イヌやネコの検査や治療に関する最新情報(社長の独り言)

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2009.08.19
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カテゴリ: FIP
引越しもやっと落ち着いて、何とか仕事も動き出しました。
環境が変わるとなれるのに時間がかかりますが、でも気分も一新、スタートです。

FIP(伝染性腹膜炎)とコロナウィルスの関係、またコロナウィルスの遺伝子検査の意義などについて、引き続きいろいろなお問い合わせやご意見を頂きます。
ウィルスの変異やFIPとの関係など、学術的にもわからないところが多い中で、実際に治療される臨床現場の先生方の中にも、遺伝子検査の意義や有用性をどう理解したらよいか、今ひとつ疑問視されている先生方も確かにいらっしゃいます。

我々も、検査の現場でいろいろな角度からデータの解析を行っていますので、少しでも臨床現場に役立つよう逐次情報を提供していきたいと考えております。

FIPについていろいろな先生と話をする中で、なるほど、と思える話を伺いました。
ここで、二つ紹介します。読み流して頂いても結構です。

一つ目は、FIPについて研究されている先生のお考え。
「FIPとコロナウィルスの関係について、簡単にどう考えたらよいか?」という私からの質問に対して、「あくまで私の考えですが・・・」と言う前置きで、次のように説明してくれました。
「コロナウィルスとFIP」の関係は、一言で言えば、HIV(ヒトエイズウィルス)とAIDS(エイズ)、FIV(ネコエイズウィルス)とネコエイズ、の関係に似ているのでは、と言うことです。
ご存知のように、HIVやFIVはウィルスのことで、エイズは病名です。HIVやFIVが感染することによって極度に免疫機能が低下し、それが原因で日和見感染している他のウィルスや細菌が原因の肺炎や肉腫を発症し、重篤な場合死に至ります。このような症状(病状)のことを、エイズ(AIDS:後天性免疫不全症候群)と呼びます。
ただし、HIV(以下、HIVで話を進めます)が感染したからといって、かならずエイズが発症する訳ではありません。
ニュース等でも、「HIV感染者は○人」と「エイズ発症者または死亡者は○人」という表現を使って別けていますね。
つまり、HIVに感染した場合はあくまで「HIV感染」です。
そして、HIV感染が原因で発症する様々な臨床症状の総称を「エイズ」、このことは間違いありません。
忘れてならないのは、「エイズ」と同じような症状はHIV感染以外でも起こりうる可能性がある、と言うことです。発症原因は極度の免疫機能の低下、ですから、何かの原因で免疫機能が低下すれば、同様の症状が起こる可能性は大いにあります。その時に「エイズ」か「エイズに似た症状」かを判定するのが「HIV感染」の有無、つまりHIV感染陽性なら「エイズ」、陰性ならエイズを否定、と言うことです。

こう考えたときに、「コロナウィルスとFIP」の関係は、と考えてみましょう。
「コロナウィルス」はウィルスのことで、「FIP」は病名(臨床症状)です。
「腸コロナウィルス」は多数のネコで感染しているといわれていますが、血液中には存在しないと考えられています。それが何かの原因(ウィルスの変異?免疫機能の低下?その他?)でマクロファージに感染、増殖し、血液中で悪さをしてFIPを発症するといわれています。

では、FIPを発症していないネコで血液中からコロナウィルスが検出されるかどうか。
我々の解析でも、健常(FIPを発症していない)ネコの検査依頼は少ないですが、稀に僅かな量のウィルスが検出されることがあります。この場合、発症するリスクは高いと考えられます。
学術的には、健常ネコでも10%程度でコロナウィルスが検出される、という報告もあるようです。
そう考えると、血液中から検出される「コロナウィルス感染」は、ほんの僅か、または現在の検査技術では検出できないレベル(検出限界以下)の感染、が起こっている可能性はあると考えられます。
つまり、これらの症例は、「コロナウィルス感染症」ですが、FIPは発症していない、というケースと理解できます。

一方、何度か御話していますが、FIPを疑う症状があった場合でも、血液や腹水胸水からコロナウィルスが検出される確率(陽性率)は約25%です。他の75%は、コロナウィルス感染ではない、他の原因で発症したと考えられます。これは、「FIPに似た症状」ということになるでしょうか。

この先生曰く、「私の考えでは」という前置きで、「FIPはコロナウィルス感染が起因である。血液中への感染は少なからず起こっている可能性が考えられ、現在の検査技術レベルで検出されないような量かもしれない。何かしらの原因でウィルスが爆発的に増殖することが原因でFIPを発症するのではないか。」ということでした。

この話を聞いたときに、コロナウィルス感染とFIPとの関係についての考えかた、が少しわかった様な気がしました。少し霧が晴れた、というような感じです。


次に、二つ目。動物病院を開業されている臨床現場の最前線に立つ先生の話です。
「臨床現場では、FIPとコロナウィルス感染について、どう考えますか?」と質問しました。
帰ってきた答え、なるほどな、と思いました。
「臨床現場では、目の前に居るネコちゃんの治療が最優先。極端な話、コロナウィルスが感染していようがいまいが、FIPであろうが無かろうが、まずは苦痛を取り除いてあげることを考える。腹水、胸水が溜まって苦しそうなら抜いてあげる、痛みがあるようなら軽くしてあげる・・・。その後に、症例にあった治療を選択する。」ということでした。

この話を聞いたときに、我々の無力さを感じました。
FIPに対する治療法が無い現状で、臨床現場にとって感染を明らかにすることがどれほどの有用性があるのだろうか、と考えてしまいました。

一方で、先の話で「HIVとエイズ」の関係を考えたときに、この先画期的なコロナウィルス感染治療薬やFIP治療薬が出てきたときの検査の有用性や、出来るだけ早期発見で対処的な早期治療を進められる健康診断的な位置づけの検査としての重要性、は間違いないかな、とも思っています。

FIPとコロナウィルス感染の関係は、わからないところが多いのも事実です。
でも、「FIP発症はコロナウィルス感染(FIPV?)が起因」という考え方は確かにあります。
そう考えたときに、血液や腹水胸水中からコロナウィルス感染を検出することは、FIP確定診断やこの先の発症リスクを推測上で、大変重要であると、考えています。そう考えて(確信して)、検査しています。

何やら、またまたわからない話をずらずらと書いてしまいました。
悪い癖で、話し出したら止まらない、というやつです。
あくまで、私の考えや、御話くださった先生方の個人的なお考えを紹介しました。
読んで下さる方は、その旨了解して下さい。

我が家のメタボナナちゃん、「クッシング症候群」と診断されて約1ヶ月、薬を飲み続けていますが、症状や検査結果は大分落ち着いてきました。というか、落ち着き過ぎ、というような印象もあります。このまま落ち着いているようなら、一度薬をやめてみましょうか、と主治医の先生。それで再発するなら明らかな「クッシング」だし、そのまま正常なら何が原因だったのか????一過性のクッシング様症状????

病気と原因、わからないことが多いですね。






















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Last updated  2009.08.19 12:20:55
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