時間の陥穽273 重ねて宇宙マイクロ波背景放射(Cosmic Microwave Background)を問います、簡略すれば、宇宙マイクロ波背景放射とは宇宙誕生後約37乃至38万年の宇宙の状態を私たちに伝えてくれる光子のことです。 ビックバン宇宙論に拠れば、宇宙の初期は非常に高温、高密度であったと考えられ学会に認証されています。この宇宙誕生の初期時、電子と陽子は結合した状態を保っていられず、宇宙空間は気体を構成する分子が電離し陽イオンと電子に分かれて運動している状態でありプラズマ状態にあります。また、光子と自由電子はトムソン散乱により互いに強く相互作用をしています。然し乍ら、宇宙が膨張するとともに必然的に温度が低下するので、宇宙年齢約38万年頃には自由電子と陽子が結合して水素原子が形成されています。この時点では、宇宙空間に自由電子が殆どなくなるので、トムソン散乱も起こりにくくなります。これにより、光子は自由電子に散乱されることなく宇宙空間を伝播することができるようになります。この水素原子形成の時代を「宇宙の晴れ上がり(clear up of the Universe)」または「再結合期」と呼びます。光子は最後に散乱をしたこの時期から約138億年をかけて地球に到達するのです。当然に、地球に到達した頃には、宇宙の膨張により約3Kまで温度が下がっています。この非常に低温な放射は、マイクロ波と呼ばれる波長で観測されるので、この光子のことを宇宙マイクロ波背景放射と称しているのです。