大ヒット漫画でアニメも大ヒットした「おおきく振りかぶって」という漫画があります。
私は何冊かだけ読んだことがありますが、良いマンガなんですよ。

なんで監督がああいう外見なのかな、とちょっと考えてしまった。
謎のルックスなんですよ。

登場人物も魅力的に描かれていてたまに思い出す事があります。
気弱でしょうもない感じの投手である主人公、三橋君が成長していくお話です。
名シーンが沢山ある。

主人公の三橋君が、その日合った誰ともしれないキャッチャーの阿部君の信頼にこたえるため、自分で禁忌としてきたど真ん中にストレートを投げきるシーンとか凄い好きでした。

体のサイズがデカい、手強いバッターを相手に投げ込むことになります。
三橋君はその時まで投手として投げることに強い執着を持っています。
しかし捕手の事情などもあり、常人離れしたコントロールを持っているのに通用したことが一度もない。
自分の投げるたまに全く自信がない。

出会ったばかりの捕手である阿部君が三橋君に要求しているのはど真ん中です。
コースも球種も完全なボールを投げ込めるのですが、自分の球威では確実にホームランされる。
三橋君には捕手阿部君から要求されているコースにドクロマークが見える。

三橋君はバカにされようがいじめられようがマウンドは誰にも譲りたくなかった。
ずっと常人離れした努力はしてきた。
常人離れしたコントロールを持つ三橋君は自分の投げるボールの威力を信じられたことがない。

本当のエースにしてやると言われた事を思い出し、恐怖を振り切って投げ込む。
阿部君の相手をはめてしまうリードでど真ん中のストレートをスイングアウトさせてしまう。
強さと弱さが混じり合った感じで大好きなシーンです。

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おおきく振りかぶっての監督は若い女性です。
美人だけど迫力のある顔をしています。
上半身は特徴的でバレーボール状態になっています。

昔はなんでバレーボール状態になっているんだろうなと不思議だった。
今考えるとすごくしっくりく来ていて他に選択肢がないように思えてしまう。

序盤に合宿シーンがあります。
合宿の夜にチームの正捕手阿部君と建物の外で話すシーンがあります。
話すのはどういう風にチームを作って勝つかなど、もちろん野球のことです。

話が理解出来なくて阿部君は反発しようとします。
モモカンは阿部君の手を握り込み言います。
私が今言ったことを体感する事になるだろう、まず今自分がしていることを三橋にしろ、みたいなことを言います。

阿部君のてが暖まってきてドキドキしてくる。
世の中には理屈を越えることなんていくらでもある。
モモカンはそれが何なのか言葉では言わない、言語で表すと伝わりにくく変質してしまう事もあるので。

いいシーンなのです。

15才でバレーボール状態の若くきれいな女の人にやられるとどういう気持ちになるのかなと思う。
いつも思うのですが、モモカンのキャラクターや容姿でないと成立しないシーンです。
たぶんただ若くてきれいなだけでもドキドキするのですが、バレーボール状態だともっとドキドキするはず。

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おおきく振りかぶっては、酷い人間関係が出て来ます。
野球をやっているだけなのにチームメイトから三橋君が長期間嫌がらせをされていたり。
人格形成におおきく影響している。

阿部君とセルフィッシュな先輩榛名との関係もすごいです。
さんざん嫌な思いをさせたあげく勝手な進学先に行って、新しい人間関係が影響してちょっとましな人間に変わってしまう。
さんざん阿部を苦しめて人生観すら変えてしまったのに、自分が嫌なやつであったという意識がない。

中学時代に三橋のいたチームも凄いことになっていた。

いじめなのか野球なのか分からなくなっていた。
えこひいきのために投手をやっていたと二番手投手の叶くん以外は思っていた。
みんなが真のエースと思っていた叶くんだけは、三橋君に絶対に勝てないとコンプレックスをすり込まれていたという設定だった。

きっと酷いのがかけるから言いシーンが出来るのでしょう。

ドカベンとかには絶対に出てこない、良い人間関係を書いていると思う。
高校生のドキドキする部分まで支配している感じです。
男性の監督だったり、70才前のかぼそい老女の監督では成立しないシーンです。
絶対に作者は意識してバレーボール状態にしたんだろうなと私は思いました。