Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2012年10月16日
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カテゴリ: 夢有無有
旧約聖書の列王記に登場する悪妃イゼベルと悪后アタルヤ
 イゼベル(Jezebel)は、旧約聖書の列王記に登場する紀元前9世紀のイスラエル王国の王アハブの王妃で、イザベルとも発音されます。列王記によれば、イゼベルはフェニキア人で、イスラエル王アハブの后。父はシドン王エトバアル。列王記にはアハブの子らについての記述がありますが、イゼベルが母であるとは明言されていませんが、息子にアハズヤとヨラム、娘にユダの王アハズヤの母で、悪后とされるアタルヤ(Athaliah)がいます。息子二人には子がありませんでした。アタルヤはユダ王国の王ヨラムの妻となり、アハズヤの母となり、その息子の死後、ユダ王族の殆どを粛清し、7年間女王としてダビデの血統を途絶えさせて君臨しましたが、自身の孫に当たるヨアシュ(イゼベルから見て曾孫)を擁立したエホヤダに殺害されます。ヨアシュの子であるアマツヤは玄孫、ウジヤは来孫、ヨタムは昆孫、アハズは仍孫、主なる神の道を歩いたヒゼキヤは雲孫に当たり、以降のユダ王国の王はイゼベルの血を受け継いでいます。
 北イスラエルの王位に就いたオムリは、その名前から、イスラエルびとではなく、イスラーエール建国以前の原住民であるカナン人(フェニキア人)であったと考えられます。実際、彼は、ショーメロォン遷都にあたって、その土地を地主から買っていますが、これはカナン人の制度に従ったものです。イスラエル人であれば、土地は神から与えられた絶対的なものであり、売買したり委譲したりできるものではありませんでした。しかし、このような王朝あっては、民間においてもカナン的な土地の私有売買制が普及し、地主と小作との階層分化が進展したことと思われます。其のオムリ王が協調政策を採ったシドン王エトバアルは、先王を虐殺して王位を奪取した専制的バアル祭司であり、その王女イィゼベルが専制王権とバアル教を信奉しているのは当然のことでした。雷雨神「バアル」は、カナン=フェニキア人の農業の守護神です。これは、それぞれの土地の古来からのバアルであるエール(神)とは異なりますが、しかし、イスラエルにおいても、定住や開墾によって新たに農業が中心となった地域においては、土着エールが、火である戦神ヤーウェーよりも雷雨の農業神「バアル」の方へ融合していく傾向があったようです。
 アタルヤは、ユダ王国の第7代のユダ王国歴代の王では唯一の女王であり、ダビデ王朝の流れを汲まない、北イスラエル王国のオムリ王朝の流れを汲み、ダビデ王朝を滅ぼそうとした最悪の暴君とされています。北イスラエル王国のオムリ王朝の流れを汲む王族の出身で、父は旧約聖書にて「北王国の歴代の王の中でも類を見ないほどの暴君」と称されたアハブであり、オムリの孫娘でもある。北イスラエル王国は、サマリアを都としていたことからもわかるように外国文化の影響が強く、その王家から出たアタルヤ自身もユダヤ教より他宗教、特に多神教を崇拝する傾向にあったと云われます。このような出自、宗教背景を持つアタルヤの即位は、ユダ王族はじめ祭司や貴族たちからも強い反感を買う事と成りますが、他方、文明・文化の国際化を狙った人物とも読み取れます。息子である王アハズヤの戦死を受けて、半ば強引に即位を宣言し、反抗を抑えるため、アタルヤはユダ王族の子弟を皆殺しにしますが、これがイスラエルの民の存亡を脅かす暴挙として、大きな動揺を引き起こしました。メシアはダヴィデの血筋から出るという預言がなされていたためであり、その正統な血筋であるユダ王族の男子を皆殺しにすることは神に対する挑戦であり、ユダヤ氏族への侮蔑でもあったのです。
 イゼベルとアタルヤは共に祭司の血統を受け継ぐものであり、農業国家から遊牧国家へ嫁いだために旧約の律法には馴染めないことが、これ等の悲劇を齎したとも云えそうです。

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最終更新日  2012年10月20日 09時28分29秒
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