リッキー・リー・ジョーンズ(Rickie Lee Jones)は、シカゴ生まれのシンガーソングライター。家出の末、19歳からロサンゼルスに暮らし、トム・ウェイツと同棲していたこともある(表の面ではないが、『ブルー・ヴァレンタイン』のジャケットの写真に登場する女性が彼女だとのことである)。いくつかの曲がレコード会社の関心をひき、ローウェル・ジョージが彼女の曲をソロ・アルバムで取り上げたこともあって、1979年のこのセルフ・タイトルのデビュー盤(日本版タイトルは『浪漫』となっているが、原題は彼女の名前そのまま)が生まれた。
注目の曲をいくつか見ておきたい。シングル・ヒットした1.「恋するチャック(Chuck E.'s in Love)」は、トム・ウェイツとの共通の友人である実在の人物(チャック・E・ワイス)の実話にインスピレーションを受けて作られたナンバー。表題の“チャック・Eは恋してる”というのは、行方が知れなくなった彼からの電話を受けたトム・ウェイツの言葉だという。5.「イージー・マネー」は、上記の通り、ローウェル・ジョージが取り上げ、本デビュー盤の大きなきっかけとなったナンバー。あと、上記5.に加え、2.「1963年土曜日の午後」、3.「ナイト・トレイン」は特に外すことのできない好曲だと思う。
[収録曲]
1. Chuck E.'s in Love 2. On Saturday Afternoons in 1963 3. Night Train 4. Young Blood 5. Easy Money 6. The Last Chance Texaco 7. Danny's All-Star Joint 8. Coolsville 9. Weasel and the White Boys Cool 10. Company 11. After Hours