療育犬による発達障害者の指導

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2014.03.12
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カテゴリ: 療育犬
最重度・重度発達障害児者の療育のための役割を担う「療育犬」ですが、

最重度・重度発達障害者の支援全般に有効に作用する。かの如き誤解を得ているケースがあります。

従来のアニマルセラピーと異なり

療育犬による療育は最重度・重度発達障害児者の特定部分に療育の照準を当て、育成もその方向で行っています。簡単に記述します(横室純一「相棒たちと共に」から抜粋)。

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幼児の事例を見ると、療育犬による療育が重い発達障害者の“どの部分の支援”に照準を当てているのか明確になります。それは療育犬育成の方向性でもあります。
幼児へのアプローチは「1課題を教える母親・先生」「2課題を教える中で自ら工夫して=考えて課題を処理する事を教える母親・先生」「3友達との遊びの中から生まれる多様な課題を自ら工夫して=考えて処理して行く事を習得してもらうために、友達との遊びを静かに見つめ続ける母親・先生」の3つの大きな柱から構成されていると言えるでしょう(「教えてもらう中から学び成長する」「友達との遊びの中から学び成長する」の2本の柱としているのが一般的なのかもしれません)。
重い発達障害者の療育は「1課題を教える母親・先生」のみの環境と言えます。「2課題を教える中で自ら工夫して=考えて課題を処理する事を教える母親・先生」「3友達との遊びの中から生まれる多様な課題を自ら工夫して=考えて処理して行く事を習得してもらうために、友達との遊びを静かに見つめ続ける母親・先生」の環境は全く欠落していると言っても良いでしょう。2のテーマは教えるための手段であるプログラムに、考えて行動する部分を追加する事で療育スタートできますが、3のテーマには重い発達障害者の価値観(発達レベル)に適合した遊び相手が存在しないという問題があります。遊びの中から学ぶ環境がないのです。療育犬による療育は“価値観(発達レベル)に適合した遊び相手の設定・その中からの習得”照準を当てています。

寝食を共にしている施設などで過ごす重い発達障害幼児が価値観に適合した遊び相手と過ごしている場合「必要に応じて見つめる」「同じ遊具で遊ぶ」「喧嘩する」などの行動を頻繁に出現させています(もちろん健常児と比較したら遊び・喧嘩と言えるレベルのものではありませんが)・・・40年ほど前に数年間知的障害児施設に勤務していて最重度(田中式IQ20~測定不能)年少児(5~10才)15名程度を数名の保育士と共に担当していましたが、居室や中庭やプレイルームなどで頻繁に見る事ができました(10年後位に伺ってみると、同じ障害児者が幼児期に示していた上述のような行動が見られなくなっていました)。最近では、母親や支援者や先生を見つめる事のない重い自閉症者が療育犬ブラウンやキャンベルをしっかりと見つめ共に遊ぶ姿を目にしています。また自己の世界を浮遊するような行動をしている重い自閉症者や重い知的障害者が1才8ヶ月の健常幼児と笑いながら遊ぶ姿も目にしています。

重い発達障害者の生活の中に“遊ぶ中から学ぶ”環境を整備し、成長のきっかけとなる機会を多くする事が重要です。しかし、それまでの生育環境から学びとった行動様式などから遊び相手の設定が非常に困難でしたが、行動特性などからして療育犬が適切な役割を担う事で出来る存在である事が判明しつつあります。したがって、療育犬の育成方向は“重い発達障害者のより良き遊び相手”という事になります。

そして、その過程で出現する適切な行動などを日常生活の中に定着させて行くのが療育犬による療育です。







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最終更新日  2014.03.12 08:54:35


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