「思考と直覚」ドイツ実存主義ヤスパース(百五十一) ハイデッガーと並んでドイツ実存哲学で当時を代表するのは、ドイツの精神科医であり、哲学者である。実存主義哲学の巨匠カール・ヤスパース(karl theodor jaspers/1883年−1969年)がいます。彼は精神病理学から始まりニーチェの思想を研究し、実存主義を展開します。ヤスパースは其のために限界状況(英:limit situation、独:Grenzsituation)なる言葉を造語しています。此れがヤスパース哲学の起点となる基本概念であり、世界内存在に現生する人間が人間の内的潜在力や科学の知識及び技術進歩をもってしても克服できない人間を限界づけている普遍的な状況、具体的には、自分はいずれ死ななければならないとか、思い悩むことから逃れられない苦悩、闘わなければならない闘争、或いは意識・無意識を問わず罪を犯すことから免れない罪責や原罪ということであるのを限界状況と呼称しています。これらの状況は普通の状況と異なり、環境で変化することがなく、意志や努力によって変えることの出来得ない、人間存在にとっては巨大な壁となって立ち塞がる状況であり、人はただそれに衝突し、挫折するほかない。それは時代や民族、あるいはどのような個人にとっても免れることのない点で普遍的なのです。其の典型例が「自己の死」との対面です。人は死に直面し突き当たることによって、各人がそれまで意識していた自己自身の存在に対する確実性の挫折を自覚させられると云います。。ヤスパースによれば、人は普段は気晴らしなどに耽ることによって、実は既に前提として限界状況のうちにあるのだということを忘れてしまっているとしています。そして、壁に突き当たって挫折する経験は、人をして依るべきもののない孤独と絶望とに突き落としてしまう。しかし、このように限界状況に直面したときにこそ「実存的交わり」自分の中に閉じこもらず心を開いて他者と語り合い理解しあうことによって、自己の実存を深めることや「超越者との出会い」、超越者とは「絶対的意識」であり自己自身の存在確信にして、超越的な存在に面している意識だと言います。其の状況は「限界状況」により自己存在の有限性は意識させられたが、それはまだ消極的な有限性の意識であり、「無制的なもの」という超越的存在に面することにより自らの有限的な存在が反省させられ、そのような超越的存在に面している自己自身という存在確信が得られるとします。限界状況により自己存在の有限性は意識させられたが、それはまだ消極的な有限性の意識であり、無制約的なもの言い替えれば「有」の存在という超越的存在に面することにより自らの有限的な存在が反省させられ、そのような超越的存在に面している自己自身という存在確信が得られるとします。其の観点から其れを体験すれば人間は「超越的なもの」へと向かって自己存在の確信を得るとともに人は実存に目覚める。即ち「死」を克服する勇気を得るとします。