「思考と直覚」観念論の完成者ヘーゲル(百二十) ドイツ観念論の完成者といえば弁証法の体系的叙述をなしとげやたゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル(Georg Wilhelm Friedrich Hegel/1770年-1831年)を、何はともあれ挙げねばならないでしょう。。優れ秀でた論理性が現代においての哲学研究をも含め、後世に多大な影響を与えています。観念論哲学及び弁証法的論理学における業績のみならず、近代国家の理論的基礎付けをした政治哲学における業績もあります。認識論、自然哲学、歴史哲学、美学、宗教哲学、哲学史研究に至るまで、哲学のあらゆる分野を網羅的に論じた其のことが、彼のベルリン大学の講義に全欧州の思想家が聴講に訪れるさせます。それ故に彼は近代哲学と現代哲学の分水嶺として位置づけられています。当初、彼は大衆哲学(popular philosophy)、学問的修練を積んでいない大衆にも理解されるように著述する動きを見せていましたが、其の真意は大衆哲学のやり方でカントの批判哲学を完成させたいと思っていたことによります。ヘーゲルはヘルダーリンやシェリングが関わった高度に神学的な議論には懐疑的な立場をとり、カント哲学の実践の試みよりもむしろ、その問題点の解決が重要であるとの認識に立ちます。ヘーゲルはこの弁証法という手近な方法を理法に適用し、弁証法を構成するものは、ある命題と、それと矛盾するもしくはそれを否定する反対の命題、そして、それらを本質的に統合した命題の3つであると定義します。その哲学体系を大きく分ければ「論理学」「自然哲学」「精神哲学」であり、論理学は遡及すれば当然に行き着く世界理法の創造、時空間創造以前の問題に向き合い其の体系創造存在に論理的解明を与えなければなりません。「自然哲学」とは宇宙開闢以来から人間精神に至るまでの三次元言い替えれば空間が複雑化する過程の体系であり、カント哲学では物自体して不完全で五里霧中であった世界の学問的思考化にあたるでしょう。精神哲学はヘーゲルの精神現象学にも取り上げられている通り、人間の素朴な精神からはじめて絶対知にいたる過程は、人間精神の鏡に映った先行する体系、即ち「絶対知(絶対精神)」の様体である範囲に於いての様態を構想します。個人の精神(エゴ)を離れ、人類を司る理法へと精神が登り詰め、直覚霊知的には神へと至る道が描かれています。