「思考と直覚」人間存在を思考/ソクラテス-8(百七十八) ソクラテスが不惑の四十歳を前にして、彼の交友の一人カイレポンがデルポイにあるアポロンの神殿(emple of Apollo)で、「ソクラテスより賢い人間は世にいるかとの問に」そクラテスより賢い人間は世にいないとの神託を巫女から伝達されます。此の歴史的事実とされる出来事にソクラテスは疑い迷い、其の思考の挙句の果て、彼はギリシァに名ある政治家や軍人、更には詩人及び当時、夜に阿られていたソフィストの門口に訪ね、自己よりも更に賢明を持つ人間を探し神託に反駁しようとしますが、其の尽くが、自らは知恵あるものと自負していながら、ソクラテスは最も大切なことを知らないことに驚愕します。詰まるところ、彼等は社会生活全般、地位とか名誉富裕に関しては博識ではあるが「人間の深底に隠されて眠る魂」、人間の根拠として最も最高位にある「理」をしらないことに気付かされ、自分が「世界の理の根拠なるもの」を知らないことを知っていることに思い至り、自己の「無知の知」を正当なものと考察し、神託を論駁しようとした結果、自己の思考と直覚の正しさを見出します。