「霊魂論」エチカ詳解348(生と死179) H.ドリーシュの新生気論に次いで、それまでの生気論と機械論を止揚するものとして生体論を唱え、これをさらに精密に理論づけた一般システム理論により生物をとらえようとしたオーストリアのルートヴィヒ・フォン・ベルタランフィ(Ludwig von Bertalanffy/1901年-1972年)は生体論(有機体論)を唱え,生命現象に段階的発展を認め,変化と発展とが生命の本質であるとします。一般システム理論という新しい思考法が、物理学ではなく生物学から生まれたのです。20世初頭の生物学は機械論と生気論論争の最中にありました。機械論というのは、人間の心臓の機能は何か、脳の機能は何かというように身体を機械のように説明すること。つまり生物体は細胞の集合体であり、細胞はコロイドと有機分子の集合体であり、行動は無条件反射と条件反射の総動である等々です。但し、此の事をもって何故生命体が組織として維持されるのか、個体や種族の維持のため何故各種の調整機能があるのかの解答は得られません。此の疑問に生気論は霊魂に類する因子を持ち込み、機械化論では、生命体が崩壊せずばらばらにならいで、秩序を保ち、自己複製化する説明は不可能事でした。霊魂の存在を前提とすることは科学としては挟持かとしてもできません。しかし機械論で生命の仕組みは説明できても、どうして存在し得ているのかという根本の疑問に答えることができない。L.ベルタランフィは生体論として「有機体論」を唱え,生命現象に段階的発展を認め、変化と発展とが生命の本質であるとします。