{思考と直覚」人間の霊魂を思考/サルトル74/ニーチェ41 ニーチェは自らに言い聞かせるように牧師家庭に信仰に敬虔なキリスト教徒で反ユダヤ主義者の妹テレーゼ・エリーザベト・アレクサンドラ・フェルスター=ニーチェ(Therese Elisabeth Alexandra Förster-Nietzsche) と好嫌相身互いを繰り返しながら成長しますが、彼女はナチズムに傾倒、ニーチェとワーグナーを信奉する自称「画家」のヒトラーとナチ党が独逸国家権力を掌握すると見返りとして彼女がニーチェへの援助金を受け取ることとなります。此のことがなければ、ある意味溺愛する妹との葛藤は無かったかも知れません。ニーチェ自らも察知はしていたでしょう。大学教授を引退する時に一般生活には事欠かない月々の厚生年金は受け取ってはいましたが、彼の病弱の身体が一箇所に定住することを許さず、季節を求めての移動する療養生活が援助金を断固拒否するわけにもいきません。ニーチェの愛弟子が表面上は秘書として務めながら金銭的には援助をしてくれるのも感謝すればこそ精神的には参ることだったかも知れなく、ニーチェの矜持が許さずトリノの広場で泣きながら馬の首をかき抱き、そのまま発狂したというニーチェの逸話は、此のことに起因するかもしれません。片や敬虔な信徒の妹、自らも信仰を完全には捨て切れない病弱の身と自らが定義した強い「虚無主義」との間の葛藤が発狂する素因だとも考えられます。ニーチェを経済的に支え世に知らしめたのは妹テレーゼだというのも皮肉です。何より彼の親愛した楽曲の英才ワグナーとニーチェを溺愛するのが画家を目指したナチの指導者ヒトラー総統となるのが更なる皮肉となります。 cap-hiroのプロフィール 哲学・思想 ブログランキングへ