三つのセンテンスに集約されます。(p.128)

次は、外国語を学ぶことについての言葉。
これも、目から鱗。
外国語を学ぶという行為について、何がその出発点となっているのか、
どこを目指していけばよいのかを、再確認する必要があると感じた。

  本来、外国語というのは、自己表現のために学ぶものではないんです。
  自己を豊かにするために学ぶものなんです。
  自分を外部に押しつけるためではなく、
  外部を自分のうちに取り込むために学ぶものなんです。(p.244)

そして、最後は、
たまたま自分が授かった能力を、どのように使うか。
自分が人として生まれて、
自分が何を為すべきかについて考えさせられた言葉。

  みんながそれぞれに個別の能力を持っている。
  それは競い合うものではなく、お互いに融通し合って、
  みんなでその成果を享受すべきものじゃないんですか。(p.273)

こんな授業を、実際に体験できた人たちは、本当に幸運だと思う。
とっても羨ましい。





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Last updated  2013.07.06 10:18:21
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