「思考と直覚」時間と霊魂61 時間の進行を速め・遅速させ・停止させるという仮想は、今現在に始まったことではありません。例えば、ウラシマ効果、英語ではRip van Winkle Effectとなりますが、此れは専らサイエンス・フィクションの世界だけではなく、物理科学的には原則理論では光速度に近い速度で運動している系の時間の進み方は、静止している観測者に比べて遅くなり、亦、光速度の99パーセントで進む宇宙船内の時計は静止系の約1/7の速さで進むために、宇宙旅行から帰ってくると地球上では驚くなかれ約7倍の時間が流れている。名称はこの現象を浦島太郎の説話になぞらえたもので「ウラシマ効果」と呼ばれることになります。其の西洋版とも云えるワシントン・アーヴィング作の寓話リップ・ヴァン・ウィンクルも旅先で出会った小人に酒をご馳走になります。あまりに美味しいお酒なので、飲み過ぎて寝てしまい、目覚めると数十年経ってしまっていた、中国では邯鄲の夢は其の逆バージョンでしょう。事程左様に「場」による時間の経過の相違」は語られる寓話でしたが、現代では物理科学の技術が向上すれば、理論的には何ら不可思議ではなく定説となります。往年に放映されたアメリカン・ヒーローのスーパーマンや日本のTVの少年ジェットは時間を操(あやつ)ります。時間観想は人間に夢や幻滅を付与する「何かしらの」ちからを秘めています。人間の内世界には肉体以上に精神内の世界に眠る霊魂が時間を求めて止みません。外世界では時間の流れが運動量の変化であろうとなかろうと、別段のことはありません。然し乍ら、人間は未来から来たりて現在を経て過去に流れる時間。過去から現代を経て未来へと移動する時間なしでは持続した自己意識さえ持てるかどうかは確証できません。