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2010.09.24
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カテゴリ: その他
 約2か月ご無沙汰していました。
 いやはや、暑い夏でしたね。本当に何もする気にならないくらいの熱気でした。
 いろいろありまして書き込みをサボっていましたが、急に涼しくなり、やっと重い腰を上げた、という感じでしょうか・・・。
 皆さん、体調崩してないですか?
 ワンちゃん、ネコちゃんは元気ですか?

 再開(とは大げさですが)第一弾として、あるセミナーで良い話を聞きましたので、紹介します。

 静岡県立がんセンター総長の山口健先生のご講演。
 静岡がんセンターは、富士山の裾野、素晴らしい景観のところにあります。
 がんセンターですので、最先端の治療はもちろんのこと、終末期医療にも力を入れており、ホスピスのベッド数は日本一だそうです。

 その山口先生のお話。
 先生のご経歴から静岡がんセンターを立ち上げてから現在までの歴史、そして治療や患者に対する考え方まで、大変興味深く聴きました。
 その中で、私が感銘を受けた言葉が、「医学は科学、医療は物語」という言葉でした。
 「医学は科学」この言葉は、なんとなく理解できますよね。
 医学というのは、難治の病気を治すため、新しい治療法や薬を研究開発、臨床試験で効果を確認し、患者さんを救命するために全力を注ぐことを使命としています(間違っていたらお許しください)。そういう意味では、学問的な意味合いが強く「科学」であるといえます。難しく言うと、人間を客観視して人体を研究していく近代科学的な考え方、です(だそうです)。

 では、「医療は物語」という言葉、皆さんはどうとらえますか?
 これは、故・河合隼雄さん(臨床心理学の第一人者、2007年逝去)が語られた言葉だそうです。
 (興味のある方はネットで調べてみてください。大変興味ある記事がたくさんあります)
 「科学」は事実だけをとらえます。一方「物語」は、事実を関連付けることで成り立ちます。

 病院にいてがん患者さんや家族を見るとき、とくに患者は、がんという事実、その後の病状の進展を受け入れる過程で、自分の人生を振り返り、また残された人生をどう生きていくか、考えを求めらえます。この「物語」は、個人それぞれで違います。個人はその個人の物語の中で生きています。そこに、科学的に正しい事実を言ったところで、すぐに変わるものではない、と仰っています。

 「医師や看護師は、正しいことを言えば患者は従うと思うのは大間違いだ」「個人はそれぞれの物語を持っているのだから、正しいことだけではなくて、個人の生き方を尊重すべき」と言っています。

 「よく死ぬことは、よく生きること」とよく言われますが、患者さんがそれまでの人生の意味を見出し、「生まれてきてよかった。良いことも悪いこともあったけれども、総じて良い人生だった」と納得し、自らの人生に納得できるよう、患者さんをサポートすることが、患者さんや家族に接する医療従事者の役割だ、と言っています。

 感銘しました。

 これを獣医療に置き換えて考えてみました。
 「獣医学は科学、獣医療は物語」、みなさんどうですか?
 獣医療は、今大変なスピードで進歩していると感じています。
 この根幹は、医療に追いつけ、だと思います。
 私どもが関わっている分野だけでも、遺伝子検査、がんの分子標的薬、再生医療、等々、素晴らしい成果も出ています。さらに、大学病院や高度医療を実践している施設だけではなく、一般の開業動物病院でも利用できるようになってきています。大変な進歩です。先生方も大変研究熱心な勉強家です。

 一方、「何が原因であれ、どんな病気であれ、痛いならまず痛みをとる、熱があるならまず熱を下げる。まず、普通の生活ができるように戻してあげることを優先して考える」、という先生もいます。
素晴らしい考え方だと思います。

 特に獣医療の場合、飼い主さんの気持ちを考えてあげる、ことも重要です。
 飼っている動物は、自分の家族や子供以上に、分身の様な存在になっている場合もあります。
 こう考えたときに、獣医さんは目の前の治療すべき動物と合わせて、飼い主さんの物語作りも手伝ってあげることができる存在、であるべきなのかもしれません。大変だと思いますが、ぜひ考えていただきたい、私も飼い主の一人として思います。

 我々も、獣医療の一端を担う役割を持っていることを自覚し、仕事をしていかなければならない、と改めて考えさせられた講演でした。

 ご興味のある方は、以下のサイトを覗いてみてください。
 河合隼雄さんや山口総長の話が載っています。

http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2000dir/n2409dir/n2409_01.htm
http://www.ytakashi.net/contents/0.cancer/reports/061021sizuokacenter.pdf#search

我が家のメタボナナちゃん、とにかく暑くてのびていましたが、昨日からの涼しさで少し縮みがちになりました(寝るとき丸まっています)。クッシングも今のところ落ち着いています。ビールとチーズは減らしましたが(というより、家族から「与え禁止令」が出されました、トホホ・・・)。

*今回書くにあたっては、上記ブログや他の資料を参考にさせていただきました。また一部引用もさせていただきました。





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Last updated  2010.09.24 20:08:19
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