「思考と直覚」人間の霊魂を思考/トマス・アクィナス-14(二百六十五) トマス・アクィナスの思考の真理は一つの矜持が、アヴェロエスの主張する、神学と哲学の求めんとする処は或る部分では異なり、人間の元来持っている精神に内在する筈の理性と信仰の真理が異なるとは、或る範囲には認めるにしても、両者の間に異相として浮かび上がるのは矛盾対立ではなく、主張の差異に過ぎないと述べます。トマス・アクィナスはアヴェロエスの主張するアリストテレス形而上学を逆盾として「二重真理説」に回答します。選択された人間が受ける神の啓示によって與えられるものは神学的真理であり、「超理性的」とされているが、其れも「反理性的」なものではない。「神の理性」、此処では「人格神」ではなく「絶対存在」としての「神」を指し示しています。其の絶対理性は哲学における世界理法と異なることはないとの表現の違いこそあれ矛盾対立ではなく、言語的な差異に過ぎないと述べます。それ故に、トマス・アクィナスは「神学」こそが真理の頂点にあり、哲学は真理を経験主義的な真理で人間に納得させる道具であり、哲学が「神学」の真理を傷つけることはあり得ないと確信しています。仮に人間が肉体のみならず、精神取り分け内精神の理性の奥に潜む理性は「神的意思」の延長物である限り、神の恩寵としての霊魂の不死(Immortality of the soul)が約束されると解しても当たらずと雖も遠からずでしょう。