「思考と直覚」人間の霊魂を思考/ルネ・デカルト-14(二百九十九) 猜疑心の非常に強いデカルトはあらゆるものの存在を疑い、人間の属する世界の「実体・本質」的存在が何であるかを考察するアリストテレスの流れをくむ「存在論」はもとより、人間を含む諸存在が、究極的にはどこに向かって亦何を目指し、何ものを達成且つ実現すべく存在しの活動しているのかを考察する「目的論」さえ放逐し、コペルニクスやケプラー及びガリレオ・ガリレイの先駆者の思考を体系化し、宇宙内存在を天候や地形、生命などの諸々の自然現象として捉え、人間に属する心や精神や意志、霊魂などの概念を用いずに、要素の決定論的な因果関係のみで解釈する世界が物質と運動からのみ成り立ち、それ故に、世界は物質的に統一されている。此の統一的な世界には物質的な要素としての実体の他には何者も存在しない。宇宙の汎ゆる体系が、機械論的な法則其のものの経過を経て誕生した。即ち、世界自然は一つの機械装置であり、人間の生物としての特異点はないとします。此の思想は特に巧みで説得力があったので、多くの信奉者を生み出し、ニュートンやライプニッツ等にも大きな影響を与え、それはひとつの潮流ともなり「デカルト主義」を生み出します。更に加えてデカルトが亡くなってから100年近く経った後、ジュリアン・オフレ・ド・ラ・メトリー(Julien Offray de La Mettrie/1709年-1751年)が霊魂の存在を否定し、デカルトの動物機械説を人間にも適用し、人間を精神と肉体の機械とみるデカルト的二元論よりも機械論に徹底した生命観「人間機械論」を提唱する羽目となります。其れでは、デカルトは無神論の徹底した唯物論を唱えているのかといえば、其処には疑問点が多々あります。 cap-hiroのプロフィール 哲学・思想 ブログランキングへ