時間の陥穽80 熱力学第二法則があるとすれば、当然に熱力学には第一法則がある訳で、熱力学の第 1 法則 (the first law of thermodynamics) は、「熱はエネルギーの一種であり、 熱を仕事に変換すること、若しくはその逆も可能である」というエンタルピー(enthalpy)、エネルギーの次元をもつ熱力学的な状態量。内部エネルギーをU、圧力をp、体積をVとしたとき、エンタルピーHはH=U+pVによって定義される。圧力一定という条件での平衡状態は、エンタルピー最小の原理によって決定されるが、これは「エントロピー」をSとするとdH=TdS+Vdpの関係式が成立することから導かれる(Tは絶対温度)。エンタルピーという言葉は、1909年カメルリン・オンネス(Kamerlingh Onnes)によって、温まるという意味のギリシア語enthalpeinにちなんで命名されたもので、一定の外圧のもとで系が吸収する熱量を表すために用いられたものであり「エントロピー」とは別物です。物理化学でおなじみの「エントロピー」と「エンタルピー」、なんとなく概念は理解できたけれど名前が似ているので区別が難しいのも事実です。熱力学においては、単純に云えば受け取った熱量の事をエンタルピーと呼称するのです。簡単で簡素に云えばエンタルピーは物体の持つエネルギー。エントロピーは熱量を温度で割った値で「乱雑さ」を表すとしますが。此れを宇宙に当てはめれば宇宙が膨張収縮を繰り返すならばエンタルピー、崩壊に向かって宇宙構造そのものが無くなるならばエントロピーに向かっていると云えます。「時間」は方向性を持つのか、両方向の性質を帯びるのか、将又、空間性を帯びるのか。「時間子」の存在確認が予想されない以上、時間は物理科学においても存在を否定しようにも其れで成り立ち、肯定しても実相を観覧させえない不合理性を抱えた難物です。